Rewrite if   作:ゼガちゃん

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初戦闘シーン


非日常①

あ〜、超常現象に出くわさない。

いや本当は嫌なんだけど、出くわさないと朱音に会った時に説得力がないというか……

篝産の幽霊騒動は起こらないしさ〜。

「コタローさんや」

「なんだい? 小鳥さん」

「今日はサイン会があるから先に帰るね」

「サイン会? 誰の?」

「私の」

「Once More?」

「だから、私のサイン会」

「嘘だ!!」

いや、まあ……本当は知ってるけど。

否定したのは――その場のノリだ。

「嘘じゃないのに」

「いや、信じるのは難しいんだけど――」

「まあ、そうだろうね」

小鳥は腕時計に目をやると「はっ!? もうこんな時間だ!!」と言ってさっさと教室を出て行ってしまった。

「俺も帰るか……」

続いて教室を1人出る。

俺って、本当に友達少ないな。

 

 

「はい。それじゃあ、そんな感じで」

携帯での通話を終える。

お金は大事だからバイトはしてますとも。

バイト内容は前回と同じで記者のまね事だ。

「とは言え……すぐに見付かるのか?」

案外歩き回ってれば“あの空間”に入れるかもしれないけど……ギャンブル性が高いだろ。

「とか思っていた時期が俺にも3秒ほどありました」

辺りの変化には俺も敏感になったものだ。

“ここは風祭市に似た風祭市じゃない街だ。”

ガイアの作った風祭市そっくりの空間。

なんだったか呼称があったけど忘れた。

「それより……」

神経を尖らせる。

俺も非日常には手慣れたものだ。

右腕に意識を集中させる。

今の俺ならオーロラを操る事など造作もない。

変化はすぐに訪れた。

オーロラがワカメのようにウネウネとした“いびつ”な形の剣。

 

オーロラブレードって名前止めようかな……。

ワカメみたいだからワカメブレードの方が向いてる気がしてきた。

「って、ふざけてる場合じゃねえ」

神経を尖らせる。

こんな事には慣れっこだが、正直言って関わりたくはない。

今の俺なら犬っころごときに負けはしない。

けど、もしも圧倒的大多数で攻められたら?

いや、ないか。

ここにいるのは魔物使いだ。

魔物使いは魔物を使役するのに自らの命を消費する。

そうホイホイと命を安売りみたく使う訳がない。

仮に使ったとしても数はたかが知れている。

でも例外はいつの世でも生まれる。

加島桜やしまこが例外に含まれる。

とにかく隠密に各個撃破が望まれる。

足早に俺は狭い路地裏を駆け抜ける。

この世界から抜け出る為の“穴”がどこかにあるはずだ。

まずはそれを探――

「っ!?」

ちょっと遅かったみたいだ。

俺の前には黒い大型の犬が3匹。

もしも「狼です」と言われても不思議はない。

明らかな敵意をこちらに向けて来る。

平和に解決は……出来そうにないな。

「仕方ない」

腰をグッと低くする。

それを見て1匹が爪で切り付けようと飛び掛かって来る。

そんな直線的な攻撃が通じるかっての。

飛び掛かる犬よりも速く懐に飛び込み――ブレードを心臓部に突き付ける。

音は何もなかった。

音もなく、光の粒子となって犬が消え去る。

それを見ていた2匹は臆して逃げ出そうとしたが、再び飛び掛かる。

一方は噛み付く為に跳び、もう片方は俺の動きを止めようと足に噛み付こうとしてくる。

強化は必要ない。

オーロラもこの長さで十分だ。

無言で横にスライドする。

冷静さを失う事は戦闘では致命的だ。

「終わりだ」

終了のホイッスルを告げてやる。

まずは空中で身動きの取れない1匹にブレードを突き付ける。

胴が半分に別れ、光の粒子となって消える。

間髪入れずに残る1匹に接近。

呆然とした顔を浮かべる犬に縦に一閃。

頭から斬られ、身体が左右に真っ二つに斬った。

「他愛もないな」

腕の悪い魔物使いに使役されたな。

本来なら多少は手こずってもおかしくない。

皮肉にも、これで会長に頼る大義名分ができたな。

とあるキャラのセリフを借りさせて貰う。

今の俺の心境は――やれやれだ。

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