Rewrite if   作:ゼガちゃん

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本当に更新が遅くなってしまって申し訳ないです。

自分が思っているよりも時間が掛かってしまいました。

続きをどうぞ。


ダブルチア①

 あの一件から1日が経過した。

 アカリの件は“既に事を進めている。”

 そして、彼女には話した事は言い触らさないように伝えた。

 ルチアの記憶はアカリに伝わるが、その逆は起きていない。

 

 これは今しかできないアカリだけの記憶になる。

 そして、彼女に1対1で教えたという誰にもやっていない事柄に他ならない。

 幾重もの世界の事を知る瑚太朗の事など本人が教えない限りは知る事は不可能だ。

 小鳥と篝位しかこの事は知らない。

 少なくともルチアよりも先にアカリに教えたのは、彼女も瑚太朗にとっては特別な存在である事を自覚して欲しいからだ。

 

 現在、瑚太朗はルチアと静流と一緒に学食へ赴いていた。

 

「そろそろアカリの入居の場所が決まったんだ」

 

「それはめでたい」

 

 ルチアの報告に静流は学食名物のさんまラーメンを啜るのを中断して喜んだ。

 

「そうか。もう決まったのか」

 

「ああ。明日にでも引っ越しを祝ってパーティーを催したいと言っていた」

 

「アカリって金があるのか……?」

 

 まだ引っ越したばかり――どころか、目覚めたばかりの彼女にお金を稼ぐ時間があったのか?

 

「西九条さんが江坂さんの店をバイト先として紹介してくれたんだ」

 

 アンティークショップ「フォレスト」と言ったか。

 最近は通っていないし、今度アカリの働いている時間を突き止めて行こうと心で決定した。

 

「へぇ。ちゃんと働いているのか?」

 

「勿論だ。江坂さんも手放しで褒めている位だからな」

 

 ルチアの真面目な性格を記憶から共有したのは正解だったようだ。

 それが良い方向に働いている。

 

「私もアカリの働きぶりを見たが……実に熱心に働いていた」

 

「それは益々見てみたいな」

 

「こら。アカリに変な事をするつもりで行くんじゃないだろうな?」

 

 ルチアからの冷ややかな視線が浴びせられる。

 と言うより、最早失礼な行動を取るのが大前提として言われるのは軽くショックだったりする。

 

「ルチアの中では俺ってそんな感じなの?」

 

「そうだ!! 妹にハレンチな行為を働く不届き者だ!!」

 

 ガルルルルッ!! と猟犬よろしく獰猛な一面を見せてくる。

 瑚太朗は怖くなって静流の背後に逃げ込む。

 

「よしよし。大丈夫だコタロー。ルチアは怖くない」

 

 まるで飼っている犬をあやすかのような静流の行動に瑚太朗は感涙する。

 ルチアに散々に言われたからか、静流の優しさに言葉が出なくなる。

 

「べ、別に私だって瑚太朗を嫌っている訳では……」

 

 瑚太朗の反応を見て我に返ったルチアがゴニョゴニョと語尾が弱まっていった。

 一瞬、意地悪をしてやろうかなとも考えたが止めておく。

 そんな事をして血の池を食堂に造るか、月面へ無料の片道切符をプレゼントされてしまいそうだ。

 

「しかし、パーティーには私は行けないかもしれない」

 

「何だ? ガのやつか?」

 

「そうだ。ガのやつなんだ」

 

 瑚太朗の言った「ガ」が「ガーディアン」の頭文字を意味してるのを汲み取ってくれた。

 しかし、静流は申し訳なさそうにパーティーの誘いを断る。

 

「仕方無い事だ。西九条さんから前々に言われていた事だろう?」

 

「そうなんだ。トーカとの約束は先伸ばしにも出来ない」

 

 恐らく、彼女の能力に関わる事や訓練に関する事か。

 定期的にやらねばならないようで、先伸ばしする訳にも行かなそうだ。

 

「分かったよ。時間ができたら来てくれよ。途中参加もOKだからな」

 

「そうさせてもらう」

 

 瑚太朗の気遣いに感謝する静流。

 その後、アカリの引っ越し祝いに何をプレゼントするかの話題になっていき、昼休みは終わったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 アカリの引っ越しを祝う当日となった。

 瑚太朗はルチアを連れ立ってアカリの新居へ向かう。

 小鳥達も誘おうとしたのだが、まだ瑚太朗やルチア、静流としか話していない。

 また仲良くなった頃にパーティーと洒落混む事を密かに決定付けている。

 

「プレゼントは用意したか?」

 

「勿論だ」

 

 手に掲げた袋をルチアに「ほれ」と見せ付ける。

 それを見たルチアは満足げに何度も頷く。

 

「ならば、向かうとしよう」

 

 ルチアの号令と共に瑚太朗はアカリの新たな城に向かうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ピンポーン――アカリのマンションのインターホンを押す。

 

「鍵は開いている。入ってきて」

 

 扉の向こうからアカリが部屋に上がるのを許可してくれた。

 瑚太朗が代表して扉を開ける。

 

「お邪魔しま――」

 

「いらっしゃい瑚太朗。それにルチアも」

 

 出迎えてくれたアカリの格好を見て瑚太朗は固まる。

 対してアカリは普段と変わらぬ口調で出迎えてくれた。

 

 

 

 

 

メイド服の格好で出迎えてくれた理由についての説明は欲しいものだ。

 

 

 

 

 

「ア、アカ、アカリさんや!? 何という格好をしてはるので……?」

 

「どうした瑚太――」

 

 ルチアが続いて入室すると、彼女もアカリのコスプレ(?)に固まった。

 

「何って瑚太朗が言った。今度ドキドキメイドパーティーの格好をして出迎えてくれ――って」

 

 言った。確かに寸分違わない内容を伝えた。

 突如、隣のルチアの怒気が膨れ上がる。

 瑚太朗は無意識の内に身震いしていた。

 そして、諦める。

 これから起こるだろう身に降りかかる事柄を回避するのを――。

 

「私の妹に何を吹き込むんだ!! 天誅ぅぅぅうううううっ!!」

 

「ゴバガバァッ!?」

 

 意味不明な悲鳴を上げながら瑚太朗は玄関でルチアのアッパーを喰らう。

 そして、心の中で呟いた。

 

 アカリ。グッジョブな格好だぜ――と。




如何でしたでしょうか?

ちょっと色々と蛇足かなとは思ったのですが、周りは誰1人としてアカリの事を蔑ろに考えていない事を言いたかったのです。

アカリもルチアや静流(来れなかったですが)、瑚太朗の事を見ようとしているからパーティーを催したのだと伝えたかったのですが……伝わったかな?

次回の更新は再来週の火曜日ですが、作者の傾向を見るに3日は過ぎるかもしれません。

結末は考えておりますので、最後まで書いていきますんでよろしくお願いします。
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