クロスアンジュ 因果律の戦士達   作:オービタル

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第24話:総裁“X”再臨

 

別の場所、ある拷問部屋で吊るされているリザーディアにラグナメイルとデウス・コフィン艦隊がドラゴン達とエーテリオン艦隊との戦闘を見ているエンブリヲが居た。

 

「どうだい、君が流した情報で仲間が虐殺される様を。リィザ…いや、リザーディアか?」

 

「ぅ…」

 

それにはリザーディアはただ悔しがるだけであった。

 

そしてキオ達の方では緊急事態であった。敵の待ち伏せに各艦隊に乱れが常時、混乱状態に陥られていた。ドール部隊はズハッグとゼルンに立ち向かうが、敵の攻防とズハッグとゼルンの武装に翻弄されて行く。艦隊も同じ状況であった。Macガンで応戦するも、フォルトゥラー、カタストロフィー艦隊の猛攻に押される一方であった。キオとココはセイレーン・ヤタガラスで応戦する。バグズ部隊が高速でヤタガラスを追撃してくる。

 

「クソ!速すぎる!!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「っ!!」

 

ココが大声でキオに言う。セイレーンの上空から現れた機影黄土色をしたズハッグ、黒と白に別れたニールネール、そして見たこともない青白く輝く浮遊物と関節部がどうなっているのか中空状態のまま浮いているバンシー・デバイスであった。

 

「フェイト!」

 

「キオ・ロマノフ、そしてココル……今度こそ、アルヴィースとメイナスを渡して貰おう。」

 

「誰がアルヴィースとメイナスを渡すか!」

 

キオはフレシキブルアームからビームソードを展開し、バンシー・デバイスも改良された新たなフレシキブルアーム『フォアランナー・ブレード』を展開、左手にバンシー・デバイス専用狙撃銃『バイナリーライフル』を突き付ける。赤く輝くパルスビームがセイレーンに向かってくる。キオは因果律予測で弾丸の軌道を先読みし、回避する。

 

 

戦闘を行っている中、ドラゴン達が次々と落とされて行くのをヴィヴィアンが見て、大声で叫ぶ。

 

「ああ!!やめろーーーーー!!!!」

 

「くっ!」

 

するとアンジュがヴィルキスを動かして、最前線へと向かう。

それにタスクが慌ててしまう。

 

「!アンジュ!!」

 

「サラ子を助けに行くわ!」

 

「待ってくれ!相手はエンブリヲとデウス・コフィンだ!!」

 

「黙って見るつもり!!?私も行くわ!!モモカ、しっかり掴まって!」

 

「はい!」

 

モモカは返事をし、アンジュはサラを助けに戦場の中へ入る。

 

「クソ!!ヴィヴィアン!しっかり掴まってて!」

 

「おう!」

 

タスクもブロードソード戦闘機の出力を上げ、アンジュを追う。

 

そして戦闘は膠着状態へと陥っており、ドラゴンやエーテリオン艦隊が次々と撃沈されて行く。

サラの焔龍號は蒼い模様があるヴィルキス“クレオパトラ”と右腕に装備されている伸縮式ブレード“積層鍛造光子剣「天雷」”で応戦していた。

 

『戦力!消耗三割を超えました!!』

 

『早くも戦況が維持出来ません!!』

 

ナーガとカナメが左右の通信モニターから報告し合う。

 

「相手は……(考えてみれば多すぎるます、どうすれば!)」

 

サラが現状によって混乱し、クレオパトラがラツィーエルを振り上げる。

 

「っ!!」

 

サラが油断したその時、アンジュのヴィルキスが颯爽と焔龍號の前に現れ、ラツィーエルで防御する。

 

「!?」

 

クレオパトラに乗っているライダーは思わず反応し、アンジュはクレオパトラを一気に吹き飛ばして、その中にいるライダーはヴィルキスを見る。

 

「ヴィルキス…アンジュなの?」

 

ライダーはヴィルキスに呟く。

 

「大丈夫!サラ子!」

 

「アンジュ!」

 

「今の内に逃げなさい!」

 

「出来ません!エンブリヲからアウラを取り戻すまでは!」

 

『サラ!アンジュの言う通りだ!周りを見てみろ!この状況でアウラを奪還するのは無理だ!』

 

サラはキオの言う通りに周りを見渡すと、戦況が混乱状態だ。

 

「アンジュとキオの言う通りだ!今は引いて、戦力を立て直すんだ!勝つために!」

 

その事を言われ、少し頭を冷やして操縦桿を握りしめて皆に言う。

 

「アウラ…全軍!撤退する!! 戦線を維持しつつ特異点に撤退せよ!」

 

それによりドラゴン達は特異点に撤退を開始する。

それに緑のヴィルキス『テオドーラ』がビームライフルで追撃していた。するとアンジュがテオドーラに気付いてアサルトライフルのグレネードランチャーを撃ち、それにテオドーラはビームシールドで防御するも、強烈は爆風と吹き飛ぐ。

 

「ぐっ?!!」

 

そして再び攻撃しようとした時にアサルトライフルの弾が切れた事に気が付く。

 

「くっ…!」

 

『アンジュ、使え!!』

 

っとキオがアンジュにHEーrifleを投げ渡す。

 

『お前達も逃げろ!!』

 

「「「「っ!?」」」」

 

キオは戦っているオスカー達に言う。

 

「何言ってんだキオ!!」

 

「そうよ!」

 

『バカ!アイツらは異常だ!!お前達のドールじゃ奴についてこられない!』

 

「そんな!」

 

『キオの言う通りにしなさい!』

 

エルマがドレッドノートのMacガンを構え、オスカー達の盾になる。

 

『貴方達は体制を整え、戦場へ来なさい!ここは私とキオに任せて!』

 

「……分かりました。エルマさん」

 

「キオ……」

 

「了解……」

 

「キオ、すまない!!」

 

「……くっ!」

 

アリアンナ、オリバー、ノア、オスカー、アンは唇を噛み締め、戦っているエルマの戦艦とキオに背を向いてしまう。

 

そしてサラはナーガ達に通信を入れる。

 

「ナーガ!カナメ!後の事は頼みます! 私は…キオ達と共に残ります!」

 

「「えっ!?」」

 

「えっ!?サラ!?」

 

キオ達はサラの通信を聞いて驚き、アンジュは呆れながら怒鳴る。

 

「馬鹿!!貴女何を考えてるの!?」

 

「いくらキオ達が頑張ってもこの数では無理です! 私も残ります!」

 

そう言ってサラは自分のバスターランチャーを構えて攻撃し始める。

そしてキオの方はフェイトとの戦闘がさらに激しさを増していた。蝶のように舞う二つの流星、蜂のように刺すぶつかり合う衝動。セイレーンとバンシーがフォルトゥラーの外壁を破壊しながら飛ぶ。

 

「あんたが俺らの兄貴なら、何でXに着くんだ?!」

 

「お前に言われる理由はない。全ては最高指導者Xの為……俺の未来の為…」

 

「未来の為?」

 

キオがフェイトが語ろうとしたその時。

 

「やっぱり…」

 

「「?…」」

 

アンジュはクレオパトラの方を見ると、クレオパトラがフライトモードになり、そのライダーのバイザーが透通って素顔が現る。

その人物はサリアだった事に…。

 

「あなた…サリア!?」

 

それを見て聞いていたキオはクレオパトラに乗っているライダーがサリアだと言うことに驚く。そしてブロードソード戦闘機に乗っているタスクやヴィヴィアンも驚く。

 

「サリア…サリアだ!」

 

「えっ?」

 

「でも…」

 

「何やっているのよ!」

 

「質問してるのはこっちよ、どうしてあんたがドラゴンと共に戦って…、それにヴィヴィアンもどうして…」

 

するとレイジアとテオドーラが近くにやって来る。

 

「本当にアンジュちゃん?」

 

「うわ、マジビックリ」

 

「っ!? エルシャに…クリスも!?」

 

三人が敵側になって居る事にアンジュは驚く、するとサリアの元に通信が入る。

 

「こちらサリア…えっ? 分かりました…エンブリヲ様。アンジュ、貴女を拘束するわ、色々と聞きたいことがあるから…二人共、良いわね?」

 

「「イエス、ナイトリーダー」」

 

そう言って三人はアサルトモードに変形し、それにアンジュは驚いて慌てて逃げる。

 

に逃がさんとサリアがビームライフルを構える。

すると空からビームが飛んで来て、三人は回避する。

 

空から焔龍號が飛んで来て、アンジュの元に寄る。

 

「アンジュ!!」

 

「サラ子!?」

 

『サラマンディーネ様!撤退完了しました!』

 

『どうか…お気を付けて。キオ・ロマノフ…』

 

「?」

 

『……サラマンディーネ様をお頼み申す』

 

「言われなくとも、分かってる!!」

 

そう言ってナーガ達の特異点は閉じるのであった。キオはフェイトのバンシー、ニライとカナイのニールネール、ディストラのズハッグも相手していた。しかし、デウス・コフィンの艦隊が後方にいるキルグナスに一斉砲撃を開始する。ブリッジにいるエルマ大佐は歯をくいしばる。

 

「くっ!!」

 

「傾向リフレクターシールド50%低下!!これ以上の戦闘は!」

 

「今ここで彼等の盾がなければ、艦隊の蜂の巣よ!」

 

「しかし!!うわっ!!」

 

突然の衝撃に、キルグナスが揺れる。

 

「っ!?」

 

「キルグナス上空に未確認機を確認!」

 

「モニターに映します!!」

 

モニター画面が表示され、そこに映っていたのは…。

 

「あれは!?」

 

映っていたのは灰色と黒のカラーをしたアレス、そして水色、ピンク、緑、黄色、青、赤色をした未確認機が浮遊していた。すると六体の機体から声が発する。

 

《愚かなるエーテリオンの蛮人よ!我ら『六賢使徒 “オラクル”』の聖裁を受けるが良い!!》

 

すると六体のオラクル達の側頭部から光の羽が展開される。

 

「何なの…あれ?」

 

イザナイ、インガ、カノン、マントラ、メシア、シンリは神託杖を持ち、天高く掲げ、大声で叫ぶ。

 

《ニルヴァーナ!!》

 

神託杖から紫の雷が発し、キルグナスに炸裂する。

 

「エルマ大佐!」

 

煙の中、キルグナスが現れ、キオ達はホッとすると、オラクル達がまた神託杖を掲げる。

 

「止めろ!!」

 

キオはフラップを展開し、オラクルに攻撃しようと向かった直後、セイレーンが目の前の何かにぶつかる。

 

「え!?」

 

「一体何が!?」

 

キオとココは目の前の事に驚く。オラクルの周りに、鏡のような盾が現れ、オラクル達の周辺に漂っていた。すると今度は神託杖から赤く輝くレーザーが一斉に放たれ、周辺を漂ってるミラーシールドに反射していく。

 

「……まさか!!」

 

そして反射するレーザーが中心点に集まり、収束パルスビームを放った、

 

《戒律!!》

 

パルスビームがキルグナスに迫る時、キオのセイレーンがトリオン型障壁を展開し、キルグナスを守る…それを見ていたサラ達はオラクル達に攻撃を仕掛ける。しかし、黒騎士がアンジュ達の前に立ちふさがる。するとオラクルの一人であるメシアがブロードソード戦闘機に乗っているタスクを見る。

 

「あぁ、タスク…久しぶりだなぁ。」

 

「っ!?」

 

するとメシアの身体が光だし、縮んでいくと、白と赤の礼装をした男性へと変わり、仮面を外し、タスク達に素顔を見せる。

 

「お前は!!」

 

「……成長したなぁ、タスク。」

 

「クッ!!…『ガイアス』!!古の民の裏切り者!」

 

《え!!?》

 

タスクがメシア…ガイアスを睨みながらオートマシンガンを放つ。しかし、ガイアスはミラーシールドで防御する。

 

「おいおい、タスク…相手が違うぞ?」

 

ヘラヘラな口調で話すガイアスは神託杖をブロードソード戦闘機に突き付ける。

 

「“三毒“!」

 

神託杖から黒いオーラを放つ亡霊がタスクに襲い掛かる。しかしタスクはそれを回避し、ミサイルで撃墜する。

 

「お〜お〜!やるじゃねぇか。だが、ここまでだ。」

 

ガイアスは巨大な金属生命体へと変身すると、上空から光学迷彩でカモフラージュしていたそれは現れた。全長60km、20隻のカタストロフィー艦隊を連れた巨大戦艦……これこそが、総裁“X”専用超弩級旗艦『マデウス』であった。

 

「でか!!」

 

「何なの、あれ!?」

 

「あんな巨大戦艦までも用意していたのですか!?」

 

「っ!!」

 

するとマデウスからゴルドフェニキス・デバイスに乗った総裁“X”が舞い降りる。

 

「ダイアモンドローズ騎士団団長“サリア”早急にアンジュとキオ・ロマノフ、ココ・リーブを連れて来い。」

 

「イ、イエス…ゴールドロード」

 

総裁“X”の命に従い、サリア達は拘束しようと、アンジュ達を追撃する。

 

サリアの猛攻に防戦一方となり弾き飛ばされ態勢を崩される。

 

「今よ!陣形、シャイニングローズトライアングル!!」

 

「……」

 

「…ダっサ」

 

エルシャとクリス、二人は陣形名に厨二的ダサさを感じながら、毒舌を吐く。

 

「何か?」

 

「う、うん!了解よ!」

 

エルシャは無理をし、ヴィルキスを囲む。そして腕部のワイヤーショットを撃ち込み、ヴィルキスを捕らえる。そしてキオの方もフェイトが叫ぶ。

 

「センチネル・フラップ!」

 

バンシーの肩部に装備された無人機動兵器『センチネル・フラップ』四基が展開され、トラクタービームを放つ。

 

「くっ!」

 

キオとアンジュは振り払おうとするが、身動きが取れなかった。

 

「終わりよ!アンジュ!」

 

「アルヴィースとメイナスを渡せ!ティオル!ココル!」

 

サリアとフェイトはアンジュとキオに銃を突き付ける。その時、上空からヴィヴィアンが落下し、ワイヤーにプラズマグレネードを取り付け、ワイヤーを破壊した。

 

「うっほーい!」

 

「ヴィヴィちゃん!?」

 

「え!……嘘!!?」

 

エルシャとクリスはヴィヴィアンもいる事に驚く。

 

「キオ!」

 

そしてサラも焔龍號のバスターランチャーでセンチネル・フラップを撃墜する。フェイトはバンシー・デバイスの掌に搭載されているフォアランナー・シールドを展開し、バスターランチャーの高火力ビームを霧散する。

 

「邪魔だ!龍の姫巫女が!!」

 

フェイトはフレシキブルアームからビームソードを展開すると、上空からエーテルレーザーが飛んできた。

 

「っ!!」

 

フェイトは驚き、回避する。モニター画面をズームしてみると、キオ達を助けに終焉のテレシア…レイナスが飛来してきた。

 

「……テレシアが!!」

 

フェイトはテレシアを睨みつける。

 

『フェメル…あなたは……』

 

レイナスは自分の子を見て悲しむ。そして助け出したアンジュとキオを掴み、ワームホールを呼び出し、そのままサラとタスク、エルマのキルグナスと共に中へと入って行った。

 

「逃すか!!」

 

フェイトは追撃しようと、ワームホールの中へと入って行き、ワームホールが消える。ディストラ達とサリア達、サリアは消えていったヴィルキス達を見て唖然とする。

 

「何処に行ったの…アンジュ」

 

 

 

 

 

 

 

嵐が吹き荒れる乱雲の中、ココのハウレスとの連結部が解除され、何処かに飛ばされる。アンジュやタスク、モモカにヴィヴィアン、エルマ大佐のキルグナスも見えなくなり、キオはサラの焔龍號を抱きかかえ、地に不時着する。コックピットから投げ出されたキオとサラはその場で気を失う。乱雲が収まり、徐々に雲が晴れ、曙光が二人が気を失っている浮遊大地に差し込む。壮大な草原、不自然に咲く花々、天空に浮かぶ大陸、数多の原生生物が駆け巡る大地……『ウル』。そう……キオ達はレイナスの能力によって未開大地『ウル』に辿り着いたのであった。

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