アサヒハルカの事件を終えて、俺とルチアもいつも通りの日常に戻りはした。
戻りはしたのだが……これもいつまで続くのかは分からない。
近い未来にガイアとガーディアンのいざこざがある事を知る俺としては何とかしたいのは山々だ。
だが、残念な事に俺は忍者ではあるまいし1人しか存在していないのだ。
できるなら篝と再会し、打開策を打ちたいところではある。
「おや? 瑚太朗君や、どうかしたかい?」
「小鳥か……」
どうやら情けない姿を晒してしまっていたようだ。
何にしても今は教室であるのを失念していたのは疲れのせいか?
まあ、ぎるに付き合って格闘ゲームでハッスルしてるのは認める。
「何だかいつもの瑚太朗らしくないですよ」
後ろの席に座るちはやも俺の様子に異議を唱えたいらしい。
ふむ、確かに悩んでいるのはらしくないが……
「時にちはやよ、お前から見た俺ってどんなのだ?」
「え? そりゃあカッコーーのんびりしてるところとか?」
何か言い欠けて止めていたが、どうにも良い予感は感じ取れなかったので聞き出すのは止めておこう。
「っで? 瑚太朗君は何で悩んでたの?」
「な〜に、国の行く末についてちょいとな」
適当に言い繕ってお茶を濁すしか俺にはできない。
ちはやは気付かず、小鳥はこちらの事情を察したのか問いては来なかった。
「瑚太朗が国の行く末を案じるとはーー槍でも降るんじゃないか?」
俺の発言に乗っかって来たのはルチアだった。
「その言い種は酷いぜルチア」
「いやいや、それは仕方ないんじゃないかな? 瑚太朗君はそんな感じだし」
どんな感じだよ?
「それより、いつの間に此花さんと瑚太朗は下の名前で呼びあう仲になったんです?」
ちはやさんや、普段は鈍いのに妙なところで鋭いから嫌になるよ。
心なしかちはやと小鳥の表情が険しいんだけど……気のせいか?
「ちょっとあってな」
何にせよ詳しくは伝えられないから、完全にはぐらかすしか俺にはできない。
放課後に時間は進む。
「コタローは居るか?」
珍しい客が教室に訪れた。
「静流ちゃん? 瑚太朗君に用なの?」
「コトリか。そうだ、コタローは居るのか?」
「どうかしたか?」
俺の名前を呼ばれたからには黙っている訳にもいかない。
「ちょっと話がある。一緒に来て欲しい」
「まあ、構わないぞ」
帰り支度は済ませていたので準備には手間取らない。
「今日は部活は無しかな。悪いけど会長に俺と静流が出られない旨を伝えておいてくれ」
「分かったよ〜。行ってらっしゃい」
小鳥に手を振って、俺達は教室を後にした。