Rewrite if   作:ゼガちゃん

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運命の分かれ道⑤

俺は今1人で部室のパソコンを使って、ネットの掲示板を眺めている。

「ヤバいな……」

記憶に朧気にある血を吸う巨大なミミズが脳内で映像化されていた。

理由は今見ている掲示板に一家揃ってミイラ化した死体を見付けたというものだ。

「これは森に行って殺しておかないと犠牲者が増えるな」

「殺すって……穏やかじゃないわね」

「そりゃ犠牲者が出てるんですから穏やかになんてーー」

そこまで言い欠けて、俺は誰と話しているのかという疑問に辿り着いた。

恐る恐る声のした方を見るとーーオカ研メンバーが揃っている。

「コタロー」

静流さんや、音もなく近付くのは止めて下さい。

「何か見付けたのか?」

小さな声で、静流は聞いてきた。

ガーディアン絡みであるのか?という質問だろう。

一瞬だけ迷ったが……俺は無言で頷いた。

「ふむ、それなら私はコタローと一緒に森へ行こう」

「私も行くよ」

「なら、私も行きます」

「静流だけに行かせはしないぞ」

「はあ……面倒だけど行くしかなさそうね」

「えっ!?」

静流、小鳥、ちはや、ルチア、朱音が続けざまに言う。

それには俺が驚いてしまう。

有り難い申し出だ。それにこれを利用すれば物語は一気に進む。

だけど……分かっていて俺は自ら居場所を壊すのか?

いや、違う。壊そうとするんじゃなくて繋ぎ止めるんだ。

「なあ、皆はオカ研が好きか?」

俺の質問に全員が口を揃えて「もちろん!!」と力強く返された。

なら、俺にできるのはーー

「それなら明日行くか」

その想いを、皆を、繋ぎ止める事だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺達は森の中を歩いていた。

とりあえずは不思議を発見しようという名目の下で森の中を探索していた。

先頭を俺とルチアが、続く形で静流に小鳥、ちはやと朱音が歩く。

「見付からないな」

「ああ、そうだな……」

隣を歩くルチアに相槌を打つ。

ガーディアンに所属している事を知っているので、ルチアと静流だけには巨大ミミズの事を話していた。

見付けるなら早めにしないとーー

「コタロー、少し休憩しよう」

静流がそう提案する。

俺はいつの間にか焦って歩くスピードを上げていたらしい。

小鳥や朱音は体力がないのだ。

「そうだな」

ちょうど大きめの岩と木の根がある場所にいた。

「皆、ここで休憩を取ろう」

「賛成〜」

ヘロヘロの様子で小鳥は賛同し、朱音は汗をかいている。

くそっ、皆の様子に気付けていない時点で俺は失格だ。

 

 

 

 

 

 

 

「天王寺」

1人で木の根で座って休んでいると朱音が神妙な面持ちで近付いてきた。

「どうかしたんですか?」

「これ以上は進むとまずいわ」

朱音のそれはアドバイスというよりは警告に近かった。

「ここら辺は私の権力の届く範囲だから何とかなってはいるの。だけど……そこを離れると話は別よ」

「会長にはそれだけの権力が備わっているんですか?」

「詳しい事は言えないけど、その通りよ」

こっから先は加島桜の所有地であるって事かな。

「分かりました。それなら会長の権力が届く範囲まで行って、収穫が無さそうなら引き返しましょう」

朱音を困らせたくはないが、巨大なミミズを放置してもおけない。

「会長がタイミングを計って引き返すように言って下さい。俺も乗っかりますから」

「了解したわ」

できれば収穫を得て帰りたいができるかな?

第一に何処へ行けば良いのか分からないって言うのに……

ーーーこちらです。

突如、俺の脳裏に“誰か”の声が響いた。

いや、疑問を抱く必要性なんざ少しもねぇよ。

立ち上がり、俺は周囲を見渡した。

ーーー今、あなたが進むべき道を私が示してみせましょう。

声は俺にしか聞こえていないようだ。

全員が俺を見て首を傾げている。

 

しかし、俺には皆の疑問に答える暇はない。

声のする方に耳を澄ませる。

「こっちか……」

無意識に、俺は歩き出していた。

「あっ!! 待ってよ瑚太朗君!!」

小鳥達が慌てて立ち上がって、俺の後に付いてくる。

待っててくれ、篝ーー。

 

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