ピンポーン
チャイムを律儀に押して訪れを教えてくれる。
「はいは~い」
まるで奥様のように小鳥が軽い足取りで玄関まで迎えに行ってくれる。
うんうん。勝手知ったる何たらというやつだな。幼馴染みなだけあって出入りも多いから身体が反応したんだろうな。
「小鳥!?」
「何故ここに居るんだ?」
明らかに戸惑った来訪者の声に何を言っているのかと疑問に思ったが……そういやそうだよ。2人は小鳥がドルイドだって事を知らなかったんだ!!
「のんびりしてる場合じゃねえぞ!!」
俺は即座に玄関に急行する。先程の問いに関する答えだろう。小鳥が答えるところだった。
「私は今回スペシャルなゲストとして呼ばれたんだよ」
人差し指を立てて、誇らしげな笑みを作って返した。
「どういう事だ天王寺? まさか彼女は――」
俺に気付いたルチアが問い掛けて来るが、こんな玄関先で話すような事柄じゃない。
「まあ、上がってくれよ。詳しい事は中で話そうぜ」
リビングに案内し、先にテーブルの上でケーキを頬張っていたぎるの額を叩いているぱにの姿が飛び込んできた。
「コラ、ぎるちゃん!! 瑚太朗さん達が戻ってくるまでは食べちゃダメですよ!!」
ぱにの叱咤が効いたのか、ぎるは涙目になりながら頷いていた。
「悪いなぱに」
彼女の心遣いに感謝しつつ、俺は全員に着席するように促した。
正方形のテーブルにぎるとぱにの向かい側にルチアと静流を誘導、俺と小鳥は2人から見れば司会者の立ち位置に座る。
「話を始める前にケーキを買ってきたんだ。食べてくれ」
言いながら、俺はルチアと静流にケーキを配る。
ルチアは味覚がない事は百も承知しているが、それでも人並みの女の子として過ごす権利はあるのだ。女子に人気のケーキ屋まで行って買ってきた代物である。味は分からなくても、皆で食べる事の喜びを一緒に分かち合いたい。
静流には特性のサンマケーキを用意してある。
ムフフ。リサーチをしていた甲斐があるというものだ。
至って普通のケーキにサンマのイラストが描かれている。
イラストだけでなく、実際にサンマを使用して作られている。
静流に説明をすると、彼女は一層に目を輝かせた。
むしろ、彼女の身体から光が放たれているような錯覚に陥る。
「それで? 私達をここへ呼んだのはどういう訳だ? それに――」
ルチアの言わんとする事は理解できる。
何でここに小鳥がいるのか? それを疑問視してるんだろう。
まあ、薄々ルチアも勘付いているみたいだ。それならば静流も同様の筈。
俺は視線で小鳥に合図を送る。
彼女と話し合った結果、俺達はこう答える事を決めたのだ。
「私はね――ドルイドって存在。しーちゃんや委員長が言うところの『鍵』と行動を共にしている魔物使いだよ」
世間話を始めるように、小鳥は何の気なしに伝えた。
それが果たして吉なのか凶であるのかは分からない。
分かっているのは後戻りはできない事だけだ。