さて、俺は今部屋の清掃をしている。
これから静流とルチアが訪れるからだ。特別ゲストとして――
「瑚太朗君、ガーデニングが終わったよ~」
片手にシャベルを持った小鳥がベランダの方から顔を出した。
今回の話には篝に関する内容を教える必要がある。
夢中になり、熱くなってしまうのを危惧して呼んでおいたのだ。
2人が来ると聞いてせっかくなので小鳥のガーデニングの力をお貸し頂いたという訳だ。
「ありがとう小鳥」
俺は伸びをして、使っていた箒と塵取りを床に置いた。
「うんうん。綺麗になったね~」
小鳥は部屋を見渡して満足そうに頷いた。
掃除機を使えば話は早かったのだが、小鳥から禁止令を喰らっていた。
彼女曰く「掃除機の音がうるさくてガーデニングに集中できない」だそうだ。
あと、篝を最初に連れて来ようかと思ったが……またクリーミィに変身されても困るだけなので呼んでいない。
あれは本当に黒歴史だぞ。あの咲夜が唖然としていた位だからな。
「ところでお菓子とか用意しておくべきかな」
「そうだな。ケーキでも買って来るか」
静流はサンマケーキを見付けてくれば餌付けできそうだ。
「瑚太朗君……しーちゃんならサンマをあげれば餌付けできるとか考えてない?」
「ソ、ソンナコトナイゼー」
鋭い、鋭すぎるぜ小鳥。
実はエスパーとか言われても……その前に魔物使いだったな。そんでもってドルイドって篝を護る役割を与えられてるんだっけ。
「んじゃ、ちょっとケーキ買って来る」
「ケーキ!?」
ケーキという単語に反応したのはぎるだった。
瞳を純粋な少年がごとく輝かせて俺の前までダッシュでやってきた。
「なあなあ!! オレはチョコレートケーキかチーズケーキが食べた――」
「コラ!! ぎるちゃん」
ボコンッ!! それは叩くの領域を超えた床に叩きつける為に上から力を掛けたものだった。
ぱにがぎるの真上から拳を振り被って、殴り付けて勢いに負けたぎるが床に倒れ伏した。
「いってぇーよ!!」
「瑚太朗さんにそうやって無茶を言わないの!!」
どうやらケーキを買って来るように依頼した事にご立腹のようだ。
居候の身で世話をしてもらってるのに、ケーキまで買ってくれとおねだりをするのはぱに的にも許せないみたいだ。しかし――
「別に良いよ。買って来るさ」
この2匹は今まで自分達の主張を押し殺してきたのだ。(ぎるは別だが)
「やったぜぇぇぇーーーーっ!!」
「良いんですの?」
「ああ、だからぱにも好きなものを言ってくれ」
今、主張を取り下げるのは心の壁を築いたままでいると思ってしまう。
取り除く為にもここでケーキ位は奢ってやらないとな。
「そ、それではお言葉に甘えまして……」
「小鳥も遠慮するなよ」
「最初からそのつもりだよ~」
意地の悪そうな微笑を向けてくる。
この後、俺の財布がアラートを告げたので吉野に助けを求めたとだけ追記しておこう。