クロスアンジュ 因果律の戦士達   作:オービタル

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第5話:龍の大地

インフィニティに帰艦したキオはヴァンダムとジョンソンの説教により、うさぎ跳びで艦内を50周、腕立て一億回と言うスパルタ教練されていた。だが父と母を助ける思いを胸に、キオはそのスパルタを軽々と熟していった。スパルタ教練を終えると、キオは格納庫でセイレーン・デバイスに新たな装備が追加されていた。それはデバイス専用に作られた兵器。大気中のエーテル粒子をエネルギー弾に変換し、一気に放出する『HEーRifle』が装備されていた。

 

「リン、俺のセイレーンの装備を付け加えたのか?」

 

「はい!セイレーンの今の装備だけでは心許ないと思って作っちゃいました♪」

 

「これで、セイレーンも射撃武器が使える♪」

 

キオが喜んでいると。

 

「キオ!」

 

「?」

 

そこに現れたのはドール隊のメンバーであるイリーナ、グインであった。

 

「イリーナ中尉!グイン!」

 

「元気していたか?」

 

イリーナが思いっきりキオの背中を叩きつける。

 

「痛でっ、相変わらず力強い…」

 

「でしょう?イリーナ中尉は」

 

「ちょっと……二人で何コソコソ私の事を話してるんだ?」

 

「「っ!!」」

 

イリーナが拳の音をバキバキと鳴らしながら、笑っているのか笑っていないのかの表情を浮かべる。

 

「いや!イリーナ中尉!これには!」

 

ブォォォンッ!!ブォォォンッ!!ブォォォンッ!!

 

「っ!?」

 

「この警報!?」

 

『総員に告ぐ!総員に告ぐ!デウス・コフィン艦隊がインフィニティに接近!直ちに迎撃準備を!』

 

「デウス・コフィンの奴ら、もうここを嗅ぎつけたか…」

 

キオはすぐにスーツを着用し、セイレーンに乗り込む。イリーナやグイン、他のスパルタン達もそれぞれのドールに乗り込んで行く。

 

インフィニティ《ブリッジ》には艦長と副艦長であるジェイコヴ・キースとトーマス・ラスキーの他、軍務長官のナギと鬼教官のヴァンダムがいた。各部のオペレーター達が報告し合う中、それはついに告知して来た。

 

「前方から急激なスリップスペース波を確認!!来ます!」

 

インフィニティの前方からワームホールが現れ、楔形の形状をしたデウス・コフィン戦艦『フォルトゥラー』が3隻、そしてそれを遥かに上回る巨大戦艦『カタストロフィー』がワープドライブして来た。

 

「カタストロフィーだと!!?」

 

ラスキーは驚く。滅多に動こうとしないデウス・コフィンの最大にして最強の駆逐艦が今まさにインフィニティの目の前にいる事を。フォルトゥラーとカタストロフィーからデウス・コフィンの主力機『タイタン・デバイス』が発進していき、インフィニティもカタパルトからドール隊やブロードソード戦闘機が発進していき、迎撃戦が始まった。そしてインフィニティのカタパルトデッキが開き、キオは発進準備する。

 

「セイレーン!行くぞ!!」

 

セイレーンが飛び立ち、向かってくるタイタン・デバイスに向けてHEーRifleを撃つ。するとフォルトゥラーから空間魚雷が一斉に放たれ、インフィニティに向かって行く。イリーナが率いるドール隊がそれに気づき、急いで防衛する。

 

「魚雷だ!!墜とせ!!」

 

ドール隊のアサルトライフルやマシンガン、ビームライフルが弾丸やビーム弾が空間魚雷を破壊して行く。

 

「埒があかない!!」

 

キオはこのままだとみんながやられる事を考え、一人で艦隊の包囲網の中へと突撃した。フォルトゥラー艦隊ブリッジではデウス・コフィンの兵士『ラフィン・トルーパー(笑う騎兵)』達がこちらに向かってくるセイレーン・デバイスに気づく。

 

「セイレーンを確認!!天の聖杯の物と思われます!」

 

「直ちに迎撃準備を!」

 

フォルトゥラーの艦長がラフィン・トルーパーに命令し、急いで迎撃準備をする。キオは空間を舞い踊りながらフレシキブルアームキャノンからビームソードを展開し、タイタン・デバイスのマシンガンの弾丸を暴発させ、タイタン・デバイスを両断していく。そして光の剣であるモナドからエーテル波を放出するモナドブレードを突き上げ、フォルトゥラーの艦橋目掛けて振り下ろした。

 

「避けろぉぉぉぉっ!!」

 

艦長が回避命令を下すが遅し、艦橋がエーテル波の刃により切られ、フォルトゥラーの一隻が撃沈された。キオが戦っている中、インフィニティではある作戦が立てたらていた。それはカタストロフィーに向けてプロトン爆弾を積んだ爆撃機で一気にカタストロフィーだけを殲滅すると言う作戦。成功すればフォルトゥラー艦二隻は強大な戦力が喪失された事に慌て、急いで撤退を試みる筈。既にインフィニティから爆弾を積載した爆撃機『スパローホーク爆撃機』とT字型のエーテリオン新型爆撃機『オウルホーク重爆撃機』合計約11機が発進し、護衛のドールである『Formula』と『Lailah』が配備されていた。そして艦隊の包囲網中にいるキオにラスキーからの作戦が伝達される。

 

『キオ!よく聞いてくれ!今からプロトン爆弾を積んだ爆撃機がカタストロフィー級ドレッドノートを破壊する。その為にはドレッドノートの全ての局所防衛対航空機砲と戦艦を覆っている偏向シールドが邪魔なんだ。そこにいるキオなら全ての偏向シールド発生装置を破壊してくれると思ってね!』

 

「喜んで引き受けましょう!」

 

キオは喜んでラスキーの頼みを引き受けると、キオの元にドール隊が集う。

 

「お伴します!」

 

計17機のUrbanがキオの元に集い、カタストロフィーへ突撃していく。そしてカタストロフィーからキオ達を阻害しようと126機のタイタン・デバイスと主力機である『TEE(Twin Ether Engine)チェイサー』60機が発進された。セイレーンを先頭に、キオはライフルを構え、レーザーやマシンガンの攻撃を回避していく。ドール隊のみんなも迎撃戦に入り、局所防衛対航空機砲と傾向シールド発生装置を破壊していく。

 

「全部倒してから行ったら時間がない!ラスキー艦長!今すぐ爆撃機を向かわせて!!ギリギリのとこまで来たら落とすように!!」

 

『分かった!』

 

ラスキーは承知し、急いで待機している爆撃部隊に連絡を取り入れた。そして各爆撃機が動き出し、カタストロフィーへと向かっていく。爆撃機がこちらに向かってくる事に気が付いた敵艦の艦長はトルーパーに命令する。

 

「あの爆撃機を撃ち落とせ!!」

 

フォルトゥラーやTEEチェイサー、タイタン・デバイスが一気に爆撃機に襲い掛かる。イリーナやグインのドール隊や護衛のドール、インフィニティもさらに苦戦する。

 

「くっ!!」

 

キオは急いで爆撃機の護衛へと向かう。爆撃機では応戦しようとするが、敵の集中火力に次々に撃墜されていく。そしてカタストロフィーで戦うドール隊の必死の攻防により、ついに傾向シールドが消え、カタストロフィーはガラ空き状態へとなる。後は爆撃機のプロトン爆弾をカタストロフィーへ誘導するだけ。爆撃機は既にプロトン爆弾投下準備が進められていた。

 

「良し!後は……」

 

だがその直後、一体のドールが破壊され、その残骸が空中に舞い、爆撃機に直撃した。だがまだ終わらなかった……プロトン爆弾が爆発し、爆撃機の残骸が他の爆撃機に飛び散り、爆発していく。結果残存した爆撃機は新型の一機だけであった。

 

「クソ!!」

 

キオは急いで残り一機の爆撃機を死守する。イリーナやグイン達も必死に爆撃機を護衛する。

 

「早く投下しろ!!」

 

「頼む!!」

 

「お願いだ!!」

 

みんなの願いが届いたその直後、爆撃機のコックピットが破壊される。

 

「っ!!」

 

誰もが絶望しかけたその時、爆撃機からプロトン爆弾全弾がエネルギーコア目掛けて投下されていく。無数の爆弾が爆裂していき、カタストロフィーのエネルギーコアを破壊していく。

 

「急いでこの次元から退避するぞ!!」

 

イリーナやグイン達は急いでインフィニティへ戻る。カタストロフィー全体に爆炎が吹き、その巨大な戦艦は燃え盛る艦橋と共に沈黙し、大爆発を起こす。巡回していたフォルトゥラー艦隊目掛けてカタストロフィーの残骸が飛び散る。カタストロフィーが撃沈した事に焦るデウス・コフィンは急いで撤退していく。するとカタストロフィーから未知の特異点が現れる。一人そこに遅れ残されたキオがその特異点を見る。

 

「何だあれは!?」

 

急激な吸引力に残存していたTEEチェイサー、タイタン・デバイスが吸い込まれていく。

 

「ヤバイ!!」

 

激しい引力にセイレーンが持っていかれる。しかし、脱出も間に合わず、キオは特異点へと吸い込まれて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

特異点は上空に現れ、そこから残骸が地上へ降り注ぐ。その中に機能が停止したセイレーンも出てくる。コックピット内ではキオはセイレーンの再起動させようと必死にシステムを弄りまくる。

 

「クソ!セイレーンが動かない!アルヴィース!そっちは!」

 

「……ダメみたいだね♪」

 

「仕方ない!モナドバリアでセイレーンに纏わせて、不時着するか!」

 

キオはアルヴィースの力を頼りに、セイレーンの周りにトリオン型障壁であるモナドバリア、さらにセイレーンの緊急時に使えるモナドシールドを発動させ、セイレーンを覆い尽くす。

 

「しょうがないなぁ♪」

 

「え?」

 

アルヴィースが突然指を鳴らす。すると特異点が現れ、中から巨大な鳥のような姿をしたものや恐竜のような姿をしたものなど様々な個体をしており、虹色の体と光の羽を持つ生命体が現れ、落下していくセイレーンの速度を抑え、助ける。ゆっくりと落下され、地面にゆっくりと着地したセイレーンは機能が回復したと同時に、謎の生命体は特異点へと消えたいった。キオはセイレーンの内部を点検する。

 

「何処も異常はない……アルヴィース、あの鳥みたいな恐竜は何だ?」

 

「……“テレシア”」

 

「テレシア?」

 

「(不浄な生命を刈り取る者)……ある世界の生命体だけど、あんまり彼らを道具のように従事していたら……命はないからねぇ。まぁ、君と僕以外は♪」

 

「俺とアルヴィースだけに従事するって……そんなにヤバイのか、テレシアって?」

 

キオはテレシアが恐ろしく思い、さらにアルヴィースに質問する。そしてアルヴィースが放つ言葉は……。

 

「うん、下手でもしたら、あっちやこっちの世界の住民や生命………………数日で“絶滅”するよ♪」

 

「っ!!」

 

アルヴィースの言葉に、キオの背筋が凍りつく。

 

「……まぁ、そんなに怯えなくても良いよ♪テレシアは僕やキオ以外は全て敵とみなしているし、命令されすればテレシア達は言う事を聞くから♪」

 

「へぇ〜……(ガクガクブルブル)」

 

キオは震えながら、ある事に気づく。草や苔で生い茂って並ぶ高層ビルと地面に……。

 

「ここ……何処?」

 

「……知りたければ、ここへ向かってくる“彼女さん”に質問すれば?」

 

「え?」

 

「それに隠れた方がいいと思う♪ハプニングが起こるから♪」

 

「何を言って…?」

 

アルヴィースの言葉通り、何かがこちらに向かってくる気配がする。キオは急いで高層ビルの屋上へ向かい、DMRを構える。そしてそれは現れた。上空から巨大なドラゴン群が現れた事に…。

 

「あれは……ドラゴン!?」

 

そしてドラゴンと共にパラメイルに似た赤い龍のような機体も一緒であった。ドラゴン達や赤い機体は着陸し、赤い機体の方ではコックピットから何かが出てきた。

 

「…………」

 

それはこの世とは思えない程の絶世の美女。黒くしなやかな長髪、青空のような瞳、薄紅色の唇、吸い付くような肌、さらに特徴だったのは彼女の背中と腰にドラゴンの翼と尻尾が生えていた事。

 

「……綺麗」

 

「……(惚れた♪)」

 

「何?」

 

キオは慌てると、未来視が起こる。彼女がカタストロフィーの残骸からあるものを拾う。それはエーテリオンで使われている筈のコアクリスタルであり、二つもあった。その時、残骸の山からガーゴイル・デバイスとタイタン・デバイス、生き残ったラフィン・トルーパーが現れ、彼女やドラゴン達に襲い掛かる。未来視はここで終わり、アルヴィースに伝える。

 

「っ!……アルヴィース!」

 

「僕もだ、彼女が危ない」

 

「行こう!」

 

キオは急いでSAW持ち、彼女達がいるカタストロフィーの残骸へと向かうのであった。

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