レベリング中に寝落ちしたら、やけにリアルな夢から覚めない。   作:とらこさん

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ショートエピソードだよ!
どこがショートだよってツッコミは受付けてないよ!?

それから、沢山の感想本当に感謝してるよ!ありがとうー!


SE1 えるりんわっふる

 

 「トールさん…。私、エルフの森に戻ろうと思うんです」

 「……え?」

 

 ケントを拠点に冒険者として活動し始め、一週間が経ったある日の昼下がり。俺達が宿泊している宿屋の一室、木漏れ日の差し込む窓際のテーブルで向かい合って座った二人。それは何気ない会話のワンシーン…ふと途切れた隙間、彼女は別離の言葉を口にしたのだった――――。

 

 え、今…何て言ったの?え、エルリーン…?う、嘘だろ…俺が何かしたのか!?い、いや思い当たることがないんだけど…いや、でも気付かない内にエルリーンのことを傷付けていたのか…?

 そ、そんな…。俺と居ることが嫌になってしまったのかなぁ…やっぱり、俺みたいなのとじゃ楽しくなんてなかったのかなー…。くっ、いい大人だろしっかりしろ俺!悲しいさ、でも…彼女が決めたことだぞ…俺の我儘で縛り付けるなんて絶対にだめだろ!頑張れ俺、エルリーンがせめて気持ち良く戻れるように…。

 

 「そ、そうか。いつ、戻るつもりなんだ?」

 「えっと、明日には出ようかと」

 

 早ぁぁぁぁぁぁああぁぁ!?ちょ、ま、え!?そ、そんなに俺といるの嫌だったの!?嘘だぁ嘘だと言ってくれー!!心が…壊れそうだぁぁ…うーあー…エルリーン…あー…エルリーン…。

 

 「ず、随分急な話だ、な…」

 「えへへ、ごめんなさい。今朝思い立ったもので、早いうちがいいかなぁ~って」

 

 そっかぁー思い立っちゃったかぁ…。あ、こいつと居るのもう限界!みたいな?そんな簡単なものなんでしょうか…そんな、エルリーンがそんなこと思うなんて絶対ないと思うのに…うぅ、でも相手が俺だしなぁ…。

 

 「…な、ん…いや、俺に、その…出来ることは、ないか?」

 

 危なッ!!何で?とか聞きそうになっちゃったよ!!うぅ…でも理由を聞きたいけど聞きたくないというジレンマが精神をガスガス削ってくぞー…。

 俺は血の気が引いた表情を隠すように、出来るだけ笑顔で問いかける。どうして俺が嫌になったのかだとかは関係なく、荷造りなり、何なり、俺に出来ることなら何でもするつもりだ。出会ってまだそう月日も経っていないがエルリーンに与えてもらったものは返しきれないほど多いのだ。

 

 「いいえ、そんな。トールさんに手伝ってもらうほどのことはありませんから」

 

 あー、そう…です…かぁ~…俺よ…俺よ一体何をしたんだ!?お手伝いさえ拒絶されたんですけど!?うーあーこの世に神なんていねー!!なんだこの世界ーちくしょーッ!!

 

 少し眉根を下げた笑顔で口調は穏やかだが、きっぱりと断りを告げるエルリーンに俺は言葉を詰まらせるが、何とか無言で会話を終わらせることはしないように言葉を紡いだ。

 

 「え、と、そ、そうか。…あー、でも、何かあったら…いつでも言ってくれ。何でもするつもりだ…俺に出来ることなら」

 

 何でもしますから…。ええ、それこそエルリーンに、ん?今何でもって言った?って言われてもいいよ…ほんとなんでもするよー。はぁ…。

 

 「トールさん…。ありがとうございます♪でも、本当に準備はそこまで必要もありませんから、気にしないで下さいね?」

 

 エルリーンはにこやかにそう言ってくれるが、人付き合いが苦手な俺はそれが本音なのか建前なのか判断も出来ない。曖昧に頷くしかなかった俺を他所に、彼女は少しやることがあるので、と席を立って部屋を後にした。

 

 

 

 「……はぁ~~~~~~…」

 

 まじかー…。これからどうしよう…そう言えば、冒険者ギルドのパーティー登録はどうするんだろう?あ、やることってそういうことなのかな?そりゃ文字も読めない書けない俺には手伝えないことだよなー…そう考えると、エルリーンを手伝うって言って何も出来ないんじゃねーかよぉ…。

 

 友達はいるから、さ。これから何とか…頑張っていけそうだけどね?一人だけじゃんって?うるさいよ?0と1とじゃ世界線が違うんだよ!?分かるか!

 

 俺は溜息ばかりがでそうになる自分を何とかするべく、脳内UIを開く。頭の中に出現するインベントリーを眺めながら、ゲーム中で共に過ごした時間が一番長い友を呼び出すことにした。

 

 友達いなかったんじゃって?いいよ出すよ出したら分かるよ!!!

 

 インベントリー内から広げた両手の中に出現する小さなぬいぐるみのような人形をそのまま床に置くと、今度はそれを起動するために結晶体を取り出す。アンバーのような飴色の結晶体を人形に近付けると、すぅっと吸い込まれて消えてなくなる。

 

 「きゅっぷ…にゃ~ぷぷぷzzz」

 

 オレンジ色のローブに身を包み、大きな赤いリボンを首に着けた可愛らしい魔術師の人形は、鼻提灯を作りながらこくりこくりと船を漕いだ。

 

 「はは、久し振りだなぁ…エルくん。呼び出した瞬間居眠りかー…ほーれおきろ~エルくん」

 

 マジックドール・エルダー。所有者に様々な補助効果を齎すマジックドールシリーズの一つだ。

 初期シリーズの中ではかなり高価な部類だったが、アップデートを重ねる毎に効果が強化されたドールが追加され、今やそこまで使っている人もいないエルダーだが、俺はこの子を手放すこと無く持っていた。確かに、俺も効果の高いウィザードに利点のあるMDは大体持っているものの、苦楽を長い間共にしてきたこの子は思い入れも一入なのだった。

 

 え?MDを愛称で呼ぶのキモい?やめて!!そんなこといわないで!!自分でも分かってるよ!?

 余りの孤独にMDがリネに来た時は正直発狂するほどに嬉しかったんだよ…。狩場で常に一人の俺は後ろについてくる存在がもうね、それだけで愛しかったものさ…え?ペット?……死ぬだろ!?

 

 ちなみに、リネにはペットシステムがあり、ペットに出来る動物が多く存在する。が、その全てがモンスターに攻撃対象され、HPが尽きると死んでしまう。MDはモンスターに攻撃対象にされることが無く、常に起動時間中はプレイヤーに付き添い、補助をしてくれるものだ。

 

 俺は呼び出したMDをちょんちょんとつついたり撫でたりしながら、小さな溜息を漏らす。

 

 「はぁ~…もう会えないのかなぁ…エルフの森に行けば会えるだろうけどさ、あそこってエルフ以外の人間が入ると妖精さんやらエントやらケンタウロスぽい何かやら…蜘蛛人間ッ!!やらが攻撃してくるもんなぁ…」

 「きゅっきゅっ!にゃわ~☆」

 

 あはは、魔法失敗して感電してる姿が可愛いなー。癒されるなー…エルくん。

 

 

 

  ◇

 

 

 ケントに腰を据え、冒険者として活動し始め1週間。トールさんの目覚ましい活躍もあって、緊急性のあるクエストはおろか、私達が受けれるクエスト自体もほぼ無くなってしまいました。そういうことで暫く暇になった私達はのんびりとすることにしていました。

 そんな折、私はそれならばとふと思い立ち、以前トールさんと約束していたワッフルを作るために、一度エルフの森へと材料を調達しに戻ることにしたのです。

 

 ちょっとした旅支度を整え、宿の自室を出て、宿屋の主人のリリンさんに伝えておこうと足を向けました。トールさんの部屋の前を通りかかると少しその扉が開いています。私はトールさんの部屋を出る際にちゃんと閉めなかったのかなと、そっと近付くと部屋から漏れるトールさんの声に反応し、だめだと思いつつもその隙間からトールさんの部屋を少しだけ覗いてしまいました。

 

 

 「…エルリーンとお話出来ないの…寂しいなー…なー?エルくーん?あははは、エルくんは魔法へたくそだなぁ~…」

 

 ――――……か…、かわっ、か、かか、可愛いーーーーーーッ!!!

 トールさんが!!トールさんがお人形をツンツンしながらお話してますーーーーッ!!!!!

 何なんですか何なんですかトールさん!?はわぁっいつもの口調じゃないその愛らしいお声!!そのお人形みたいなのが動くのは魔法何でしょうか!?いえそんなことよりも、私と数日お話出来ないことに寂しいって!?あぁ、私、私!!もう、もう!!もうもうもうもうもう!!!ふぁぁぁ!?

 

 お、落ち着きなさい私!!!こんなところを見られているなんて…トールさんが知ったら…恥ずかしがり屋のトールさんのことです…きっと、凄く恥ずかしがり、私と顔を合わせるのも辛く感じてしまうかも知れないじゃない…。そうよ、私、ここはぐっと我慢しましょうっ!!っとっても…辛いけど、トールさんのためなら苦じゃないわ!!あぁぁぁでもでも抱きしめたい!!ぎゅっとして柔らかそうな頬にスリスリしたいぃぃぃぃ!!

 

 私は震える身体をぎゅっと押さえ込み、後ろ髪を引かれながらもそっと音を立てずに扉を閉めました。ぶるぶると震える私の手は今にも扉を開け放ちそうになりましたが、断腸の思いでその場を後にするのでした。

 

 

 少し歴史を感じさせる古び、色褪せた木のカウンターを挟んで少々ふっくらとした、笑顔の似合う妙齢の女主人、リリンさんに少し宿を留守にする旨を伝えるために話をしています。

 宿を決める際、もっと格安な宿はあったのですが、柄の悪い男性も多く、トールさんが怯えたのもあって色々と回った結果、リリンさんの経営する落ち着いた雰囲気の宿にすることになりました。

 リリンさんはトールさんの事情をそれとなく私が説明すると、一も二もなく「アタシに任せな!トールちゃんに近付く不届き者は宿から追い出しちまうからね!」と言ってくれたのもここに決めることになった要因の一つでした。

 

 「ふんふん、そうかい。暫くエルフの森へ戻るのかい。あぁ、トールちゃんのことは心配ないよ。アタシがちゃーんとお世話させてもらうさね!」

 「ありがとうございます♪といっても、すぐにこちらに戻ってくる予定ですので…」

 「ほー、そんなに急ぎなのかい?じゃあ往復で1週間ちょっと位かい?宿を空けるのは」

 「いえ、4日です」

 「………は?え、エルリーンちゃん?さすがにアタシでも分かるんだけどさ、ここからエルフの森なんて普通に行けば4,5日掛かる行程でしょーよ?エルリーンちゃんが冗談言うなんて珍しいねぇ」

 

 私の荒唐無稽な言葉に驚いた表情を浮かべ、少し可笑しそうに言葉を続けるリリンさん。

 ただ、私は一切の冗談もなくその予定を口にしたのです。トールさんのためとはいえ、彼女に少しでも寂しい思いをさせるなど自分を許せないという、ある意味強靭な使命感のようなものが私を突き動かしていました。

 

 「少し無理を通せば出来ることですから。一日二日眠らなくても死にはしませんよ~♪」

 「……そ、そうかい?そんなに無茶するようなことがあるのかい…まぁアタシから口出し出来ることじゃなさそうだからねぇ、ただ、エルリーンちゃんに何かあったらトールちゃんが悲しむんだからそこはちゃんと気をつけるんだよ?分かったね?」

 「もちろんですよ!!トールさんを悲しませることなんて絶対にしませんよ私!!」

 「あっはっは、それさえ分かってりゃアタシからは何も言うことはないよ!気張りな!」

 「はい!」

 

 笑顔で私を激励するリリンさんに短くも力強く応じて、少し予定を変えたこともあり、トールさんにお願いすることが出来たのでその足で彼女のもとに向かうことにしました。

 

 

 

 コンコンと控えめにトールさんの部屋の扉をノックすると、少しだけ上擦ったような彼女の声が応じます。私は少し顔をだらしなく緩めてしまいますが、先程の記憶を表に出さないように室内へと入りました。

 

 「トールさん、ちょっとお願いすることが出来たのですけど、ご迷惑でなければ聞いて頂けますか?」

 「え?あ、ああ!もちろん、何でもいってくれ」

 

 あら?先程のお人形は何処かへ隠してしまわれたのでしょうか?少しだけ残念ですけど、それを口に出すということはトールさんに覗いていたことが分かってしまいますから出来ません。

 私は、何故か少し嬉しそうなトールさんに首を傾げながらも続けることにしました。

 

 「少し予定を変えようと思いまして、エルフの森へ急ぎたいんですよね、こちらにすぐに戻ろうと思いまして…ですから、トールさんのヘイストを長時間保たせることって…出来るでしょうか?」

 

 「……え?も、戻る?こっちへ?…ん?ど、どういう、ことだ?」

 

 困惑したようなトールさんに、私はそういえばと気が付きます。彼女に何も説明していなかったのですから、何がなんだか分かりませんよね…私ったらとんだドジでした。

 

 「ごめんなさい、ちゃんと説明してませんでしたね?ほら、以前お約束したこと覚えています?私の作ったワッフルが食べたいって仰ったこと」

 「…あ、ああ。覚えている」

 「ギルドからのクエストも落ち着いたこともあるので、いい機会かな~と思いまして、ワッフルの材料を調達しに一度森に戻ることにしたんですよ」

 「………………そ、そうだったのか…そうか、あ、あぁそうなのか……」

 

 いつものトールさんの凛とした表情はふにゃりと笑顔を浮かべました。まるで迷い子が母を見つけたように…そんな安堵を思い浮かべてしまうほどにそのお顔は愛しさを感じさせます。

 それを見た私は、直ぐ様にここに戻るという使命感のような意思を鋼のように固くさせました。

 

 「え、と…その、ヘイストは効果時間を延長することは、出来ない。ただ――――」

 

 トールさんはそう告げ、あの魔法を使う時特有の瞳をそっと閉じて集中するような仕草をとりました。すると、何も無かったはずのトールさんの手にはガラスのフラスコに入った緑色のポーションが現れます。本当に不思議な魔法です。一体どんな仕組みなのでしょう?

 

 「これは強化グリーンポーションといって、ヘイストと同じ効果を齎すものだ…幾つかあるが、大体一つで…恐らく3時間ほど保つはず、えっと…幾つ必要か言ってくれ」

 「その、貴重なものでは…?」

 「ん?これは、見たことがないか?」

 「赤い色のポーションなら見たことはありますが、緑色のポーションは初めて見ました」

 

 私の言葉に少し首を傾げて不思議そうな表情をするトールさんでしたが、そんなに貴重なものでも何でもないと、私にそれを5つ手渡しました。

 本当は貴重なものなのかも知れませんが、トールさんを信じ、遠慮なく使わせてもらうことにしましょう。ありがとうございます、トールさん。

 

 「…それから、ですね?トールさん。少しとはいえ、離れ離れになってしまいますよね?ですから今日の夜はお話しながら一緒に眠っても…いいですか?…トールさん、何でもするって言いましたよね?」

 「………Oh」

 

 トールさんは目を白黒させて驚いた様子でしたが、困ったように頬を掻く仕草の後、照れくさそうに頷いてくれました。その時の私はあまりの嬉しさで叫び声を上げそうになるのを抑えることに必死でした。

 

 

 

 

 翌朝、私はケントの街の玄関口に見送りにと一緒に来てくれたトールさんと向かい合うように立っていました。

 

 「本当は、一緒にトールさんと行ければ良かったのですけど…その、森の守護者さん達は人間にあまりいい感情を持っていなくてですね…」

 

 トールさんは分かってると言いたげに微笑んで頷きます。それから、私に向けてヘイストとブレスウェポンを唱え、いってらっしゃいと見送るのでした。

 

 

 「はい♪いってきます!」

 

 

 

 ➤➤➤

 

 

 笑顔で手を振りながら元気一杯に駆けていくエルリーンを見送って、俺は短く息を吐いた。

 

 はぁぁぁぁぁ~~~~。良かったぁぁぁぁ~~~、本当マジで良かったよーーーーー!!ただの俺の勘違いで…心が死ぬかと思ったね!!寧ろちょっと鬱入ってたよね!エルリーンの勘違いに何でどうしてと思ってた自分も同じことしてたよ…世話ないね!?

 しかし、本当にエルリーンに、ん?今何でもするって言ったよね?って言われるとは思わなかったよ!?しかもお話しながら同じベッドで寝るなんて…俺は理想郷に辿り着いてしまったよ、皆。

 いやーでも本当に興奮でどうにかなったらどうしようかと思った割にはエルリーンがいなくなってしまうという恐怖から解放された安堵で何故か超ぐっすり眠れてしまいました。子供か!!

 

 お風呂上がりのエルリーンは超いい匂いがして温かくてドキドキしたけどね!?

 

 

 「む!その後姿はトールか!ぐ、偶然だな!はっ、ま、まさかケントを出るのか!?」

 「アイナ、おはよう。ケントから出るにしてもアイナに何も言わずに出ることはしないぞ」

 「お、おはようだ!そうであったな!我とトールは盟友ッ!同じ深淵を覗き、運命に導かれし深き闇の中で生きる同胞!なれば、何も告げず袂を分かつことは無し!我もトールの傍にいよう!」

 

 おぉ、朝から全開だなぁアイナは…元気が良くて大変よろしい!花丸をあげよう。

 

 アイナは俺に並ぶように一緒に歩き始める。何処かへ行くという予定は無かったが、このまま別れるのは惜しいし、お話しながら目的もなくぶらつくのも悪くないね!いや、控えめにいって最高じゃね!?もう、これリア充じゃん!いやここがリアルかどうか分からんけど…いや!関係ないね!!俺今リアル充実してます!!

 

 「ところでトール。朝から何故ケントの門前にいたんだ?何かクエストでもあったのか?」

 「いや、エルリーンが少し故郷に戻るから見送っていた」

 「ふむ、なるほどな。ではこれから宿に戻るのか?良かったら、そ、そのだな!我は今から少し店を回るつもりなのだが…い、一緒に行かない…か?」

 「それはいいな。俺もこのまま別れるのは惜しいと思っていた。是非同行させてくれ」

 「そ、そうか!うむ、うむうむ!!トールならばそう言ってくれると思っていたぞ!流石は我の認める盟友であるな!ならば共に行こうぞ!貴様とならばこの闇の中でも些かの不安もないッ」

 

 物凄い可憐な笑顔を見せるアイナ。少し変わったとこはあるけど凄く素直でいい子なんだよね。しかも…この子、俺の友達なんだぜ…?はぁ、この世界最高!!あはは朝日が綺麗だなー!

 

 

 どうやらアイナは様々な商店が立ち並ぶ所謂商店街のような場所で、特に目当てのものはないが、何かあれば買おうという、ウィンドウショッピング的なことをするつもりだったらしい。

 俺はこの世界のアイテムも少し気になるし、渡りに船といった感じで付合わせてもらう。

 そう言えば、エルリーンがグリーンポーションを見たことがないと言ってたが、ポーションの類を売っている店には本当にレッドポーションや少し高めのオレンジポーションしか置いておらず、他は日用雑貨的なものしかなかった。…この世界は一体何がOKでNGなのかよく分からんな…。

 

 それから俺達はにこやかに会話をしつつ、店を冷やかしながら商店街を練り歩いた。そんな折、ふと目を遣ると本を扱っている店が目に止まり、俺はあることを思っていた。

 これから先、ずっと文字が読めず書けず仕舞いじゃもしもの時に困るのは自分だけじゃないのかも…。それにエルリーンにそうやって負担をかけ続けていくのは本意じゃないしな…。

 

 「ほう、やはりウィザード。書物は気になるのか?だが、こんなところでは魔法書なんて神秘は置いてなどいまい」

 「ああ、いや。…なぁ、アイナ…子供に文字を教える時に使えそうな本はあるか?」

 

 店先で本を眺める俺にアイナはにやりと笑いながら話しかけてくる。それに応じるついでにアイナに文字を覚えるための本選びを頼ることにした。

 

 「む?…教師のようなことでも始めるつもりなのか?トール。…うーむ…そうだな、少し待て。…えっとー、んーこれ、かなぁ?うぅん…あーでも絵があったほうが分かり易いかなぁ?んー…じゃあこっちかな!うん、これなら良さそう!…ん、んん!!トール!これなどどうだろうか!」

 

 可愛らしい口調で呟きながらも本当に真剣な眼差しで本を選んでくれたアイナに、俺は素直にお礼を告げると店主に代金を渡してその本を購入したのだった。

 

 

 本をインベントリーにしまうなどという無粋はせず、俺はアイナに選んでもらった本を大事そうに抱えていると、彼女は照れくさそうに頬を掻いて口を開く。

 

 「し、しかし、トールよ。子供が好きなのか?文字を教えるとは私塾でも開くつもりか?」

 「あぁ…そうだなぁ。アイナは大切な友達だ。だから一つ教えておく。俺はな、文字が読めないんだ。…だからこれは俺が文字を学ぶために読むんだ」

 

 アイナは俺の言葉に呆気にとられたようにポカンとした表情をしていたが、少し考え込むような仕草の後、顔を上げてニヤリと笑う。

 

 「そうか、トール…貴様がその力を得る際に引き換えに奪われたのは言語だったのだな…だが音声言語は失ってはいないようだ。不幸中の幸いといったところか…。だが、安心せよ、我が盟友トールよ!貴様が深淵に奪われた言語を取り戻すというのならば、我が手を貸さぬわけにはいくまい!!我の力存分に使うが良いぞ!!ふはははッ」

 「………ふ、ふふ。そうか、ならばその力、期待させてもらおうか。漆黒の!俺の言語を取り戻すため共に戦ってくれるか?」

 

 「――~~~~~ッ。愚問だな!!!我は漆黒の断罪者ダークブレーダー!必ずや盟友の奪われしモノを取り戻す力となろう!」

 

 本当に俺の友達は少しだけ変わっていて、とても、とても優しい――――いい子である。

 

 

 

  ◇

 

 

 「ふぅ~~…や、やっと…着いたぁ~…はぁ、はぁ。さ、さすがにいくら疲れを癒やしてくれるワッフルを食べながらといっても…一睡もせず走り続けたのは…無茶でしたね…はぁ、でもまだ大丈夫…よし!!頑張れ私!」

 

 ケントを出発して丸一日と数時間が経過していました。出発時に掛けてもらったヘイストは効果を失い、後はワッフルを少しづつ食べながら私は走り続けました。強化グリーンポーションはまだ使う時ではありません。何故なら帰りに全て注ぎ込むからでした。理由はすぐに分かります。

 

 エルフの森の集落のほぼ中央に存在する巨木、森とエルフの母のおられる神聖な場所です。マザーは第一世代のエルフで世界樹と同化した存在なのだそうです。本来ならばエルフは自然と同化して存在を無くしていくのですが、マザーは私達子孫を愛しく思うあまりに世界樹の一部となり、今もなお私達を見守っていてくれています。

 

 「エルリーン…おかえりなさい、久しぶりね。いえ、そう時は経っていないのかしら?…毎日顔を合わせていなかったのだから久し振りでいいでしょうね…元気そうで何よりです」

 「はい、ただいまです、マザー。えっと、ここを出て大体2週間くらいですね!あの、マザー!帰ってきてそうそうに本当に申し訳ないのですけど、2時間位ここで眠らせてください!!あと2時間経ったら起こして下さい!!お願いします~~~」

 「ふふふ、ええ、構いませんよエルリーン…ゆっくりとお休みなさい。貴方に森の加護を与えましょう…」

 「それでは、お休みなさいマザー♪………」

 

 森とエルフの母の場所は、私達エルフに生命と活力を与えてくれます。どんなに深い傷を負ったとしてもマザーの前でなら数時間もすれば塞がってしまうほどにその力は絶大なものでした。

 そういうわけで、無理を通して走り続けたというわけでした。おやすみなさいませ…。

 

 

 

 …。

 

 ……。

 

 ………エルリーン。

 

 

 「エルリーン。お目覚めなさい…きっと時間ですよ…」

 「んぅ…ん~~~っ。はぁ~。おはようございます♪マザー!ふぅ、気力も体力も回復したみたいです~!2時間くらい経ちましたか?」

 「7200の数を数えましたよ。時を刻むのは久し振りで少し楽しめましたよ。ふふ」

 「えへへ、マザーはいつも優しいですね♪大好きです~」

 

 私の言葉にマザーは微笑ましい我が子をあやすように、ふわりと優しいそよ風を起こします。

 

 「ふふふ、ええ、私も貴方達を愛していますよ…エルリーン、貴方は何かやることがあってここを訪れたのでしょう。私には貴方の決意が見えます。さぁ行きなさい愛しい我が子、為すべきことを成しなさい」

 「はいっ、マザー…マザーが仰っていたことを私、理解できました。人間とは愛しい存在なのだと…私心からそれを分かることが出来ました」

 

 マザーは私に慈愛に満ちる微笑みで応えます。

 

 「そう、エルリーン。とても良い出会いをしたのですね…願わくば貴方とその者にアインハザードとシーレンの祝福あらんことを…」

 「ありがとうございます!マザー…」

 

 深く頭を下げ、私は踵を返して集落から森へと足を向けました。

 ワッフルの材料を揃えるために急ぎ足で――――。

 

 

 「わ、エルリーンじゃない、帰ってきてたのー?」

 「あぁ!フェアリーさんお久し振りです~~~とぅ!!」

 「え?ってえぇぇえぇぇぇぇぇぇ!?ちょ、わ、な、えええええるりーぃぃぃんな、なにすんのぉぉ!?ちょおぉぉや、やめなさやめてええええええ!?」

 

 私は丁度良く出会ったフェアリーさんをそっと掴んで、革袋に押し込むと勢い良く上下に振りました。ワッフルの材料の一つ、フェアリーダスト。フェアリーさんの撒き散らすキラキラとした魔法の粉が必要なのでした。

 

 「ぜぇぜぇ、ちょ、久し振りの挨拶にしちゃ…随分じゃないのよぉ…な、何事よぉ!?」

 

 私は息も絶え絶えと革袋から顔を出したフェアリーさんに謝りながらも事情を説明しました。

 

 「ふぅん、そうなんだー?人間のためにねぇ…私達には一生分からない感情だねー。ま、いいよエルリーンは友達だし。仲間たちに手伝うように伝えてあげるよ!だから、こんなことはもうしないでね!?」

 「ごめんなさい!それからありがとうございます♪フェアリーさん」

 

 ふわりと革袋から出て、透明な羽を羽ばたかせたフェアリーさんは森の奥へと飛び去って行きました。きっと仲間たちに話をつけに行ってくれたのでしょう。

 

 私は焦るあまりに乱暴なことをしたことを反省しました。ごめんなさいフェアリーさん…。

 

 それから私は森の中を散策して、日が傾き夕陽が差し込み始めた頃、やっと一番重要な材料を持っている守護者に会えました。大きな樹木の巨人、エントさんです。

 

 「エントさーん!実を分けて下さい♪」

 

 のそりのそりとエントさんは自身の枝葉を揺らしながらこちらへと近付いて言います。

 

 「える、りーん、か。ひさ、しぶりだ。実はある、ぞ。とって、いい」

 「ありがとう!エントさん♪じゃあ…行きますよぉ~!てぇぇぇぇぇぇい」

 

 私は思い切りエントさんの身体を蹴りました。ドンという音と共にエントの実が落ちてきます。

 ちなみに、これは別に暴力的とかではなく、エルフに伝わる仕来りや伝統のようなものなのです。私達エルフがエントさんを蹴ったり殴ったりするとエントさんは私達に枝や樹皮、実を提供してくれるのです。不思議なことですが、世界の理のようなものと納得するしかありませんね。

 

 

 

 「枝、実、ない。あとで、また、こい」

 「いえいえ~もう十分ですよ♪ありがとうございましたエントさん!」

 「そう、か。また、な。える、りーん」

 

 私は両手一杯のエントの実を抱えて集落へと急ぎ戻りました。すると、そこには沢山のフェアリーさん達がふわりふわりと夕闇の中で光り輝いて山のような魔法の粉を作り出していました。

 

 「おー戻って来たー?エルリーン、皆手伝ってくれてるよーというかさぁ、こんだけあればもう十分でしょ?ワッフル100個は作れるよ!」

 「はい!こんなにあればもう十分ですよ♪皆さん本当にありがとうございます!」

 

 私が頭を下げてお礼を告げると、口々にいいよいいよエルフの子は私達の大事な子だものと言って森の奥の花園へと帰っていきました。

 

 「あら?エルリーンじゃない、何時戻ってたの?」

 

 フェアリーさんたちが作ってくれたフェアリーダストを革袋に詰めていると、私の前方から歩いてくる真っ白なドレスに身を包んだ綺麗な女性が話しかけてきます。

 

 「わ、ルーディエルさん!お久し振りです~♪戻ったのは今日のお昼くらいですよー」

 「うふふふ、久し振りというほどでもないでしょ?もう寂しくなって戻ってきたのかしら?」

 「ちーがーいーまーすぅ~!」

 

 ルーディエルさんは私をからかうようにニヤニヤとした表情で意地悪なことを言ってきます。私はついつい頬を膨らませて返してしまいました。

 

 「あははは、ごめんなさいね、エルリーン。冗談よ。それはそうと、それワッフルの材料?私に作れというお願いかしら?」

 「いえ、違うんですよ~。私が作るんです。…えへへ、ある人が私の作ったワッフルが食べたいって言ってくれたんです…。ルーディエルさんには敵わないけど、頑張って作るつもりなんですよ」

 

 ルーディエルさんは眩しそうに私を見て柔らかな笑みを浮かべました。とても美人なルーディエルさんは本当に淑やかで羨ましい限りです。

 

 「そう、確かに私の作るワッフルは皆に認められているわ。でもね、エルリーン…きっと貴方が食べさせてあげたい人にだけは私の作るワッフルは貴方の作るワッフルに絶対に敵わないわ。どうしてか、分かる?」

 「…えっと…、うーん…ご、ごめんなさい…分かりません…」

 

 「ねぇ、エルリーン。きっと貴方はその人だけのために一生懸命作るでしょう?それこそ、貴方の持ちうる全てを、愛情を、情熱を込めて…それはその人の心に響く唯一無二のものになるわ。それがどんなにへたくそでも、私が最高のワッフルを焼き上げても敵わない…だってそのワッフルはたった一人のためのものだもの…ふふふ、だから自信を持ちなさい」

 

 私はその言葉に聞き入ってしまいます。少し熱くなった頬に手を遣るとじぃんとした熱を伝えてきました。どんな言葉を返せばいいのか分からずルーディエルさんを見上げると彼女は、胸を張るように自慢げに続けました。

 

 「まぁ、敵わないのはその人だけよ。99対1で私の圧勝に変わりはないわね?ふふふ」

 「…うー!相変わらず意地悪ですね、ルーディエルさんは~!ふんだっ。いいんです~私はトールさんだけが美味しいって言ってくれればそれで満たされますからね!」

 「ふぅん?トールさんっていうのね…そんなに素敵な男性なのかしら?」

 「ほぇ?トールさんはとっても綺麗な女性ですよ…?」

 

 何故かルーディエルさんはピタリと時が止まったように身体を固まらせて、少しばかりの溜息を吐き出すと眉根を下げて笑いながら口を開きました。

 

 「んーそっかそっか。ごめん何か勘違いしてたみたいね?仲の良い友達に作ってあげるってことだったのね…」

 「……え、えへへ…友達っていうか…そ、その~…ですね~…」

 「…ね、ねぇエルリーン?そのトールさんのこと…あ、愛しているのかしら?」

 

 「…………はい♪」

 

 そーなんだー…とルーディエルさんはどこか遠い目をして呟きました。私はどこかおかしいのでしょうか…?それでも、トールさんへの想いは誰に何を言われてもきっと変わることはないでしょう。

 

 

 

  ◆

 

 

 「それじゃ私、行ってきますね!マザー、ルーディエルさんお元気で!」

 

 「全く、明日の朝に出発すればいいのに…忙しない子になってしまったわね、本当に昔はのんびりしすぎだって言われてた子がね?…夜なのだから気をつけて行きなさいよ…」

 「ふふふ、愛しい人の元へすぐにでも戻りたいのでしょう…察して上げなさい。ルーディエル」

 

 ワッフルの材料を詰め込んだ鞄を背負って、手を振りながら離れていくエルリーンを目を細めて見つめるルーディエルに森とエルフの母は微笑みを浮かべて言葉を続けた。

 何かに急かされるかの如く駆けていく彼女を見つめる二人は微妙な温度差がある。

 

 「マザーは知っていたんですか?エルリーンに愛する人がいることを…」

 「ええ、あの子から直接耳にしましたよ…きっと、とても良い男性なのでしょうね…それが人間でも幸せになれるでしょう…」

 

 ルーディエルはあぁそういうことかと、溜息を漏らした。森とエルフの母を見上げるように顔を上げて、ルーディエルは告げる。

 

 「エルリーンの想い人は女性です。マザー」

 「……………」

 

 ルーディエルはそれなりに長い年月を過ごしているが、森とエルフの母が絶句した所など一度たりとも見たことがなく、その初めて見る姿に笑いを堪えられずに吹き出した。

 

 「………そう、ですか。世界は広い、そして時間は悠久のように流れ続けるのです。その中に生まれた者の中には生涯を純潔にて終える者もいました…ええ、ですから…いいのでしょう…。そんな愛の形があっても…それを否定することなどあってはならないのですから…」

 「…ぶふっ、そ、そう、ですね…んふッ…くふふ…」

 

 さすがに我が子の性癖が突然告げられてはいくら長い時を生きたエルフの母といえども、少しは堪えるのだった―――――――。

 

 

 

 ➤➤➤

 

 

 「トール。ここは違うぞ、これでは『うなぎの耳はとても長い』になってしまうぞ」

 「…微妙に一文字違いでそうなるのはまるで日本語のようだ…いや、そのほうがいいのか…俺にとっては」

 

 エルリーンがエルフの森へ出発してから4日が経った。アイナはあれから毎日のように俺の宿に通って文字の習得に付き合ってくれていた。

 

 初日は宿の主人であるリリンさんに怪訝そうな表情で見られていたアイナだったが、俺と楽しそうに会話を交わす姿を見て納得し、それからアイナの素直な性格に触れると一気に気に入られて今では顔パスで俺の部屋に直行出来るようになっていた。

 

 「うむ、それで正解だトール。随分慣れてきたみたいだな…力を取り戻す時も近い、か…フッ」

 「本当にアイナのお陰だ。一人ではこんなに早く覚えることは出来なかっただろう」

 「よ、よせ。我は少しばかり助力しただけに過ぎん…何にせよトールの弛まぬ努力の成果だ」

 

 いやいや、本当にアイナが教えてくれてすっごい助かるよ!たった数日で一応でも文字が読めるようになってきたんだからね!まだまだ書くのは練習が必要だけどなぁー。

 

 「トールよ。ではこれも覚えると良い」

 「…ん?これは、むぅ。す、すまん…読めないな、教えてくれるか?」

 

 アイナがスラスラと紙に書いた文字を俺に差し出すが、少しは出来るようになったと思っていた自分は全く読めない文字に困惑してすぐに助けを求めてしまった。ごめんよーアイナ、折角教えてくれてるのにまだまだなんだなぁ俺…。

 

 「フッ、これは我が開発した暗黒文字でな。深淵の雷帝と書いてトールと読むのだ!」

 「…そうかそうか…ほー…俺をからかうとは随分といい度胸ではないか、漆黒の…」

 

 そういう奴には擽りの刑だーーー!!いくぞぉ~こちょこちょこちょこちょーーー!!

 

 「あは、あはははははや、やめよ!くは、あひぃふふっふやめよトール!にゃあははははははくくすぐったいきゃははははははにゃめてえええええひーひーあははははは」

 「ふははは、身悶えるが良い!俺の手によって!そしてその身に刻め俺の恐ろしさをー!」

 

 わー楽しー!?友達と擽りっこ超楽しい!!いい歳した大人がと思うなよ!?もうあれだ精神年齢低いんだ俺!!多分!ていうか初めて出来た友達だし!!構いたくて堪らないんだよーーーー!

 だってこんなことエルリーンとじゃ出来ないもんなー!アイナはこう…スラっとしてるからね!?何処がとは言わないけどね!?エルリーンはもうこんなことしたら絶対当たっちゃうから!

 

 「にゃああははははは、こ、このぉ!ひゃうはははわ、我の反撃をくくくらえええええ」

 「ふは、あははははちょあはははははあ、あいなごめん降参降参!あはははははちょやめて」

 「ふぁははははは!我を甘く見た罪その身で支払ってもらおうぞ!!ふははははー!!」

 

 俺達は二人で馬鹿みたいに擽り合いながら笑い声を上げた。

 そこへ俺の部屋の扉をバンッと音を立てて開いたのは、真っ赤な顔をしてにやけているエルリーンだった。時が止まったかのようにピタリと止まった三人だったが、我慢できずに動き出したのはエルリーンだった…。

 

 「ずるいです!!!私も私もまざりたいですーーーーー!!!」

 

 そう言いながらこちらへ向かって飛び掛かってくるエルリーンに向かって俺は心のなかで叫んだ。

 

 え、エルリーンはだめえええええええええええええええええええええええええ!!!

 

 そして、帰ってくるの超早くない!?と思いながら、エルリーンに擽られ続けたのでした。

 

 

 

 翌日、俺とアイナに振る舞ってくれたエルリーン特製のワッフルは彼女そのもののように甘くて…とても優しい味だった。

 

 

 ―――――――ありがとう。おかえり、エルリーン…。

 

 

 

 

 

 




用語やらアイテムやら魔法やら説明するとこ

結晶体ー色んなアイテムを溶解液で溶かすと出て来る不思議な結晶だよ!マジックドールを起動させるのに必要なんだね!電池のようなものと思ってくれればいいよ!

マジックドールー通称MD。沢山の種類の可愛らしい人形達!戦いにも便利でしかも心も癒やされちゃう!マジックドール同士で挨拶もするよ!可愛いね☆

ペットシステムー色んなペットを育てる事ができるよ!でも戦闘中に停電したら…うっ頭が…。とりあえず大切なペットが土に還ることだってあるよ!!

フェアリーー妖精さん!フェアリーダストを振りまくよ!その辺にいっぱい落ちてるよ!!お掃除しなくっちゃ…!

エントーエルフ達に蹴られ殴られては枝や表皮や実を配る。マゾかな?

パンーケンタウロスみたいなやつ!パンのたてがみをくれるよ!くれる…?引き千切ってるのかな…?

アラクネー蜘蛛人間っ!!わーぐるぐる巻きにされちゃうー!!

強化グリーンポーションー通称GGP。グリーンポーション5個で作れちゃうよ!ただ混ぜただけなのかな!?


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