Rewrite if   作:ゼガちゃん

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ども、続きです。


地球救済研究会⑨

「では、今後の事を話し合って行きましょう」

 

 

瑚太朗がベッドで休んでいるところに咲夜が入室して、そう口火を切った。

この場には咲夜と瑚太朗以外に人は居ない。

 

 

「篝さんと話していて分かった事があります」

 

 

「どんな事だ?」

 

 

いつもの瑚太朗の名前を間違えるだなんてふざけた真似は一切無しだ。

 

 

「黒篝と名付けた彼女ですが、恐らくアウロラに反応したのではないかと言っていました」

 

 

「アウロラに……か」

 

 

咲夜は「アウロラ」の名前を知らない筈だがそうなると篝から詳細を聞いたのだろう。

しかし、篝が予測した事は本当に正しいのかは不明だ。

 

 

「とにかく、俺も篝もアウロラは使うなって事だな?」

 

 

「はい。そうなります」

 

 

瑚太朗の問い掛けに咲夜は頷いて応えた。

 

 

「OK。それは分かった。あとは今後の展開だよな?」

 

 

黒篝なんて明確過ぎる新キャラの登場に全員が……特に当人の瑚太朗は頭を抱える。

彼女から逃げ続けるのは難しいと言える。いつかはこちらから打って出る事になろう。

だが、それもいつになるかはわからない。それ以前に瑚太朗の体調は万全とは100%言えないし、黒篝との力量差がどれ程かも物差しを用いたって知る由はない。

 

 

「まずは療養が先なのは存じています。しかし、この場も長くは保てないので移動は必須です」

 

 

「そこなんだよな……」

 

 

瑚太朗としても休んでいる間はずっと考え込んでいた。だけれど、良い案は1つも出てこない。

 

 

「それに俺達は黒篝をどうこうできるって言えるだけの力はあるか?」

 

 

「確かに。特訓……少なくとも彼女をどうにかできる策は必須だと思えます」

 

 

瑚太朗と咲夜。どちらも至った結論は同様だった。

しかし、渋面になるのは致し方無いと思って欲しい。

瑚太朗は重苦しい空気に包まれる。命を狙われながら付け回されるのだから……

 

 

「コタロー、ルチアと連絡が取れた」

 

 

静流と小鳥が揃って、病室に顔を出した。そう思いきや、唐突に「ルチアと連絡が取れた」と伝えられる。

 

 

「委員長が家に来ても良いって言ってたよ」

 

 

「お、おい……ルチアに迷惑が掛かるんじゃ」

 

 

黒篝の視線は瑚太朗に向いてるとは言え、他の人に迷惑が掛からないと言い切れない。

 

 

「大丈夫。ルチアに考えがあるようだ」

 

 

ルチアの理解者としては一番に名高い静流が言うのだから間違いは無さそうだ。

瑚太朗も彼女の言葉を鵜呑みにさせてもらう。

 

 

「アウロラを使わずにいれば発見も難しいでしょう」

 

 

咲夜の方もここに留まる事を良しとしない事からルチアからの提案に同意の意志を見せた。

 

 

「分かった。俺もその意見に従う」

 

 

丁度気が滅入っていたしな――瑚太朗はそう付け足した。

圧縮空間内は食う寝るには困らないものの、他人は居ないし、退屈を凌げるものはほとんど皆無だ。瑚太朗でなくとも何もない場所に長時間居るのは憚れる。

 

 

「でも、何処で落ち合うつもりなんだ?」

 

 

正直に申し上げて、黒篝がそこら辺を抜かるとは思えなかった。と言うより、未だに此処がバレずに済んでいる現状に驚きが隠せない。

 

 

「外に出れば見付かると思うし」

 

 

「でしたら、部室に行きましょう。あそこでしたら室内ですし、朱音さんが最悪でも何とかしてくれるかと」

 

 

外を出歩いているよりは堅実的だ。

 

 

「でも行き方分かるのか?」

 

 

「はい。この執事に不可能はありませんので」

 

 

さらっと、咲夜が言うから嫌味に聞こえない言葉を吐いた。

 

 

「よし、それじゃあ移動するか」

 

 

「待てよ天王寺」

 

 

しかし、それを遮ったのはミドウだった。

彼は瑚太朗と異なって拳によるダメージと疲労しかないので1日休んだだけで元気の御様子だ。

 

 

「俺達は此処で休ませて貰うぞ」

 

 

ミドウからそのような進言があった。

 

 

「俺は構わないけど……大丈夫なのか?」

 

 

「いえ、ある意味で大丈夫でしょう。黒篝の狙いは瑚太朗君です。興味を示す相手も然り。我々にはあの時は目もくれていませんでしたから」

 

 

言われてみれば瑚太朗ばかりを見ていたような気がしないでもない。

 

 

「オレやテンマ、テンジンも動けなくはねえが……肝心の魔物が使い物にならねえ」

 

 

そこをつつかれてしまうと瑚太朗も言葉を詰まらせる。その原因は瑚太朗に多分にあるのだから。

命のやり取りをしていたのもあり、ミドウ側から文句は出ないし、瑚太朗としても言われたくも謝罪もしたくない。

 

 

「此処で回復を試みるのが一番だね」

 

 

魔物の扱いには慣れている小鳥が頷いた。

 

 

「だったら、私も手伝うよ。大変でしょ?」

 

 

「私も手伝う」

 

 

小鳥、静流がミドウ達の魔物の回復の手助けをすると言った。

 

 

「いや、こればっかりは他人の手を借りる訳には――」

 

 

「幸せパンチ」

 

 

「はぎょっ!?」

 

 

ミドウが断ろうとした所に殴る事さえ幸せを呼び覚ます小鳥の拳がミドウの頬を叩いた……力が無くて触れた程度にしかならないが。

 

 

「瑚太朗君が必要とした人達だからね。私はいくらでも力を貸すよ」

 

 

「魔物の事はサッパリだが毒関連の事は任せてくれ」

 

 

出会い方が少しでも違えば本来なら敵同士の小鳥と静流がこうして並び立っている。瑚太朗にはその光景の方がよっぽど光を浴びていた。

 

 

「ふっ……負けたよ。じゃあ、力を貸してくれ」

 

 

「合点承知さ!!」

 

 

「任されよう」

 

 

ミドウが意外にも協力の申し出を受けた。それだけ彼も変わりつつあると言う事なのか――瑚太朗はそう思った。

 

 

「では、各自でどうするのかを決めていきます」

 

 

まだ動けない男に代わり、指揮を取り始める咲夜。

瑚太朗達が上げるのは反撃の狼煙か、はたまた消滅への入り口か――。

 




如何でしたでしょうか?

幸せパンチ――出したかっただけ。


次回なんですが、事情があって早くて2週間後の日曜日になるかもです。

他に書ききらないといけない作品があるので、そちらに集中したいのでペースを少し下げます。

遅くとも今月末までにほ何とか更新します。
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