劉孫曹の同盟が正式に成立した事で、にわかに三勢力の動きが忙しなくなってきた。
先ずは劉備が幽州の公孫賛の援護のための袁紹攻めの要請を出した。
次に孫策が揚州南部の統一のため揚州の北、徐州にいる陶謙の牽制を要請。
最後に曹操が目的は別ではあるが袁紹攻めのために援軍を要請。
―濮陽城―太守府
三勢力の首脳陣が今ここに集っている。曹操軍より華琳、夏焔、稟、隼、景、煉次、遊里、梓が、劉備軍より桃香、愛紗、朱里、久龍、麋竺が、孫策軍より雪蓮、蓮華、月夜、穏、思春、咲季が会議に参加している。
「奇しくも三者の要請が被った訳だが・・・・」
「どの案件も確かに各勢力にとって急を要するもの」
「ではあるが・・・・むぅ・・・・」
会議の主導権を握っている夏焔、久龍、月夜がそれぞれ頭を抱えている。
「んー別に私たちのは後回しで良いわよ?」
二進も三進も行かなくなったその場の空気をたたいて壊すように、雪蓮が言い放った。
「なっ!?待て雪蓮!!」
「だってー、誰かが折れないと話は進まないでしょ?そしたら目的地が被ってる袁紹攻めを先にやった方がいいでしょ?」
「だが・・・・」
なおも食い下がる月夜、それほど孫策軍にとっては会稽、呉を抑えるという事は急務なのだ。
「そ・れ・に・・・・こういう時のための同盟でしょ?抑えのために人材を数人貸して頂戴、そうしたら南部をもたせてる間に総力で袁紹を潰して返す手でこっちの手伝いもしてもらう・・・・良いでしょ?」
確かに、孫策軍の数名に加え各勢力から数名づつ出し必要最低限の牽制を行う事で袁紹対策にほぼ全戦力を注ぎ込めるならば問題は無い。
「では各方面に配置する人材を相談しましょう」
華琳の言葉で全員が大陸地図と各地方の地図とにらみ合いになる。
―半日後―
半日かかってようやく、各方面の編成が完了し一同が安堵していた・・・・まさにその時だった。
「し、失礼致しますっ!!?」
大慌てで迅が駆け込んで来た。
「迅、今は会議の最中で入室時には許可を仰ぐようにと・・・・」
「申し訳も無く!ですが火急の用につき!」
そこで、不意に夏焔は違和感を覚えた。ついつい叱責したものの、迅は多少の事でここまで動揺するような気の小さい男では無い、それこそ今ここに袁紹が全軍で攻めて来たとしても粛々と防衛準備を整えてからシレッと報告してくる大胆不敵さを持つ軍師だ。では何故慌てているのか?
「・・・・話せ」
「はっ!」
片膝をつき迅から話された内容は二つ。
「先ずは一つ、袁紹軍が公孫賛攻めに向けていた軍を半分に割りこちらへと進軍中・・・・現在黄河流域まで攻め寄せております」
ある程度は予想がついた、袁紹はバカだがその配下たちは優秀だ。誰かがこちらの同盟の話を掴み先手を打つように袁紹に進言したのだろう。
「そしてこちらが重要です・・・・」
この時語られた言葉は、この場にいた誰もが予想だにしなかった一言だった。
「領内警戒中の隗殿と円楽殿が・・・・『献帝陛下』を保護したとの事です」
やや短めに終わってはしまいましたがここらでキリが良いと考えぶった斬りました