物語は次のステージへ
ちはやの家で篝を紹介してから早くも三日が過ぎていた。
あの後に全員が(しまこは流れに乗っただけかもしれないが)篝が『鍵』であることを納得してくれた。俺としても出来すぎていると思ったが……気にしないでおこう。深く考えるだけ頭痛が起こりそうだ。
そして、俺とちはやはいつものように登校していた。教室ではクラスメイトとのいつもと変わらない会話を繰り広げていた。
「よう、吉野」
「何だよ。オレに話し掛けるんじゃねえ」
相変わらずツンデレさんな事だ。さて、そんなツンデレ吉野に聞いておきたい事がある。
「ルチ――委員長は来てないか?」
「おまえに教えてやる義理はないが……まあ、教えてやろう。まだ来てないな。ここのところ連続で休んでるから今日も休みか?」
やはり、ガーディアンの方で本格的な捜査が開始されてしまったのが原因になるのか。静流と西九条も来ていない。
「神戸の奴もまだ親御さんの実家なのか?」
小鳥の件に関しては両親の実家に行っていて、休学をしている事にしてある。もちろん学校の側にもそう伝えてある。一介の学生である俺には無理なのでカガえもんの力を借りた。何をどうやったのかは知らないが学校側も納得させるに至るのだから深く追求するだけ胃が痛くなる。
「そうなんだ。まだ帰れないらしいんだ」
俺はそういう風に返していた。現在も変わらずに小鳥は森の中に居る。篝の護衛を兼任して“俺が頼んでいた事をやってもらっている。”
「瑚太朗、今日はどうします?」
部室に行くのかどうかという問い掛けだろう。今回は俺にもやるべき事がある。このまま立ち止まって、次のステージに進めないかもしれないのだから。
「今日は部活は休みだ。ちょっと用事があるからな」
「分かりました」
ちはやも笑顔で返してくれるが……少々胸が痛い。ここからはガイアのメンバーも無理だし、ドルイドである小鳥は以ての他である。
できるのは俺だけ。考えうる最高のハッピーエンドを迎える為に俺は困難って書かれた看板をぶっ壊してやる。