Side:Other
「ただいま」
「お帰りなさい瑚太朗さん」
「おう!! お帰り!! 早速ゲームしようぜ!!」
瑚太朗が帰宅し、それを出迎えるは同居している妖精2人だ。
2人の笑顔は温かく、瑚太朗も知らずに笑みを溢してしまうのだが。
「悪い、そういう気分じゃないんだ……」
瑚太朗の疲れきった声音に2匹も気が付いた。
「どうかしたのですか?」
「オレ達に出来る事ってあるか?」
ぱにとぎるの心遣いに瑚太朗は嬉しさを感じずにいられるものか。
「ちょっと、な。大丈夫だ。明日にはいつも通りさ」
心配をさせまいと精一杯の笑顔を振り撒いた。
「そうか。でも何かあったら言えよな!! オレが協力するからさ!!」
「それは私もですわ!! 瑚太朗さん、何かありましたら遠慮なく言って下さい」
「ありがとう。2人とも」
それは瑚太朗の素直な気持ちであった。
食事を取り、瑚太朗は早々にベッドの仰向けに寝転んでいた。
ぎるとぱにも心配をしていたが、瑚太朗自身が「何でもない」と言うものであるから特別に何かを言う事ができない。
そんな中で瑚太朗が考える事と言えば先程の静流との会話の内容である。
彼女から聞いた内容は以前と変わらなかった。
ガーディアンに入った理由を聞き、自分は何て声を掛けるのが正解だったのか?
いや、むしろ声を掛けるのが正しいのかも怪しいものだ。
そんな思考が先程から彼の周囲を回っていた。
「はあ……」
だが、第一に天王寺瑚太朗に何ができたと言うのだろうか?
黄昏ているのは構わない。
しかしながら皆の悲しい運命を書き換える事を決めたのだから、いつまでもウジウジはしていられない。
(そう、だよな……)
朱音の最初の問いに『世界も自分も変えてみせる』と答えてしまったのだ。
今更引き下がれるのか?ーー答えは否だ。
天王寺瑚太朗は傲慢な性格だ。
全てを救うーーそれは子供の絵空事な夢を追い求めているに過ぎない。
ギュッと拳を握り締めて前へ……天井に向けた。
(元から引き下がるつもりなんてない。俺が目指すべきはただ一つだ)
ウジウジするのはここまでだ。ゴチャゴチャとあれこれ考えるのもここまでだ。
世界が悲しい運命を与えるというのなら、ここから先は天王寺瑚太朗の書換能力リライターがその運命を変えてみせる。
瑚太朗の目に活力が戻ったのを見届けて、ぎるとぱにも顔を綻ばせていた。
そして、決意を改めて認識した夜は更けるーー。
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