「部員を増やそう!!」
「「「はい?」」」
部員の少ない部活動の定番と言えば部員を増やす事だ。まあ、研究会だから部員とか部活動とかは違和感が残るんだけど。
その事に気付いた自称天才学生・天王寺瑚太朗こと俺は放課後に希代の魔物使い達に提案したのだが――何だか微妙な反応だ。
「何だよ? 部員は増やしてこそだろう?」
「それはそうですが……」
「誰か入りたがる奴が居るのかって話よ」
ちはやが言いづらそうに口をモゴモゴと動かした後に朱音が言いたい事をズバリ言ってくれた。
「そこは大丈夫ですとも。俺だって入ってくれそうな人に心当たりがありますから」
正確には俺が入部させたいってだけの話だけどな。
「心当たりって?」
「それは連れて来てのお楽しみだ。とりあえず待たせてるから、皆は茶でも啜って待っててくれよな」
さて、オカルト研究会のメンバーを揃えに行きますか。
俺が連れて来ると宣言してから1時間が経過し、
「約束通りに部員を連れて来た」
「連れて来られた」
本当はルチアにも声を掛ける予定だったんだが、諸事情により無理でした。
「やほ、静流ちゃん」
「こんにちはです」
「コトリ、ちーも。こんにちは」
いつの間に2人と仲良くなってたんだ? まあ別に困る事じゃない。むしろ静流が恥ずかしがらずに話すなんて進歩しているじゃないか。
「こんな非科学的な研究会に入ろうだなんて物好きも居たものね」
「会長、曲がりなりにもオカ研のボスなんだからメタ発言禁止ですよ」
本当、朱音のこれにも困ったもんだよ。
いくら隠れる為とは言え、オカ研立ち上げる必要なかったんじゃねぇか?
「んじゃ、静流。オカ研に入るって事で良いか?」
「瑚太朗が居るなら、喜んで入ろう」
ピキィィィンッ!!
今、世界が凍り付いた。
え? 何? 体感温度がさりげなく急激に下がった気がする。
うわわっ、ちはやから刺し殺すような視線が。あれ? 小鳥からも――
「天王寺瑚太朗おおおおおっ!!」
世界を揺るがさんばかりに声を張り上げながら、敵陣の将を討たんとする勢いで乗り込んできた兵士を連想してしまったのは内緒にしておこう。
オカ研の入口を壊してしまいそうな力加減で部屋に乱入してきたのはルチアだった。
「委員長。どうかしたか?」
「どうもこうもない!! 静流を誘拐して、あまつさえ――」
「待て待て待て!! お前はどんだけ柔軟な発送力を持ってるんだよ」
濡れ衣にも程があるぞ。今の続く言葉は恐らく――いや、やめよう。想像するだけで俺自身が傷付きそうだ。
「ルチア?」
静流がルチアの乱入に首を傾かしげる。何がどうなっているのか理解はされていない様子だ。
仕方ない。不本意ながら静流に状況説明をして貰おう。
ルチアが耳を傾かたむけるとしたら、俺より静流のはずだ。
という訳で、俺は静流に状況説明→ルチアに静流がここにいる理由を明かして貰うという方向で話を進めた。
ルチアがようやく納得してくれたようだが……終始、ちはやと小鳥が俺を睨んでいた――なんでだ?