「助かった。サンキュー2人とも」
俺はオーロラブレードを消しながら2人に声を掛けた。
「大丈夫だ。問題ない」
眼帯を外した静流は久々に見た気がする。新しい世界に来てから眼帯の話には触れてなかったっけか。
「瑚太朗……まだ敵が居るかもしれない。私達から離れないでくれ」
いつもなら「愛の告白か?」とお茶らけた口調で言えたが……まあ、そんな訳にもいかないな。
「分かった。小鳥もそれで良いか?」
「うん」
小鳥がガーディアンが言うところの『鍵』の関係者なのを知らない。
今は知らない方がやり易いから良いけど。
「しかし、他に敵が居るとしてーーどこにいるんだ?」
「分からない。しかし、近くに居る事は間違いないはずだ」
ルチアの推理は大当たりだ。
「そうね。あなたの推理は当たりよ」
げっ、もうそんな時期なんですか……と、俺はそちらの方に顔を向ける。
そこには朱音と申し訳なさそうな顔でちはやが立っていた。彼女達の後ろには魔物の群れがある。
「あなた達がガイアの……」
ルチアはそこまで言い欠けて、刀を彼女達に向ける。静流も短刀を構えて俺達の前に躍り出る。
「そうよ。ガーディアンがあなた達だったなんて、私達も気付かなかった。もっとも天王寺と神戸は違うようだけど」
2人に庇われる俺と小鳥を見て、朱音はそう予想を立てた。
「さて、お前達が敵と分かった以上……私達がここに居る理由はないわ」
それが暗に決別を意味しているのだとーー俺は瞬時に理解した。
何か言わなければと思ったが……俺が何を言ったところで意味はない。
朱音とちはやは踵を返し、俺達に背中を向けた。
「待て!! 何処へ行くつもりだ?」
ルチアが声を荒げるが朱音もちはやも返事する事も……振り返る事さえなかった。
このままでは2人は行ってしまう。
確かに俺の望む展開かもしれないが……それでも、何も言わないのは嫌だ。
「朱音!! ちはや!!」
わざと会長ではなく朱音と呼んだにも関わらずに振り返る事はなかった。
でも足を一瞬ながら止めかけたのを見逃さなかった。
だから、俺は続ける形で言う。
「俺はいつでもオカ研で待ってる!! 絶対にオカ研は俺が潰しはしない!!」
届いたのか、届いてないかは俺には判断はつかない。
2人は森の中へ進んでいくのだった。
「コタロー……」
次は静流とルチアが申し訳無さそうに俺を見てくる。
いや、静流は俺の額に手を置いていた。
ヤバい!! ここで記憶を消されるわけにはいかない。無意識に書換能力
「すまない」
瞬間、俺の意識は闇に閉ざされた。
最後に見たのは俺の意識が途切れる間際に小鳥が森の中に走っていく光景だった。