Rewrite if   作:ゼガちゃん

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少し遅れました。

文の書き方も変えてみました。

では、続きをどうぞ。


地球救済研究会③

「あのよ……何でオレは簀巻きにされているんだ?」

 

 

俺の足下で簀巻きにされた吉野が転がっていた。

 

 

場所は俺の部屋。他のメンバーは小鳥だけ。

篝、きる、ぱにには隠れて貰っていた。

 

 

俺の思い付くメンバーの中で居場所を知るのは吉野だけだ。

なので吉野のお宅に向かった。

 

 

その時に吉野が笑顔で「ママン、ナシむいてくれよ〜」と言っていたのは俺の心の中に閉まっておこう。

 

 

良い脅迫材料――もとい、弱味がバレるというのは嫌なものだ。

 

 

「いやいや、用と言う程でもない」

 

 

「じゃあ、この拘束を解け!! オレの中のビーストが暴れ出す前にな……」

 

 

やべ、久々に吉野の厨二病発言が飛び出した。

わ、笑っちゃダメだ……笑ったらぶっ飛ばされる。

 

 

「お前の中のビーストが暴れ出すのは分かったから。落ち着け落ち着け」

 

 

「簀巻きにされてるのに落ち着けるか!!」

 

 

額に青筋を立てる吉野の反応は当たり前だと思えた。

まあ、このまま強行させてもらいますか。

 

 

「お前には俺達の仲間になってもらうぞ」

 

 

「はっ……あ?」

 

 

俺の言葉に惚ける吉野。

そうだよな……この反応は俺にも分かっていた。

 

 

「あとで詳細は話す。ざっくばらんに言うと、オカ研メンバーで世界を救うんだ」

 

 

「なるほど」

 

 

「納得した!?」

 

 

俺の本当にざっくりした説明に吉野が納得し、小鳥が叫んだ。

 

 

「世界を救う為に俺の力が必要なんだな?」

 

 

ニヒルに笑う吉野に俺は頷いて答えた。

 

 

「だけど……その前に見て欲しいものがあるんだ」

 

 

「見て欲しいもの?」

 

 

「俺達の仲間になるかどうかの判断材料ってところだ」

 

 

無理強いはしたくない。

なんせ、これは「死」と隣り合わせの世界だ。

 

 

「来てくれ。多分、お前の考えをきちんと決める材料になる」

 

 

俺の真面目な顔付きに吉野も真面目な反応を見せる。

 

 

そして、立ち上がり――目的の場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

俺は小鳥、そして吉野を連れて例の森にやって来た。

そう、ガイアのメンバーがうろうろしている森に、だ。

 

 

篝、ぎる、ぱにには俺と小鳥以外には見えないようにして横に居て貰っている。

 

 

篝もそうだが、特に吉野に危害を加えたくない。

 

 

「なあ、何処に行くんだ?」

 

 

「すぐに分かる」

 

 

小鳥なんかは予測できているんだろう。

俺は足を止める。

確か、この付近でクリボイログの襲撃を受けたんだ。

 

 

「おい!! 居るんだろ!!」

 

 

腹の底から吐き出した大声。

居る。気配はするんだ。

俺の求めている仲間には必要不可欠だ。

 

 

 

 

 

「出てこいよ……ミドウ!!」

 

 

 

 

 

俺の言葉に反応し、出てきたのはミドウ。

それだけではなく、あと2人。テンジンとテンマも出てきた。

 

 

「俺の名前を知っているとはな……以前に森に入ってきた奴だろ?」

 

 

向こうが俺の事を知らないのも無理はない。

ただ、井上と一緒に森に入った際に声は掛けられていたので、顔は覚えているみたいだ。

 

 

「貴様か……あの時はクリボイログが世話になったな」

 

 

テンマと言ったか、クリボイログを操る魔物使い。

その実力派折り紙付きである。

 

 

「あの時はクリボイログだけだったが……今回はどうかな?」

 

 

続いてもう1人。キリマンジャロを使役する魔物使い……テンジン。

 

 

変化はすぐに分かった。

彼らの後方に今か今かと主の指示を待つ魔物が居た。

 

 

クモのような、軟体動物のような姿の魔物「クリボイログ」

そして羽虫をモチーフにしような魔物「キリマンジャロ」

 

 

「2人共、下がっててくれ」

 

 

先程から起こる超展開に付いて行けていないのは吉野。

彼を小鳥に下がらせ、篝にアイコンタクトを送って2人の身の安全を確保する。

 

 

「わかっているようだな。ここからの展開も」

 

 

「嫌という位に想像してきたからな」

 

 

努めて軽い口調で返す。

余裕があるように見せ、状況を分析する。

 

 

ミドウはまだ動かないようだ。

なら、2体の魔物に照準を絞る。

 

 

こいつらとは最初から話し合いで解決できるだなんて思っていない。

殴り合って、話を持っていく事になるのは最初から気付いていた。

 

 

こっちに力がある事を示す。

話は――それからだ。

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

真っ先に行動を取ったのは瑚太朗からだった。

クリボイログの関節はしなやかだ。

力任せの攻撃と思って油断していると足下を掬われる。

 

 

それと同じ位にキリマンジャロも厄介だ。

奴は背中の羽を羽ばたかせ、空を飛べる。

 

 

瑚太朗の動きは予想外だったようで、テンマとテンジンの指示は遅れる。

 

 

咄嗟に取ったのはクリボイログが突貫し、キリマンジャロが上空から攻めてくるもの。

 

 

キリマンジャロに飛翔された上に毒の雨でも降らされたら一貫の終わりだ。

 

 

迫り来るクリボイログ。

前足が瑚太朗を踏みつけようと彼のコースを先読みする。

 

 

グオオオンッ!!

 

 

瑚太朗の耳にもクリボイログの勢い付けた一振りをしゃがんで回避する。

後方ではキリマンジャロが翼を羽ばたかせて上空へ逃げようとしていた。

 

 

空振りに終わったのを見計らい、瑚太朗は一気にクリボイログに肉薄する。

そうはさせまいと、大柄な巨体には似合わずに後方へ下がる。

 

 

(だと、思ってた!!)

 

 

クリボイログは前回に“攻撃を加えられた事を忘れていない。”

後方へ退いたのは本能みたいなものだ。

下がってくれなければ別のプランを使うところだったが、退いてくれたなら良しとする。

 

 

瑚太朗もクリボイログに倣ってバックステップを踏んだ。

 

 

「なんだと!?」

 

 

テンマの驚愕に満ちた声音がする。

瑚太朗が下がった事に余程の衝撃を受けたのだろう。

 

 

敵側も瑚太朗は飛翔能力を有するキリマンジャロを先に落とすと予測していた。

 

 

その為の手段は図体の大きいクリボイログを踏み台とし、キリマンジャロを撃破する事。

 

 

なのに、クリボイログから距離を置くとはどういうつもりか?

この辺の森の木ではキリマンジャロには届かない位置まで飛んでいる。

まもなくキリマンジャロからの攻撃が待っている。

 

 

直後、その疑問は解消した。

 

 

瑚太朗自身が“真上にジャンプした。”

 

 

ただのジャンプならば「届くはずがない」と笑っていよう。

だけども、そうはできない理由があった。

 

 

彼の腕に奇怪なオーロラが見えたのだ。

ゾクリ――キリマンジャロを操るテンジンの方に悪寒が走る。

一方のテンマはその現象を見た瞬間に行動を起こしていた。

 

 

彼は前回に謎のオーロラを剣の形に模してクリボイログの頭上へと飛び乗った。

今回もキリマンジャロを仕留めるべくのものだと瞬時に悟る。

 

 

予想は当たった。

瑚太朗は右腕に巻き付いたオーロラを剣の形へ変化させ、その切っ先を地面に突き付けると“伸ばした。”

向かう先は当然キリマンジャロ。

 

 

丁度飛翔を終えたばかりの所を強襲しようと企てていた。

だが、クリボイログの方が間一髪に間に合った。

 

 

横薙ぎに振るわれる前足が瑚太朗のオーロラを根元からへし折った。

それにより、瑚太朗は宙から真っ逆さまに落下する。

 

 

「貰った!!」

 

 

テンマもテンジンも勝利を確信し、小鳥や吉野は息を呑む。

 

 

 

 

 

しかし、篝とぎる、ぱに。そしてミドウの意見は全く食い違っていた。

 

 

 

 

 

瑚太朗は右腕を突き出した。

キリマンジャロの方向かと思ったが……真下へと移動していたクリボイログへ向けて。

 

 

頭上の柔らかい部分が丸見えだ。

弱点をそう簡単に晒してくれるなどとは思ってもいなかった。

“だから隙を作ってくれる必要があった。”

 

 

「喰らえ!!」

 

 

オーロラブレードを再度展開し直す。

それをクリボイログの脳天めがけて伸ばしていき……貫いた。

 

 

「ガァァァァァァッ!?」

 

 

クリボイログから悲鳴が上がる。

貫いたオーロラブレードはクリボイログの身体をも貫通し、地面に突き刺さる。

 

 

構わず、瑚太朗はオーロラブレードを伸ばすのを止めない。

クリボイログの身体を貫通した事により、オーロラブレードは固定された。

行き先は上空のキリマンジャロ。

 

 

「う、おおおおおおおっ!!」

 

 

雄叫びと共にキリマンジャロに突撃する。

丁度方向転換して瑚太朗へ鋭い爪を向けてきた。

恐らく毒を吐くよりも爪での直接攻撃が有効だと判断したのだ。

瑚太朗がキリマンジャロへ迫り来る速度が尋常ではないので、間に合わないと気付いたらしい。

 

 

その方向転換に合わせて瑚太朗はオーロラブレードを消す。

上空へ飛んでいこうとする力が残り、キリマンジャロへと突撃する。

 

 

「はあ!!」

 

 

オーロラを棒状にして伸ばす。

向かってくるキリマンジャロの腹部に直撃する。

しかし、僅かながらにキリマンジャロの動きが緩慢になっただけだ。

 

 

それで、構わない。

棒状にしたものを、今度は鞭に変える。

キリマンジャロの足に巻き付き、今度は長さを縮める。

瞬間移動したようにキリマンジャロの懐へ飛び込んだ。

 

 

位置としてはキリマンジャロの真下。

瑚太朗はキリマンジャロが次なる一手を繰り出すよりも先に動いた。

 

 

「瑚太朗君!! 敵が!!」

 

 

小鳥の悲鳴じみた声の理由は直ぐに分かった。

 

 

 

 

 

クリボイログが頭部を膨らませて浮いてきていたのだ。

 

 

 

 

 

「空中戦ができるのはキリマンジャロだけではないぞ!!」

 

 

テンマの勝ち誇った声に聞こえる。

動きが緩慢になるとは言え、空中での戦闘ができる敵が増えてしまった。

 

 

テンマやテンジンは再度、勝利の波を確信する。

先程の突飛な行動には面喰らう。

だが、今度こそ終わり――

 

 

 

 

 

「さすがに読めてたよ」

 

 

 

 

 

“今ではない世界で”瑚太朗はクリボイログやキリマンジャロの戦いを見てきたのだ。

これくらいは予想できていた。

 

 

両手を左右、それぞれクリボイログとキリマンジャロに照準を合わせて、オーロラを大型の剣の形にする。

いや、大型よりも巨大と言うのが正しいか。

オーロラはキリマンジャロとクリボイログの身の丈を悠々と越える大きさとなる。

 

 

「おっ、りゃぁぁぁっ!!」

 

 

力任せに縦に両手にそれぞれ携えたオーロラの双剣を振るう。

キリマンジャロ、クリボイログの身体を一刀両断する。

 

 

「キリマンジャロ!?」

 

 

「クリボイログまで!?」

 

 

テンジンとテンマの驚愕と共にキリマンジャロとクリボイログは光の粒子となって消え去る。

その間に瑚太朗は地面に無事に着地する。

 

 

「特別に力を入れて作ったからな。両断できて当然だ」

 

 

やろうと思えば最初からクリボイログの身体など斬れたのだ。

その分だけ力を使うので必中にする必要があった。

 

 

そういう意味ではさっきの状況は喜ばしかった。

 

 

「さて、残るはミドウ。お前だけだ」

 

 

余力は十分。

瑚太朗はミドウの方を見る。

 

 

「俺とやろうってのかよ……上等だ」

 

 

ミドウは不敵な笑みを見せる。

テンマとテンジンは己の魔物を殺られた結果、動きは取れない。

 

 

こちらも手出しできる仲間は居ない。

完全なる一対一。

 

 

「さあ、始めようじゃねえか」

 

 

「良いぜ。始めよう」

 

 

ただし、お前を止める為にな――天王寺瑚太朗は心の中でそう付け足した。

 




いつから吉野だけだと錯覚していた?

ミドウは最初から決めていたのですが、吉野に関しては迷っていました。

でもまあ、結局は出す事にしちゃいました。

戦闘に関してはガッツリ書いたのは初めてでしたが如何でしたでしょうか?

クリボイログやキリマンジャロの戦い方を忘れたので、瑚太朗を強くして誤魔化しました。

次はミドウとのバトルですが、ぶっちゃけ魔物がフォゴって事以外は忘れたので原作やり直さないと。

次回更新は火曜日を予定しています。
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