ダンジョンで神様を嫁にする為に神を目指すのは間違っているだろうか 作:白人
ふぅー、昨日は酷い目に遭った。
いや、アレは唯、僕が、馬鹿な勘違いをしてしまったから何だけどさぁ〜。
それでも、あの怪しげな縁で店に連れて来られて、初めて来た店で、いきなり怖そうな女主人と普通の従業員のフリをした悪女に囲まれたら、普通、誰だってヤバい店だと勘違いすると思うんだ。
だから、僕は悪くない…筈だ。
でもあの後、実際に食べた料理の数々は本当に美味しくて、何時かヘスティア様と一緒にあの料理を食べに行きたいなぁ〜。なんて思うくらいには、あの店が気に入ってしまった。
フフフッ。
いつかは断られてしまった、ヘスティア様とのデートの予定が今決まったな。
そうと決まれば、その時の軍資金稼ぎの為にもダンジョン探索、益々頑張っていかないとなぁ〜。
そして、僕は今日も元気にダンジョンに潜る。
いや〜。
大漁、大漁。
今日は、ダンジョン12階層で荒稼ぎしたお陰で、過去最高の買い取り額を記録した。
うんうん。プロメテウス君様様だなぁ〜。
あっ、プロメテウス君っていうのは、僕の魔法で出て来る魔法剣のことさっ!
プロメテウス君は凄いんだ!
なんたって、12階層のモンスターがまるでバターの様に真っ二つに斬れるんだ。
それに一度仕舞って、また出すとあらっ不思議。
常に、最高の状態で出て来るんです。
まぁ、モンスターの血は触れた側から蒸発するし、岩を斬っても傷一つ着かないという化け物性能なんだけど…。
僕はプロメテウス君をあまり多用したくない。
この剣は、僕の身の丈に合ってなさ過ぎる。
今は、実験と実益を兼ねて使っているけど、もしこの剣をずっと使っていくなら、僕が次のランクアップをするのは、きっと遥か先のことになるだろう。
いや、もしかすると、この剣に頼ることで、ダンジョンで余裕が生まれ、余裕は油断や慢心に変わり、いつか僕の身を滅ぼすことになるかもしれない。
余裕がある時だからこそ、もっと緊張感を持つ必要があるのかもしれない。
僕は、そう決意を新たにする。
「ん?何だアレ。」
檻の中に、何体かのモンスターが鎖に繋がれて入っていた。
「ああ、もうそんな時期か。」
周りの冒険者たちが、それを見てそれぞれの反応を見せる。
それを少し盗み聞きすると、どうやら暫くすると
ヘスティア様と一緒に周れたらなぁ〜。
でも、彼女は今、所用で出かけてるし、僕には関係無いかな。
僕はすぐにそう考えて、魔石の換金をしにギルドへ向かった。
「ノヴァ君、
これは、ギルドに来た僕に僕のアドバイザーであるエイナさんが発した第一声である。
「えっと、エイナさん?一応、理由を聞いても良いですか?」
僕は、少し怒った調子で言ったエイナさんに恐る恐る理由を問う。
「だって、ノヴァ君。全然お休みを取って無いでしょう!前にミノタウロスのときに倒れてから、数日ギルドに来なかったことはあったけど、それ以外全然休んで無いじゃない!」
確かに、エイナさんの言う通りかもしれない。
僕は、このオラリオに来てからと言うもの、殆ど、ホームとギルドとバベルの往復しかしてない。
昨日の豊饒の女主人が唯一、僕がオラリオに来て、先の三つ以外に訪れた場所と言っても過言ではないかもしれない。
「良い?ノヴァ君。冒険者は無理をしちゃいけないの。ノヴァ君だって、疲れのせいで何時もより動きが悪くなって、大怪我なんてしたくないでしょ?だから、これからもちゃんと定期的に休むこと、良い?」
エイナさんは、懇切丁寧に冒険者が疲労することの危険性を僕に教えてくれた。
そんな彼女の言葉を無視出来ようか、いや、出来ない。
彼女の言う通り、明日は、1日休むことにしよう。
「分かりました、エイナさん。いつも僕のことを心配してくれて、ありがとうございます。僕はまだまだ駆け出しですから、これからも何かと、よろしくお願いします。」
僕は、いつもお世話になっているエイナさんに頭を下げる。
「うぇッ⁉︎だっ大丈夫だよ!頭を上げてノヴァ君。私は、貴方のアドバイザーとして、当然のことをしたまでなんだから。」
すると彼女は、顔を赤く染めてそう言った。
「いえ、いつも貴女には助けてもらっています。やはり、貴女の様な優秀なアドバイザーさんに着いてもらって僕は幸せ者です。それじゃあ、今日もありがとうございました。」
僕はそう言って、ギルドを後にした。
最近、私エイナ・チュールには悩みがある。
その悩みとは、彼のことだ。
ノヴァ・イグニス君。
彼は、公式には発表されていないながらも、冒険者になって、僅か一週間でレベル2に到達した。
本当に現実は、何が起こるかわからない。
自分の主神と結婚する為に冒険者になると言ってたあの子が、こんなにも早くランクアップするだなんて、思いもしなかった。
最初は、只の興味本位だった。
可愛いらしくも真面目に頑張るあの子を応援したいと思った。
でも、何時だろう。
何時も頑張っているあの子を見ると少し胸が痛むようになった。
あの子が、頑張る理由に私がなれたら、なんて考えるように…
「どうしたの〜?エイナ。」
「うひゃぁぁぁああ⁉︎」
「うおッ⁉︎大丈夫⁉︎エイナ‼︎」
「ごっ、ゴメンゴメン。考え事しちゃってて…、」
彼女は、ミィシャ・フロット。
私の同僚で、同時に私の親友である。
何時も私のことを気にかけてくれる。
きっと、さっきまで上の空だった私を気にして、声を掛けてくれたんだろう。
「本当に〜?エイナは時々おっちょこちょいだから、お姉さん心配だよ〜。」
「何言ってるの、私は大丈夫だよ。」
彼女には、何時も感謝している。
でも、今回の事は、別に良いんだ。
そう、彼が幸せなら…、
「そう〜?まぁ、頑張れ!恋する乙女!」
その一言で、私は固まる。
そして、自分の顔がどんどん赤くなっていくのが分かる。
「ちょっ⁉︎そっそんなんじゃないってばぁぁぁああーー‼︎」
「ニヒヒヒ。」
わっ私は、別にノヴァ君のことなんて…って、何でここで彼が出て来るのよぉ〜〜〜‼︎