Rewrite if   作:ゼガちゃん

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非日常②

「という訳で不思議を探しに行くぞ!!」

「どういう意味ですか?」

「十分な説明を要求する」

放課後。

仲良く教室を出ようとした小鳥とちはやを呼び止めた。

そして先程の昼休みにあった出来事を説明し、不思議探索の協力要請を願ったのだ。

「だから、俺と一緒に風祭に隠された不思議を探そうぜって話だ!!」

「いやいや。そうじゃなくてですね。何で瑚太朗は私達も手伝う前提で話を進めてるんですか?」

ああ、なるほど。

唐突に依頼されて困惑しているんだな。

確かにそれなら無理もない。

きちんと理由も教えてやらなきゃ。

ちはやと面と向かう。

そして、ちゃんと手伝って欲しい理由を告げる。

「お前が(魔物使いとしての力が)必要なんだ」

ボボボボボンッ!!

ちはやの頭から瞬間沸騰したヤカンみたいな湯気が立ち込める。

顔も心なしか赤い。

「な、ななな!!」

ふむ、やっぱり困惑しちまうか。

なら仕方ないな。

小鳥とも仲良くなって欲しいし、ここは女子2人で遊ばせてやろう。

「無理なら仕方ないな。まあ、何か不思議な出来事を見付けたら教えてくれよ」

さっさとその場を立ち去る。

やっぱ1人で探索は寂しくなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、1人寂しく街に出掛けてみた訳なんだが……

「何かある訳がないか」

がむしゃらに回っても何がある訳もなかった。

というか以前は適当に歩き回るだけで非日常のど真ん中に放り込まれてたのに……。

いや、放り込まれないのが普通なんだけどさ。

「そろそろ進展あっても良くね?」

こうなると俺の好奇心は止まらない。

止まらないんだぁぁぁあああああっ!!

「森にでも行ってみるか?」

こっちに来てから篝作の心霊現象は起こる事もなかった。

「……」

メリットとデメリット――どちらが大きい?

俺は今ガーディアンともガイアとも無関係の一般人だ。

それから生まれるデメリットはない。

どちらにしても組織の内部へと食い込んで、状況を逐一知る事ができる。

デメリット――というよりも問題は今ここで正体を晒す事が正解であるか否か……その違いだ。

篝と敵対する事になれば失敗。

世界は滅亡へのカウントを止めない。

あいつと敵対関係になりそうなら――先に会ってみるか。

今日の不思議探索は森にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰り、十分な準備をして森に足を運んだ。

最初は道があって、歩みは止まらなかったものの、奥まで進むと気付けば木々が空を隠してしまっていた。

それでも目的地までは遠い。

いや、そもそも辿り着けるのかという疑問が沸く。

確かに篝は居るだろう。

けど、俺と会ってくれるか?

少なくとも俺と篝に面識はあるはずだ。

俺の分岐点とも言える大怪我に篝は関わっている。

良い印象を持たれた覚えもない。

捕まえようとしてたしな。

「あ〜、あと1時間したら帰るか」

草も俺の身長まである。

魔物やら魔物使いに遭遇したら面倒だしな。

探索は更に慎重になる。

音を起てないようにするのは環境上難しく、大木の陰に身を潜めながら進む。

ペースは落ちてしまうが、変な奴らに会うよりはマシだ。

「……あれ? 待てよ、確かこの先って――」

篝に会いたいが為に適当に進軍|(単身だけど)したら見覚えのある場所に出た。

「こいつは……」

濁った虹みたいな沼。

水質汚濁の見本みたいなものだと思えた。

確かこの沼は俺の――いや、篝の力か。

「近くに篝が居るのか?」

いや、そうとは思えない……な。

でも探してみる価値はあるか。

「よっしゃ!!」

気合いを入れ直し、宛もない森を歩いていく。

 

 

 

 

 

 

「やっぱし見付からないよな〜」

あれから1時間近くは休まず歩いたが、成果はなしだ。

これ以上は何も得られないだろうと思い、踵を返した時だった。

そこには得体の知れない化け物――魔物が居た。

姿形はとても人間のものではない。

例えるならば、鬼だ。

絵本で連想されるものと大差ない。

さすがに縞パンは穿いていないが、棘が至る所に付いたこん棒は持っていた。

初めて見るタイプだ。

少なくとも、どんな攻撃を仕掛けて来るかは想像するに困らない。

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

鬼の咆哮が上がる。

こん棒が振り上がると――空間を裂く形で振り下ろされた。

「チィッ!!」

避けられなくはない。

横へ思いっ切り跳ぶ。

こん棒は近くの木の根を砕き、木が倒れる。

そのまま地面に月面顔負けのクレーターを作成する。

今の俺じゃ届かない。

「いや、落ち着け」

そう簡単に決め付けるべきじゃない。

事はそう難しくないはずだ。

冷静に対処しろ。

道は見えて来るはずだ。

いや“すでに見えてるはずなんだ。”

 

鬼とは言え体型は人間がベースのはずなんだ。

だったら弱点は心臓――つまり、

「左胸だ!!」

ワカメ……もとい、オーロラブレードを展開する。

しかしフニャフニャとしたものではなく、鋭い剣の形を強くイメージする。

同時に、鬼もその巨大なこん棒で襲い掛かってくる。

「ぐっ!!」

右から左へ振るわれるこん棒。

それをブレードで受け止め――いや、駄目だ。

こん棒がブレードに当たる寸前に真後ろに跳んだ。

ブレードはそこまで強固な造りをしてはいない。

恐らく、あの威力のこん棒にへし折られる。

これだからパワーファイターは嫌なんだ。

下手すりゃ身体ごと潰されておだぶつだ。

くそ。攻撃は一撃で倒すしかねぇ。

急所さえ突けばあの鬼は倒せるはずなんだ。

なら――一気に片を付けてやる!!

足に力を入れて、鬼に飛び掛かるように向かっていく。

鬼も近付かせまいとして、こん棒を振り回してくる。

威力が大きいのは認める。だけど、当たらなければどうという事はない。

単調過ぎる動き故に避ける事も容易い。

鬼の懐にたどり着くのは簡単であった。

「これで――」

ブレードを心臓めがけて、

「終わりだ!!」

突き刺した。

簡単に心臓を貫き、そして鬼は光の粒子となって消える。

「でも、この奥にまだ何かあるってのか?」

分からない。

でも探索の必要があるな。

「ここまで来たらやってやるよ」

俺は勢いよく森の最深部へたどり着く為に進んでいく。

結局成果は上げられずに終わったのだが。

それにしても篝――お前とはいつになったら会えるんだ?

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