クロスアンジュ 因果律の戦士達   作:オービタル

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第13話:兄妹との謁見

 

アルゼナルに滞在することとなったキオ。アンジュとヒルダは不幸な事に、脱走した罰として所持金や持ち物を没収され、機体の騎乗を禁止、一週間の独房での謹慎が下された。……哀れな。そして最悪な事にアルゼナルの軍医であるマギーに色々と体の隅々まで調べさせられた。あそこを除いては……。それから翌日、キオは食堂で配給食を食していると、

 

「あのぅ、ここ良いですか?」

 

現れたのは前にキオに助けられた新兵メイルライダーのココとミランダであった。するとココの横に緑でまん丸い者が座り込む。

 

「ん?それって…」

 

「あ、はい……この子はティビイって言う“ノポン”の子供です♪」

 

「ノポン!?」

 

キオは驚く、エーテリオンやエリュシュオンにはたくさんのノポン人を見かけるが、この世界のノポン人がいる事に唖然する。ココによれば、アルゼナルにモモカが来た時、輸送機の積荷から丸々としたお肉が飛び出たと慌て、ちょうどそこにココが現れ、ノポンの女の子であるティビイを引き取ったと。

 

「だって可愛いだもん♪」

 

ココは可愛い顔をしてティビイを抱く。

 

「止めてくれも〜」

 

ティビイは必死に離れようとする。キオは呆れていると未来視が浮かび上がる。

 

「?……」

 

するとキオの未来視と同時に、ココの目がキオと同じ未来視が発動する。だが、それは未来視ではなかった……

 

「あれ?今回のは何か違うぞ?」

 

そこに映っていたのは、どこか知らない建物の廊下であった。見たこともない色彩な柱、壁に描かれている綺麗な壁画、すると何処からか赤子の泣き声が聞こえて来た。横のドアを開けるとそこは寝室であり、ベッドの上でやつれた顔に最高の笑みを浮かべている女性が産まれたばかりの子を抱いていた。寝室のドアが開き、メイドというより巫女達が入ってくる。

 

《レイナス・オルド・エルダー様…ヴァラク・ディラ・エルダー皇帝殿下が見舞いに来られました。》

 

部屋の中から高貴な服装をした老人が現れた。さらに驚く事に、その老人は銀髪で頭に翼生えていた。

 

「お父様……」

 

「……名は?」

 

「……ココル。“ココル・マシーナ・エルダー”……」

 

「マシーナ……“機械族”の力を宿した新たな神姫か。」

 

「えぇ……そう言えば、“エメル”は?」

 

「フェメル・ハイエンター・エルダーか……彼は教練に育んでいる。いずれエルダー皇家の跡取りとなるだろう。」

 

ヴァラク・ディラ・エルダーは生まれたばかりの孫娘にある物を授ける。それはオレンジ色に輝くプレートであった。

 

「フェメル♪…ティオル♪…ココル♪…貴方達は、私達の希望…そしてこの大地と、みんなの笑顔を守る……」

 

するとここでノイズが発生し、謎の力の効果が途切れる。目を覚ましたキオとココは周りを見る。二人を心配そうにフェイとティビイとミランダ。

 

「二人共大丈夫?」

 

「「え?」」

 

その後、キオとココは二人だけで話し合う。

 

「いつから、俺と同じ未来視を見れるようになった?」

 

「……2歳の頃です。突然、視界に変な光景が映ったと思ったら、その光景と全く同じ事が起きたの…」

 

「どういう事だ?……こんな事は言い難いが、“前に何か没収された”?」

 

「え?」

 

「あの光景であの老人が赤ん坊に何か渡したじゃないか?覚えはない?」

 

「……そう言えば、ジャスミンモールに綺麗な物が…」

 

「……うん、間違いない。」

 

「琥珀色のコアクリスタルだ♪」

 

するとキオの体からアルヴィースが現れる。

 

「琥珀色のコアクリスタルは……僕やメツ、ヒカリと同じ天の聖杯……名前は『メイナス』」

 

「メイナス……それが、そのコアクリスタルに宿るブレイド」

 

「急いだ方が良いよ、時が満ちる日が近いから♪」

 

キオとココは急いでジャスミンモールに行き、琥珀色のコアクリスタルを絵で表しながら探す。

 

「琥珀色の結晶?」

 

「こんな形!」

 

キオは絵をジャスミンに見せる。

 

「……ん〜、見たような気がするが……」

 

「「…………」」

 

「?」

 

するとキオがある事に気づく。ジャスミンの首にかけている琥珀色の結晶体、そしてその形は……。キオは絵を再度確認し、ジャスミンのと絵を見比べ、そして……。

 

「それだ!!!」

 

「?……これのことか?」

 

ジャスミンが琥珀色のコアクリスタルを見せる。

 

「……それ!」

 

「ダメだね…」

 

「「え?そこをなんとか〜……」」

 

「これを譲って欲しいなら、6000万キャッシュ払いな♪」

 

「「6000万キャッシュ!!!???」」

 

驚愕な値段に二人はしょぼんとする。

 

「と……取り敢えず、何か稼げる方法探しとくか?」

 

「はい……(トホホ〜)」

 

キオとココは海が見える丘を歩いていると、第一中隊の隊長であるサリアが何やら花を集めていた。

ある程度集め終えたサリアが紐で花の枝を結ぶ。

 

「お、サリアじゃねぇか!」

 

「貴方は……キオ」

 

「何やってたんだ?」

 

「墓に備える為の花を集めているのよ…」

 

「墓か……(俺たちのエーテリオンは皆んなB.Bだから、死んでもすぐ生き返る……本当の“死”ってどんなんだろう。)」

 

キオがそう考えていると。

 

「あ~、サリアお姉様だ」

 

サリアが呼ばれた方を見ると、幼年部の子供たちとその担当員が居た。

 

「サリアお姉様に敬礼~」

 

子供たちがサリア達に敬礼をし、サリアも子供たちに向かって敬礼をして、子供たちは「サリアお姉様綺麗~」「おっきくなったら第一中隊に入る~!」とそう言って去って行き。担当員も挨拶をして子供たちの面倒を見に行った。

そんな中でサリアは幼い頃の自分を思い出す。自分もかつては当時司令官ではなかったジルの様になりたいと幼い頃からの夢であった……。

 

『私、絶対お姉様の様になる~!』

 

昔の事を思い出しつつも、サリアはそのまま墓地へと向かう。

 

「俺も良いか?」

 

「好きにしたら…」

 

キオはサリアと一緒に墓地に行く。

そしてその場にメイも居た。

 

メイの前にある墓にはこう書いてる。

 

【Zhao Fei-Ling】っと…。

 

サリアはメイの元に来て、結んだ花を出す。

 

「これ、お姉さんに」

 

「毎年有難う、サリア」

 

メイがサリアに花の礼を言い、サリアは墓に花を置く。サリアは立ち上がって微笑みを浮かべていて。

それにメイが問う。

 

「どうしたの?」

 

「幼年部の子供たちに、お姉様って呼ばれた。私…もうそんな年?」

 

「まだ17じゃん」

 

「もう17よ…、同い年になっちゃった…『アレクトラ』と」

 

誰かの名前を言うサリアは昔の事を再び思い出す

 

 

―《回想》―

 

 

アルゼナルの海岸に、後部から煙を上げるヴィルキスが降下して来た。

ヴィルキスはそのままアルゼナルの海岸に着地する、そしてそこに乗っていたのは当時メイルライダーとして戦っていたアレクトラであるジルだった。

 

「アレクトラ!!」

 

そしてアレクトラの元に、当時司令官であったジャスミンがと部下のマギーと一緒に部下もやって来た。

ジャスミンはアレクトラの右腕が無い事を見て、すぐにマギーに命令する。

 

「マギー!鎮痛剤だ!! ありったけの包帯を持ってこい!!」

 

「い!イエス・マム!!」

 

その様子を上のデッキにいる、まだ当時幼かったサリアとメイが居た。

 

「あれは…お姉様の?」

 

サリアが見ている中で、ジャスミンはアレクトラをヴィルキスから下ろす。

 

「しっかりしろアレクトラ! 一体何があった!?」

 

ジャスミンはアレクトラから事情を聞く、しかしアレクトラはある者からメイに伝言があると言うばかりであった。

それを却下するジャスミンは何があったかと事情を問う。

 

ところがアレクトラは突然ジャスミンへと謝る。

 

「ごめんなさいジャスミン、私じゃあ使えなかった…。私じゃあ…ヴィルキスを使いこなせなかった…!!」

 

っと涙ぐんでジャスミンに謝り、それにはジャスミンは何も言えなかった。

 

「そんな事ないよ!」

 

そこにメイとやって来たサリアが居て、サリアはアレクトラの弱さを否定し、最後に「わたしが全部やっつけるんだから!」とアレクトラに向かって言う。

アレクトラはそれにサリアの頭に手を置いて撫でる。

 

 

―回想終了―

 

 

「全然覚えてないや」

 

「仕方ないわ、まだ3だったもの」

 

サリアは当時3歳のメイに覚えてない事に仕方ないと言い、メイと共に墓地を離れる。

っがサリアはこの時に思った。その時から数年がたち、司令となったジルはサリアにヴィルキスの搭乗を許さない事にかなり不満感が抱いていた。

 

アンジュに出来てサリアに出来ない事は何か…。

サリアは格納庫に付いて、ヴィルキスを見る。

 

「(一体私に何が足りないの…? アンジュと私に一体何が違うって言うの…? …あの子に…ヴィルキスは渡さない!)」

 

サリアはヴィルキスに騎乗できるアンジュに嫉妬する。それを見ていたキオは呟く。

 

「……サリア(乗れないのには、理由があるんだ……アンジュにはヴィルキスに乗れる条件が揃っている。)」

 

キオはそう考えて中、何故かココの頭を撫でていた。

 

「あの…キオさん?」

 

「ん?……あ、ごめん。つい“妹”のように撫でてしまった」

 

するとココは顔を赤くし、キオに撫でられた事に自分の手で撫でられた所を摩る。

 

そして同時にアルゼナルの司令室、レーダーに何かをキャッチした。

 

「これは…シンギュラー反応です!」

 

「場所は?」

 

ジルが出現地を特定しろと命令を言い、それにパメラが急いで特定する。

 

「それが…アルゼナル上空です!」

 

何と出現場所はアルゼナル上空、そしてアルゼナルの上空にゲートが出現し、そこから大量のドラゴン達が現れる。

 

「スクーナー級、数は…20…45…70…120…、数特定不能!」

 

「電話もなっていないのにどうして?!」

 

エマが司令室に到着して、電話が鳴らなかった事に疑問を感じていた。しかし今はそんな事を考えてる場合ではない。

ジルはするに基地全体放送で、アルゼナルの皆に言う。

 

『こちらは司令官のジルだ、総員第一戦闘態勢を発令、シンギュラーが基地直上に展開、大量のドラゴンが効果接近中だ。パラメイル第二、第三中隊全機出撃。総員白兵戦準備、対空火器重火器の使用を許可する、総力を持ってドラゴンを撃破せよ!』

 

そしてアルゼナルの対空火器が展開して上空に居るドラゴンを撃ち落として行く。

しかし数が多いのか一向に数が減って行かない。そして一体のドラゴンが司令室へと向かって行き、そのまま突っ込んでいく。

 

パメラとヒカルは慌てて離れて行き、ドラゴンは司令室へと突っ込んだ。

 

「ひっ!!」

 

エマは怯えながら後ずさりをするも、ドラゴンは吠えた時に瞳のハイライトが消えて、マシンガンを構える。

 

「悪い奴…死んじゃえ!!」

 

そのままマシンガンを撃ちまくり、辺り構わずばらまいていく。それもその筈今の彼女は意識が飛んで行ってしまって暴走している状態なのだ。

それにジルはエマに手刀で首を打ち、気絶させて、マグナムを構えドラゴンの頭部に撃ちこみ、それによりドラゴンはそのまま絶命する。

 

すぐさまパメラがコンソールを調べる。

 

「司令!通信機とレーダーが!」

 

「…現時刻を持って司令部を破棄、以降通信は臨時司令部にて行う」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

その頃格納庫で、サリア達は侵入してくるドラゴンを撃退していた、多少は減って来たものの今だ数の多いドラゴンの方が有利であった。するものサリア達の後ろからドラゴンが迫るその時、キオがヒカリのモナドを手に、薙ぎ払う。

 

「このっ!!(殺しはしない、追い払うだけだ!)」

 

さらにメツのモナドの二刀流でドラゴンを次々に追い返すキオにそれを見たサリア達は唖然としてしまう。

 

「な、何よあれ…」

 

「何じゃありゃ!?」

 

「キオて…何者?」

 

サリア、ロザリー、クリスの三人はキオの奥義を見て驚きを隠せない。

その中でヴィヴィアン達はと言うと…。

 

「凄いじゃないキオ君!」

 

「うっひょぉぉぉぉ!! キオすげぇぇぇぇ!!」

 

「すご~い…!」

 

「キオさんやりますね!」

 

キオの技を見て、興奮しているのも居た。

 

「大分減ってきている。エレノア隊とベティ隊に感謝ね」

 

「チッ!今回出れないアタシ等の分も稼ぎやがって!…?」

 

突然ロザリーとクリスは不思議な光景を見る。

それはドラゴン達が突如アルゼナルから離れて行く光景が目にして、それにヴィヴィアンが指をさす。

 

「あれ? 逃げるよ?」

 

「どういう事でしょう?」

 

ココがドラゴン達の行動に疑問を感じる中、キオはその中である物が聞こえて来た。

それは物と言うより・・・。

 

「何だ…?」

 

「…歌?」

 

「この歌は……夢で見て聴いた!」

 

そして上空に居るドラゴン立はゲートの回りを飛び回ると、そのゲートから三機のパラメイルがゆっくりと降下してきた。

その内の一機の紅いパラメイルはヴィルキスと同じ間接部が金色のパラメイルであり、そこから歌が流れていた。

 

「♪~♪~♪〜」

 

その光景を臨時司令部にいるジルが双眼鏡で見ていた。

 

「パラメイルだと…」

 

同じ様にアルゼナルの上空で戦っている中隊の隊長のエレノアもその機体に目を奪われる。

 

「何こいつ? 何処の機体?」

 

皆が見ていると、その機体がいきなり金色の染まり始め、そしてその両肩が露出展開し、そこから竜巻状の光学兵器が発射されてそれにエレノアを含め第二中隊と第三中隊の数名を含むメンバーは消し炭へとなっていた。

中隊を消し去った光学兵器はそのままアルゼナルに直撃し、強烈な光が包み込む。

 

そして静まり返り、キオは近くに居たサリアを起こし立ち上がらせる。

 

「大丈夫か?」

 

「ええ…は!?」

 

二人は目の前の光景を目にする。

そこには半分ほど削られたアルゼナルを目にした。それをチャンスとしたドラゴン達は一斉に向かって行き、それにキオは構える。

 

「最悪だ……」

 

キオはヒカリの力で因果律予測を発動し、ドラゴンの攻撃パターンと軌道を読み、食い殺そうとするドラゴンの攻撃を回避し、蹴り飛ばす。

 

「どうすれば!……そうだ!」

 

キオは何かを思いつき、アルゼナルの上部へと駆け上がる。空はドラゴン村で覆われており、キオはドラゴン達に大声で言う。

 

「おーい!!俺は敵じゃねぇ!!!!“サラ”の知り合いだ!!!」

 

するとドラゴン達はキオへの攻撃を止める。

 

「今すぐあの機体に乗っているサラに伝えてくれ!!これ以上は被害が出る!そしてヴィルキスとその本当の乗り手が来る!早くサラに伝えてやってくれ!!」

 

キオの話を聞いたドラゴン達はすぐにサラの焔龍號へと飛び立つ。

 

「さてと、アルヴィース!」

 

キオはアルヴィースを呼び出すと、アルヴィースが口笛を吹き、テレシア達を呼び出した。

 

「頼む!ドラゴン達は絶対に殺すな!追い払うだけで良い、そして第一中隊だけ少し遊んでやれ!彼女達も殺さないでくれ!!」

 

キオはアルヴィースのモナドをテレシア達に突き付ける。テレシア達は吠え、従うかのようにキオに攻撃してくる。

 

一方、臨時司令部ではドラゴンではない未確認生命体が現れた事に驚くパメラ達。ジルはテレシア達を見る。

 

「ドラゴン?……違うなぁ。残存部隊を後退!第一中隊のサリア達に集約。サリア達を出せ!」

 

「了解!」

 

パメラはすぐに通信し、ジルは上空のパラメイルを見ながら思った。

 

「(あの武装…まさかな…)」

 

そして格納庫内でドラゴンと戦っているサリア達に命令が下る。

 

「了解! 皆!パラメイルに騎乗!」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

サリア達が自分達のパラメイルに搭乗している中で、ジルが通信する。

 

『サリア、もう説明しなくても分かってるな?』

 

「はい」

 

『よし。それとアンジュは原隊復帰させろアンジュとヒルダを原隊復帰させろ。ヴィルキスでなければ、あの機体やあの未確認生命体は抑えられん。アンジュを乗せるんだ』

 

淡々と告げられた内容に唇を噛む。またアンジュなのか、沸き上がる嫉妬を抑え切れず、サリアは思わず口を開いた。

 

「だったら…私がヴィルキスで出るわ!」

 

そう……アンジュなど必要ない。彼女にヴィルキスは渡さない。だが、サリアの意思を制するように冷淡なジルの声が響く。

 

『黙れ! 今は命令を実行しろ!』

 

響く恫喝がサリアの内にあった大切なものを傷つけ、サリアは悔し涙を浮かべる。

 

「私じゃ…ダメなの? ずっと、あなたの力になりたいって思ってた……ずっと、ずっと頑張ってきたのに! なんでアンジュなの? なんであんな子なのよ! ちょっと操縦がうまくて器用なだけじゃない! 命令違反して、脱走して、自分勝手な奴なのに! どうしてよ!?」

 

これまで抑え込んできた感情が爆発し、吐露するサリアだったが、次にジルの放った言葉は、サリアへの否定だった。

 

『……そうだ』

 

「バカにしてっ……!」

 

愕然となった瞬間、サリアはアーキバスから降り、後方の機体へと向かって駆けていった。

 

「(見てなさい! 私の方が優れてるって思い知らせてあげるわ!)」

 

悔しさと怒り、それがごちゃ混ぜになりながら、サリアは止めようとするメイを振り切り、『ヴィルキス』へと飛び乗った。

 

 

 

その頃、焔龍號のコックピットにいるサラは戻ってくるドラゴンの話を聞いていた。

 

「え!?彼処にキオが!」

 

サラは驚き、アルゼナルの甲板上層部をズームする。そこにはサラに向かってキオがチェスチャーしていた。

 

「耳に?」

 

するとキオがインカムを見せる。

 

「?……通信!」

 

サラは通信機を起動すると、キオが通信してきた。

 

『サラ!俺だ!』

 

「キオ!」

 

『テレシアがドラゴンを追いかけ回しているだろ?今から聞く作戦の内容通りにやってくれ!テレシア達に君達や彼女らに殺さず、追いかけ回すようにと命令した!だから、テレシアとともに彼女達を追いかけ回してくれ!撃ってきたらテレシア達が守ってくれる!だから頼む!』

 

「ですが!」

 

「姫さま、来ました!」

 

「?」

 

蒼龍號のパイロットであるナーガがこちらへ向かってくる機影を見る。その中にヴィルキスがいた。

 

「あれは、ヴィルキス……」

 

ヴィルキスは不安定な飛空をしながら、こちらに向かってくる。

 

「姫さま!」

 

「ここは私達が!」

 

蒼龍號と碧龍號に乗っているナーガとカナメがサラを守ろうと前に出る。

 

「ナーガ、カナメ、良いのです。ここは私に♪」

 

「「姫様!」」

 

サラは不安定に飛ぶヴィルキスへと向かう。一方、サリアは単体で不明機のパラメイルへと向かう。っが出力が上がらない事にイラ立ちを現す。

 

「もっと!もっと早く飛べるでしょ!?」

 

何とか体制を整えて、呼吸を整えながらもヴィルキスの性能に驚きを隠せない。

 

「嘘よ…ヴィルキスがこんなにパワーが無いなんて…(アンジュの時はもっと…!)」

 

サリアが考えてる中でドラゴンが攻めて来る。その時にサリアを狙っているドラゴンをヒルダのグレイブが撃ち落とす。キオはバイザーでズームし、乗っているのがヒルダとアンジュと確認する。

 

「アンジュ、ヒルダ……良し!セイレーン!」

 

格納庫にあるセイレーンのツインアイが光り、キオの元へ飛び上がる。キオのところに着陸し、乗り込もうとした時、大きなワームホールが現れると同時に、中から終焉のテレシアが飛来する。

 

「終焉のテレシア!!」

 

セイレーンに乗ったキオが驚くと、終焉のテレシアが頭を下げる。

 

「?……乗れって言うのか?」

 

するとテレシアがセイレーンを掴み、そのまま飛ぶ。

 

「どうなるんだ?」

 

キオはそう考えていると何処からか声が聞こえてくる。

 

『…………んなさい』

 

「?」

 

『……ごめんなさい……あなた達に……こんな“力”を与えてしまって……』

 

するとキオの目の前の光景が変わる。何処か知らない都、和風建築な建物は燃え盛り、この世界独自のドールの残骸、絶命している民や兵達の体には無数の風穴があった。

 

「何……これ?……っ!!!!!?????」

 

キオが無残な光景を見ていた直後、背後からこの世とは思えないとてつもない殺気を感じとる。

 

「(何だ!?……この殺気!?)」

 

キオは恐る恐る振り向く。

 

「っ!!!!!!」

 

キオは驚く、血のように紅く染まった空に浮かび上がる巨大な頭部、嫌……その頭部だけなく全ての大地をも覆い尽くす程の巨大な人型をした巨人であった。さらに驚くのは巨人の身体の殆どが白と灰色に染まった大地と蒸気を放つ機械の半分で出来ており、巨人は赤く染まる四つの野獣の如く眼差しでキオを見つめる。

 

「何だ!?この化物は!?」

 

すると巨人は口が傾き、悍ましい微笑みを表し、耳まで裂けた口を大きく開かせる。

 

「!!」

 

キオの身体の中の細胞が昂ぶると同時に手と足が怪物の放つ威圧に手と足がの身動きが取れなくなる。

 

「(何で!?……何で動かないんだ!?)」

 

するとキオの後方から無数のテレシアや見たこともないドール、そして龍と思わせる白きドールが翡翠色の天使の翼と深紅色の龍の翼のエナジーウィングを展開し、巨人に向かってテレシアに命令する。

 

「我が同胞よ!忘れてはならぬ!我が“エルダー 一族”は決して、あの忌まわしきあの“神”によって我ら同胞の無念!ここで貼らさせてもらう!!!愛しき子である我が子達の未来を守る為に!!」

 

気高く美しい女性のパイロットは黄金に輝くモナドを神に突き付け、宣言する。

 

「同胞よ!厄災をもたらす神に!我が同胞と一族!エルダー皇国に永遠と栄光を!!!」

 

全軍が一気に突撃すると、神は声を上げる。

 

 

 

 

 

【……………面白い!!!】

 

 

 

 

 

神は微笑み、四つの目から収束拡散レーザーを放つ。

 

「(フェメル…ティオル…ココル……お母さんはいつまでも!あなた達を!!)」

 

女性は塵となっていくテレシアに構わず、モナドを振り下ろした。

 

「っ!!……母さん!!」

 

突然キオが女性に手を差し伸べ叫んだ。そして映ったのは、焔龍號とヴィルキスからサラとアンジュが会話していた。

 

「何故 偽りの民が、『真なる星歌』を?」

 

「あなたこそ何者!?その歌は何!?」

 

するとキオ達の回りにある光景が広がる、それはある服装や戦争をしているキオ達の姿をしていて、それにキオ達は目を奪われる。

っとその女性からの機体にある警報がなり、それにキオは向く。

 

「時が満ちる…か」

 

「ちょ!ちょっと!」

 

「真実は『アウラ』と共に」

 

そう言いってその不明機は残りの機体とドラゴン達と共にゲートの先へと消えていった。ドラゴンが消えて中、セイレーンのコックピット内でキオは手を差し伸べながら泣いていた。

 

「え?……何で?それに今……俺はあの女の人事を……」

 

すると終焉のテレシアが動き出し、ココのグレイブに迫る。

 

『ココ!危ない!』

 

「え?」

 

ミランダが注意するが既に遅し、テレシアはグレイブごとココを掴む。そしてそのままテレシアは丘の上に着地する。キオとココは緊張しながらテレシアを警戒する。すると終焉のテレシアが首を伸ばし、吐息を掛けると粒子が膨張し、拡散する。

 

閃光が掻き消え、その下から眩いばかりの虹色の粒子が満ちる。溢れんばかり粒子がキオとココを囲む。

 

「これ…」

 

「きれい……」

 

翡翠に輝く粒子がキオとココの服装を変えていく。スパルタンスーツは滑らかな鎧へと変わり、ヘルメットは光の翼を放出すると耳飾りへとなる。ココの方はアルゼナルの制服が弾け、機械を模した黒いドレスを纏う。

 

「これ……」

 

「服が……」

 

すると終焉のテレシアやテレシア達がキオとココに深くお辞儀する。

 

《エルダー皇国第ニ皇子 ティオル・ミラ・エルダー 皇太子殿下……エルダー皇国第一皇女 ココル・マシーナ・エルダー 皇姫殿下》

 

するとキオの中にいたアルヴィースとヒカリ、メツ、コスモスもお辞儀し、アルヴィースが呟く。

 

「我らを導く真なる皇族の兄妹よ♪」

 

「「……兄妹?」」

 

二人は互いに顔を見て、アルヴィースの方を向いてキオとココは天高く叫ぶ。

 

「「えええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!???」」

 

「俺には!?」

 

「私には!?」

 

「「実妹がいたのか!!?/お兄ちゃんがいたの〜!?」」

 

キオとココ……明かされた事実に叫ぶ皇族の兄妹は驚くのであった。

 

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