project ING ~海を越えてきたシンデレラたち~ 作:四月一日雪
12月の初旬、俺は346プロのとある部屋にいた。今日は俺のプロデューサー活動のさらなる1ページになる。なぜなら……
「今回は第1弾のユニットが決まったのでこれから発表する」
「フフーン、わくわく♪」
「緊張しますね」
「今回のメンバーはフレデリカ、イヴの二人だ!」
「「イエー!!」」
今日はユニット活動が始まる日なのだ。
「部屋来た時に分かっただろうに盛り上げてくれてありがとうな。」
「まあこの部屋に私たちにしかいなかったからねー」
そう、この部屋には人は3人しかいない。
「バフバフ」
ちなみにトナカイは1匹いる。これが前にイヴが言っていた、ブリッツェンである。まさかトナカイだとは思わなかった。日本に来た時に一緒に来たのだろう。本当に不思議な子だ……
「それでなんで私たちだけなんですか?」
「実はみんなの前で発表するときにユニット名を決めておきたいから先に呼んだんだ」
まだ二人のユニット名は決まっていない。一応いくつか考えたが、いまいちピンとこなかった。それならいっそ二人に決めてもらおうと思ったのだ。
「ねえねえ、プロデューサー、この組み合わせはプロデューサーが考えたの?」
「ああそのとおりだ、インスピレーションがわいたんだ」
「ワオ~、インスピレーションいいね!なんかそういう感じって♪」
「私はユニットは初めてなんです~。よろしくおねがいしますぅ」
「こちらこそよろしくめるしー♪」
このゆるふわな感じ、なんとなく波長もあっている気がする。さらにこの二人を組ませてみたいと思ってのは他にも理由はある。
「じつは二人とも19歳なんだ」
特に深い意味はないが、ユニットを考えたときにこういうことがきっかけになった。
「えー、イヴちゃんって19歳なの、知らなかったー」
「フレデリカさんも19歳に見えまんよ~」
「フレちゃんでOKだよ~。それじゃあ問題です!アタシは何歳でしょうか!?」
「んー、フレちゃんは19歳ですねぇ」
「だいせいか~い!もしかしてエスパーかな?」
「いえいえ、サンタクロースですぅ~」
……本当にこの組み合わせで良かったのだろうか。地に足がついていない、どころかどっかに飛んで行ってしまいそうだ。いや、俺の考えと二人を信じよう!
気を取り直し本題に戻す。
「それでユニット名についてなんだが、二人に考えてほしいんだ」
「なるほどなるほど、テキトーでいいんじゃない?」
「できれば真剣に考えてください……」
やっぱり俺が考えないとダメか……。せめて意見だけでも欲しいところである。
フレデリカが考えてくれなさそうで困っているとイヴが手を挙げる。すかさずフレデリカが反応する。
「はい、イヴちゃん!」
「是非サンタに関係させたいですぅ。実は私の誕生日が12月24日なんですぅ~」
「おおークリスマスイヴだね!そして、なんと私の誕生日は2月14日なのだ!」
「バレンタインデーじゃないですか〜」
「これはもう運命だね♪」
「はい、サンタ様の導きですぅ~」
「君がサンタなのではないのか?そもそもそこまで関係性が深いか?」
バレンタインよりもイースターの方が関係性がありそうな気がする。思わずツッコミを入れてしまったが、二人とも気にしていない。
「これを軸にして名前を決めましょう。ブリッツェンはどんなのがいいですか?」
まさかのトナカイにまでアイデアを求め始めた。それよりもこのトナカイとは会話が通じるのか?
「バフバフ!」
「なんと!なるほど、なるほどー」
「あれ、フレちゃんもブリッツェンの言葉が分かりますか?」
「ううん、全然わからなーい♪」
分かっていなかった。まあそれが普通だろう。やはりイヴに聞くしかない。
「それで結局なんて言っていたんだ?」
「はい、おなかがすいたのでご飯が食べたいって言っています」
まったく参考にならない意見だった。まあトナカイに期待をし過ぎてはよくない。
この調子で本当に大丈夫なのだろうか?
「2人が納得できる名前を決めてほしい。勿論俺も考え続けるから。じゃあ俺はちょっと部屋に戻って仕事してくるから」
「そんな顔しなくてだいじょうぶだよ!。しるぶぶれー、な名前つけるから任せて♪」
「はい、名前をつけるぐらい私たちにだってできますよ~。ほらブリッツェンからも言ってください」
「バフバフ!」
「……」
不安が残りつつも部屋を後にした。
◇
「ではでは考えていきましょうか。やっぱりわかりやすい方がいいのでしょうか?」
「それならアタシたちの名前をくっつけちゃえばいいんじゃない?」
「フレ・イヴとかですか?」
「なんかカッコいいね、必殺技っぽくて!くらえ、フレイヴ!」
「ほかにも考えてみましょうか。あとは好きな物とかなんてどうですか?」
「好きなものかぁ~。うーんファッションとかかな?イヴちゃんって普段どんなの来てるの?」
「はい、着るものはあまりこだわりがありませんね。最初は裸に段ボールを着てましたぁ~」
「想像以上にすごかった!あたしも段ボールは考えたことなかったなぁー」
「あとはサンタ服でくねぇ。私服は他の方からいただいているものが多いので~」
「じゃあ、今度アタシが着た服でいいならあげるよ♪」
「わあ、ホントですか~!ありがとうございますぅ。じゃあ今度一緒に段ボールを着てみますか?」
「フフーン、おもしろそう!ファッションショーin段ボール♪」
「好きな食べ物だったらやっぱり甘いものがいいな♪」
「そういえばクリスマスケーキってもう頼みました?」
「ノン、まだなんだよー。今年は何にしようかねあ。やっぱりチョコかな~」
「定番ですけどブッシュドノエルなんてどうですか?」
「アタシこれ好きなんだ!フレちゃんの故郷であるおフランスをお菓子だよ♪」
「ブッシュドノエルの意味ってしてますか?」
「ムズカシイデスネ~」
「ブッシュが木、ノエルがクリスマスって意味なんですよ」
「ほほう、フレちゃんさらに賢くなっちゃったよ!」
「今年はINGのみんなで食べたいですね~」
「イイネ、イイネ!じゃあ今年のケーキはこれにしよっか♪」
「そうしましょう!」
やはり気になってしまい予定より早く戻ってきてしまった。何やら会話が弾んでいるようだ。順調に話が進んでいるといいんだが。
「どうだ、決まりそうか?」
「おお、ちょうどいいところに来たね!」
「はい、今決まりました」
「ブッシュドノエルになったよ♪」
「おお、いいじゃないか!ぴったりだな!」
二人のことだからどんな名前になるか不安であったが、予想以上のものが出てきた。心配していたが無事に決まってよかった。
「じゃあこれから二人は本格的に活動が始まるから一緒に頑張ろう!」
「「おー!!」」
「それじゃあ二人はみんなが集まる時間までレッスンをしておいてくれ。俺は書類を進めておくから」
「はーい、まかせておいて♪プロデューサーも忘れちゃだめだよ、ブッシュドノエル!」
「ブリッツェンはここで待っていてくださいね。ではいってきまーすぅ」
「おう、任せおけ。しっかりな」
さて俺も頑張らないとな。とりあえず各方面に宣伝の準備をしてもらおう。。
「ところで私たちはなぜ呼ばれていたんでしたっけ?」
「うーん、なんだったっけ?」
-レッスン後-
「よし全員揃ったみたいだな。今回ユニット活動するのは、宮本フレデリカ、イヴ・サンタクロース、以上2名だ」
「オメデトーネ!」「ぜひ頑張ってください」「イチバンノリのクンショウですネ」
「ありがとうございますぅ」「フンフンフフーン、よーしアタシがんばっちゃうよー」
「それではこの二人のユニット名を発表する。ユニット名は『ブッシュドノエル』だ」
「あれ?」「え?」
「ん?」
◇
世の中はクリスマスをこれでもかと表現している。街はイルミネーションで彩られる季節になっていた。
これから本格的なブッシュドノエルの活動を始める。名前は当然ながらそのままで行くことにした。食べたいものを言っただけなんて思っていなかった。けれどいい名前だなと思ったことは本当なので問題は全くない。誰が何と言おうと問題は何もなかった。
「最初は宣伝活動をする」
「宣伝活動ってやっぱり街頭で演説なんかしちゃう?みなさまの清き1票を私たちに―って♪」
「そんな選挙みたいなことはしないぞ。ちゃんと仕事をもらってきたからな」
「わープロデューサーっぽいですね。さすがです」
「それでそれで、どんなお仕事なの?」
「ケーキ屋で宣伝をするんだ。今日は二人で写真を撮ってもらってそれを広告に載せてもらう。そしてクリスマス当日は店で売り子だな。その時に握手会と最後にミニライブも行う」
今回の仕事はユニット名の影響をうけて、ケーキ屋の宣伝に選ばれた。最初からこの仕事のために名前を付けているようだ。時期もちょうどうまいことにクリスマス前に重なった。
「ケーキですかぁ~。甘いものを食べると幸せになれますぅ」
「おおー、やることたくさんだよ!あ、アタシがお店の前で食べるってのはどう?食レポっって感じ?」
「フレデリカはしっかり食レポできるのか?」
「このケーキとってもヤミ―、ベリーグッドですねー!こんな感じ♪」
きっとダメだろう。でもまあ、一応提案はしておくか……。
「ライブするなんてアイドルっぽいです~。たのしみです!」
「世界に羽ばたくという目標に対してやはり規模が小さいと思うかもしれないが、二人ともやってもらえるか?」
「モチのロンだよ♪アタシたちのユニットの初仕事がケーキ屋さんしかないでしょ!」
「はい、身近な方を幸せにできてこそ、その先があるものです!」
二人とも笑顔で答えてくれた。
「そういってもらえると嬉しいな。プロデューサー冥利に尽きるってものだ」
「ミョウリって何ですか?食べられますかね?」
「んーミョウリ、ミョーリ……わかんないや♪」
「まあうれしいってことだよ。アイドルが楽しく活動できる場を提供するのがプロデューサーの役目だからな」
「じゃあアタシたちはそれに応えなきゃ!ファンのみんなも楽しんでもらっしるぶぶれー♪」
「私もたくさんのものを日本に来てからいただきました。是非感謝の気持ちを込め皆さんにプレゼントしたいです」
「よし、じゃあまずはいい写真を撮ってもらってくれ。二人とも笑顔がとてもいいからな」
「ふふん、任せておいてよ!フレちゃんスマイルは、最強スマイル♪」
「笑顔は任せおいてくださ~い!」
「それじゃあ移動するか」
「そういえば、当日はブリッツェンを連れていってもいいですかぁ?」
「いやどうなんだろうな?」
サンタらしさが出るからありなのか?でも食品を扱っているから衛生的にいいのだろうか?
「まあまあ、とりあえず一緒に行ってダメだったらその時はプロデューサーにあずかってもらえばいいじゃん♪」
「バフ!」
「ほらブリちゃんもそういってるよ。」
「いや言葉わかんないでしょ」
それにブリちゃんというネーミングはいかがなものだろうか。
「ブリッツェンもやる気みたいです。やはり一緒に働きたいようです」
「おおそうか、まあ先方に一応連絡は入れておくから。じゃあそのつもりでよろしく頼んだぞ」
こうしてアイドル二人とトナカイ一匹とともに俺にとって初めてのライブに向けて動き始めた。
この話を書こうと思ったのはとあるPの動画を見たのがきっかけでした。
私も何かできることはないかと思い、筆をとらせていただきました。
本当はクリスマスイヴ中に書き上げたかったのですが、間に合いませんでした…。
何とか明日中には書き上げたいです!
イヴ誕生日おめでとう!少しでも多くの人に彼女たちの魅力が伝わりますように。