Rewrite if   作:ゼガちゃん

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運命の分かれ道②

「っで? 何で俺は西九条先生の車に乗ってるんだ?」

正確に言えば俺と静流の2人が西九条の車に乗っているのだが……まあ、そんな事はどうでも良いか。

後部座席に2人で並んで座る。

「静流ちゃんから聞いてない? これから連れていきたいところがあるって」

「まあ、聞きましたけどーー具体的にどこへ連れていくつもりなんです?」

まさか急にNASAなどと言うまい。

前回の記憶通りなら静流の家だけど、俺はまだ静流がガーディアンの一員なのを聞いてない。

「その前に静流ちゃんから話す事があるんじゃない?」

「そうだな。コタロー」

静流が俺を見る。

う、うむ……何だか照れ臭いな。

「私はガーディアンなんだ」

「そ、そうなのか? そうは見えないんだけど……」

「コタローは人を見た目で判断するのを止めるべきだ」

「それよりも静流ちゃんがガーディアンなのに驚かないのね?」

「ガーディアンのメンバーも街に居るようでしたし、学校にルチアに西九条先生の2人も居ましたから他に居ても不思議はないな〜って思いまして」

これ以上尤もらしい台詞もあるまいて。

「ひょっとして、静流がガーディアンなのと関係があるのか?」

「へえ、意外と勘が鋭いわね」

西九条の言い方は俺の発言を肯定している。

「これから行くのは私の家だ」

静流が横で俺にも覚えがある展開を口にしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

着いたのは海岸沿いの街だった。

俺と静流は西九条を残して街を歩く。

「着いた」

静流が指差した先には一軒家があった。

「近寄らなくて良いのか?」

「ここで良い」

あれが静流の家なのだろう。

だが、距離は何メートルもある。

2階のベランダの窓が開いた。

洗濯物を干している女の人がいた。

髪の色が静流と同じだし、目元も静流にそっくりだ。

「お母さん……」

ポツリと、隣で静流が呟いた。

俺は何も聞かずに静流の母親を見ている。

「行こう、コタロー」

まだ何か言いたい事が、伝えたい事があるだろ?ーーそう続くはずの俺の言葉はなかった。

「なあ、良いのかよ?」

自分の家に背を向ける静流。

その間際に静流の悲痛な顔が見えてしまった。

知らず知らずの内に拳を強く握りこんだ。

「良いんだ。みんな……私の事を忘れているから」

「どういう意味だよ?」

問い掛けると、静流は近づいてきて指を俺の額に当てた。

「コタロー、私の名前は?」

「何を言ってんだよ、お前の名前は……」

そこまで言い欠けて出てこない。

そうだった。そういう毒を作り出す能力があったんだ。

やがて指が離れると静流の名前を思い出した。

「コタロー、私もルチアと同じ能力者なんだ」

そして、静流は哀しさを滲み出した表情で告げる。

「教える。私が何者なのかを……」

先程よりも一層の悲哀に満ちた目で俺を見てーー告げるのだった。

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