SAOif 紅の戦姫と蒼の聖女   作:百合好きの獣

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次はボス戦といったな。あれは(ry

すみません。この話はどうしてもやっておきたかった……。

SAOIF、アプデ来ましたね。課金して後悔しました。なんで衣装ガチャなんて引いちゃったんだろう……。




第一層攻略4

Side アリス

 

「よ、アリス。驚いたよ。まさかもうボス攻略会議に参加するまで強くなってるとはね」

「久しぶり、キリト。そっちは……まあ、来るんだろうなって思ってたけど」

 

 ボス攻略会議が終わった後、私達はキリトと会うため《トールバーナ》入り口から程近い噴水へとやってきた。

 

「キリトさん! お久しぶりです。あの時は本当にありがとうございました」

「コハルも久しぶりだな。元気そうで安心したよ」

 

 続けてコハルもキリトに挨拶をする。ずっとお礼が言いたいって言ってたもんね。良かった。――と、あれ?キリトの影に隠れるようにしているのは……

 

「ねえ、この人たちが、言ってた女の子達?」

 

 やっぱりそうだ。迷宮区の前で会った女の人。そういえば、攻略会議の時もキリトの隣に居たし、二人は知り合いなのかな?

 

「あ、ああ。紹介するよ。こっちはアリス。で、こっちがコハル」

「アリスだよ。よろしく」

「コハルです。よろしくお願いします。えっと……」

 

 なんと呼べばいいのか分からず、コハルがちらとキリトに目配せする。

 

「ああ、このフード被ったのがアスナ。迷宮区で出会ってさ。ボス攻略の暫定パーティを組んでる」

「ちょっと、なんで私の名前知ってるのよ。教えた覚えないんだけど」

 

  うん? パーティを組んでるんじゃないの?

 

「……は? ちょっと待て。……あー、もしかしてパーティを組むの初めて?」

「初めてだけど、何よ」

 

 あー、そういう事か。私はアスナさんにえっとね……と説明をする。このゲーム、UIが慣れてないと結構分かりにくいのだ。ゲームに慣れてないとなおさら。

 

「ここ、この辺かな? 左下の辺り。自分のHPバーだけじゃなくてパーティメンバーのHPバーも表示されるでしょ?」

「え……? どこ?」

「えっとね、そうじゃなくて……顔を動かさないで視線だけ動かす感じ」

「……ああ、これね」

 

 どうやら無事確認することが出来たらしい。

 

「キリトたちのパーティはどこ担当?」

「俺達は前衛が溢したコボルトセンチネルの処理係。いわゆるオミソだよ」

 

 キリトたちは取り巻き潰しを割り当てられたようだ。まあ、六人パーティが基本となるレイド戦で少人数パーティはやっぱり肩身が狭いよね。私とコハルもそうだし。

 

「仕方ないよね、まあ、レイド戦で二人パーティだとやっぱそうなっちゃうよ」

「スイッチでPOTローテするにも時間全然足りないしな、不満といえば不満だが……」

 

 私とキリトで当日どう立ち回るかといった話をしていると、「ちょっと待って……」とアスナが割り込んできた。

 

「そのスイッチとかPOTローテとか、何の話?」

「「え?」」

 

 しまった。アスナさんは初心者さんだった……。そりゃゲームやったこと無いような人がいきなり横文字のゲーム用語連発されてもわけが分からないよね。コハルにはコンビを組んでる途中、色々と教えてきたから大丈夫なんだけど……

「キリト、教えてなかったの?」

「いや、教えるもなにも、初心者だって事自体ついさっき知ったばかりだしな……。まあ、仕方ない。それはこれから説明するよ」

「……説明ってどこでするの」

 

 スイッチやPOTローテ、その他パーティを組む上で必要となる事はそこまで膨大な数ではないのだけど、立ち話的に済ませられる範囲でもないし、どこかで腰を落ち着けて話したいところだ

 

「そうだなー……その辺の酒場とか「嫌よ」――っておい!!」

「酒場なんて、そんな落ち着かない場所は嫌。他のとこはないの?」

 

 まあ、酒場って聞くとどうしても荒くれ者どもの溜まり場ってイメージあるよね。実際行ってみるとそうでもないんだけど……まあ、女の子が複数人居る今、絡まれないとも限らないし。

 

「NPCの部屋だと他に誰か入ってくるかもしれないし、宿屋の個室なら鍵がかかるけど……」

「キリト、女の子複数人部屋に連れ込んで何するつもりさ……」

「ですよね……」

 

 キリトにそのつもりがなくても、女としては警戒してしまうし、誰がどこで見てるか分からないのだ。変な噂が立てられる行動は慎むべきだ。

 

「だいたい、この世界の宿屋の個室なんて、部屋とも呼べないようなのばっかりじゃない。六畳もない一間にベッドと机があるだけで、それで一晩五十コルも取るなんて。食事とかはどうでもいいけど、睡眠だけは本物なんだから、もう少しいい部屋で寝たいわ」

 

 確かに。もう少し上層まで行けば宿屋も結構いい部屋があったりするんだけど(お金を出せば自分の家も買えるし)、この辺りだとほんと質素な部屋しかない上に少し高い。今はコハルと二人で一部屋使ってるから値段はいいとしても、狭いし不便だ。

 

「え? そ……そう?」

 

 しかしキリトは、意外そうな顔をした。

 

「探せばもっといい条件の部屋もあるだろ? そりゃ、多少値がはるかもしれないけど……」

 

 え? この層の宿屋って全部同じ感じじゃぁ……。

 

「ってああ、もしかして【INN】の看板が出てるとこしかチェックしてないのか」

「低層に【INN】以外にプレイヤーが泊まれる部屋なんてあったっけ……」

「おいおい、アリスも知らないのかよ。例えば、俺の借りてる部屋は農家の二階で一晩八十コルだけど、二部屋でミルク飲み放題のおまけ付き、ベッドもでかいし眺めもいいし、その上風呂までついて……」

 

「「「ちょっと待って(待ちなさい)(待ってください)」」」

「――え」

 

 今、なんて言った?

 

「キリト、もっかい。もっかい言って」

「あ、ああ……農家の二階で一晩八十コル?」

「もっと先」

「ベッドもでかいし眺めもいい……?」

「その次」

「えと……風呂までつい――」

 

 その話、詳しく聞かせてもらおうか。

 

 

 

◇Side アスナ

 

「「…………」」

「な、なに?」

 

 あの後、狼狽するキリトとかいう少年に3人で詰め寄り、彼の泊まっている部屋のお風呂を借りることとなった。何故かコハルに押し切られる形で3人一緒に入ることになったが、まあ、いいだろう。

 

 更衣室で装備を外し、フードを取ると……二人から凝視されていた。

 

「綺麗……」

「お人形さんみたい……」

「ちょ、ちょっと止めてよ。恥ずかしい」

 

 二人だって、女の私からみてもずいぶん整った顔をしていると思う。そんな二人に手放しで褒められ、気恥ずかしくなる。

 

「確かに、これは顔隠すよね。男が放って置かないもん」

「うん。まさかこんなに美人なんて……」

「も、もういいから! 早く入りましょ」

 

 どうにも耐えられなくなり、急かす様に二人を浴室へと押し込み、私も装備を全解除してから後に続いた

 

 

 

 

「…………うああ…………」

 

 もうもうと湯気の立つ浴室。その中で私はバスタブに浸かると、私は堪え切れずに声を上げてしまった。全身が弛緩する。あの少年は「ナーヴギアは水回りの表現が――」とかどうとか言っていたが、これは確かにお風呂だ。微妙に違和感はあるものの、目をつぶると瑣末な違いなど気にはならなかった。

 

「アリス、服の上からでもすごいと思ったけど……ずるいよ!」

「ちょ、コハ……やめ……! いやーっ!」

 

 隣を見ると、泡まみれの二人がなにやらもみくちゃになりながら騒いでいた。この二人、本当に仲がいいんだな……。現実では進学校に通っていたからあまり仲のいい友人が居なかったから、少しうらやましい。

 

「ちょっとコハル!! さすがにやりすぎ……っ!」

「いやほんと、何を食べたらこんなに育つの……? 身長の分が全部行ってるんじゃ……?」

「身長の事は言うなーっ!」

 

 コハルがじたばたと暴れるアリスの後ろから胸を揉みしだいている。……さ、最近の女の子同士ってこんな感じなの? 激しすぎない?

 

 でも、わいわいと騒いでいる二人はとても楽しそうだった。

 

「……いいなぁ」

 

 つい、本当につい、口から出てしまった。ぽつりとつぶやいたはずのその言葉は、浴室内で反響し、二人の耳に届いてしまったらしい。きょとんとした表情でこちらを4つの目が見据えていた。

 

「どうしたの? アスナさん」

 

 不思議そうな顔で、コハルが首をかしげた。

 

「別に……なんでもないわ」

 

 今日の私はおかしい。あのクリーム付きの黒パンに始まり、現実じゃ絶対にありえない、男の子の家でお風呂を借りたり。行きずりの二人と一緒にお風呂入ったり。どこか、気が緩んでいるのかもしれない。気を、引き締めなくちゃ――

 

「……ねえ、コハル」

「うん。せーのっ!」

「えっ――きゃぁっ!」

 

 突然、二人が襲い掛かってきた! な、何……! 何事!?

 

「えーいっ!!」

「それーっ!」

「ちょ、くすぐった――あははははは!! やめてーっ!」

 

 全身まさぐられるようにくすぐられ、自分の口から出たとは思えないような声が出た。ほんの数秒だろうか、二人は満足したのかくすぐり攻撃を止め、こちらをにまにまと見つめている。

 

「はぁ……はぁ……もう、一体なんなのよ……」

「やっぱり。アスナさん、笑うともっと美人ですよ」

「うん。むすっとした顔で黙ってちゃ、もったいないって」

 

 からからと、まるで悪びれずに二人は笑う。

 

 なるほど、そんな理由で私は辱めを受けた訳ね。

 

「私、やられっぱなしは嫌いなのよね」

「「……え」」

 

 因果応報、乙女の柔肌を弄んだ報いを受けてもらいましょうか。

 

 次の瞬間、二人の少女の悲鳴が農家の一室に木霊した――

 

 

 

◇Side アリス

 

 

 

 ふぅ、酷い目にあった。

 

 お風呂でアスナの思いがけない反撃に合ってから数十分後。私は一人夜風に当たりに外へ出ていた。

 

「星が綺麗だなぁ……」

 

 この世界は本当に美しい。そよぐ風も、鈴虫の鳴く声も、はるか先に見える街の灯りも、星の輝きも。これら全てがソードアート・オンラインのサーバーが演算したデジタルコードによるものだとしても、まるで現実と変わりない。

 

「隣、いいかしら」

 

 目を閉じ、夜風を全身で感じていると声を掛けられた。

 

「アスナ……さん」

「アスナでいいわ」

 

 そう言うと、よいしょ……とアスナは隣に腰掛ける。

 

「……ゲームなのに、風が吹くのね」

「うん。結構気持ち良いでしょ? こうして当たってると。……コハルは?」

「あの剣士さんと一緒によくわかんないこと話してたわ。……それより、あなたに聞きたいことがあったの」

 

 私に聞きたいこと? なんだろう。

 

「ねえ、あなたはこの……偽物だらけの世界をどう思ってるの?」

「偽物?」

「そう。歩く、走る、食べる、戦う。全部、ナーヴギアが演算した仮想の偽物。いくら私が動いたって、何をしたって、現実の身体は指一本動かせない。唯一本物と呼べるのは、睡眠くらい。この世界を、あなたはどう思ってるのか。それが知りたいの」

 

 この世界を、どう思うか、かぁ……

 

「リアルとヴァーチャルの違いって、なんだろうね」

「……え?」

 

 仮想と現実。その違い。私は特別機械に詳しいわけじゃないから、この世界がどういったシステムで作りだされているのか知らない。だけど

 

「例えばさ、現実で想像したりするのって脳内の電気シグナルがどうこうでなるんでしょ? 現実で何かを見たり、聞いたり、食べたりするのも。結局は色んな信号を受け取った自分の脳内での出来事。情報量の差はあるけど、今の状況と変わんない」

「けど、この世界は全てデータ上の、作られた偽物で……」

 

 確かに、この世界はすべてがゲームの演算システムが作り出したデータでしかない。

 

 けど、それがなんだというのだろう。

 

「だからさ、私はどっち側にいたって、私は私なんだって思う。それはさ、生きてるって事なんじゃないかなぁ……って。どっちの世界が本物とか偽物とか、関係なくて。たとえデータ上の世界でも、私は生きてる。生きていこうとしてる」

 

 我思う故に我あり、だっけ。私はあんまり頭が良くないから、聞いたことがあるだけで誰が提唱しただとかはわからないし、そもそも使い方として合ってるのかもわからないけれど。

 少なくとも、私が私を認識できて、こうして見て、聞けて、考えて、話せて、感じられることは生きてるってことだと思うんだ。それが現実からゲームの世界に移っただけで、変わらない。

 

「仮想世界でも……生きてる……本物でも偽物でも、関係なく……」

「そ。生きてるんだよ。私も、アスナも。キリトやコハルだって。この世界で生きているから、元の世界に戻ろうと必死になれるんだと私は思うな」

 

 アスナは少し考えるような素振りを見せた後、顔を上げた。

 

「……少しすっきりしたわ。ありがとう、アリス」

「お役に立てた様で、よかったよ」

 

 その表情は、先ほどまでの思いつめたようなものと違って、どこか憑き物が落ちたかのような。この世界について、完全に納得できたわけじゃないだろうけど、私の言葉はアスナの悩みを少しは解消できたみたい。よかった。

 

「ねえ、アリス……その……」

 

 どうしたのだろう。アスナがもじもじとしながら何かを言いたそうにしている。

 

「あなた達が良かったら……えっと、私と、友達に……」

 

 なんだ、そんなことか。

 

 答えは

 

「もちろん!」

 

 

 

 この0と1で作られた、仮想の世界で生きていく。

 美しくも残酷な世界で、精一杯戦って。

 

 いつか、現実に帰る。その時まで――。

 




この世界線では、キバオウがキリトのアニールブレード+6を買い取ろうとしたりしません。

その為、アルゴ突入もありませんでした。
女子三人がお風呂でわーきゃーやってる間、黒の剣士さんは生きた心地がしなかったでしょう……。
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