「瑚太朗君……どういうつもりですか?」
俺の名前を間違えずに言う咲夜の勢いは無言の圧力を感じる。
「どういうつもりって何がだよ?」
「君は私に『鍵』と繋がっている証拠を見せてくれると言ってくれたはずです。だというのに……何ですか? 彼女は?」
咲夜の指差す先には篝がいる。先ほどのコスプレをした格好のままである。そう、結局のところ俺が『鍵』と繋がっている事を証明できていない。
「うっかりしていました。篝ちゃんが『鍵』だという証拠を見せていませんでしたね」
するとクリーミィ☆かがりんの格好を消して、普段通りの格好に戻る。
一瞬にして起きた出来事に全員が息を呑んだ。
「では……篝ちゃんが『鍵』だという事を証明する事をしましょうか」
そう言うと、篝は最初に朱音に歩み寄っていく。そして、そっと耳打ちをした。
「――――」
「っ!?」
篝が何事かを言っていて、それを聞いた朱音は頬を赤く染めていた。
「なっ、ななななんでっ!?」
「篝ちゃんは何でも知っているのです。ですが安心して下さい。瑚太朗には教えてませんから」
ん? 俺? 何でだ?
「では……」
次に篝のターゲットに指定されたのはちはやだった。先程と同様に篝に耳打ちされた後に顔が沸騰していた。
「ふ、わわわわっ!! な、何で知っているんですか!?」
「言ったでしょう。『鍵』である以上は全てを知っているのです。ですが安心なさいホモサピエンスよ。瑚太朗には教えてませんから」
全てを知っているって言ってたか? つか、何でまた俺の名前が出てくるんだよ。
最後は咲夜。彼にもまた耳打ちをして、驚愕の表情を見せていた。
「なるほど……『鍵』と言われても信じてしまいますね」
咲夜は苦笑いをしながらそんな事を言った。
本人しか知り得ない情報のみを伝えたんだろうけど……朱音とちはやの場合は俺が絡む話だろ? 一体なんだってんだよ。俺の疑問を他所にして全員が納得していた。当事者であるはずなのにこの置いてけぼり感はなんだろ。