ダンジョンで神様を嫁にする為に神を目指すのは間違っているだろうか   作:白人

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必ず僕の元へ帰って来ること。
ちゃんと僕からの約束、守ってくれるかい?

「はい‼︎分かりました神様!その約束、絶対に守ってみせます‼︎」

僕は、確かな意志を持ってそう返した。


約束

…………気まずい。

 

さっきまでは、なんかずっとテンション上がっていたから、何も思わなかったけれど、少し冷静になった今、思い出してみるとめちゃくちゃ恥ずかしい。

何が「我が主神、ヘスティア様へ僕の全てを捧げます。」だ。

誰だよ、お前。

大体、僕あんな公衆の面前で、神様にけっ結婚を申し込んでしまうなんて何をやってるんだ。

恥ずかし過ぎる死にたい。

それに、さっきから神様も様子が少し変だ。

僕の方をチラチラ見て、目が合うと顔を真っ赤にしてものすごい勢いでそっぽを向く、可愛い……コホン。全く、さっきからずっとそれの繰り返しで一向に話が進む気配がない。

もしかして、あんな恥ずかし過ぎる僕に呆れているんだろうか?

はぁぁ〜〜〜。

これからどうしよう。

すると、そのときクゥーというとても可愛いらしい天使の歌声が聞こえる。

 

「あの〜神様。とりあえず夕飯にしましょうか。」

 

僕が少し苦笑いをしながらそう聞くと、顔を茹でダコみたいに真っ赤にして固まっていた神様は、コクリと一度頷き、こう捲し立てた。

 

「あの、ノヴァ君!君は決してさっき鳴った音を聞いて、それを提案した訳じゃないよね?」

 

神様が真っ赤な顔で俯きがちにそう尋ねるてくる。

 

「はい、神様。僕は、決してさっきの天使の歌声のような可愛いらしい音が聞こえたから夕飯にしようと提案した訳ではありません。」

 

僕は、キメ顔でそう言った。

 

「なっ何を言っているんだ君はぁぁぁああーーー‼︎」

 

神様がまた顔を真っ赤にしてそう叫ぶ。

 

「君は恥じらうポイントが可笑しい!さっきまで、一丁前に恥ずかしがっていたかと思ったらすぐこれだ‼︎大体、あの時だって、まだバイト中で昼間だから周りにもたくさん人がいたのに全く気にせず、僕にけっ結婚を申し込んで来るし、今だってそうだ‼︎僕のお腹の音をててっ天使の歌声だとか平気で言って来るし、僕はもう君と一緒にいるだけで心臓が保たないよ。」

 

僕の頭は、真っ白になる。

だって、ちょっと聞きました〜奥さん?

神様が僕と一緒にいるとドキドキして心臓が保たないだなんて、そんな最高に可愛い事を言ってくれたんですよ〜。

いや〜。僕は幸せ者だなぁ〜。

だって、あんなに可愛い僕の神様があんなに可愛い事で僕に怒っているんですよ〜。

そんなの完全にご褒美じゃないですか〜。(ニヤニヤ)

 

「ちょっとノヴァ君!僕の話をちゃんと聞いているのかい?」

 

「はい、もちろん聞いてますよ神様。ところで神様、本当に夕飯はどうするつもりなんですか?」

 

「実はね、ノヴァ君。いつもは屋台でのバイトが終わったら、余ったじゃが丸くんをおばちゃんが僕にくれて、ほとんどそれを食べているんだ。でも、今日は、誰かさんのせいでお店を勝手に抜けて来ちゃったからそれが無いんだ。」

 

………それって、もしかしなくても僕のせいで夕飯が無いということでは?

 

「ごめんなさい。神様。それじゃあ、あっあのッ!もしよければ、僕と一緒に外しょk「って⁉︎ああぁぁーーーーーー。僕勝手にお店を抜けて、来ちゃってたじゃないか!すぐにおばちゃんに謝りに行かないと。」」

 

神様は、そう叫ぶとすぐに飛び出そうとした。

 

「ちょっと待ってください。神様。もうこんな時間ですから、女の子が一人で出歩いちゃいけませんよ!それに屋台の人にも迷惑ですよ!謝りに行くのは、明日にしましょう!」

 

僕は、飛び出して行こうといた神様を必死に引き留める。

 

「それもそうだね。分かったよ、ノヴァ君。謝りに行くのは、明日にするよ。ところで、さっき何か言いかけていたようだけど、何を言おうとしてたんだい?」

 

「えっ!ええっと、神様。僕、旅して来たので、もう殆ど残って無いですけど、一応路銀が残っているんです。」

 

「そうなのかい?」

 

神様は、何を言っているんだ?とばかりに心底不思議そうに首を傾げる。

 

「はい。そうなんです。だッだから、えっと…ぼっ僕と外食しませんか?」

 

言ったああぁぁーーーーーー‼︎言ったぞ、僕!ついに、自分から夕食デートに誘うことができたぞーーーー!

 

「あの、誘ってくれたのは嬉しいんだけど、今日はダメだね。」

 

逝ったああぁぁーーーーーー‼︎逝ったぞ、僕!調子乗ってすいませんでしたああぁぁーーー!嗚呼ぁ、神様に夕食デートを断られるなんて‼︎もう生きる希望が消え失せた。死のう。

 

「ああっ!ノヴァ君⁉︎そんなに落ち込まないでおくれよ!断ったのには、ちゃんと理由があるんだ!」

 

その言葉に僕は少しだけ顔を上げる。

 

「いいかい?ノヴァ君。君は、明日から冒険者になって、ダンジョンに潜るんだろう?それなら、その為に必要な大事なことがまだ残っているだろう?」

 

大事なこと?何だろう?装備とかかな?

 

「はぁ〜。全くそんなことで、明日からちゃんとダンジョンに潜れるのかい?僕は心配だよ。それでね、ノヴァ君。冒険者になる為に一番重要な事、それは、神の恩恵(ファルナ)だよ。」

 

ああ。

そりゃあそうだ。

神様が呆れるのもよく分かる。

神様の言った通り、僕はまだ冒険者になる上で最低限貰っておかなければならないものを忘れていた。

神様と二人きりになれたことで少し気が緩みすぎていたのかもしれない。

こんなことじゃあ、ダメだ。

僕は、神様とずっと一緒に居る為にこのオラリオで一番の冒険者にならないといけないんだ。

それもきっと、ぶっちぎりの。

なのに、僕は今、何をやっていた?

本当にこんなことをやっている暇はあるのか!

もっと気を引き締めないといけない。

 

「ノヴァ君?急に恐い顔して、どうしたんだい?」

 

「いえ、何でもありませんよ。神様。少し気合いを入れ直していただけです。」

 

そうだ。

気合いを入れ直さないと、僕に才能が有ろうが無かろうが、きっとそれほど時間に余裕がある訳ではないんだから。

 

「本当かい?」

 

「本当ですよ。」

 

僕は、少し不安そうにそう聞いて来る神様にそう返す。

 

「ノヴァ君。大事なことだからちゃんと聴くんだ。」

 

「えっ?」

 

僕は、急に真剣にそう切り出した神様の雰囲気に戸惑いながらも真剣に聴こうと、背筋を伸ばす。

 

「いいかい?君があの時言ったことは、本当に生半可なことじゃ達成出来ないくらい難しいことだってことはわかっているよね?」

 

分かっている。

人の身で()()()()()ということは、それ程に困難なことだ。

今までそんな人が一人もいないことからも十分にわかる。

僕は、神様の言葉にしっかりと頷く。

 

「うん。分かっているみたいにだね。だから君は、これから多くの困難に立ち向かわなくちゃいけないんだ。そして、僕はそんな君を応援する。でもね、一つだけ約束して欲しんだ。()()()()()()()()()()()()()()ちゃんと僕からの約束、守ってくれるかい?それだけを守ってくれるなら、僕から言うことは何もないよ。」

 

そうか。

この(ひと)は、本当に優しいんだ。

きっと優しいこの(ひと)のことだ。

本当は、自分の為に僕が無茶をするかもしれないから、何としても止めたいんだろう。

でも、僕が覚悟を決めた表情をしたことによって、彼女は僕をどうやっても止められないと悟って、こんな約束を言い出したんだろう。

 

ハハハッ!

 

なんてお人好しなんだろう。

こうして僕に約束させることで、たとえ僕がダンジョンの中で死にかけても絶対に生きることを諦めることが出来ないようにしたかったのだろう。

ここまで言われてそう簡単に生きること諦めるなんて絶対に出来ないだろう。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

こんなにも優しい彼女のことを裏切ることになるからだ。

そう決意すると、僕はさっきまで無意識のうちに感じていたプレッシャーが少し和らぐのを感じた。

 

「はい‼︎分かりました神様!その約束、絶対に守ってみせます‼︎」

 

僕は、確かな意志を持ってそう返した。

 

「よし‼︎それじゃあ、少し話をして遅くなったけど、夕飯にしよう!ってそういえば、食べるものが何もないじゃないか‼︎それにもうこんな時間になっちゃったから、やってるお店もあんまりないだろうし、どうしよう?ノヴァ君‼︎」

 

ほんの少し前まであんなにカッコ良かったのに、また普段通りの元気で、少しそそっかしい神様に戻ってしまって、そんな神様の姿に自然と笑みを浮かべる。

 

「実は、僕のカバンの中に旅の非常食として取っておいた黒パンと干し肉がありますよ?」

 

「何⁉︎肉だってッっ⁉︎何でそれを早く言わないんだ‼︎今すぐ、夕飯にしよう!」

 

そう言って、神様はソファの上に置いてあった僕のカバンを漁る。

その姿はまるで、スラムの浮浪児のようだ。

その姿を僕は微笑ましいものを見るような目で見た。

 

「って神様⁉︎それパンじゃなくて、僕のパンツですよ‼︎」

 

「ええっ⁉︎うわぁ⁉︎ごごっごっごめん‼︎すぐに戻すから‼︎」

 

流石に僕も恥ずかしかったけど、顔を真っ赤にして慌てている神様を見て、少し悪戯心が湧いた。

 

「あれぇ〜?神様、もしかして僕のパンツが欲しかったんですか?大丈夫ですよ。僕が神になって神様と夫婦になったら、そんなものすぐに必要無くなりますよぉ〜。」

 

「@#&〆☆♪〜〜〜〜〜‼︎」

 

「あれぇ〜。今何て言ったんですぅ〜?」

 

「ノノッノヴァ君のバカあああぁぁぁーーーーー‼︎」

 

 

僕の世界一可愛い女神様は、自分の顔を真っ赤にしてそう叫んだのだった。

 

 





すいません。次回には、神の恩恵を与えたり、初のダンジョン探索に入るつもりです。
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