地球救済研究会①
「それで地球救済研究会(笑)はどんな事をするの?」
「そうね。地球救済研究会(笑)の拠点も必要だわ」
「うむ。地球救済研究会(笑)の拠点に心当たりはあるのか?」
「地球救済研究会(笑)ではサンマ料理はあるか?」
「地球救済研究会(笑)ではお菓子はでますか?」
「ふむ、この地球救済研究会(笑)にはこの篝ちゃんの力が必要なようですね」
小鳥、朱音、ルチア、静流、ちはや、篝の順に瑚太朗に話し掛けられる。
色々と問題点はあるけども、今はこれを先に言わせてくれ。
「おい!! お前ら何でいちいち(笑)とか付けるんだよ!!」
当て付けか? 俺への嫌がらせなのか!?
「いや、しかしだな。微妙なネーミングだからからかいたくもなる」
「そうです。その通りです」
ルチアとちはやがタッグを組んで俺へ言葉の剣を突き刺してくる。痛い……俺の心に突き刺さる。
というか、いつの間にやらガーディアンとガイアが手と手を繋ぎあってないか?
喜ばしい出来事の筈が、俺にはどうしても今一つ喜べない事態となった。
「と、とにかくだ。ガーディアンとガイアで怨恨があるだろうから今の内に吐き出しちまえ!!」
敵対する組織が手を組む為には腹を割って話すのが良い。
無論、第三者の俺が中継役となって橋渡しをするのは前提だ。
「それならずっと聞きたかった事があります」
ちはやが真っ先に手を挙げて質問をしようとする。そのように積極的に動いてくれて先生は嬉しいよ。
さあ!! この空気を壊し、仲を取り持てそうな話題を頼むぞ!!
「静流が今まで食べたサンマの中で一番美味しかったのは何です?」
何故にサンマ!? 相変わらず思考の読めない事を為さる。いや、確かに空気を壊してくれとは願ったけども斜め上すぎる。
ってか静流も「難しい問題だ」と神妙な面持ちなのですが。
「私もサンマ料理は色々と食べてきた。それはどれもこれも至高の一品ばかり」
語り出しちゃった!?
「だけど、やはり一番美味しかったのは瑚太朗と食べたサンマパンだ」
大きく何度も頷きながら静流はようやく答えた。
俺と食べたサンマパンか……随分と昔の事に思えて仕方無い。けれど、静流がその時の事を覚えているのは嬉しいな。
などと俺が感慨に耽っていると、空気がピリピリとしているのが分かった。
静流とぎる、ぱにを除いた全員が絶対零度の視線を俺にぶつけているからだ。
な……何だ? 俺が何をしたというんだ?
「瑚太朗君、しーちゃんと一緒に御飯食べたんだ?」
「そうなるかな」
小鳥から放たれるプレッシャーに冷や汗を垂らしつつ口を開く。
御飯というにはサンマパンが合うのかは不明だけど。
「「「「「へえ」」」」」
視線に絶対零度がこもっていた。あ、足が震えてやがる。
なんとなく、理由を訊ねたら四方八方からタコ殴りにされそうだ。
落ち着け。この状況を回避すべき事柄を察知しろ。
そうだ。元々この状況を生み出したのはちはやの一言だ。つまり、それを利用すれば打破できるはず!!
ならば、俺の発するべき言葉は――
「皆でサンマパンを買いに行こうぜ!!(キラッ☆)」
「「「「「「………………」」」」」」
あ、あれ? 静流も含めた6名の女子陣からの冷ややかな眼差しが突き刺さる。
だってサンマパンを食べたいからじゃなかったのか?
「ねえ、分かってはいたけど瑚太朗君って……」
「鈍いわね」
「鈍感だな」
「鈍感です」
「サンマを食べないからだ」
「ホモサピエンスは全てこんなものなのですか?」
小鳥、朱音、ルチア、ちはや、静流、篝が顔を合わせて言いたい放題だ。
しかも口々に続けていく。出るわ出るわ俺への文句。
「このままですと、今回の地球救済研究会の初活動は瑚太朗さんへの文句で終わってしまいますね」
様子を黙って見ていたぱにの意見は尤もだろう。だけど、俺の見解は――
「あれは違うよ」
「違うって何がなんだ?」
端から見れば俺への文句を言いたい放題なのは分かる。だけど、あれは別視点では変わって見えてくる。
「今回の地球救済研究会の活動は……和解だ」
「???」
「確かに言えてますね」
ぎるは頭に「?」を浮かべまくる。
ぱには「ふふっ」と笑いながら敵も味方も関係なく楽しそうにしている女子陣を見て同意していた。
これからは次回更新予定も書いていきます。
来週の日曜日を予定しています。
新しく書き始めましたオリジナル作品「新原紲の魔法相談室」もありますので、読んでいただけると嬉しいです。