SAOIFの五層開放とかモン○ン発売とか重なってしまってしょうがn……すみませんでしたああああ!!
P.S.五層の難易度がおかしいと思うのです。あとレベルキャップ倍にするのはどうかと思います。100て。記憶だとキリトのクリア時のレベルって96だったような……?
◇Side アリス
「君が、隠しているスキルを持っているということもね。三人目のユニークスキル使い」
その言葉を耳にした瞬間、私は心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥った。……それはコハルにキリト、アスナの四人しか知らないはず。武器のオーダーメイドを頼んでいるリズにすら黙っていたのだ。それが、何故……?
「なんで……それを……」
動悸が治まらず、喘ぐ様に口をついて出た言葉は言外の肯定。しまった、と思った時にはもう遅く、目の前に立つヒースクリフはにやりと口元を歪めた。
「やはりそうだったか。いやなに、私も確証を持っていた訳ではなかったのだが……その台詞で確信したよ」
もっとも、どんなスキルなのかは分からないがね――とおどけたように肩を竦めた奴に、私は心の中で舌打ちした。
やられた。どこで切欠を掴んだのかは分からないけど、まだ確証を得ていないのならとぼける事も出来たはずだったのに。
先程の急なエキシビションマッチの件といい、どうもさっきからこいつの手の平の上で転がされているような感じだ。見透かしたような物言いに腹が立つ。
「……やってくれるじゃん」
「あいにくと腹芸は得意な方でね。さて、どうする? この会話は我々しか聞こえていないだろうが――果たして、全力を出さずに私に勝てるかな?」
尚も挑発を続けてくるヒースクリフに歯噛みをする。
確かに、先程のキリトとのデュエルを見ていて痛感した。ヒースクリフは強い。それも他のプレイヤーなんかとは別次元の強さだ。
唯一無二の強力なユニークスキルを持っているというだけでなく、そのスキルを隅まで知り尽くし力を引き出している。
ヒースクリフ自身の剣技もかなりの腕で、かつキリトとのデュエルで見せたあり得ない反応速度と冷静な判断力。
(出し惜しみしてたら、勝てないか……)
一度大きく息を吐き出し、決心する。
メニューを開いて、スキル装備欄を操作。≪英雄之剣≫を選択すると、手にしていた片手直剣≪ディトネイションレイジ≫の刀身がエフェクトと共に伸びた。
片手直剣よりも長く、両手剣よりも細身の刀身。どちらともとれる長さの剣へと変化する。
「それが、君のユニークスキルか」
ヒースクリフが、今度は会場に伝わるような声量で問いかけてきた。
ユニークスキルという単語に、再び観衆がざわめき立つ。
「そうだよ。エクストラスキル≪英雄之剣≫。これが私の持つ切り札」
ざわめきが更に大きくなる。あちこちでこのスキルがどんなものなのかという予想や、取得条件の考察が飛び交っているのが聞こえた。
「取得条件は……わからないよ。気がついたらスキル欄にあったんだ」
これは半分嘘で、半分本当。取得条件に関してはユイから聞きそびれていたから私がどんな条件を満たしていたのかは知らない。唯一、九十層以降での解放になるってことだけは知ってるけど。
「その言葉が本当かどうかは分からないが、一先ず信用する事にしよう。どのようなスキルかは……実際に戦うことで確かめようじゃないか」
そう言うや否や、ヒースクリフからデュエルの申請が送られてきた。迷うことなく受諾。カウントダウンが始まる。
カウントが一秒減る毎に、私の鼓動は大きくなり、周りの音が遠ざかっていく。
今は余計な情報はいらない。ただ、目の前の敵を倒すために必要なものだけがあればいい。
「…………こうもペラペラと私の情報を喋らされたんだ。ヒースクリフ……――目にものを見せてあげるッ!」
カウントが0になったその瞬間、私はありったけの力で地面を蹴った。
◇
デュエルの開始から数分が経過した。
お互い決定打が決まらないものの、戦況はやや私有利に運んでいた。
「誤算だったよ――まさかアリス君がここまで手強いとはね」
「お褒めに預かり光栄だよ、団長さん」
引きつり笑いを浮かべるヒースクリフに皮肉を返しながら、油断無く剣を構えなおす。
(手強いっていうのはこっちも同感だよ、もう……!)
互いに決定打を入れられない理由は単純。向こうの攻撃は私に当たらないから。だけどこちらの攻撃も相手の防御を抜けない。
フェイントをかけて死角になる盾側からしかけても、武器を持ち替えて不意を突いたり射程外から攻撃をしてみてもヒースクリフに冷静に対処された。
しかし、攻めあぐねているのは向こうも同じで、私は絶えず動き回り打ち合わないことで攻撃と反撃を避け続ける事が出来ていた。危ない場面もあったけれど。
私の持っているユニークスキル――《英雄之剣》は移動速度に大きなボーナスが掛かっている(キリトの持つ二刀流は攻撃速度に1.8倍と武器防御に1.5倍のボーナスが掛かるらしい。とするとヒースクリフの神聖剣も何らかのボーナスが掛かっていると思う)
このスキルを装備しているのとしていないのでは、体感で二倍くらい私の移動速度が速くなっている。おまけに、私の身長の低さ(嬉しくないけど!)も幸いしてヒースクリフは的を絞り難そうにしていた。
単純な剣技を比べると……悔しいけど向こうの方が上。だけど速さと的の小ささというアドバンテージで私は互角以上に戦えていた。
だけどこのままでは埒が明かない。……だから私は仕掛けることにした。
「ほう? それは……キリト君の真似かな?」
「これで私も二刀流……なんてね」
メニューを開いて
「二刀流を持たない君では、両手に剣を装備したところでソードスキルを使えないはずだがね。それとも、私相手にソードスキルを使わずに挑むつもりかね?」
「まさか。これはね――こうやって使うの!」
オブジェクト化して手に持っていただけの短刀。それを下から掬い上げるようなモーションを取るとソードスキルが立ち上がった。投擲スキル《アンダースロー》。システムによってアシストされた短刀は真っ直ぐに――ヒースクリフの顔へと放たれた。
「む!」
当然のようにヒースクリフは盾で短刀を防ぐ。これでいい。顔に物が投げられたらそれを守ろうとガードするのは誰だって同じはず。そしてそれは、一瞬視界を遮る行為に他ならない!
投擲スキルの硬直を、体術スキル《縮地》でキャンセルし、彼我の距離を0にして――そのまま脇を駆け抜け背後へと回り込んだ。でも、まだ。まだ足りない。
体術スキルの硬直を――《英雄之剣》のスキルを発動することでキャンセルする。
両片手剣用単発ソードスキル《ツイスターフォール》
飛び上がった状態から空中で回転を加え、その勢いのままに相手に叩きつける技。
視界から消えた後に、後ろから攻撃をすると見せかけて上空からの初めて見せるソードスキルでの一撃。これで――!
「くっ!!」
しかし――ヒースクリフは対応してきた。フェイントで体勢を崩された上の不意打ち剣を突き出し迎え撃とうとしてきたのだ。
一度発動したソードスキルは止められない。私の剣とヒースクリフの剣が交錯し、そして――
「うぁっ!」
「ぐっ!」
ヒースクリフの剣が命中したことで上手く着地できずにそのまま地面へと叩きつけられる。でも手応えはあった! 勝敗はどうなって……。
「え……?」
「ふむ……引き分け、か」
頭上には、DRAWの文字が浮かんでいる。ひ、引き分け……?
わぁっ! という大きな歓声が観客席から上がった。私は尻餅をついた状態のまま、呆然と宙空に浮かぶ文字を眺めているとヒースクリフが仕方の無いといった顔で話しかけてきた。
「引き分けたからには、君を血盟騎士団に引き入れることは諦めるとしよう。その代わり、キリト君には入団してもらうがね」
良いデュエルだったよ――と言うだけ言ってからヒースクリフは背を向けコロシアムを去って行った。それと入れ違いになるようにしてコハルが駆けてくる。
「アリス!」
コハルはそのまま抱きつこう――として周りの観衆を思い出したのか踏みとどまった。
「大丈夫!? 怪我は無い!?」
いや、怪我も何もアバターだし傷一つ付いてないけど……。
ぺたぺたと顔やら手やらを触って確認してくるコハルをどうどうと落ち着かせていると、今度はキリトとアスナがこちらへと向かってきていた。
「よ、お疲れ」
「ごめんキリト、勝てなかった」
「あー、いいさ別に。俺が負けたあいつに引き分けたってだけで正直悔しいけどな。次は絶対勝つ」
ヒースクリフ。血盟騎士団の団長でユニークスキル《神聖剣》の持ち主。恐ろしい程の剣技と無敵の防御力を持つ、最強のプレイヤー。
正直、こんな機会でもなければ二度と戦いたいとは思えなかった。だけど
(引き分けたままは、悔しいなぁ)
このゲームをクリアするまでに、いずれ白黒決着をつけたいと、そう思った。
そしてその思いは、意外な程早く実現する事となる。
想像だにしなかった、最悪の方法で――
◇
その翌々日、血盟騎士団控え室にて。
「ぷっ……ふふっ……ふふふふっ……キリト、似合ってるじゃん」
「お前なぁ……」
ソロを貫いていたキリトがデュエルに負けた結果とはいえ、ようやくギルドに加入するということで、私はそのお祝いにとキリトの元を尋ねていた。団員にキリトの部屋を案内してもらい、入室した私の目に飛び込んできたのは、真っ白いコートに身を包んだキリトの姿だった。
今まで着ていた真っ黒いコートと形状こそ一緒だけど、色は目が痛くなるほどの純白で、両襟に小さく二つと、背中に大きく一つ真紅の十字架が染め抜かれているそれは、血盟騎士団のユニフォーム。
それを嫌そうに着こなしているキリトを見ていると笑いがこみ上げてきた。
「こ、これじゃあ黒の剣士じゃなくて白の剣士だね……っ! ぷっ……ふふふ……なにそれどこの王子様……ふふふふっ……!」
あ、だめだ。堪えきれない。
「ぷはっ……! あはは! あはははははっ! キリトが真っ白い! あははははは!」
「アリスお前後で覚えとけよ……」
一度決壊してしまうともう止まらない。腹がよじれるほど笑った私は、恨みがましそうな目でこちらを見ているキリトに改めて祝福の言葉を送ることにした。
「はぁー笑った笑った。あ、キリト。ギルド加入おめでとう」
「ついでみたいに言うなよ! ……まあ、ありがとうって言っとくよ。複雑だけどな」
まあ、あれだけ頑なにソロやってたんだし、デュエルで負けての加入だしで複雑ではあるんだろうけど。……あれ、そういえば。
「そういえばキリトってなんでずっとソロやってたの?」
「いや、ビーターって呼ばれてる奴を好き好んでギルドに入れたがる奴なんて居ないさ。それでも何度か入らないかって誘われたことはあるけどな」
そういえば、キリトは一層攻略後のあの時からビーターと呼ばれ、避けられていたんだった。
「けど最近……というかここ数ヶ月そういう話聞かないし、ビーター騒ぎも風化したものだと思ってたんだけど」
「まあ、お前達とかクラインとかエギルとか、そのあたりの攻略組がこぞって仲良くしてくれるから俺もビーターだなんだと蔑まれる事自体は大分無くなってきたんだけどさ」
アスナとキリトが付き合うようになってから、私とコハル、アスナにリズ、クラインと風林火山ギルドの皆やエギルといった攻略組の中でも名の知れた(自分で言うのは恥ずかしいけど、事実二つ名とか付けられちゃってるし)メンバーでキリトのイメージアップ……というより回復作戦を展開していた。
まあ、周りの目がある中でキリトと親しげにしたり、それとなく良い噂を流したりの簡単な情報操作だったんだけど、その甲斐あってキリト=汚いビーターというイメージは大分払拭されたように思えていた。何度か知らない人とパーティ組んでたりしてたのも見かけたし。
けど、何かあるのかキリトはうー、とかあーとか唸りながら迷うように口を開いた。
「確かに誘ってくれるギルドはあったんだけどさ……なんか、俺を必要としてるというか、俺の力を当てにしてるっていうか、なんかそんな感じのところばっかで一緒に戦う仲間って感じがしなくてさ」
ああ、なるほど。
キリトは最前線のプレイヤーの中でも、トッププレイヤーといっても遜色無い程の実力の持ち主だ。それがビーターという悪いイメージが無くなった今、加入させることが出来れば大きな戦力アップが見込めるだろう。
それこそ、中層プレイヤー達のギルドでも一気に攻略組に名を連ねられるくらいに。
「そういう意味じゃ、俺より強いヒースクリフとか、アスナが居る血盟騎士団は割と丁度いいかもな。……このユニフォームだけはいただけないが」
上層に上がるにつれ、モンスター達も手強くなってきた。十分な安全マージンを取っていても、ソロだとかなり危険なモンスターが増えてきたのだ。
だからこうしてなし崩し的にせよキリトがどこかのギルドに――しかも攻略組ギルドの中でも最有力候補の血盟騎士団に加入したのはとても喜ばしいことだった。
「そういえばお前はどこかに入らないのか? コハルと一緒にさ」
「私? うーん……考えたことなかったな」
私は大抵コハルとコンビを組んで活動してるし、ソロで活動することはもう殆どないからギルドに入る必要性は感じなかった。だけどまあ、良い機会だしどこか探してみようかな……?
「キリト君。そろそろ時間――あ、アリス。来てたんだ」
「おはようアスナ。キリトをちょっとからかいに……」
「おい」
その後、これから血盟騎士団としての初の活動があるということでキリトとアスナは去って行った。
まあ、アスナが副団長としての強権を発動して、攻略はキリトとアスナのコンビで行うみたいだし、それなら今までと対して変わらないし問題ないよね。
だけどその翌日、キリトとアスナは血盟騎士団を退団した。
そして同時に、二人は結婚する事となり、二十二層のログハウスへと引っ越した。
あの日何があったのか、二人はその事に関しては決して私達に話すことは無かった――
両片手剣についての捕捉
オリジナル設定として、SAO内での片手剣は刃渡り60㎝程の、ブロードソードやだんびらと呼ばれる種類であり、両手剣は刃渡りが150cm以上のサイズであるという設定です。
そのため、両片手剣はロングソードやバスタードソードと呼ばれる種類であると想定しています。
一番分かりやすいのはfateのエクスカリバーですかね。あれは刀身110㎝程だそうです。あの長さをイメージしていただけると相違ないかと思われます。