「さて瑚太朗、早速説明を要求しよう。彼女に協力して何を企んでいるんだ? ま、まさかハレンチな事を……」
「それはないから!!」
まあ、ルチアが疑うのも無理はないか。
コホン、咳払いをして俺の……俺達の目的を教えてやる。
「この『鍵』って呼ばれる彼女、篝に〝良い記憶〟を与える事さ」
「? それはどういう事だ?」
静流が首を傾げながら問う。
知らないから仕方無いなー。きちんと説明せねば。
「ぶっちゃけると篝に『心の底から良かった、楽しかった』って思える記憶を渡す必要があるんだ」
「ちなみに出来ないとどうなるんだ?」
ルチアがご尤もな質問をしてくれる。
教える事は憚れるものの、伝えなければならない。
「えっと……世界が滅びます」
努めて軽く伝えたつもりが……どうやらそうもいかなそうだ。
全員が驚いた顔で篝の方を伺っていた。
当の本人はお茶を啜っていた。
「美味しいです」
ほっこりとしてる場合じゃありません事よ。
「まあ、それを避ける為に俺は彼女に力を貸してるってのもある」
「世界が滅びる事を望んではいないのか?」
ルチアが意外や意外と篝に目を向ける。
信じられないのも已む無しか。
「世界が滅びるのを避けるにはガーディアンのーールチアと静流の力が必要なんだ!!」
恥も外聞も俺にはない。
最悪の結末を何度か見てきた俺にできる事なんて“これくらいだ。”
「頼む!! 力を貸してくれ!!」
頭を深々と下げる。
嘘偽りでもなく、冗談でもない……この俺の懇願。
「頭を上げてくれ瑚太朗」
ルチアが言うのでゆっくりと頭を上げていく。
「私はお前に助けられたんだ。アサヒハルカの呪いを解いて貰ったんだ」
頬を赤く染めて、ルチアが言う。
「私も同じだ。コタローには色々と世話になった。今助けなかったら後悔する」
静流も覚悟を決めてくれていた。
小鳥は事情を全て知るのだ。
そして、此処に居るという事は無言での了承に他ならない。
ぎるとぱにも小鳥と同じ気持ちらしい。
さっきから俺の肩に乗っかってる。
涙が出てくる。俺はこんなにも仲間に恵まれていたのだと。
「ありがとう。皆」
「私からもお礼を言います。ありがとうございます」
2人揃ってお礼を述べる。
これは感謝の印。素直に伝えられなくてどうするというのか。
「ところで瑚太朗君、これからどうするの?」
今後の展開を小鳥だって知らない。
どうすべきかを聞けば反対意見もあるかもしれない。
だとしても、俺は伝えるしかないのだ。
「ガイアと協力して欲しい」
それは敵対勢力との共存を意味していた。