ガーディアンとガイア①
「コタロー、大丈夫か?」
「な、何とかな……」
ルチアの天を貫く拳に身体が悲鳴を上げていたが、回復した。
「では、私は口を出さずにいる。君達で好きに話したまえ」
さすが江坂さんは大人だね。
俺はルチアと静流に向き合う。
ルチアは先程の鉄拳から俺を警戒して犬歯を剥き出しにしている。
何度も謝ったんだから勘弁しておくれよ。
「さて、瑚太朗。何でこんなところにまで来たんだ?」
ルチアが真っ先に抱いた疑念を投げ付けてきた。
「今日は2人に話があって来たんだ」
「なら、何故ジィは居るんだ?」
静流が小首を傾げながら訊ねてきた。
「私は天王寺君をここまで案内しただけさ」
当たり前のように江坂さんは言った。
しかし、ルチアには納得ができないようで、頬を膨らませた。
「何故天王寺をここへ連れてきたのですか?」
彼女の剣幕に押されそうになった江坂さんだったが、そこは大人の余裕とも言うべきだろう。
良くぞ聞いてくれた、と前フリをしてから話の続きを始めた。
「実は天王寺君には私の連絡先を渡してあってな」
「コタローは私達とは関係がない」
「そうです。それに瑚太朗からの連絡を受けない選択肢もあったはずです!!」
普段は見せない静流の怒った表情は珍しい。
「ふむ、その通りだ」
言い訳をするのだとばかり思っていたが、江坂さんは肯定を示した。
「天王寺君。言っても構わないかね?」
俺に問い掛けてくる。ルチアと静流にはもちろんさっぱり意味不明な内容だろう。
だが、当事者である俺は全てを理解していた。
「いえ、俺が自分で話します。江坂さんには証言をしていただきたい」
正直に言えば逡巡もある。躊躇いたい部分もある。
けれど、いつかは話さなくてはならない。
だから、“元上司”ではなくて自分自身の口から伝えたかった。
だって、2人は俺の大事なクラスメイトと後輩で、委員長とフーキイーンで、オカ研のメンバーで――俺が愛している少女達の2人なのだから。
「信じられないかもしれないけど聞いてくれ」
恐らくガーディアンに所属していたからと言っても、荒唐無稽に捉えられよう。
仕方ない事だろう。その為に俺は江坂さんに同席してもらっている節もある。
1つ深呼吸。いやあ、やっぱ緊張はするものだな。
もし、俺が真実を伝えたら2人がどのような反応をしてくれるのか想像すると苦笑を禁じえない。
どちらも驚くのはまず間違いなかろう。
そして、大きな声を出して驚愕の様相を表に出してくれるのも手に取るように分かる。
その後の反応は――まあ、実際に見れば分かるか。
「俺、実は昔にガーディアンに居たんだ」
2人の見せた反応は実に予想通りだった。