Rewrite if   作:ゼガちゃん

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アサヒハルカ⑤

「ここは……?」

「おっ、目が覚めたか委員長」

あの後、ルチアを俺の家まで連れてきてベッドに寝かせた。

別にエロい事なんてしてないからなーーしたかったけど。

「私はどうしたのだ?」

「暢気だな。外で倒れてるのを見付けて俺がここまで連れてきたんだ」

「そう……なのか? 迷惑を掛けた」

言いながら起きようとするルチアを俺が制止する。

「大人しく寝とけ」

「だがーー」

「静流に連絡したら西九条先生にお前の迎えを迎えに来るように頼んでくれたから。それまで寝ておけ」

「わ、分かった」

それから数分後には西九条がルチアの迎えに来てくれた。

ヨロヨロとした動きで立ち上がりながらルチアは玄関へ向かう。

車には詳しくないけど、随分と高そうなものを購入しておいでですね。

おっと、いけねぇ。

「委員長!!」

車に乗り込むルチアの背に近所迷惑も考えずに叫ぶのだった。

「俺はお前が家に来て迷惑だなんて思っちゃいない。むしろ、すっごく嬉しかった」

「なっ、なななな!! 知らん!!」

顔を真っ赤にさせながら、ルチアは車に乗り込んだ。

西九条はクスクスと笑いながら、今のやり取りを見ていた。

悪趣味な。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、最近は神の見えざる手が働いている気がする」

言いながら、俺はとある教会に来ていた。

そう、そこはアサヒハルカが暮らしていた教会だ。

証拠も十分|(というか、前回と全く一緒だったので考える必要もなかった)、アサヒハルカとの直接対決に挑む。

まあ、深くは考えないでおこう。

俺の胸の内をさらけ出してやる。

「出てこいよアサヒハルカーーいや、此花ルチア」

教会に響き渡る位の声量で言った。

応えるようにルチアは俺の前に現れた。

「どうして天王寺がここに居る?」

「そりゃ、こっちのセリフだ。委員長こそ、なんだってここに居るんだ?」

しかしルチアは答えない……いや、違うか、

「答えられないなら、代わりに俺が答えてやる。お前はここに暮らしていたんだ、アサヒハルカという名前で。

 そこで俺がお前について調査してるのを知ったから近付いて、調査に協力的になった。その中でここへ辿り着かないように呪いと証した事件を起こした」

それは窓ガラスが割れるなどの些細な事であるが、重要な点があるんだ。

「けど残念。この近辺を離れた奴には呪いは届かなかったんだぜ?」

「反論しよう。そもそも何故私がアサヒハルカだと断言できる?」

「こいつだよ」

俺は教会の壁に貼られている写真を指差した。

しっかし、律儀に未だに貼ってあるとは思わなかったよ。

「ここに写ってるのはルチアじゃないか?」

「…………他人の空似の可能性だって」

「って、逃げようとしたって無駄さ。ネタは上がってるんだ」

 

俺は用意しておいた資料をルチアに見せる。

「こいつはアサヒハルカがここにいた時の資料だ。そしてーーこっちはアサヒハルカが次に訪れた先の名簿だ」

探せば出てくるもんだな。

正直驚いたぜ。

「アサヒハルカが此花ルチアに変わっていたんだ。これが偶然か?」

「分かった。認めよう。私は此花ルチアであり、アサヒハルカだ」

「正解して何よりだ」

良かった〜。これで違ってたら眠らされる前の探偵さんだよ。

「しかし、私が呪いを起こしていたのはーー」

「事実だろ?」

俺があっさりと呪いを肯定した事にルチアは面喰らう。

「自分でできない所には振動装置なりを使って。自分の届く範囲は自分自身が行ったんだろ? 石を投げるなり……自分の能力を使うなりして」

「天王寺……お前は何を知っているんだ?」

「知っているーーって言うか、覚えてるって言うか……」

俺も回答に困る。

何て言えば良いんだ?

ま、まあともかくだ。

「調べてる内にお前がどんな苦しみを抱えてるかも、何で手袋をしてるのかも知っちまった」

「そう、か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜Interlude〜

Side:ルチア

「そうか……」

バレてしまったか。

天王寺は変に鋭い。

調査というのがどの程度まで行っているのかは私にも分からない。

「お前は私の事を聞いたのだな?」

「ああ。研究の為にその身を犠牲にした事も」

別に驚いた様子もなく、天王寺は淡々と告げた。

「じゃあ、ここからはアサヒハルカとして話そう」

知られた以上、隠し立てしていても無意味だ。

ならば、全てを吐き出してしまおう。

「私は呪われた存在だ」

「確かにな、否定はできない。アサヒハルカの能力は呪われているに等しい」

天王寺はストレートに言ってくれる。

そうなるといっそ清々しい。

「けど、さ」

天王寺はまだ言いたい事があるのか、言葉を続ける。

「そんなお前を俺は受け入れるーー受け入れてみせる」

胸を張って、天王寺は堂々と宣言してみせた。

 

〜ルチアSide Out〜

 

 

 

「そんなお前を俺は受け入れるーー受け入れてみせる」

逃げはしない。

真正面からルチアに向き合うんだ。

「しかしだな、お前の身体は私の毒で確実に蝕まれているんだ」

ああ、そういえばこの教会にはルチアの毒が充満していたんだな。

なんとなく身体がダルい気がしてきた。

「大丈夫だ。少し待ってろ」

ルチアは何の事だと首を傾げていたが、気にする余裕は微塵もない。

さあ、身体を書き換えるとするか。

ルチアの毒を受け入れられる位にーーもっと丈夫な身体に書き換えろ!!

迷うな、これは誰かの為にアクセルを踏み込むんだ!!

やがて、書き換えは終了した。

「さて、終了っと」

「終了って、なにがだ?」

「こういう事だ」

ルチアの手をおもむろに取ると手袋を外して、それを握る。

「馬鹿、天王寺そんな事をしたら……」

「大丈夫だって。見てみろよ」

俺の手を恐る恐る見るルチアも可愛らしーーゲフンゲフン、話は逸らさないようにしなきゃ。

「平気……なのか?」

「あたぼうよ。なんたって、地球救済ハンター天王寺瑚太朗さんやで? お前さんを救えなくてどげする?」

「あらゆる方言が入り交じってるが……」

「気にしない方向で。ってか、話が脱線してるぜ」

「本当に本当に本当に本当に平気なのか?」

「ああ、平気さ」

「そ、そうか……」

ぎゅっと俺の手を強く握り締める。

人肌がとても恋しいのだろう。

「ルチア……」

俺は思わず、ルチアを抱き締める。

「大丈夫だ。これからは俺がずっと一緒に居てやるから」

「天、王寺」

 

 

 

 

「は〜い、残念だけど一旦はここで終了ね」

 

 

 

 

バっと互いに離れる。

それはさながら磁石のようだ。

突如現れたのは宇宙服よろしく分厚い格好をした人達が居た。

「大丈夫。味方だ」

「さいですか……」

分かっていても警戒心剥き出しになっちまう。

「とりあえず、一緒に来てもらっても構わないかしら?」

ここでNOと高らかに言いたいが、そうもいかなそうだ。

やれやれ、ガーディアンに関わる日が来ようとは……

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