雪が降るマーメリア共和国……ある大富豪であるのロマノフ家は悩みを抱えていた。それは妻のマリア・ロマノフが不妊症であり、子が成さなかった。マリアは悲しみ、酒を一晩中飲み続けていたのであった。そんなマリアを心配するのは夫であるチャールズ・ロマノフが仕事から家へ帰っていた。
「全く…マーメリア書記長め、またノーマの警戒を強めてたか……(この世界は狂っている。マナを持つこそが人間、違う………)ん?」
その時、目の前が明るくなる。チャールズはマナの光で車を止め、窓を上けると、夜空の彼方、緑に眩く緑に発光する流星が山の方へ落ちる。
「何だ………あれは?」
チャールズは急いで落ちていった流星の所へ車を動かす。
焼き焦げた木々、チャールズは車を降り、マナの光で明かりを灯す。
「一体何が……」
チャールズがそう思っていると、奥の方から光が漏れていた。
「ん?」
チャールズはその場所へ向かうと、何かが瓦礫に埋もれており、その隙間から緑の光が漏れていた。
「マナの光を」
チャールズはマナを使い、瓦礫を別の場所へ捨てる。
「これは……?」
瓦礫の中から翠色に光る巨大なクリスタルであった。チャールズが恐る恐るそのクリスタルに触れた直後、クリスタルが光り輝き、瓦礫が灰のように原子分解していく。
「っ!!?」
瓦礫が消えると、その埋まっていた物にチャールズは驚く。それは大天使のように神々しさを思わせる巨大なロボットであり、両股間と背部のスラスターから翠に光り、目の模様を持った翼を広げており、天使の光輪を出していた。
「で、デカイ!!?パラメイルではないなぁ……」
チャールズがそのロボットを見ていると、ロボットのコックピットに付けられていた翠色のクリスタルが光りだす。するとクリスタルの中から揺り籠が出てきた。
「ん?」
揺り籠はそのままチャールズの所へ浮遊し、ゆっくりと地面に着く。チャールズは恐る恐る揺り籠を覗くと、揺り籠の中にいたのはあのロボットと同じだが小さな翠色のクリスタルを手に、すやすやと眠っている赤ん坊であった。
「え!?」
チャールズは驚き、ロボットを見たその時、
(ムノタクシロヨ……ヲコノコ……)
「っ!!?」
突然チャールズの頭の中から誰かの声が聞こえてきて、辺りを見渡す。しかし誰もいなかったが、一つ分かった事があった。
「まさか……」
チャールズはロボットを見上げると、また声が聞こえていた。
(ムノタクシロヨ……ヲコノコ)
「コノコヲ……ヨロシクタノム?……この子をよろしく頼む……」
ロボットが何を言っている事が分かったチャールズは赤ん坊を見る。するとロボットのツインアイが光り出し、立ち上がる。
「っ!?」
ロボットはゆっくりとチャールズを見る。
(スイバデノシイタウコ、ハレワ…ンーレイセ、ハナガワ…【我が名は…セイレーン……我は、皇太子の僕"デバイス"】……クシロヨヲシイタウコ……)
謎のロボット【セイレーン】はそう名乗ると、巨大な十字型のクリスタルへとなる。チャールズは赤ん坊を揺り籠ごと持つ。
「何が起ころうとしているのだ……この世界に……」
チャールズはそう思い込み、赤ん坊を車に乗せ、邸へ帰る。
邸へと戻ったチャールズはマリアにその事を話す。マリアはセイレーンと言うデバイスに託された赤ん坊を見て、育てる事を決意する。チャールズ・ロマノフは邸に仕えるメイド隊にセイレーンであった巨大なクリスタルを回収し、研究チームとマリアとともに解析する。そしてマリアは赤ん坊の名前を【キオ】と名付けられるが、不思議な事に……マナの光は使えるけど、触れた途端に他者のマナの光が崩れと言った障害を持っており、世間からはキオの事を"悪魔"と呼ばれていたが、ロマノフ家はキオを決して、たった一人の息子として育てた。
それから18年後……。マーメリア共和国首都が見える野原でキオは空を見つめていた。
「(今日は、ミスルギ皇国でアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ皇女殿下
が洗礼の儀を得て、皇族になる日……父さんと母さんや爺ちゃんに婆ちゃんは彼らの様なノーマ差別にはなるなって言っていたけど……どう言う事なんだろう?)…………」
キオがそう考えていると、車が止まる。
「キオー!」
「ん?」
つと後ろからキオを呼ぶ声がし、振り向くと、マーメリア共和国高等学校で通っている友達が呼んでいた。
「キオも行く?アンジュリーゼの洗礼の儀!」
「うん!」
キオは起き上がり、友達の車に乗る。マーメリア共和国首都でミスルギ皇国の映像が映し出されており、キオは友達と一緒に映像に映っているアンジュリーゼのパレードを見ていた。
「今日もマーメリアは賑やかだなぇ♪」
「うん♪」
キオは市場で友達と楽しんでいると、
「ん?(…………皇女アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギはノーマだ……彼女や仲間達……ドラゴンと姫巫女と共にお前の両親の仇敵を取れる……)」
突然頭の中から声が聞こえてきて、首に身に付けているクリスタルが鼓動する。キオはそれを感じ、クリスタルを見る。
「父さんがくれたペンダント…」
そう言っていると、友達が言う。
「あ!ほら!アンジュリーゼだ!」
映像にアンジュリーゼや兄のジュリオ、妹のシルヴィア、そしてジュライ皇帝と皇妃ソフィアが映っていた。洗礼の儀が始まった直後、ジュリオがアンジュリーゼがノーマだと各国に暴露した。
「え!?」
「アンジュリーゼが……ノーマ!?」
そしてアンジュリーゼは数分も経たないうちに検察官や保安官に連行され、ジュリオが新たなミスルギ皇帝に継ぎ、キオ達は家へ帰るのであった。
「ただいま……」
「キオ!早く地下室に来なさい!」
「っ!?母さん?」
突然帰って来たら、マリアが大慌てでキオを連れ、地下室へ向かう。中には武装したメイド隊や強化人間兵士【スパルタン】が銃器を持ったり、機動兵器【ドール】の"Urban"がショートライフルとアサルトライフルを持って、邸外へ向かう。邸外の庭や屋上には武装したメイド隊、スパルタン、ドールが武器を構える。すると何もない上空から無数の黒い円盤が出てくる。円盤は円周からチェーソーを展開して、突撃して来た。
「撃てぇ!!」
メイド隊やドール、スパルタンが迫り来る円盤に目掛けて攻撃を開始するのであった。
一方、地下室ではマリアやチャールズが何かの装置を起動していた。
「父さん、母さん……ここって?」
「話は後!……今はあなたをあそこへ転送しないと!」
マリアはそう言い、格納庫からある物が出てくる。
「これって!?」
それはキオが身につけているペンダントと同じ翠色のクリスタルであったが、それはペンダントより、何十倍も大きかった。
「今からあなたのコアクリスタルを再起動させる」
チャールズが何やら訳の分からない言葉を言い、キオはどう言うことかチャールズに言う。
「父さん!とういう!?コアクリスタルって?」
するとマリアの方は巨大なリング状の装置を起動すると、リング状の中心部に渦のような穴が出現する。そしてチャールズも巨大なクリスタルを修正を終えると、巨大なクリスタルが光り出す。クリスタルの形が変わっていき、現れたのは天使を模したドール以上の全長を持つ純白のロボットであった。
「父さん!これって……」
「…………キオ」
「?」
突然チャールズがキオを抱きしめる。
「私と母さんは……いつまでも…………お前を愛しているぞ……」
「え?……うっ!?」
チャールズはキオの首に注射器を刺し、キオを眠らせる。キオを抱き上げ、セイレーンに渡す。
「セイレーンよ……私の役目も終わった。アルストの皇太子様を彼らの所へ……」
(…………タシチウョシ)
セイレーンはそう呟き、マリアが起動した亜空間ゲートの中へ消えていった。そして地下室の扉が壊され、中から複数の機械兵がチャールズとマリアを取り囲む。すると奥から和装の鎧を来た黒い武人が現れ、チャールズに問う。
「チャールズ・ロマノフ…貴殿に問う。アルストの皇太子と天の聖杯とゾハルは何処だ?」
「……知っている。だが、お前らには渡さない」
チャールズはそう呟き、持っていたスティッキーディトネイターを亜空間ゲート装置に撃ちこむ。
「っ!!?」
武人は驚き、刀を抜き取るが、チャールズはトリガーを引き、着弾したスティッキーディトネイターが爆発し、亜空間ゲート装置を破壊した。
「貴様!!」
武人はチャールズを襲い掛かろうと刀を振り下ろすのであった。