クロスアンジュ 因果律の戦士達   作:オービタル

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第22話:日常

翌日、エリュシュオン内部“ブレイドエリア”では全スパルタン兵とエーテリオン隊員、ラース傭兵、バイアス強襲部隊が集まっていた。演説台の上に乗ったナギ軍務長官とモーリス行政長官が説明していた。

 

『各世界に散らばり、調査していた部隊。よくぞ集まってくれた。我々エーテリオンはアウラの民との友好条約結び、デウス・コフィンの殲滅に協力してくれるそうだ。そして、彼らの始祖であるアウラがミスルギ皇国皇都の中枢部“アケノミハシラ”の地下に幽閉されている事が確認された。明後日、我々エーテリオンとアウラの民はミスルギ皇国に侵攻し、デウス・コフィン艦隊殲滅した後、アウラの奪還を開始する。』

 

キオ達を含むエーテリオンの皆はナギ軍務長官に敬礼する。

 

 

そして同時に風呂に入っているアンジュはサラにミスルギ皇国に侵攻の話を聞いて、アンジュはそれに問う。

 

「それを聞かせてどうするの? 私に戦線に加われっとでも言うつもり?」

 

「…まさか、貴女は自由ですよ?アンジュ。この世界に暮らす事もあちらの地球に戻る事も…。勿論我々と共に戦っても貰えるとなればそれ程心強い物はありませんが。明日の出撃の前に貴女の考えを聞いて置きたくて…」

 

「私の…?」

 

アンジュはそれに頭を傾げ、それにサラは頷く。

 

「キオやあなた達には、民を救っていただいた恩があります。出来る事なら何でもお手伝いしますわ」

 

アンジュはそれを聞いて少しばかり考えいた。

これから自分はどうすべきなのか、どうするのかを…。

 

 

「アウラを取り戻せばエンブリヲの世界に大打撃を与えられるのは間違いないからね。」

 

「それでいいのかしら…」

 

っとアンジュのその言葉にキオは振り向く。

 

「信じられないのよ…」

 

「…サラの言葉が?」

 

「何もかもが…」

 

アンジュは空を見上げながら言い、それにキオ達はアンジュの方を見る。

 

「ドラゴンが人類世界に侵攻してくる敵だって言うのも嘘、ノーマの戦いが世界の平和を守るってのも嘘…あれもこれも嘘ばっかり。もうウンザリなの…ドラゴンと一緒に戦って、それが間違っていたとしたら……だいたい、元皇女がドラゴン達と一緒にミスルギ皇国に攻め入るなんて…悪い冗談みたい。分からないわ……何が正しいのか…」

 

 

「誰も分からないよ……何か正しいかなんて。」

 

「え?」

 

「大切なのは何が正しいかじゃなくて、君がどうしたいか…じゃないかな?君は自分を信じて進めばいい。俺が全力で支えるから…」

 

 

「バカね……そんな自分勝手な理屈が通じる訳ないでしょう?」

 

「えっ?そう?」

 

タスクはそれに振り向き、アンジュは安心するかの様な雰囲気を見せる。

 

「でも救われるわ、そう言う能天気な所」

 

「フッ、お褒めに預かり。光栄ですっ!!?──」

 

良い雰囲気なのに……転がっていたドライバーに足を取られ、タスクはアンジュの方へと倒れる。

 

「うわああああああっ!?」

 

「えっ!?きゃあああああああ!!」

 

アンジュを巻き込んで倒れ込んで、そこに運悪くヴィヴィアンがやって来た。

 

「皆!皆!お母さんがお礼したいって!」

 

煙が晴れると、そこにはアンジュがタスクに上になって、頭に自分の股を当ててる風な感じだった。

ヴィヴィアンは頬を少し赤くして、可愛らしいポーズをとる。

 

「~~~~っ!!この、A級発情期がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「あ〜〜〜〜〜っ!!!」

 

「大変だ!!タスクが!!」

 

「タスク〜〜〜!!」

 

「俺は未来視で、タスクのこの先起こるラッキースケベを何度も見ないといけないのか……。」

 

 

そして夜となり、町の人々がキオ達にお礼のバーベキューをしてくれて、ラミアがキオにお礼を言った。

 

「本当にありがとうございました、街と私達を護って頂いて」

 

「いえ、俺達はサラ──サラマンディーネを手伝いたかっただけですから。ですが…」

 

キオは崩壊している街の一部を見て、辛い表情をしてしまう。

 

「守れなかった者も大勢います…」

 

 

 

一方、川から無事救助されたタスクはあちこち包帯を巻いていた。

手が使いないタスクにアウラの民の女たちがタスクにお肉を食べさえていた。

 

「はい、あ~ん♪」

 

「あ~ん、はむはむ…」

 

タスクが食べてくれた事にその女たちは喜んでいた。

 

「うわ~!食べてくれた~♪」

 

「男の人って可愛い~!」

 

「えっ? そ…そう」

 

っと思わずタスクは笑みを浮かばせながら照れてしまう、だが近くに居るオリバーやリンがタスクの側までやって来て言う。

 

「おいタスク、あんまりデレデレするとアンジュがまた機嫌悪くなるぞ?」

 

「そうですよ、タスクさん、あなたにアンジュさんと言う彼女さんがいますから」

 

「あ…、それは……」

 

「楽しそうね」

 

『『『あっ』』』

 

タスク達は運悪くアンジュがその場にやって来た事に固まり、そしてアンジュの右手に何やら見覚えのある形をしているバーベキューのお肉串を持っていて、アンジュはその先端のキノコをかぶりつく。

 

ガブッ!!

 

「「痛い!!」」

 

タスク達は思わず自分の股をおさえ、女たちは悲鳴をあげてその場から逃げて行く。

それにアンジュは鼻で笑い飛ばし、タスクのそばまで行って隣に座る。お肉を差し出す。

 

「はい、あ~ん」

 

「えっ?」

 

「何?いらないの?」

 

アンジュの行動にタスク達は少々戸惑いを隠せない。

 

「えっ?…な、何で?」

 

「手、使えないんでしょう? 少しやり過ぎたわ」

 

っとアンジュは頬を赤くして、申し訳ない表情をしながら謝る。

 

「こ、このくらいどうってことないさ。アンジュの騎士は不死身だからね」

 

「あの高さでも生きてるって……俺たちB.Bの体じゃなかったら確実だな。」

 

オスカーはタスクの身体の頑丈さに思わず呆れる表情を示し、タスクはそれに苦笑いしながらもアンジュが差し出したお肉を食べる。

 

「うん!美味い! アンジュが食べさせてくれると格別だね!、それに一気に直る気がするよ!」

 

「バカ…」

 

その事にアンジュは呆れ返り、オリバーとオスカーはその事に笑い我慢し、ノアとアリアンナとリンは呆れながら笑みを浮かばせる。

 

そしてアンジュは街を見渡して、タスクがアンジュに言う。

 

「良い所だね」

 

「モテモテだもんねあんた達、特にタスクが一番…」

 

「えっ!?いや!そう言う意味じゃ…?!」

 

タスクは慌てて言うも、彼が言う言葉には説得力がない。

しかしアンジュはそう言いながらも、タスクの言葉に同意する。

 

「でも本当に良い所、皆助け合ってる生きている…あっ、そっか」

 

「どうしたんだ?アンジュちゃん」

 

オスカーがアンジュが何かに気付いて問い、アンジュはそれに答える。

 

「アルゼナルみたい…なんだ」

 

その事にオリバー達は理解した表情を示し、そしてアンジュは立ち上がる。

 

「私…帰るわ。ヒルダ達が待ってるわ!」

 

「アンジュ…」

 

「それが…貴女の選択なのですね。また…戦う事になるのですね? 貴女と」

 

「サラ子…」

 

「やはり危険です!この者達は我々の事を知り過ぎました!」

 

ナーガは後ろにある刀を手を伸ばしてアンジュ達を警戒する、それをカナメは止める。

 

「でも!キオさん達は都の皆を救ってくれたわ!」

 

「それでもこの間まで殺し合っていたんだぞ? 拘束するべきだ!」

 

ナーガとカナメの言い合いを聞いていたアンジュ達、アンジュは決意を決めた表情で言う。

 

「…私は、もうあなた達とは戦わないわ」

 

「ほら!私達は…えっ?!」

 

その言葉にナーガは思わず驚き、オスカー達もそれに頷いて言う。

 

言葉を聞いたサラは微笑みを浮かばせて言う。

 

「では明日開く特異点により、あちらにお戻りください。必要ならばカナメとナーガを護衛に付けましょう」

 

「さ!サラマンディーネ様!?」

 

ナーガはそれに問うも、そこにオリバーが言う。

 

「大丈夫。俺達もキオとエーテリオンと共に行く。」

 

「そうですか…、お達者でアンジュ。戦いが終わりましたら、何時かまた決着を付けましょう…」

 

「ええ、今度はカラオケ対決でね」

 

っとアンジュとサラは握手をして、それにタスク達は苦笑いをしながら見届けていた。

 

「ところでキオはどうしたのですか? まだ彼とお話ししたい事があるのですが…」

 

「そう言えば、あなた達知らない?」

 

「いや、言われて見れば見ていないな~?」

 

そう言うキオ達は辺りを探し回って行った。

 

 

その頃キオはアウラの塔の高い場所に居て、星空を眺めていた。暗くなったのかと思いきやサラがやって来た。

 

「此処に居たのですね」

 

「サラ…」

 

サラはキオの隣に座り、問いかける

 

「何を考えていたのですか?」

 

「……テレシアの事だよ。母さんがあのテレシアだとすると、俺は一族を何も知らずに道具の様にこき使っていたと思うと、あの時の自分に腹が立って仕方ない……」

 

キオは自身が同胞の末路の姿であるテレシアを兵器の様に扱った事に罪悪感を抱き、涙を流す。そんな時、サラがキオを優しく抱きしめる。

 

「?」

 

「ですが……そのお陰で多くの命が救われました。あなたの同胞もそれを望んでいます。だからどうか、あなたやテレシアを憎まないで下さい…」

 

「サラ……」

 

キオはサラの頭を撫でる。そして二人の様子を見てうっとりするマリアとカナメ。

 

「良いねぇ、幼馴染ロマンスは……」

 

「あ〜、私も早くステキな彼氏が欲しいです!」

 

そんな二人の中、小太刀を持ったナーガがキオを叩き殺そうとするがオリバー達に取り押さえられていた。

 

「グゥ〜〜っ!!離してください!あの下賤な者を斬らなければ!」

 

「やめろ、せっかくのムードを台無しにする訳には行かない。(これで二人の間に子を成せば安泰だ。)」

 

チャールズは二人の将来とその先の未来を思い描くのであった。

 

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