キリサキハンドル ~IS使い織斑一夏~   作:Raw

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自分にしては早く書きあがった。

これからレポート書いて、明日は朝からまどかに貢ぎに行くんだ。


04 プレイヤー

「引き分けだ、馬鹿者め」

 

 スパンッ、と高速で振りぬかれた出席簿に頭をすっぱたかれる。呼び出された職員室前の廊下で、呼び出した張本人、千冬姉のからの一撃に頭を抱える。本人にとっては愛のこもった一撃なのかもしれないが、たたかれる方としては頭がもげないか心配になる音がした。

 

「シールドエネルギーの管理、それが雪片を使う際に最も気を付けなくてはいけないことだ。このことをよく覚えておけ」

 

 千冬姉はそう言い残して、職員室の扉の向こうへと消えていった。たたかれた頭はもう痛くもないが、指導のたびに手が出るのは教師としてはどうなのだろうか。そう思いつつも職員室前を後にしようとして、後ろから呼び止められた。

 

「織斑君、今日はすごかったですねぇ」

 

 気の抜けるような呼びかけ、副担任の山田先生だった。

 

「いえ、そんなことは。今も千冬ね…、織斑先生に白式の戦い方のポイントを伝授されたところでして」

 

「初めての機体であれ以上に戦えるのなんて、本当に一部、国家代表クラスの専用機持ちぐらいですよ。しかも近接格闘型にとって圧倒的に不利な長距離射撃型との闘いで引き分けに持ち込むだなんて、あなたの年齢(とし)の頃の私にはとても」

 

 もっと自信をもっていい、そんなことを言われた。うちのクラスの教師陣は教育的にはバランスが取れている。山田先生への負担が半端ないことになりそうだが。

 

「って、今ならできるんですか?」

 

「もうっ、私はこれでもIS学園の教師ですからね?生徒の三倍はISについて理解していないと教えられないですよ」

 

 さらりと、IS学園の教師陣の強さが生徒最強以上であることを教えてくれる。山田先生もそのまま職員室に消えていった。

 

   ◇◆◇◆ 

 

 職員室を離れ、学食の方に通じている廊下の曲がり角で、それは襲来した。

 

「っ!」

 

 飛来した苦無をデザインナイフで弾き飛ばし、そのまま気配のする方へ棒手裏剣の要領で投げる。制服の下から二本の大型のカッターを取り出したところで次の二本が飛んできた。

 

「チッ!」

 

 両手を使い同時に上下に弾いたところで、目の端に水色の髪が映る。そいつは気配なく背後をとってきた。

 

「あなた、やるわね」

 

 振り降ろされた扇子を左手のカッターで受け止め、同時に飛んできた苦無を右手のカッターで受け止める。速度を失った苦無が床に刺さるまでのたった数瞬の力比べ、水色の持っている扇子が開いた。

 

「あっぱれ?」

 

 扇子には天晴れの文字が毛筆で書かれている。

 

「あなたが織斑一夏君ね。私はこの学校の生徒会長をしている更識楯無よ。気軽にたっちゃんって呼んでくれてもいいのよ?」

 

「で、その生徒会長様が何の御用でしょうか」

 

「あらら、警戒させちゃったかしら。何でもないの、今回は顔見せだけ。噂の男性操縦者の素顔が知りたくなったってことじゃダメかしら」

 

 楯無は真顔でそんなことを言う。そこに漂う、隠しきれていないプレイヤーの気配。

 

「じゃ、同じ学校にいるからまた会うと思うけど、校内で殺しはだめよ、零崎さん」

 

 楯無がその赤い目でウィンクしてくる。自分が殺し名の一員であるということが、生徒会長にばれていたというショッキングな事実を残して、楯無ともう一人は去っていった。

 

「む、一夏、こんなところで何を呆けている」

 

「ん、ああ、悪い。邪魔だったか?」

 

 人払いが解けたのだろう。背後から来た箒に怪訝な顔をされた。

 

「箒、生徒会長と一緒にいるのってだれだったっけ?」

 

「私は知らないが、生徒会の役員ではないだろうか」

 

「それもそうだな。ありがとう箒」

 

 最悪、生徒会メンバー全員プレイヤーってこともありうるのか。人識兄のしばらく身を隠せって方針、もう破綻してるかもしれないな。

 

 




さっくり1分で読めるお話でした

片識君の武器

デザインナイフ 一本 100円税抜き
大型カッター  一本 1000円税抜き

その辺で普通に買えます。カッターナイフやデザインナイフを投げると、刺さりはしますが刃が砕け散って危ないのでやめましょう。
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