そして翌日、キオ達はアンジュとタスクとサラと共にアウローラでジル達と作戦会議を開いていた。
「よく眠れたか?」
「えぇ…」
ジルがアンジュに眠った感想を聞き。
アンジュはそう答え、ジルが笑みを浮かばせる。
「それは結構…、ではお前たちに任務を与える。ドラゴンと接触、交渉し…エーテリオンと共同戦線の構築を要請しろ」
それにアンジュとタスクは驚きの表示を隠せず、達は無表情のまま聴き続けた。
「どうした?お前の提案通り、一緒に戦うと言っているんだ」
「…本気?」
「リベルタスに終止符を打つには、ドラゴンとの共闘…それがもっとも合理的で効率的だと判断した…」
それには流石のジャスミン達も驚きを隠せずだった。
ジルの話しを聞いたタスクは笑みを浮かばせながらアンジュの方を向く。
「アンジュ…!」
「うん!」
しかしその中でもキオは真剣な表情を保ったまま聞いて、ジルの真の目的を未来視で見通す。
エンブリヲと総裁“X”が率いるラグナメイル部隊とデウス・コフィン艦隊が居る場所、暁ノ御柱にエンブリヲ、要塞旗艦マデウスに総裁“Xに”居ることが判明し、そこにドラゴン達とエーテリオン共にミスルギ皇国に進行すると言う作戦。アウローラはドラゴン達の後方支援にあたり、ミスルギに向かうと……。
その作戦を聞いている中でアンジュがある事を問う。
「ねえ、そう言えばサリア達はどうするの?」
「何?」
「サリア達も撃つ落とすつもり?」
その事にジルは思わず鼻で笑う。
「フッ、持ち主を裏切る様な道具はいらん」
「道具って…!だってサリアよ!?」
ジルが道具と言った言葉にアンジュはそれに反応して言い、ジルは言い続ける。
「全てはリベルタスの為の道具に過ぎん。ドラゴン共も、アンジュも、私もな…」
「えっ?!ドラゴンも…!?」
「貴女…一体何をするつもりですか? 我が民に何をするつもりで!」
サラがジルを睨みながら言い、それをジルは少しばかり目を瞑り、キオがジルの方を見ながら言う。
「嫌な予感はしていたが、未来視の通りだ!!」
「ドラゴンと共闘…?ふはははははは!! アウローラの本当の浮上ポイントはここだ!」
っと机の画面にアウローラだけが浮上ポイントが違う場所であり、それにキオ達はそれに目を奪われる。
キオ達が驚いてる中で、ジルがアンジュに言う。
「エーテリオンとドラゴン共がラグナメイルとモビルスーツ部隊と交戦している間に、アンジュ…お前はパラメイル隊と共に暁ノ御柱に突入…エンブリヲを抹殺しろ!」
「はぁ~!?」
アンジュはジルのとんでもない作戦に驚きが隠せず、サラは思わず立ち上がる。
「貴女!!我が民を捨て駒にするつもりですか!?」
「切り札であるヴィルキスを危険にさらす様な真似はできんからな…」
「貴様、ここにいるエーテリオンを敵に回す事なるぞ。それに未来視はエンブリヲをも超越している。時空を司る奴でも、未来を見通す力なんてない!勿論、お前の作戦がこの先無様にやられる事も!!」
「……ならば、協力する気にさせてやろう」
っとジルはコンソールを操作して、壁のモニターにある映像を映す。
それは手足ロープで縛られ、口をテープで縛られたモモカの映像だった。
「モモカ!?」
「減圧室のハッチを開けば侍女は一瞬で水圧に押しつぶされる」
キラ達はモモカが捕らえられている映像を見て驚き、ジャスミン達はジルの行動に驚く。
「ジル!あんたの仕業かい?!」
「聞いてないよ!こんなの!!」
「アンジュは命令違反の常習犯、予防策をとっておいたのさ。侍女を救いたければ作戦を全て受け入れ!行動しろ!天の聖杯のドライバーであるキオ・ロマノフ!」
その時、アンジュが銃を取り出してジルに向ける。
「ふざけるな!!モモカを解放しなさい!!今すぐ!!!」
っと次の瞬間、ジルに銃を奪われて、アンジュはジルに腕を捕まれ引き寄せられて、ジルに盾にされて銃口を頭に付き付けられる。
「ジル!!」
ジャスミン達はジルの行動に驚き。
それにキオとタスクはモナドと刀を取り出して構える。
「ジル!いい加減にしろ!!」
「動くな!特にキオお前は一番警戒する奴であった、未来視と因果律予測で私やヴィルキスを導け!!そしてタスク、お前はヴィルキスの騎士。お前はヴィルキスを護れば良いのだ!」
「アレクトラ…!!」
もう完全に昔のジルではないと感じたタスクは何かの小型リモコンを取り出し、スイッチを押す。
そしてジルは苦しむアンジュに問う。
「さあ、お前の答えを聞こうかアンジュ」
「く…くたばれ!」
っとアンジュはジルに向かって唾をかけ、唾を掛けられたジルはアンジュを睨む。
「痛い目にあいたい様だなぁ…」
ジルがアンジュに拳を上げた途端、ジル達の身体が急に動かなくなり、ジャスミン達は徐々に意識が失っていった。
何とか意識を保っているジルは換気口を見て、換気口から何かガスが出ているのに気が付く。
「ガスか…!」
「未来視でガスを取り付けている俺たちの姿が見えたものだなぁ。その通りに従った。案の定だったけどな」
「貴様…!!」
「サラ!」
キオはサラにガスマスクを投げ渡す。タスクもアンジュにガスマスクを付けてやる。
「キオはヘルメットを被り、ジルを睨む。」
「テメェのやり方じゃ、エンブリヲやXには勝てない。心を入れ替えて、よく考えてみろ。」
そう言ってキオ達は部屋から出て、ジルはアンジュを抱え出ようとするタスクを睨む。
「タスク!貴様もか…!!」
「アレクトラ、もうあんたは俺の知っているアレクトラじゃない!」
「貴様!ヴィルキスの騎士が! リベルタスの邪魔をするのか!!!」
その事にタスクは真っ直ぐな目線でジルを見ながら言う。
「俺はヴィルキスの騎士じゃない…。アンジュの騎士だ!!」
それにアンジュは思わずタスクを見て、キオは振り向きながら笑みを浮かばせて出て行き。タスクもアンジュを抱えて出て行く。
ジルはふらつきながらも立ち上がり、怒り満ちた顔になって行く。
「惚れ付いたか…ガキが!」
っとナイフを取り出す。
モカが捕らえられている減圧室、モモカは自分ではどうにも出来ないと分かった所にアンジュが減圧室の扉を開く。
「モモカ!!」
「(アンジュリーゼ様!)」
アンジュがモモカを助け出した同時にキオ達はヴィヴィアンと合流した。
「ココ!ミランダ!?お前等…どうして?」
「だって…アンジュさんが心配で」
「私達も裏切ってしまいますが…行きます!」
その事にキオは渋々と考え、そして頷く。
「分かった!なら付いて来い!」
ココとミランダはそう頷いて、キオ達の後を追いかけキルグナスへと行く。
そしてキルグナスはアウローラとの連絡通路を外し、浮上して海面へと向かう。キルグナスの格納庫に到着したキオ達はそれぞれの機体へと向かう。
「また敵前逃亡か、アンジュ!」
皆が前を見ると、脚にナイフを刺して引きずりながらやって来るジルの姿がいた。
「ジル!」
「あいつ…自分の足にナイフを刺して眠気を覚ますとはな!」
「無茶苦茶だなおい…」
ジュン達はジルの行動に信じられない表情をしながら見て、ジルはアンジュを睨む。
「逃がさんぞ…アンジュ! リベルタスを成功するまではな!」
ジルは刺しているナイフを抜いて構える。
「いい加減にしろ!!お前はどこまでアンジュの意思を弄ぶつもりだ!!」
「道具に意思など要らん!!」
「勝手すぎる……!!」
完全にアンジュをボロ雑巾に使い続けるジルにキオの怒りがますます上がって行く。
アンジュはジルの完全な復讐心に囚われている事に嫌気が出る。
「私の意思を無視して戦いを強要するって…人間達がノーマにさせている事と一緒じゃない!!」
「命令に従え…司令官は私だ!!」
「人間としては屑だ…お前は!!」
そしてアウローラとキルグナスが海面へと浮上し、艦内にサイレンが鳴り響く。
「アンジュ……コイツの相手は俺がやる。」
「大丈夫なの?」
「心配するな、俺には……馬鹿みたいなこのテレシアの姿がある!!」
キオは半身テレシア化し、ファイティングポーズをとる。
「お前が勝ったら、俺を煮るなり焼くなり好きにしてもいい。皆は下がっててくれ」
ジルはナイフを構えてキオを斬りにかかるが、避けて蹴りを放つ。
互いの攻防が続くが、ジルはキオに強く言う。
「人間の皮を被った怪物が!!そんなお前だからこそ、リベルタスを成功させるために必要なんだ!!」
「彼女達を道具にしか考えないお前が言うな!!」
キオはジルの腕を掴んで投げ飛ばすが、ジルは両手をついて一回転して着地する
「それでも俺とアンジュも復讐の道具にならねぇぞ!!アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ!!」
「っ!!黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
鋼の義手がキオの頰に炸裂した。
「キオ!!」
サラが心配する中、キオは鋭い眼差しでジルの腹部に強烈な一撃炸裂する。意識が朦朧としかけているジルだが両膝をついて倒れた。
「俺たちは自分の意思で歩む。勿論、この戦いもだ……お前のやり方だと、サラとの約束を壊す事にもなるからな!!」
キオがジルに向かってサラとの約束を守っている事を告白した。
「キオ…」
サラはキオの言葉に嬉しくなると、意識が薄れようとするジルはボロボロになっても立ち上がろうとする。
「私は……私は!」
「もうやめな!ジル!」
突然の声にキオ達は振り向くと、マギーに支えられやって来るジャスミンが居た。
「ジャスミン、どうやって此処に?」
「あんた等が連絡通路を切り離す前に何とか目が覚めて、切り離す直前に行き此処に来たのさ」
そうキオに言うジャスミンは倒れているジルに言う。
「ジル、あんたじゃキオに勝つ事は出来ないよ…。戦って分かるだろう」
聞いたジルは歯を噛みしめながら悔しがり、そのまま意識が途切れてしまう。
海面に出たアウローラとキルグナスは格納庫ハッチが開く。
「これからどうするんだい?」
「もう決まっている。俺達がリベルタスをやる」
「あの人のやり方は間違ってはいたけど、やっぱりノーマの解放は必要だもの…。私達がやるわ、リベルタス」
「ああ、俺達を信じてくれる人たちと……俺達が信じる人たちと一緒にね」
キオ、サラ、アンジュ、タスクがそう言ってジャスミンは笑みを浮かばせる。
ココとミランダはキオ達に言う。
「あの!私達この艦に居ればいいですか!?」
「ああ、俺達はあっち側に行くから、ココはエルマ大佐達と居てくれ。みんなを守るために。」
ココ達はキオの言葉にちょっと間を空けて黙り込む。
「何、心配するな。妹を置いていく兄ちゃんが何処にいる?必ず戻ってくる。約束な♪」
キオは小指を立て、ココと約束する。
そしてキオ達はそれぞれの機体に乗り込み、発進する。
「さて、アンジュ!お前撃つけど良いか?」
「えぇ、お願い!」
キオはエーテルライフルを向けたその直後、ワームホールが開き、キオの目の前にマデウスが現れる。
《っ!!!!!》
キオ達は総裁“X”の総旗艦が現れた事に驚く。するとマデウスから総裁“X”の声が聞こえてき出す。
『愚かな天の聖杯のドライバー……ティオル・ミラ・エルダー。大人しく我に空のゾハルを渡せ。そして皇女アンジュリーゼに宿りしヒカリと龍の姫巫女に宿りしホムラ、ココル・マシーナ・エルダーの機のゾハルもだ。渡さなければ、これから見せる我のマデウスに恐怖し、絶望するだけだ。』
マデウスの各部が光だす。すると各部が変形し始める。各部の対空レーザーが寄り集まり、主砲へと変わる。右腕部にレーザーガトリングが集まり、左手に強力なシザーを持つビーム砲、そして独特としたフォルム、最後に艦橋が頭部へと変わり、巨大な要塞ロボットへとなった。
「あれは!!!」
「デカ!!!」
「ありえない、あのような戦艦が……巨大なロボに!?」
「総裁“X”!!!」
キオ達は巨大ロボットに変形したマデウスを睨むのであった。