Rewrite if   作:ゼガちゃん

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遅くなってしまいました。

ちょっとスマホの調子が悪くって……続きです!!


ダブルチア
此花ルチア①


 そこは何処かの施設だった。

 だが、そこには白衣を着た博士のような人は何処にも見当たらない。

 博士然とした様相の人物の代わりに防弾チョッキを着用し、フルフェイスのヘルメットをした銃で武装した集団。

 その集団の正体はガーディアンである。

 各地に支部のある内のフランス支部。

 そこで、“とある実験計画が行われている”との話が上がったのだ。

 それを聞き付けたガーディアンが突撃を試みたが……中はもぬけの殻だ。

 

 研究所らしい場所はマンガみたいに、人1人が丸々と入っていそうなカプセル――そこには語弊があった。

 本当に“人が入っていたのだ。”

 

「こ、これは……っ!?」

 

 フルフェイスの下の表情が強張るのが分かる。

 そこに居たのは全員が知った顔だったからだ。

 

 現在は日本にて学園生活を謳歌している。

 ガーディアン最強の称号を与えられた少女と仲が良い少女――彼女と様相がそっくりだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 舞台は変わる。

 マーテルからの脱出した瑚太朗と朱音は無事に鳳家に着いた。

 ちはやとルチアも無事に戻ってきた。

 

「瑚太朗、無事で良かった」

 

「本当です。心配しました」

 

「心配掛けたな」

 

 瑚太朗と朱音よりも先に帰宅していたルチアとちはやが声を掛けてくれた。

 

「それで? 身体は大丈夫なのか?」

 

「ああ、完全復活だ!!」

 

 ルチアの問い掛けに力瘤(ちからこぶ)を作って応える。

 

「瑚太朗……あなた、完治してない事を忘れてない?」

 

 あくまで瑚太朗の身体は鎮痛剤を使って動かせている事と同義だ。

 いつまた再発するかは分からない。

 ある意味、爆弾を抱え込んだままでいる。

 

「静流か小鳥が居れば回復ができたんだろうけど……」

 

 あの2人は今、ミドウ達の治療に専念している。

 此処へはそう簡単に来られない。

 

「こんな事ならどっちかに来てもらうべきだったか……」

 

「いえ、私はそうは思わないわ」

 

 瑚太朗の後悔を蹴飛ばしたのは朱音だった。

 

「聞いた話だと敵は瑚太朗を狙っているのでしょう? 2人を連れてきたら最悪向こうにいる連中がやられてしまう可能性も十二分に潜んでる」

 

 つまるところ戦力の分散はナンセンスなのが朱音の見解だ。

 仮にこちらに回復班を寄せたとして、守りきる術がほとんど無い。

 だからといって、戦闘もこなせる静流をこちらに連れてきた場合、向こう側でのトラブルを咲夜1人に押し付ける形となるのも問題だ。

 

「それに回復が出来るのは嘘じゃないわ」

 

「そうなのか?」

 

 最初の時と言ってる事が違う気がしないでもない。

 

「ええ、本当は無理かとも思ったのだけど、こんなのを手に入れたの」

 

 パチンッ!! と朱音は指を鳴らした。

 突如、瑚太朗の肩に5センチ程のトンボが乗っかった。

 

「な、何だ!?」

 

「私と一緒に逃げ込んだ場所で楠寝てきた回復用の魔物よ」

 

 腕を組ながら誇らしげに告げてくる朱音。

 瑚太朗はマジマジと魔物を眺める。

 どう見てもトンボにしか見えない魔物にそんな素晴らしい機能が備わっているものなのか?

 

「でもこの魔物は回復するのに時間が掛かるんじゃありませんでしたっけ?」

 

 ちはやがトンボの魔物をマジマジ眺めながら朱音に言った。

 彼女の告げた内容は正しいらしく、朱音は首を縦にした。

 

「時間は掛かるわ。だけど、確実に体力も傷も回復させてくれるわ」

 

 魔物は見掛けによらないというか。

 そんなにも頼もしい機能がこのトンボには備わっているらしい。

 

「とりあえずはそうしていて頂戴」

 

「え? 肩に乗せたままなのか?」

 

「一応はもう離れていても大丈夫だけれど、その方が治りは早いわ」

 

 朱音にそのように言われる。

 門外漢の自分には分からないが、朱音は専門家なので信じる。

 

「ところでルチアは?」

 

 さっきから黙りこくっていたルチアの方に視線を流した。

 ルチアはというと、神妙な顔付きで携帯を眺めていた。

 

「どうかしたのか?」

 

「ああ、ガーディアンの方から至急来て欲しいとの連絡があったのだ」

 

 しかも連絡を送ったのはルチアのみ。

 いつもは一緒の筈の静流にさえメールは寄越してない事がアドレスを見て分かる。

 

「行くんですか?」

 

「無論だ。どうやら、私に関わる重要な事らしいからな」

 

 ルチアの表情は真剣そのものだった。

 瑚太朗はと言えば、“当たりとなりそうな記憶を引っ張り出していた。”

 

「なあ、俺も行って良いか?」

 

「分からない。江坂さんか西九条さんに連絡をすれば大丈夫だとは思うが……」

 

「分かった」

 

 脇目も降らず、瑚太朗は江坂さんにメールを送る。

 江坂にはかつての記憶を取り戻した事は伝えてある。

 ルチアには静流と共にガーディアンに属していた事は言った。

 ややあって、江坂からの返信が届く。

 

「是非来てくれ……と書いてある」

 

「じゃあ、2人で行ってきなさい」

 

 朱音が見送りの言葉を掛けてくる。

 

「私達は向こうの様子を見て戻ってくるわ」

 

「分かった。くれぐれも無茶はしないでくれよ。女の子なんだから」

 

 魔物使いだとしても、瑚太朗からすれば彼女達は女子だ。

 無茶振りはさせたくない。

 

「肝に命じてあるわ」

 

「咲夜を呼んでありますので大丈夫です」

 

「じゃあ、行ってくる」

 

 咲夜を呼んであるとの事で安心はできる。

 後を彼に任せ、瑚太朗とルチアはガーディアンへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

ええ、何かもう気づいてる人は気付いちゃってますよね。

はい、満を持して彼女の登場です!!


次回は再来週の水曜日の予定です。
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