Rewrite if   作:ゼガちゃん

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日常①

窓の外が明るい。

今は昼、そしてここは学校の廊下だ。

「よう天王寺」

目の前で我が生涯のライバル吉野と対峙していた。

「何だ? 一緒にトイレにでも行くか?」

「いや、ちげぇよ!!」

「じゃあ、何だ?」

「決まってるだろ――」

ニヤリと不適な笑みを零す吉野。

「デュエルだ」

「悪いけどデッキを持って来るのは校則違反だから無いんだ」

「ボケるのも大概にしろよ!!」

「おい、デュエルしろよ」などと言われたらバイクとカードを取り出すのが普通なんだ。

ましてや吉野は「デュエル」などと言い出すのだからそう答えても不思議に思わないはずだ。

しかし、どうにもお気に召さない様子だ。

 

「2人共仲が良いね」

後ろから声が掛かる。

「オッス小鳥」

幼なじみの『神戸小鳥(かんべことり)』。

趣味はガーデニングの一般的な少女だと“思っていた。”

「コタさんや? あたしの顔をジッと見てどうかしたのかい?」

婆さんみたいな口調で話して来る。

「今日も可愛らしいな〜と思いやして」

「あらやだ、嬉しいったらも〜」

いつもの冗談であるから勘違いはしないで欲しい。

ちなみに正史通りに付き合ってはいない。

「ちっ。興が冷めちまった」

背を向けて歩き出す吉野。

けど目的地って同じだから何とも言えませんがな。

「瑚太朗君、私達も教室に戻ろう」

「そうだな」

教室に足を踏み入れると授業を告げるチャイムが鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、現状について説明しておきたいが――ぶっちゃけ特にない。

だって気が付いた時には病院のベッドの上で篝のオーロラが右腕にあったんだ。

アクセル――書き換え能力リライターに血液操作もあった。

自覚してると意外と分かるもんだな。

小鳥の事情は聞くタイミングを逃してる。

だから、“あの事件”が起こるまでは制止。

ああ、でも井上を1人で行かせねえ。

俺が何とかできるとも思わないけど頑張ってみるしかねえ。

ガーディアンにガイアの事はきちんと覚えてる。

今の俺が記憶を無くしたフリをしてガーディアンから除籍されてるのも。

いつかは帰る必要があるけど、まだ時じゃない。

時間は短いがゆっくりと積み重ねる必要はある。

それだけ俺のやる事には責任がのしかかるからな。

 

っていうかこれだけだと俺の置かれた状況を説明してるだけで、肝心な部分を伝えていない。

肝心な部分が何かは多分察しが付いてる人はいるだろう。

俺は今までの記憶の大半を覚えてる。

けれど全員と付き合っていた時の記憶はあるのだが、細かな部分は残念ながら覚えていない。

非常に惜しい。

朱音やルチア、ちはやがデレている所を見れないのは残念過ぎる。

せっかくなんだから覚えさせてくれてても良いのに――。

コホン、まあ考え事もここらが潮時かな。

 

小鳥が学校に通えているのは実に喜ばしい。同時に『鍵』である篝の無事も伺える。

時間は放課後。

“まだ”一般人である俺が篝に会いに行くのはちょっとしたリスクが生じる。

それにまだ時期じゃない。

まずは、それよりも会わなくちゃいけない奴がいるからな。

一日の授業の終了を知らせるチャイムがなった――。

でも大丈夫だ。

日常はまだ続いてくれる。

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