クロスアンジュ 因果律の戦士達   作:オービタル

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前回の話通り キオとサラ………とうとう、一線越えちゃいました!!!(プフッ♪)


第39話:Necessary・中編

そしてキオ達の通話を終えたエンブリヲは受話器を戻して、窓を見る。

 

「やれやれ…野蛮な女だ、それにXが死んだ今、この私に楯突くものなどいない…」

 

そう言い残してエンブリヲは小説を読み始めた。するとそこに思いつめたエルシャが子供たちの服を持って来てやって来る。

 

「エンブリヲさん」

 

「おや、どうしたねエルシャ?」

 

エンブリヲに聞かれたエルシャは思いつめた事を問う。

 

「幼年部の子供たちが…、あの子達を…また生き返らせて下さい」

 

エルシャは再び子供たちを蘇らせてほしいとエンブリヲに頼んだのだが、エンブリヲはそれをため息をつかせながら言う。

 

「はぁ…それは出来ない」

 

「え…?」

 

「新しい世界は新しい人類の物、あの娘たちは連れてはいけないのだ」

 

っとエンブリヲの言葉にエルシャは思わず戸惑ってしまう。

 

「…そんな」

 

「君には新たな世界で、新たな人類の母になって貰いたい…分かって貰えるな?エルシャ」

 

エンブリヲが言った瞬間、エルシャが持っている子供たちの服を落としてしまい、それにエルシャが混乱してしまう。

 

「…いや、…いや!!」

 

エルシャは混乱した状態でエンブリヲに近づいて、必死に頼み込んだ。

 

「あの子たちは!あの子たちは私の全てなんです!! 私はどうなっても構いませんから!!どうか!!」

 

涙を流しながらエンブリヲに頼み込むエルシャ、しかしエンブリヲはため息を付いた後に手を翳す。

それにエルシャは首に何かを掴まれた状態で浮かび、苦しみながらもがく。

 

エンブリヲは細目でつぶやく。

 

「もう少し物わかりの良い女だと思ったが…」

 

そしてエンブリヲはエルシャを離して、倒れたエルシャに冷たい言葉を放つ。

 

「これ以上手を掛けさせないでくれ、私は忙しい」

 

っとそう言ってエンブリヲは何処かに行ってしまう。残されたエルシャは絶望に叩き落とされて泣き崩れていった。

 

 

 

 

 

 

 

「ミスルギでヒルダたちを追い詰めたの、クリスらしいよ」

 

「何?」

 

ジルの自室。ソファーに腰を下ろしながら口を開いたジャスミンに、ジルが怪訝そうな表情になった。

 

「ヒルダたち相手に互角に立ち回って、新兵も一人やられかけたんだと」

 

「……」

 

「エンブリヲの部下は優秀だね。兵隊も、隊長さんも」

 

「…何が言いたい」

 

ジルが憮然とした表情で口を開いた。

 

「いや…」

 

吐き出すようにそう言いながら、ジャスミンがソファーから立ち上がった。

 

「サリアにもっと優しくしていれば、あの子が敵になることはなかったんじゃないか…ってね」

 

ジャスミンはジルを一瞥してそれだけ言い残すと部屋を出て行った。その後を、バルカンがついていく。

 

「……」

 

残されたジルはどんな顔をしたらいいのかわからず、しかめっ面を浮かべることしかできなかった。

 

 

 

 

 

「全部、嘘だったのね…」

 

雨が降りしきる皇城の中庭。雨に打たれるのも気にせず、全身濡れ鼠になりながらエルシャがシャベルで穴を掘り、呆然と呟いた。

 

「平和な世界も、平等な暮らしも、何もかも…」

 

涙が雨と共に流れ落ち、思わずそれを拭った。

 

「ごめんね、みんな」

 

許しを請いながらエルシャは穴を…彼女たちの墓標を作り続けていた。やはり爆発に巻き込まれて粉々になってしまったのか亡骸は見つけられなかった。ただ、彼女たちの日用品や遊び道具は元の面影が無くなったといえどある程度は見つけられたので、それを埋める気だった。

エルシャは悲しみと絶望の中、雨に打たれながらその後も延々と穴を掘り続けたのだった。

 

 

 

 

 

とある孤島。

アンジュを乗せたタスクのマシンはその島に着陸する。そして、役目は終えたのだろう、オートロックを解除した。

 

「ん…」

 

解放され、自由になった手首をプラプラさせながら前方を見る。そこには見覚えのある光景があった。そう、タスクがねぐらにしていたあの横穴の住居である。タスクは二人が初めて会った場所に航路を設定していたのだ。

マシンから降り立ったアンジュは覚束ない足取りで懐かしのその場所へと歩いていく。彼女の全身もエルシャと同じく雨が濡らしていた。

 

「あの日の…まま…」

 

入り口で立ち尽くしながら呆然とアンジュが呟いた。そして、中に入っていく。と、その拍子にそのポケットから何かが滑り落ちた。金属音に振り返ると、そこには床に落ちたペンダントが光っていた。タスクに託された、あのペンダントである。

 

「……」

 

それを目にして、アンジュの真紅の瞳が揺れる。

 

「帰るときには、いつも貴方がいた…。帰る場所には、モモカ、貴方が…」

 

タスクとモモカの姿がアンジュの脳裏に浮かび上がる。しゃがみ込むと、アンジュは落としたそのペンダントを拾い上げる。

 

「なのに…なのに…」

 

今は誰もいない。その事実がアンジュの心に重くのしかかり、自然と落涙させる。そしてそのまま、彼女の周りを慟哭が包んだのだった。

 

 

 

 

 

その頃、アウローラでは……。

 

『私が、アレクトラの仇を討つんだから!』

 

自室でソファーに横になりながら、ジルは昔のことを思い出していた。先ほどジャスミンに言われたからだろうか、泣きながらそう言ってくれたサリアのことを。しかし、今彼女はここにはいない。

 

「……」

 

ジルはその事実から目を背けるように寝返りを打った。そして、その当人であるサリアは、

 

「アンジュは、必ずここに来る…」

 

ミスルギ皇城の自室で、ベッドの上に体育座りをしながらブツブツと呟いていた。

 

「期待しているよ、私のサリア…」

 

膝を抱えながら、先ほどエンブリヲに掛けられた言葉を復唱するように呟いた。が、

 

「だって。嘘ばっかり」

 

サリアが吐き捨てるようにそう言うとベッドから立ち上がる。

 

「でもね、アンジュ。あんたがいなくなれば、私の方が強いってわかれば…」

 

サリアは部屋に飾ってある変身用の自分の衣装の元へとツカツカと歩み寄った。そして、コンバットナイフを抜いてその手を振り上げて、自分の衣装に突き立てた。

 

「エンブリヲ様は認めてくれる! 私の価値を!」

 

そして、まるでアンジュにそうするかのように衣装を切り裂いた。

 

「…それができるなら、何もいらない」

 

そう言って顔を上げたサリアの目は、何も映していないかのように昏いものになっていた。

 

 

 

 

一方、チャールズ達はグノーシスの整備点検をしていた。

 

「これがキオの新しいドールデバイス……」

 

メカニックであるリンがグノーシスを調べていた。

 

「チャールズさん、この機体の構造とフレーム凄いですよ!」

 

「?」

 

「この機体の構造とフレーム、サマールとフォアランナー、マ・ノン達の技術を遥かに上回っちゃっていますよ!ハァ〜〜……私もキオさんが飛ばされた時空に行ってみたいです…」

 

「無理を言うな、何処の時空なのかも分からないのだぞ。」

 

「そうですよね……」

 

 

 

 

 

そしてアウローラの医務室でリィザとエマはベットに寝かされえて点滴を受け、マギーはリィザのドラゴンの特徴を聞いた。

 

「ドラゴンの声はマナに干渉し人間を狂わせる…、だからマナを持たないノーマしか戦えなかったと言う訳か」

 

「そんな事何処に載っていません!」

 

エマはマナで資料をよく探しても見つからず、リィザの事実に驚きを隠せなかった。

 

「はぁ…、この世界は嘘で塗り固められいる。だけどマナを破壊するノーマは…その嘘を全て暴いてしまう」

 

「だから差別され、隔離された?」

 

マギーの問いにリィザは頷いて、再び話を続ける。

 

「人間達に…本能的にノーマを憎む様プログラムを与えて──」

 

「それじゃ!! ただの操り人形じゃない!!私達!!」

 

っとエマが怒鳴りながらそう言った瞬間マナの端末が急に割れて散り、それにマギーとリィザが慌てて見る。

 

 

そしてアウローラだけではなく、世界中に起き始めていた。

 

 

マナを失った各国は混乱し慌て始め、どうするかパニックを起こしていた。

そして各国の首相達が集まる場所に皆が集まり、世界に付いて話し合った。

 

「始まりましたな。世界の破壊と再生が…」

 

「して…、我々は如何にして新世界に向かえば宜しいのですかな?」

 

「早く脱出しなければ、時空融合に巻き込まれてしまいますわ」

 

各国の首相達は自分達だけ脱出しようとエンブリヲに頼んでいた、だがエンブリヲは…。

 

「誰が諸君を連れて行くと言ったかね?」

 

『『『えっ!?』』』

 

首相達はエンブリヲが言った言葉に思わず振り向き、エンブリヲは気にしないまま言い続ける。

 

「新たな世界は賢い女たちが作る。出来損ない共は世界を混沌にした責任を取りたまえ」

 

それに首相達は驚きながら言葉を失くし、そしてマナが消失してその場から徐々に消えていく。

 

《え!エンブリヲ様!?》

 

「我々を見捨てるつもりですか!?」

 

そう言い残して首相達は消えていき、残されたエンブリヲは何にも気にせずに立っていた。

 

「さて……そろそろ私の言う事聞かないのか?メツよ……」

 

「『誰が!!お前みたいな“人間”に!!』」

 

「大した根性だ。彼らに対抗するには、君の力が必要なのだ」

 

エンブリヲはさらにメツを苦しめるため、50倍の痛覚を与える。もがき苦しむメツは断末魔の叫びを上げる。

 

 

 

 

 

 

一方、キルグナスのキオの部屋では……。キオがサラと楽しい時間を過ごし、互いの尻尾を絡ませ、共にシーツをかぶってベットで寝ころんでいた。

 

「キオ、気分はどうですか?」

 

「もう、思い残すこともないよ……サラ。」

 

「あっ、アゴクイ…♡」

 

「……相変わらず、綺麗だよ(やば…!サラの顔直近で見るとかわいすぎ……っ!!)」

 

互いに見つめ合ってキスをしようとした瞬間、端末に通信が入り、それにキオは通信に出る。

 

「誰?(くそっ……良いところを。)」

 

『キオ!俺だ!!』

 

オスカーが慌てた様で端末の通信機に出ているのにキオは驚いて、それに問う。

 

「どうしたんだキオ、それにマナの光を使わないで……」

 

『大変なんだよ!俺達のマナが使えなくなったんだよ!』

 

その事を聞いたキオとサラは思わず驚いた。

そしてキオとサラは着替えてブリーフィングルームへと向かい、皆が集まっているの見て問う。

 

「どういう事だよ!オスカー達のマナが使えなくなったって?!」

 

「それが急になんだよ! いくらやっても全然発動しないんだ」

 

「恐らくエンブリヲが行う世界の破壊と再生が始まったのでしょう」

 

っとキオ達はチャールズが入って来て、説明した事に問う。

 

「父さん、エンブリヲが行って言う世界の破壊と再生ってまさか!」

 

「あぁ、恐らくエンブリヲが行う世界の創造が始まってしまったのです。急がねば…」

 

そうチャールズの言葉にキオはタスクとアンジュの事を考えるのだった。

 

「(タスク、アンジュ。早く戻って来い…エンブリヲが行動を開始したぞ!)」

 

っとそう願うキオ達であった。




もう…キオ、こんな大変な時にサラを“アゴクイ”しながらキス?
はぁ〜〜〜…こいつらリア充にも程があるぞい!!キエエエエエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!ナーガに切られちまえ!!!
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