Rewrite if   作:ゼガちゃん

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お待たせしました。

遂に、彼女の登場です!!


此花ルチア②

 瑚太朗とルチアはガーディアンの基地に着いた。

 

「待っていたわよ、2人とも」

 

 彼等を出迎えてくれたのは西九条だった。

 いつもの微笑みは健在のまま、黒いスーツを着用している事に学園の生徒なら違和感を抱いてしまう。

 

 そこは彼女の事をよく知るルチアと瑚太朗。

 全くもって微動だにすらしない。

 

「天王寺君もよく来てくれたわ」

 

「ルチア1人じゃ心配だからな」

 

 もしも瑚太朗の懸念が当たっていても困る。

 なので、付いてきた訳なのだが……

 

「こ、瑚太朗!? な……ななななな何を言い出すんだ!?」

 

 瑚太朗の発言に顔を真っ赤にさせながら大慌てのルチア。

 恥ずかしさのあまり、今にもコークスクリューブローを決めてきそうな勢いだった。

 

「お、落ち着けって」

 

 何とか宥めようとする。

 しかし、彼女の拳は発射される5秒前だ。

 

「ん~ふふ。それじゃあ、行きましょうか」

 

 西九条が間に入ってきた事でルチアの拳は収まった。

 安堵しながら瑚太朗はルチアと共に西九条の後に続く。

 

 ガーディアンの様相は瑚太朗が居た時よりも変化はしていた。

 だから、誰かの後に付いていかないと迷う自信は大有りだ。

 

「ここよ」

 

 西九条が連れてきたのは無機質な扉。

 ロボットアニメのような機械室のある自動ドアでもない。

 ただの押しドアである。

 

「もっと厳重そうな場所だと思ってた……」

 

「他に場所が無かったというのもあるわ」

 

 扉の鍵を開けながら西九条は入っていく。

 続いて、とジェスチャーで伝えてくるので瑚太朗とルチアは一度顔を見合わせてから中に足を踏み入れた。

 

「うおっ!?」

 

「これは驚いたな……」

 

 瑚太朗の感嘆とした声と、ルチアの言葉。

 無機質な扉からは想像ができない程だった。

 

 そこはまるで病室だ。

 白い部屋、何十台とあるパソコンを並べる机と人がかじりついていた。

 その理由は部屋の奥――ただ、奥側とこちらがわとでは上半分をガラスにした壁が世界を分けていた。

 右側には扉があり、そこが唯一奥の部屋との境界を繋ぐ。

 気になったのは向こう側に置かれている人1人が入りそうなカプセルのようなものが横向きに置かれていた事だ。

 

「西九条さん、あれは?」

 

「あれがルチアちゃんを呼んだ理由なの」

 

 笑顔は絶やしてはいないが、何処と無く表情に固さを覚えた。

 それに、声音も真剣さを帯びていた。

 

「あの中には何が……“いえ、誰が入ってるんですか?”」

 

 瑚太朗も西九条の真剣さを受けて、強い口調で問う。

 

「それは自分の目で確かめてみるべきよ」

 

 瑚太朗の言葉を受けて、西九条が境界を隔てる扉を開けてくれた。

 記憶に“違いがないなら”向こうには彼女が待っている。

 瑚太朗は迷わずに向こうの世界へ降り立つ。

 

「待て瑚太朗」

 

 ルチアも瑚太朗の後に付いてきた。

 瑚太朗が一足早く、件のカプセルの前に立った。

 瞬間、「やはり」という言葉が出てきた。

 

「うそ……これは!?」

 

 一方のルチアは驚きでそれ以上は続かなかった。

 

 

 

 

 

そこには、ルチアそっくりの少女が眠っていたのだ。

 

 

 

 

 

「ルチアちゃんにそっくりでしょ?」

 

 西九条がルチアの衝撃を代わりに言った。

 

「ええ、そっくりですね……」

 

 瑚太朗はどうしようも出来ない程に腸が煮えくり返っていた。

 眠る彼女は間違いなく生き物としての「生」を授かっている筈だ。

 ルチアと似てなければ、ここまで憤怒の感情で一杯にならない。

 ルチアと似ているということはつまり――彼女を利用して命を弄んだのと同義だ。

 

「瑚太朗……?」

 

 ルチアが心配げな顔でこちらを見ていた。

 いけない――と、瑚太朗は首を左右に振った。

 我に返り、瑚太朗はルチアの頭を ポンッ!! と軽く撫でた。

 

「なっ!?」

 

「悪い。心配させた」

 

 ルチアが頬をみるみる赤くしていく中、瑚太朗は心配かけたと言う。

 そして、中で眠る少女に向き合う。

 

「西九条さん……彼女は“誰が造ったんですか?”」

 

 瑚太朗の声音は不思議と落ち着いていた。

 ルチアが隣に居る事が理由なのではないかと、瑚太朗は独自に解釈していた。

 

「ええ、何処かのくそったれな科学者さんが彼女を造り上げたの」

 

 西九条にしては珍しく直接的な意見だ。

 昔馴染みの瑚太朗には特段の不思議はないが、ルチアは初めて見る側面の筈だ。

 

「そいつがこの子を造り出した……という訳ですね?」

 

「その通りよ。この子はルチアちゃんのクローンよ」

 

 その言葉にルチアは驚愕に目を見開いた。

 自分の遺伝子を使い、人を造り出すなど……命への冒涜だ。

 ルチア自身、目眩を覚えてしまう。

 

 ルチアは次世代人類プロジェクトの成功例だ。

 奴等はガーディアンの死海研究所に封印されていた技術を盗み出し、ルチアのクローンを生み出した。

 

 「その科学者の名前は?」

 

「ルチアちゃんにも馴染みのある人よ」

 

「え!?」

 

 それだけで誰が犯人なのか判明したのだろう。

 西九条は犯人の名を告げる。

 

「ブレンダ・マクファーデン」

 

 西九条の口から告げられた名前に瑚太朗も息を呑む。

 ブレンダ・マクファーデン――次世代人類プロジェクトの副主任を務めていた女性研究員。

 

 次世代人類プロジェクトとはガーディアン内で密かに行われていた。

 内容は、千年後に毒と錆びだらけになると予測された未来の地球環境に人類が対応するべく毒に抵抗せずに“毒を当たり前のものとして受け入れる”体質の人類を生み出し、冷凍睡眠装置で眠らせて千年後の人類の未来を託すというプロジェクトだ。

 だが、そのプロジェクトは世界中から集めた孤児達にシュミレートされた千年後の死の世界の情景を脳内に様々な仮想体験として転写させて身体に数々の苦痛を強いる。

 聞くだけで非人道的なものだと分かってしまう。

 

 ルチアはそのプロジェクトの実験を受けていた。

 その結果、彼女には味覚が消失してしまった。

 いや、味覚だけではない。

 彼女は、普通の人生を歩む事すら赦されざる事となったのだ。

 

 今は、ここでブレンダ・マクファーデンへの文句を募らせても無意味だ。

 彼女はこの場には居ない。

 考えるだけ無駄な時間だ。

 

「ブレンダ・マクファーデンの事は後で聞かせて貰います」

 

 瑚太朗はまだその事を知らない――という体になっている。

 秘密にしておき、今後にそれを明かしていく形を取るつもりだ。

 

「それより……この子をどうしますか?」

 

「そうなのよね~。ルチアちゃんなら起こせるかと思ったんだけど……」

 

「いや、いくら私にそっくりだからと言って起きるとは――」

 

 と言いながらもルチアはカプセルに触れてみる。

 

 

 

 

 

 瞬間、カプセルの扉が開いた。

 

 

 

 

 

「えっ!!」

 

 思わず後退の姿勢を取るルチア。

 そして、ルチアにそっくりな“彼女”はその上半身を起こした。

 

「…………」

 

 彼女は何処かぼんやりとした目で辺りを見ていた。

 しかし、その姿は生まれたままの姿で……

 

「なななななな何を見ているんだ!! 天王寺瑚太朗おおおおおおおおおっ!!」

 

 ルチアからの鉄拳制裁は予想していた。

 殴り飛ばされた瑚太朗は「ごちそうさまです」と呟いて意識を手放した。




如何でしたでしょうか?

ええ、彼女の口調とか完全に忘れてしまっているので今ゲームをやり直しています。

このプロット、ハーヴェストが出た時に修正したんで2年近く前なもので……作者的には2年ぶりの登場です。

次回の更新は再来週の水曜日を予定しています。

作者の他の作品もあるので読んでみてくださいな!!

それにしても、終盤とか言いながら全然終わる気配を見せない。
サイヤ人編に入る前に亀仙人が「もう少し続く」とか言ってたのに完全版で言えば20冊近く出していたのと同じ位の詐欺じゃないか……
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