キリサキハンドル ~IS使い織斑一夏~   作:Raw

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初投稿なので至らないところがあるかもしれませんが、生温かい目で見てやってください。

誤字脱字は感想にお願いします。

8/26 文章で気になったところの修正


本編
01 入学


            登場人物紹介

 

織斑一夏(おりむらいちか)        (最強の弟)

織斑千冬(おりむらちふゆ)        (世界最強(ブリュンヒルデ))

 

篠ノ乃箒(しのののほうき)        (天災の妹)

篠ノ乃束(しのののたばね)        (狂気の兎)

 

セシリア・オルコット          (代表候補)

山田真耶(やまだまや)          (学園教師)

 

零崎人識(ぜろざきひとしき)       (人間失格)

零崎舞織(ぜろざきまいおり)       (自殺願望(マインドレンデル))

 

 

 

 

 

零崎片識(ぜろざきかたしき)       (織斑一夏)

_________________________________________________________________________

 

 突然だが、俺の始めての経験(さつじん)は小学生の時だ。招待客として訪れていたモンドグロッソ第二回大会の会場から誘拐された俺は、誘拐犯のアジトで隙を突いてナイフを奪い、それを無我夢中で振るって、気づいた時には誘拐犯一味を壊滅させていた。バラバラになった死体が転がっているのを見ても、なんとも思わなかったのを憶えている。あ、死んでるな。位のものだ。それよりも、その後にISを纏って飛び込んできた千冬姉の必死な顔の方が印象的だった。あんな顔、後にも先にもあの時しか見たことがない。血塗れな俺をかまわず抱きしめてくれたのは、家族愛のなせる業だろうか。

 

 なぜ今そんなことを考えているかというと、目の前にその時の焼き直しのような光景が広がっているからだ。転がっているのはたぶんテロリスト。鈴が中国に帰るというのでそれを見送った後、帰ろうとしたところでいきなりやってきた黒いバンに引っ張り込また。そのまま連れてこられた、寂れかけた港湾の一角にある倉庫の中で壊滅させた。今度は返り血も浴びていない。状況が似通りすぎて今にも千冬姉が突入してきそうだ。

 

「すげえな。初めてでこんだけ殺った奴はお前が初めてじゃないか?」

 

 唐突に男の声が響いた。誰かに見られたらしい。手に持っているカッターナイフを握り直す。

 

「おうおう、そんなに殺気立つなよ。お前、俺の弟にならないか?」

「お兄ちゃん、そんなに簡単に言っても通じませんよ」

 

 俺はそんな掛け合いにもなっていない言葉に気が抜けてカッターを落としてしまった。

 

 その二人組、零崎人識と零崎舞織は俺にいろいろ教えてくれた。それに納得して、了解して、得心がいって、俺は二人と兄弟になった。そして流血の絆と零崎片識という殺し名を手に入れた。

 

◆◇◆◇

 

 先月二人から手紙が来た。アメリカからのエアメールだったそれによると、赤くて怖い人類最強のお姉さんの仕事についていったらしい。連れて行かれた、と人識兄は書いていたかもしれない。返信にIS学園に入ることになったからお土産はなくてもいいと書いて送っておいた。多分驚いていると思う。ISは女性にしか動かせないってことになっているから。

 

「お、織斑くーん、聞こえてますかー?」

 

 涙声が聞こえる。はて、なんだか知らないが名前を呼ばれているようだ。呼ばれたほうに顔を向けるとやけに子供っぽい顔があった。目の端に涙が浮かんでいる。

 

「織斑君、じ、自己紹介をしてくれると、うれしいかなーって先生は思います」

 

 完全に忘れていた。今は高校生活最初のSHR、クラスメイトとの初顔合わせ。その真っ最中だった。バシバシ飛んで来る視線の嵐に、現実逃避をしていたらしい。涙目の童顔教師、山田真耶に頭を下げて、後ろを向く。最前列ど真ん中という俺の席で、前を向いて自己紹介をしたら、黒板ぐらいしか俺の顔を覚えてはくれないだろう。

 とか思った矢先に、後ろを向いたことを後悔した。クラスメイトの持つ二十九対五十八個の目が、すべて俺を見ているというのはなんか嫌だ。これなら山田先生の童顔を見ているほうが良かった。

 

「じゃあ織斑君お願いします」

 

 そんな山田先生の声が聞こえる。

 

「えっと、織斑一夏です」

 

 何を言おうか考えてなかった俺は、いったんそこで口を閉ざす。何を言おうか?王道でいけば趣味だな。趣味・・・カッターナイフと刀集め?女子しかいないところでそんなことを言ったら確実に引かれる。よくやること、掃除洗濯料理にマッサージぐらいしか浮かばない。全部趣味というには生活感ありすぎだな。何もいうことが無いな。

 

「んと、以上です」

 

 瞬間、三十人がずっこけた。そして三十一人目に出席簿ではたかれそうになり、とっさに避けたところにゴスッと拳骨が落ちてきた。

 

「お前は自己紹介もまともにできんのかっ!」

 

 後、避けるな。とも言われる。やるな、千冬姉。まさか避けた所に間髪入れずに追撃とは、動きようが無かったぞ。

 

「って、千冬姉!?なんでこごに゛ぃ」

「織斑先生だ。馬鹿者め」

 

 出席簿が再び振り下ろされた。避けなかったから直撃したそれは、俺の脳天にかなりの衝撃を加えた。千冬姉、脳細胞って殴られる度に最低五千個は壊死するんだぜ?あんまりやられると馬鹿になっちまう。

 

「もう馬鹿だろう」

 

 にべもなく断言されてしまった。ていうか心を読むな、心を。

 

「まあ、馬鹿のことはおいておくとして、私がこのクラスを一年間正担任として担当する織斑千冬だ。すべてを基礎から叩き込んでやるから私の話はしっかり聞け。わからなくても理解しろ。そうすれば最低限進級はできる」

 

 千冬姉の自己紹介に、クラスメイト達が黄色い悲鳴を上げる。狭い教室内で上がった声は、反響して音響爆弾の様に増幅され、ガラスがびりびりと振動した。

 

「よくもまあこれだけの数の馬鹿どもを毎年集めてくるな。あれか、私は嫌がらせを受けているのか?」

 

 千冬姉の教師とは思えないそのつぶやきはしかし、一番前の席にいる俺にしか聞こえていなかっただろう。結局、千冬姉が鎮静化させるまでの数秒間、俺は耳をふさいでも聞こえてくる歓声に耐えるしかなかった。

 

◆◇◆◇

 

 その後の休み時間、遠巻きに俺の事を見ていた女子の山の中から幼馴染の箒が出てきた。うん、久しぶりだ。そんな感傷に浸る猶予もくれずに、開放されていた屋上に連れ込まれる。二人っきりになりたかったらしいけど、屋上の入り口で聞き耳を立てている奴が三人ほどいる。

 

「ひ、久しぶりだな、一夏」

「六年ぶりだっけか」

「う、うむ、六年ぶりだ。しかし、何でお前はこんなところにいるのだ」

 

 しらん。本当なら今頃俺は藍越学園にいるはずだったんだ。

 

「試験場で迷子になって、気付いたらISを起動させて止めに来た教官をのしてた」

「迷子になったってお前は子供かっ!」

 

 15歳だからな。二十歳になるまでが子供です。少なくともこの国では。

 

「そういえば、剣道の全国大会で優勝したんだってな。おめでとう」

「な、なぜ知っている!?」

「新聞のスポーツ欄に載ってたぞ」

「な、なな、なぁ~」

 

 箒が真っ赤になって俯いた。プシューッとか音がしそうだ。入り口の所にいる見物客はそれを見て何かを勘違いしているような動きをみせている。

 

「箒、そろそろ予鈴だし戻らないと」

「う、ううむ」

 

 階段に向かって歩き出すと、物陰でスカートが翻るのが見えた。箒はそれには気づかない。後で質問攻めとかに遭うんだろうな。ご愁傷様です。俺はそんなことを聞いてくる男勢がいないから楽だ。寂しいけど。

 

 ◆◇◆◇

 

 次の休み時間、金髪貴族が話しかけてきた。英国代表候補らしい。自慢ばかりで果てしなくうざい。適当に相槌を打っていたらなぜか怒ったっぽい。セシリア・オコルット・・・寒いな。結局セシリアは、何がしたかったのかを俺に分らせないまま、チャイムが鳴ってすぐに現れた千冬姉に出席簿ではたかれて席に帰っていった。

 

「SHRで決めるのを忘れていたクラス代表を決める。自薦他薦は問わん。やりたい者、やらせたい者がいる者は手を挙げろ」

 

 千冬姉の一言に、弾かれた様に手を挙げるクラスメイト達。面倒くさくなったのか、千冬姉は端から順に発言させていく。曰く、

 

「織斑君がいいと思います」

「はいはい、私も織斑君がいいです」

「織斑君にクラスの看板してもらうのがいいでしょ」

 

 まあ、俺を推薦する声でいっぱいだった。十人近くいて全員が俺押しって言うのはどうなんだろう。珍しいからってそれでいいのか?

 

「納得がいきませんわっ!!」

 

 バンッ、と机を叩きつつ立ち上がったのは、案の定セシリアだった。白い肌を上気させ、わなわなと震えている。

 

「このような選出、到底承諾できませんわっ!代表といえばこのクラスの顔っ、それをただ物珍しいからという理由だけでそこの類人猿に務めさせようなどと、私はサーカスに来ているのではありませんのよっ!!」

 

 なんか一瞬ですごくまくし立てて、しかも俺のことを類人猿扱いしやがった。女尊男卑、ここに極まれり。

 

「大体、なぜこのわたくしを推薦しないのです。わたくしはこれでも英国代表候補生ですのよっ!?これ以上代表にふさわしい実力の持ち主がいましてっ?そのわたくしを差し置いてそんな極東の猿にやらせようなどと、耐え難い屈辱ですわっ!!」

 

 類人猿から猿に格下げしやがった!?十秒かそこらでそこまで俺の株が下がったのは流石に初めてだぞ。

 

「だいいち、英国貴族たるわたくしが、このような文化の後進的な極東の島国で暮らさなくてはならないことが耐えがたい苦痛で、」

 

 カチンッ。がたん。

 

「お前の国だって島国だろうがっ。世界一まずい料理しか取り柄がねえじゃねえか」

「な、なんですって・・・!?」

 

 あ、ミスった。つい立ち上がって本当のことを言ってしまった。前を見ると千冬姉が苦笑していて、振り返ると真っ赤に染まったセシリアの顔が見えた。

 

「あっあなた、私の祖国を馬鹿にしますの?」

「あーもう、自分の話ばかりするな。他人の悪口ばかり言うな。いいから喋るな。」

「なっ」

「さっきからごちゃごちゃとうるさいんだよ。黙って聞いてれば人のことを散々馬鹿にしやがって。要点を簡潔に言えっ」

 

 まあ、休み時間から絡まれ続けた鬱憤、ここで晴らさせていただく。

 

「け、決闘ですわっ」

「そーか。その決闘、受けるぜ」

 

 言って、そのまま床を蹴る。袖からカッターを取り出そうとした瞬間、背中に衝撃を受けてそのままセシリアに突っ込んだ。

 

「ぐおっ」

「きゃあっ」

 

 後で聞いた話によると、千冬姉が神速で投擲した出席簿が、俺の背中に直撃したらしい。中学生の鈴の全身タックルより衝撃があったぞ。

 

「馬鹿者、こんなところでおっぱじめようとするな」

 

 引っ張り起こされてそういわれ、セシリアともども頭に出席簿を食らう。結局、来週の頭にアリーナで代表決定戦をすることになった。どうやら始めてのISバトルはセシリアとになるようだ。

 




はい、ここまでです。
読んでくれた方ありがとうございます。
自身の文才のなさが恨めしい。
遅筆ですがこれからもよろしくお願いします。
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