Rewrite if   作:ゼガちゃん

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日常⑨

「ふむ。どれが良いか――」

俺は今非常に困っていた。

「瑚太朗君。まだ決まらないの?」

「待ってくれ!! これはかなり重要な事なんだ!!」

そう簡単に決められない。俺の財布の中身はお世辞にも良いものではない。

「カメラを買うのって、そんなに悩むものなの?」

「そういうものなんだ!!」

これはいくら小鳥とは言え邪魔立てはさせない。カメラは今の俺にはお金を得る為の手段の一つでもあるからだ。

ああ、今の状況が飲み込めない人もいるだろうから説明をしておかなくちゃな。

普通にカメラ屋でカメラを選んでる――終わり。

あっ、うん。だってそれ以上の説明のしようがないんだもの。簡素になるのは仕方ないんだって!!

俺がカメラの吟味をしてる理由は性能の良さを取るか、値段を取るか――その二択だ。

「あら? 天王寺君に神戸さん?」

「西九条先生」

小鳥が西九条が現れた事に気付き挨拶していた。

西九条灯花(にしくじょうとうか)――俺の通う学園の静流を溺愛する先生で、ガーディアンのメンバーだ。そして、俺が篝が原因で一時的に身体の成長が止まってしまう前の同期だ。

「西九条先生……何をしてるんですか?」

「ちょっと知り合いに会いに来たのよ〜」

そんな彼女の格好はスーツ姿だった。「商談をする為に来ました」と言っても通じるんじゃないかと思えた。

「知り合いって、彼氏さんですか?」

「残念ハズレ。仕事の同僚に会いに来たのよ」

同僚? この近辺で西九条の同僚って言ったら――まさか……

「おぉ、西九条じゃん。こんなところで何やってんの?」

―――来る〜。きっと来る。きっと来る〜♪

あれ? 今妙な電波を受信してしまったような――気のせいか?

ってか、今宮ぁぁぁああああ!! お前こんなところで何してんのぉぉぉおおおっ!?

店員の格好してるけど潜入捜査だよな? そうだよな?

「なになに? 西九条ってばいつの間に子供がそんなに大きくなったんよ?」

「今宮君。言ってて楽しい冗談と不快になる冗談の2つがあるんだけど――君のはどっちかな?」

ゾゾゾゾッ!! とどす黒いオーラが西九条の背後から湧き出ていた。

ひぃぃぃっ!? ヤバいって〜!!

「ほらほら怒るなって!! 生徒の前だぜ」

「……はあ」

毒気を抜かれたように西九条は溜め息を着いた。

「それよか話は聞かせて貰ったぜ。カメラを探してるんだって?」

「あ――は、はい」

あっぶね。思わず「ああ」とか相槌を打つところだった。

「っで、どっちを買うのか迷っていると?」

「えぇ……今宮さんのオススメがありますか?」

「そうだな。俺っちなら――」

カメラをたっぷりと吟味する。そして、安い方を手に取る。

「こっちだな」

「分かりました。それじゃこっちで」

今宮が手にしたのとは違うもう片方を選ぶ。

「ちょいと瑚太朗爺さんや。店員のオススメを無視しちゃってええのかい?」

「小鳥婆さんや。それは目が曇っちょらんか? 見てみい奴のチャラい格好を。何処が店員に見えるんだい?」

「明らかに俺っちに質問したよな!?」

うるさいな〜。こっちは真剣に選んどるんじゃい。

「ははっ。今宮君の信頼の無さを読まれたんじゃない? もしくは知っていたか」

「そんなまさか」

うぅ。当たらずも遠からずか。

西九条と今宮は俺を知っている。俺は知らないはずなんだ。だけど知っているようなからかいぶりは疑いを持たれてしまっているようだ。

「まあ、そんな事はどうでもいい。このカメラが欲しいのか?」

「はい。機能性は十分ですし、効率を取って多めに払うなら良いでしょう」

「そうか――なら、俺が支払ってやるよ」

「良いんですか?」

あの今宮が奢ってくれるだと? どんな裏があると言うのだ?

「俺とお前は今から親友だ。その印って事で」

いやいや、いくら今宮相手でもそういう訳にも行かないって。

「遠慮すんな。お前は金に余裕がなさそうだしな。むしろ使わなきゃ次のボーナスお預けだから使い道ができてよかったわ」

「…………分かりましたよ」

こうなった時の今宮は決定したなら止まらない。おとなしく従うしかないのだ。

「子供はそうでなきゃな」

うんうん――と満足げに今宮は頷いた。

無事に購入は済んだが、あの後に今宮に振り回されたのはちょっとだけ先の話。

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