Rewrite if   作:ゼガちゃん

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すいません。体調が戻った時期が遅くてまだ完成しておりません。
火曜日には更新の予定です。6月29日


お待たせしました。

今回は間に合いました。

体調の方も戻って参りましたので続きを書きましたのでどうぞ。




マーテル
千里朱音①


「待たせたわね」

 

何事も無かったですよーとばかりにいつもの様相を崩さずに話し掛けてきた朱音。

瑚太朗は一瞬つついてやろうかと思ったが、彼女の魔法(社会的攻撃)の盾が相手では消し炭にされるので自重した。

 

「あの会長って、俺の怪我とか治せる魔物を使役してましたっけ?」

 

「いえ、してないわ」

 

瑚太朗の質問にあっさりと「NO」と告げた。

 

「ルチアさんや? 俺は何の為にここに来たんだっけ?」

 

こいつはどういう事だ? と言い出しっぺのルチアに問い掛けた。ルチアはあたふたしながら。

 

「いや、鳳が彼女なら何か出来るかもしれないと言ってくれたから……」

 

ルチアの指す彼女とは無論朱音の事で。それをちはやから聞いた訳だ。

今度はチラッとちはやの方を見てみた。ちはやはしまこと一緒にポテコを食べるのに夢中になっていた。

 

「? 何です?」

 

「いや……何でもない」

 

こっちがちはや達を見ていたのに気付き、首を傾げながら聞いてくるが瑚太朗は「何でもない」とポテコを食べるよう促した。

ちはやはしまことポテコを食べる作業に戻り、その姿はなんというか微笑ましさを感じていた。

 

(何だろう。子供と子供が一緒におやつを食べてる姿を見てる感じかな?)

 

瑚太朗の抱いた感想はきっと的を射ているだろう。それに彼女達を責めるのはお門違いだ。多分、ちはやは朱音なら何か上等な手段を用いられると考えていた筈なのだ。結局は見付からなかっただけの話。

 

「まあ、でも話は聞いてるわ。黒篝だなんて変な奴にまで追われるなんてね。お前は随分と人気者じゃない」

 

「命を狙う連中から人気を取れても嬉しくなんかないぞ」

 

朱音のおどけた話に瑚太朗はげんなりしながら答えた。朱音よりも年上な事を向こうも知ってはいるはずだが、どうにもからかう事を止めようとはしない。

 

「まあ、私にも無関係とは言えないだろうしね。何とか瑚太朗の怪我だけでも治さないと」

 

朱音は顎に手を当てて何やら考え始めた。彼女にとっての最善手とも言うべきものに思考を巡らせているに違いない。

瑚太朗は超能力者、魔物使いとしての能力も有してはいるある意味で2つの畑を耕せる人間だ。

たけど、だからといって全てを理解してカバーはできない。土俵入りしても、知識としては朱音の方が幅広い。彼女の見聞の広さに頼るしか瑚太朗には方法がなかった。

 

「こうなったら行きましょうか」

 

「行くって……何処にだ?」

 

朱音の言う目的地にルチアは当然ながら覚えはない。彼女に目的を問うてみると返答は即座にあった。

 

「ガイアの本拠地――よ」

 

 

 

 

 

 

 

「連れてきて貰った訳だけども……」

 

瑚太朗と朱音の2人だけで体育館並みの大部屋に来た。ちはやとルチアはしまこの面倒を見るとの事で鳳家に残っている。

 

「朱音と2人だっていうから楽しみにしてたのに……」

 

「お、お前は何を言ってるのよ?」

 

微かに頬を真っ赤にさせながら朱音は言う。過剰な反応を示す。

 

「そりゃ、朱音と一緒だなんて嬉しいに決まってるだろ? それも着替えてきてくれたんだしさ」

 

瑚太朗が当たり前のように告げた事を朱音は「ボンッ!!」と顔を真っ赤に暴発させた。ちなみに朱音の服装は黒いドレスを纏っている。

 

「ふ、ふん。早く済ませるわよ」

 

「おう」

 

とは言え、瑚太朗に出来る事は何があるのかを分からない。なんせ朱音に手を引かれて来たようなものだからだ。

 

「っで? これから何を始めるんだ?」

 

「あんたの怪我を治せるだけの魔物を呼ぶのよ」

 

朱音は自信満々に言うと、魔物を呼び出した。

形状を言うなら黒犬。しかし、その背中にラフレシアが付いているという普通なら有り得ないものである。

 

「朱音、回復系の魔物は持ってないんじゃ?」

 

「持ってないわ。別の魔物よ」

 

「別の……?」

 

「これは“痛覚を遮断するわ”」

 

つまり麻酔の役割を担う訳だ。

 

「正直傷の回復は時間が経つのを待つしかない。だけど、その間に黒篝に襲われない保障があって?」

 

「いや、ない」

 

こちらを黒篝側が「見付けられない」だなんて楽観視は正直出来る気はない。

 

「これは応急措置でしかないわ。本当は治せれば良いのだけれど……」

 

朱音も心苦しさを持っているらしく、浮かない顔を作っている。

その様子を見て頭を撫でてやる。

 

「ありがとう。朱音のその心遣いだけでも俺は嬉しいよ」

 

「~~~///」

 

朱音の顔が赤くなり、体温が勝手に上昇していくのが見て取れた。

 

「さ、さあ!! とりあえず始めるわ。だけど、これだけは覚えておきなさい」

 

朱音は瑚太朗を仕付ける親のように告げる。

 

「お前はいつでも無茶をする。だから、お願い。心配だけはさせないで」

 

かつて、瑚太朗と“出会った時のように朱音は心配していた。”

かつて、あの森で重傷を負った天王寺瑚太朗を心配したのと同じものだ。

 

「分かった。俺だって皆を悲しませたいだなんて思わない」

 

1人で突っ走って問題を解決したとして、天王寺瑚太朗の無事を祈った皆を裏切った事がある。

静流や朱音――そして、瑚太朗がきちんとした時間軸を進んだ時の世界でもそうだった。

様々な人を心配したが、それと同じ位に心配された回数も多かったのだ。

 

「だから、俺は無茶はしない事を約束する」

 

「大丈夫そうね。なら、始めましょう」

 

瑚太朗の言葉に嘘が混ざってない事を確認し、朱音は魔物を使役する。




如何でしたでしょうか?

次回も来週の日曜日の予定ですが、もし体調不良が続いた場合はこの話の前書きに更新日を過ぎた後に付け足せるようなら付け足しておきます。
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