ダンジョンで神様を嫁にする為に神を目指すのは間違っているだろうか 作:白人
ランクアップした。
今度は5日で…、
最近、少し思うことがある。
僕は、本当に人間なのだろうか?
僕が、自分は人間であると思っているだけで、実は、全く別の生命体なのではなかろうか?
誰しも、自分が人間であると正しく証明できるものは少ないだろう。
だから、僕らは自分に一番近いものを見て、自分がそれと同じであると定義するのだ。
ところで、僅か一週間で、Lv.2になり、その5日後にLv.3になったヒューマンを名乗る者がいる。
現在、最速でLv.2になった人は、半年がかかったという。
レベルというものは、往々にして、高くなればなるほど、上がり難くなるものだ。
それは色々理由があるだろうが、その一つとして、レベルが上がるに連れて、試練足り得る出来事が起き難くくなるからだろう。
ランクアップには、試練が必要だ。
しかもそれは、神々が偉業を成し遂げたと認めることで成るという。
ならば、約二週間で二度、特に二度目の方が短い期間で、其れを成し遂げた者が居たとする。
これは、果たして本当に人間と呼べるのだろうか?
「ノ〜ヴァぐぅ〜〜ん‼︎帰って来てよ〜〜‼︎ぼぐが、ぼぐがわるがっだがら〜〜‼︎ぞっぞんなッ、釈迦みたいな顔で遠くを見つめるのは、やめてよ〜〜‼︎」
ハッ⁉︎
僕は、一体何を⁉︎
ッ⁉︎
ヘスティア様が泣いている⁉︎
誰だ‼︎ヘスティア様を泣かせた奴は‼︎
僕が、ぶっ殺してやる‼︎
「ノヴァぐん?」
ヘスティア様が、涙と鼻水で顔を濡らしながら、僕の名前を呼ぶ。
「はい、何でしょう?ヘスティア様。」
「うっ、ノ〜〜ヴァぐぅぅ〜〜〜〜ん‼︎」
「グホォッ‼︎」
何だ何だ⁉︎
ヘスティア様が、僕のお腹に突進して来たぞ⁉︎
新しい愛情表現の在り方かッ⁉︎
なるほど、最近の愛情には攻撃力があるんですね、初めて知りました。
「ノヴァぐん‼︎君が無事で、僕は本当に良かったよぉ〜〜〜‼︎」
何だか良くわからないけど、ここは一つ頷いておこう。
「はい。僕は無事ですよ?ヘスティア様。」
「びぃえぇぇ〜〜〜〜ん‼︎」
僕がそう言うと、ヘスティア様は本気で大泣きし始める。
どうやらコレ、僕のせいらしいな。
少し記憶が飛んでいるんだが、もしかして、その間に何かあったんだろうか?
そこで、僕はふと、僕が何故かいるベッドの上に紙があるのを見つけた。
もしかすると、コレが原因なのかもしれない。
僕は、それを手に取って見た。
ノヴァ・イグニス 男 16歳
Lv. 3
力: A823→I0
耐久: S999→I0
器用: S924→I0
敏捷: SSSS1235→I0
魔力: B762→I0
剣士: G
耐異常: H
幸運: I
≪魔法≫
【 フィアンマ・エスパーダ・コンヴォカツィオーネ】
・装備魔法
・
・詠唱
[始炎剣プロメテウス]
・原初の炎を纏う。
【
【
【
【
【来たれ!
[断罪剣サクリファイス]
・精神汚染(微小)
【
【
【
【
【来たれ!
【】
【】
《スキル》
【
・早熟する。
・互いに
・互いの
・一定条件で、ステイタス超向上。
・緊急時、ステイタスの自動的更新。
・愛する人が近くに居ればいるほど、ステイタス及び、ステイタス上 昇率に高補正。
【
・加速する。
・
・敏捷と敏捷の成長率に超高補正。
・敏捷が限界を超える。
なっ⁉︎
何だコレ⁉︎
れられらららレベル3⁉︎
誰が?僕が‼︎
発展アビリティが増えてるッ⁉︎
魔法の効果も増えてるッ⁉︎
あと、このスキル何ぃぃぃ〜〜〜〜〜⁉︎
「ヘッ、ヘスティア様ぁ〜〜〜〜‼︎こっ、コレは一体ッ⁉︎」
僕は、とりあえず色々と聞いてみることにした。
「グスンッ、それは、今の君のステイタスだよ。ランクアップした後、何故か君は、僕の天界での知り合いみたいな顔になって、ずっと考え事をしていたんだ。ざっと8時間ぐらい。」
ハッ?
「はっ、8時間ッン〜〜〜⁉︎そっ、そんなにも長い間、僕はずっとここで考え事をしていたんですかッ⁈」
「そうさ!君は8時間もの間、飲まず食わずでずっと考え事をしていたんだ!だから僕は、君がこのまま死んじゃうんじゃないかって…心配でッ……。」
そこで、ヘスティア様が急に黙る。
「うっ、うわぁぁああ〜〜〜〜ん‼︎ノヴァぐんのバガァァ〜〜‼︎ぼぐは、本気で君が死んじゃうんじゃないかって心配してたんだぞぉぉ〜〜〜〜‼︎」
そして、急に泣き出した。
「うわあああぁぁぁ〜〜〜〜‼︎すみません!すみませんでしたぁ〜〜‼︎謝るので、どうか泣き止んで下さぁ〜〜い‼︎」
僕はとりあえず、心配を掛けたことを必死で謝る。
「うぅ、グスンッ。」
「ヘスティア様、落ち着きました?」
僕は、さっきまでと比べたら、大分落ち着いた様に見えるヘスティア様に、話を聞こうと試みる。
「ああ。もう大丈夫だよ、ノヴァ君。さっきは、何処まで話したんだっけ?」
僕は最近、全然信用ならない記憶を頼りにこう言った。
「さっきは、確か8時間ぐらい、僕が瞑想していたとか何とか。」
「ああ、そこからか…。じゃあ、その間、飲まず食わずだったって言うのは?」
「それも聞きました。あとは、僕のレベルの事、発展アビリティの事、魔法の欄に新しく出ていた追加効果?又は、其れに準ずる何か、あと最後に、僕のスキルの一番上に何時の間にかある【
僕が、そこまで言うと、突然ヘスティア様が驚きの声を上げた。
「えッ⁉︎」
「えっ?」
「なななっ何で、君がそのスキルの事をッ⁈」
何を言ってるんだろうか?
普通にステイタスに書いてあったのに、知らないも何も無いだろう。
「ハッ‼︎まさかッ⁉︎」
突然、何か思い当たったのか、神様がベッドにあった僕のステイタスを食い入る様に見る。
「あっ‼︎嗚呼ぁ、うわあぁぁぁ〜〜〜〜〜‼︎」
「大丈夫ですか‼︎ヘスティア様‼︎」
いきなり叫び出したヘスティア様の下へ、僕が直ぐに駆けつけると…。
「見たのかい?」
えっ?多分、ステイタスのことだよね?
「そりゃあ、見ましたけど…、」
「#$+**^%^€〜〜〜〜‼︎」
えっ⁉︎何で⁉︎
僕、何か悪いことした⁈
ヘスティア様は、顔を真っ赤にして涙目で、僕のことを睨んで来る。
えっ!可愛い。
じゃなくて‼︎
「みっ見たんだよね?あのスキル…。」
スキル?
「あぁ、あの【
「ッ⁉︎」
何だ?
あのスキルに何かあるんだろうか?
正直、あのスキルは一瞬見ただけで、効果なんかは、全く見てなかったんだけど…。
「そっそうかい。みっ見たんだね?そっそれで、あのスキルを見て、何か思うことは無いかい?」
どうして、こんなに動揺してるんだろう?
そんなに凄い効果だったのかな?
それにしてもヘスティア様、顔を真っ赤にして可愛いなぁ〜。」
「ビクッ⁉︎ なっななななッ⁉︎何を言ってるんだ君はああぁぁーーーーーー⁉︎」
ビクゥッ⁉︎
ななッ何だ?
急に怒られたぞ?
僕が何かしただろうか?
「べべべッ別にあのスキルのことは、その〜、なんて言うか…、そう!親愛という意味でね?べべッ別に君のことが、すすすっ好きだとかそういう…「えっ⁉︎僕のこと好きじゃなかったんですかッ⁉︎」ッ⁉︎そっ、そんなこと言って無いだろうッ‼︎とにかく‼︎あのスキルの効果については、絶ッ対に誰にも言わないこと‼︎分かったね?」
これは、ちゃんと返事をしないとヤバい気がする。
「はい、分かりました。」
「返事が小さいッ‼︎」
「はい‼︎分かりました‼︎最愛の神、ヘスティア様に誓います‼︎」
「だっ誰がそんなことを言えと言ったぁああーーー‼︎」
僕がそう言うと、顔を真っ赤にして怒りだす。可愛い。
「はい‼︎申し訳ございません‼︎ヘスティア様‼︎」
「よしっ‼︎それで本当に分かったんだね?」
「はい!他の人には、このスキルのことは言わないってことで、良いんですよね?」
僕は一応、ヘスティア様に確認を取る。
「あぁ、そうだ。」
ここまで来ると、僕もそろそろそのスキルの効果が知りたくなる。
「ところで、ヘスティア様?そんなに知られたくない、このスキルの効果って、一体なんなんですか?」
「ハッ?何を言ってるんだい?あんなの他の神に知られたら、僕が揶揄われるのが、目に見えてるじゃないか。」
他の神様にヘスティア様が揶揄われる?
僕のスキルで、どうしてそんなことになるんだろう。
「へぇ〜、そうなんですか。」
「……ちょっと待って、ノヴァ君。まさか君、あのスキルの名前だけ見て、効果の部分は全く見て無いとか言わないよね?」
「えっ、はい。その通りです。」
…………僕らの間に、妙な沈黙が流れる。
「なああぁぁ〜〜〜にいぃぃぃ〜〜〜〜⁉︎」
彼女は、突然とり返しのつかないことを仕出かした様な叫び声を上げた。
「どっどうしたんですかッ⁈ヘスティア様?」
「ノノっノヴァ君⁉︎そそそっそのスキルのこと何だけどね?えーっと…、あのぉ〜……、その〜〜………、コレッ‼︎」
ヘスティア様は、そう言って顔を真っ赤にしながら、僕にステイタスの紙渡した。
ラブレターだったら良かったのに……、
僕は、直ぐにスキルの効果の欄に目を通す。
【
・早熟する。
・互いに
・互いの
・一定条件で、ステイタス超向上。
・緊急時、ステイタスの自動的更新。
・愛する人が近くに居ればいるほど、ステイタス及び、ステイタス上 昇率に高補正。
…………えーっと、うん。
「ヘスティア様。僕も貴女の事、好きですよ?」
「#€$*^<€€%%$〜〜〜〜〜〜⁉︎」
彼女は、声にならない悲鳴を上げる。
顔が真っ赤だ。
かくいう僕も自分の顔が、だんだんと赤くなっていくのがわかる。
こんなスキルが発現するんだ。
彼女に直接好きと言われるのとは、また違った嬉しさがある。
そう、例えるなら、僕と彼女の想いが世界から認められた様な…。
僕のこの想いは、間違いではないと…、
僕のこの願いは、間違えてなんかいないと…、
どれだけ無謀な挑戦だとしても、決して間違いなんかではないと、認められた様な気がする。
「のっノヴァ君⁈」
「えっ?あっ!」
気づくと、僕の頰を冷たい雫が伝っていた。
止まらない、止まらない。
どうして?どうして、涙が止まらないんだ?
「ノヴァ君!」
すると、いきなり彼女に抱きしめられた。
「わっ⁉︎へっヘスティア様っ?」
彼女は、さっきまで真っ赤になってたのに、優しく僕の手を取って、こう僕に語りかけた。
「ノヴァ君。君の道は、永く険しい道だ。前代未聞、前人未踏の偉業と後に、語られるようなとても厳しい道だ。あらゆる困難が、君の前に立ちはだかることだろう。でもね?ノヴァ君。僕は君の道が、間違いなんかじゃないってことぐらい分かってるぜ?
最後に彼女は、冗談めかしてそう締め括った。
救われた様な気がした。
彼女はいつも、僕が一番欲しいものをくれる。
彼女は否定するだろうけど、僕は彼女に貰ってばかりだ。
なら、返さなちゃいけない。
僕の全身全霊をもって…、
「はい‼︎ヘスティア様!僕、これからも頑張ります!」
やっと止まった涙を拭きながら、僕はしっかりとそう答えた。
「ああ、頑張るといいさ!それにしても、君は結構、泣き虫だね。」
「僕が泣くのは、ヘスティア様に関してのことだけですよ!そういうヘスティア様だって、さっき泣いてたじゃないですか!」
「なっ!ぼっ僕だって、君に関してのことだけさ!」
「嘘ですね。ヘスティア様は、もっと色んなところで泣いてますよ。だから、ヘスティア様の方が泣き虫です。」
「何だとぉぅ‼︎僕は、泣き虫なんかじゃない‼︎」
「アハハッ!」
「なっ⁉︎何が可笑しい‼︎」
こうして笑える日々が、ずっと続けば良いのに…。
いや…こんな日々を永遠のものにする為に、僕は戦うんだ。
そう決意を新たに僕は、今日もダンジョンに………ってアレッ?
もう真っ暗だ…………うん。明日から頑張ろう。
「ノヴァ君!聞いてるのかい‼︎」
「えっ?」
「やっぱり聞いてなかったのか。さっきの話はもういいから、君のステイタスについて話していくよ。」
「はい、分かりました。ヘスティア様。」
そして、僕はヘスティア様にたっぷりと、僕のスキルや魔法についての説明と注意を聞かされることになった。