Rewrite if   作:ゼガちゃん

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ちょっとキャラの性格が違うかも

同じようには書いたんだけど……


日常②

「ヤバい。遅刻だぁぁぁぁああああ!!」

オッス皆。俺は天王寺瑚太朗。

ちょっと特殊な能力がある事を除けばごく普通の高校2年生さ。

冒頭一文目を見て分かる通りに遅刻寸前で絶賛ダッシュでマラソン中だ。

通り掛かりで白い髪の兄ちゃんに「ラーメンセットはどこで売っている?」と聞かれたが全力で無視。

あと5分で授業が始まる。

そして今居る位置から教室まではおよそ10分以上は必要とする。

つまりは――

「諦めるが正解だな」

「諦めるなよ!!」と神様から言われた気がするが、世の中はそんなに甘くない。

物理的に不可能なものは不可能なのだ。

俺はその現実を受け止めるだけさ。

まあ『書換能力(リライト)』を使えば可能だけど――今はまだ乱用したくないし、今のままでも常人の域から脱してるから止めておこう。

のんびりと、それこそ時間を掛けて登校した。

1時間目の授業が始まった頃に校門に到着する。

「痛っ〜」

「ん?」

声のした方へ視線を向ける。

そこには懐かしい奴がいるではないか。

トレードマークの羽のヘアピンをした長い髪の少女。

『鳳(おおとり)ちはや』だ。

周りを見ても咲夜の奴はいない。

あいつ、ちはやの執事だろうに。

まあ、良い。あいつを放っておく事は俺の精神衛生上悪いからな。

 

「お〜い、どうかしたのか?」

「えっ!? あっ……いや〜」

口ごもるちはや。

確か信じがたい事が起こったんだったな。

ちはやも口ごもってる事だし、聞かないでおいてやるか。

どうにも恋人同士だった頃の記憶がチラついて甘くなる。

「今助ける。もう少しだけ待ってろ」

「は、はい」

とは言え、どうしたものか。

梯子は静流に言えば何とかなるだろうけど、授業中のあいつを呼び出すのは気が引ける。

梯子の場所は知らないから無断で借りれないし。

となると――

「自力で助けますか」

かといって、今の俺にはちはやを助けられるだけの力はない。

なら、ほんのちょっとだけ。

スプーン一杯分で十分だ。

たったそれだけの命を削って常人を超えられる。

力は躍動し、力が書き換えられるのを身体で感じる。

ちはやのいるてっぺんまでよじ登る。

「大丈夫か?」

「何とか〜」

とは言え、足の踏み場もない。

ならば一つ下の枝に降り立つ。

むろん折れないように注意を払いながら。

「腕、伸ばせるか?」

「は、はい――」

結構従順だな〜と場違いな事を思いながら、ちはやは身体を下の方へ向けて手を伸ばしてくる。

俺はそれを掴むと、ゆっくりとちはやをこちらへ引っ張る。

打ち合わせもしてないのに黙って従ってくれるのにちょっと嬉しさがあったりなかったり。

「さて、行くぞ」

「え?」

身体が半分ほど降りてきたところで一気にこちらに引っ張ってお姫様抱っこをする。

そこでミシミシと枝が折れかけているのに気付き、即座に飛び降りる。

 

強化しといて良かった〜。

してなきゃ足が痺れて悶絶してた。

「怪我とかしてないか?」

「おかげさまで」

「そうか。それは良かった」

本当に良かった。

思わず笑みを零す。

「――////」

ちはやの顔がどことなく赤くなった気がするが……気のせいか?

「あの、そろそろ降ろしてくれませんか?」

「あ。すまん」

お姫様抱っこしてたんだよな。

そりゃあ恥ずかしくもなる訳だ。

「い、いえ……謝らないで下さい。助けて貰ったんですから」 

「気にするなよ。助けたくて助けたんだからさ」

「お礼と名前を教えるのがまだでしたね。私は鳳ちはやって言います。助けてくれてありがとうございます」

「俺は天王寺瑚太朗。瑚太朗で良いぞ」

「じゃあ、私もちはやで良いです。よろしくです瑚太朗」

ちはやはそう言って満面の笑みを向けてくる。

う……うむ、前回はからかってばかりだったから優しく接したらこうなりましたか――。

「ところで見慣れない制服だけど転校生なのか?」

「はい。ちょうどこれを持って職員室に行こうとしていました」

ちはやは転がっているダンボール箱を指差す。

一体何が入ってるか気になるが……聞かないが正しいだろう。

「せっかくだし職員室まで案内してやる。荷物も俺が持つよ」

これくらいなら俺でも持てる。

肩に担ぐようにダンボールを持ち上げると先に歩き出す。

「そ、そんな悪いですよ」

謙虚な事にちはやは申し訳なさそうに言ってくる。

「そう言うなよ。男ってのは可愛い女の子の前だとカッコイイ所を見せたいもんなんだよ」

「か、かわっ――!?」

トマトケチャップを塗られたように赤くなるちはや。

あれ? 無意識に何か変な事を言っちまったか?

「じゃ、じゃあお願いしますね」

「ああ」

 

 

ちはやとは仲が悪くなることもなかった。

その代わりに遅刻した事を理由に教師陣に絞られたのは言うまでもない。

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