流星のファイナライズ   作:ブラック

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GWは就活が少し減りました。

毎日スーツじゃないとか、ありがたや…。

今日の一言『春ってどこいった?』


オヒュカス・クイーン

「スバ…ロックマン!」

 

「ハープ・ノート! 黒夜くんは?」

 

アナコンダロボの電脳2へ進んだところでミソラちゃんが追いついてきた。ミソラちゃんには毒で倒れた黒夜くんの介抱を頼んでいたが、この様子だとどうにかなったみたいだ。

 

「解毒剤が間に合ってよかったよ〜! 今は絶対安静にしてもらってる。ヘビ博士がいなかったらどうなってたか…」

 

そう。

全てはヘビ博士のおかげだ。

 

ジャングル展に取り残されたお客さんたちの先頭に立って毒ヘビから守り、毒にやられた人がいたら解毒剤を打ち、応急処置をしてくれた。

 

この非常自体にこれほどまで心強い人はそういない。

 

「…黒夜くんのことだから抜け出してきそうだけどね」

 

「そのときはそのときだね…少し、お話しなくちゃいけないかもね」

 

目が笑っていない。

絶対に抜け出してくるであろう黒夜くんに心の中で合掌する。

 

ミソラちゃんが来てくれたとしてもやることは別段変わらない。むしろ藪から出てくるとわかっているのだから藪ごと凍らせる。

 

きっと黒夜くんならこうしただろう。

 

アナコンダロボの電脳1のときと同じようにアンチを探して遠距離からシュートしたときのミソラちゃんは呆然としていた。

 

『なんというか、飛べるってずるいよね』とはミソラちゃんの言葉である。

 

倒れているデンパくんが複数体のときは藪を凍らせて安全を確保した後、二手に分かれて解毒剤を確保する。

アナコンダロボの電脳3に差し掛かるころには、もう完全にこの流れが鉄板だった。

 

無事に最後のデンパくんたちを毒から解放し、セキュリティウォールを解除してもらう。

 

「早く、委員長を止めなきゃ」

 

「そうだね。私はあの子のこと全然わからない。だけど、絶対に放ってはお

けない。失ってからじゃ遅いから…絶対後悔するから…」

 

僕と違って、ミソラちゃんに両親はいない。きっとミソラちゃんからしたら、例え仲が悪くても居て欲しいと思うのだろう。

 

どう声をかけていいのかわからず、口を閉じる。

 

「そういうことで、一発ブン殴らなきゃね」

 

そんなとき、聞き慣れた声が耳に届いた。

 

どうしてと思いながらも、やっぱりと思わせる声。

 

「黒夜くん!?」

 

黒夜くんだ。

翼から放出されたノイズのせいで彼の周りにある毒ヘビがいるであろう藪がノイズに侵食されている。

 

「うむ!助かったよ2人とも」

 

どうやら黒夜くんの毒も無事に解毒できたようで、元気そうだ。

だが、気のせいだろうか。黒夜くんの声を聞いた突如、寒気が…。

 

「ねぇ、黒夜くん? どうしてここにいるのかな? 知ってたよ、君がそういう人だって。」

 

厳密に言えば、ちょうど僕の真横。楽器状態のハープを構えて冷たい瞳でニコリと笑う少女。

 

体感にして3度は下がった。

 

「いや、フリだと思っゴフッ」

 

嫌な音が聞こえた気がしたので全てをシャットダウンして考える。

 

委員長は…この先だ。

 

▼ ▼ ▼

 

腹パンされた、解せぬ。

 

だが、どうやらオヒュカス戦には間に合ったようだ。

 

お腹を抑えながら最後のセキュリティウォールを突破しドクドクしいフィールドへ足を踏み込む。

 

今までの亜熱帯のフィールドとは打って変わって薄暗く、毒が辺りに散らされている。

 

まあ、亜熱帯と言えどスバルが何かしたのか少し凍ってはいたが…。

 

その真ん中で佇む大きなヘビの身体を持ったルナの姿。

 

その横で倒れる男女は、ルナの両親。

 

まだ息があることに安堵する。

もっとも、毒を受けているわけでもなく外傷だけのようだ。

 

 

命に別状はないが、病院送りは確定だろう。

 

「オヒュカス! 委員長の身体から出ていくんだ!」

 

『やはり現れたか、ウォーロック。この娘からはお前の匂いがプンプンしていたからねぇ…。この娘に目をつけて正解だったよ』

 

オヒュカスはスバルの言葉を嘲笑うように実態化すると右腕のウォーロックに向かって口元を歪める。

 

ルナに取り憑いたFM星人…オヒュカス。

 

『相変わらず気にくわねえヤツだぜ。オヒュカスよぉ! どうせやるんだろう? かかってこい、潰してやるぜ』

 

『血の気が多いのは変わらないねぇ…。まあ、落ちつきな、取り引きをしようじゃないか』

 

「取り引き?」

 

『人間、おまえに用はない。用があるのはウォーロックだけだ。ウォーロック、2人でこの星を支配しないか?』

 

『なに?』

 

確かに、その提案はあながち悪いものではない。

なにせ、ウォーロックがスバルに力を貸しているのは、自分の身をFM星人から守るため。

 

その前提が崩されてしまえば、ウォーロックはわざわざ逃げ隠れする必要はないのだ。

 

だがそれはないだろう。

 

地球の世俗に染まったウォーロックを思い出す。もうウォーロックは地球の世俗に染まっている。

 

よくよく思い出してみれば、月9なんていうドラマにハマってる電波体は君くらいだよ。

 

『お前の知っているだろう。アンドロメダの鍵だけではあれを動かすことそできない。もう一つ、コントロール装置が必要だ。お前さえ良ければ、コントロール装置は私が手に入れてやろう。どうだ、ウォーロック』

 

『なるほど…俺が取り合うとでも?残念ながらこの星を支配する気なんざサラサラねぇ! 俺の興味があることはお前らの全滅、それだけだッ!』

 

故に、ウォーロックが断ることは目に見えていた。

 

『ならば…力づくでいただくまでだ!』

 

「来るよ、ロックマン!」

 

「毒に気をつけて、ハープ・ノート!」

 

「流星サーバー、アクセス」

 

『Ryusei Server Access』

 

スバルは翼を羽ばたかせて上空へと飛翔し、アイススラッシュを放つ。流星サーバーに接続した俺も同じようにノイズの翼をはためかせて上空へ飛翔する。

 

ノイズ率は実際のところ200%もないだろう。ノイズウェーブデバウアラが調節しているものの、ノイズがない状態では少し身体が重い。

 

だがそんなことも言っていられない。

 

オヒュカス・クイーンが魔術のようにヘビを召喚する。だが、上空からの射撃が瞬く間に殲滅していく。同時にワザとまたを外したように、意図的にオブジェクトを破壊し、ノイズを吸収していく。

 

事後処理はエンジニアさんに丸投げである。

 

というか、流石にこんな事件になったら修復もクソもないと思うけどね。

 

地上ではシールドを繋がないキチガイアンプを召喚したミソラちゃんがショックノートでヒットアンドアウェイ。

 

Bluetoothって便利だね。

 

オヒュカス・クイーンの弱点はズバリ、機動力。残念ながら今までのFM星人と違って飛ぶことはおろか、ジャンプすることもままならない。

 

ガンダ○で言えばガ○タンクがお似合いだ。

 

砲台は黙って馳走ってね!

 

『チッ! 小賢しいハエね!』

 

「賢しくて悪いかぁぁッ!」

 

なんてメタイ言葉を吐きながら急上昇。

 

ミソラちゃんが飛ばした弦がオヒュカス・クイーンの動きを止めた隙に上空から一気に急降下。流星サーバーから送られてきたガトリングXを放つ。

一つ一つの威力は低いが、それでもランクXは伊達ではない。ガトリングとは思えない銃声と大きな弾丸がオヒュカス・クイーンを襲う。

 

続いてブレイクサーベル3に腕の形状を変化させ、ヒットアンドアウェイ。

 

「どうして! なんで邪魔をするの!?」

 

「もうやめよう、委員長! こんなことしたって何にもなりはしないよ!」

 

さらにオヒュカス・クイーンを取り囲むように音符が配置され、爆発する。

その爆発を丸まって防ぐと、素早く這うようにミソラちゃんへと突進していく。

 

3対1で戦っているというのに随分と立ち回りが上手い。

 

「ッ!?」

 

大きく吹き飛ばされたものの、しっかりと受け身はとったようだ。

 

「無理よ! 今までの痛み、苦しみはこんなものじゃないもの! それを知らないくせにッ!」

 

おかしなことを言う。

ミソラちゃんのときもそうだが、本人の気持ちは本人にしかわからない。

 

「知るわけないだろうに!」

 

「なにを!?」

 

「お前がスバルの苦しみを知らなかったようになッ!」

 

まして彼女はスバルが引きこもっていたとき、随分と酷い言葉を浴びせていたはずだ。

 

例え、その中に彼女なりの優しさがこもっていたとしても。

 

「ッ!! 明星黒夜ァァァァッ!!」

 

「黒夜くん!!」

 

オヒュカス・クイーンの眼から放たれる極太い光線を旋回して回避する。光線の種類は照射系。未だに極太い光線が俺を追いかけてくる。

 

照射系の光線は非常に強力だ。どのゲームでもそれは変わらない。だがしかし、弱点は多い。

 

オヒュカス・クイーンの周りに氷の刃が降り注ぐ。その数、6つ。さながら流星のように降り注ぐ氷の刃に、俺しか眼中にないオヒュカス・クイーンが避けれるはずもない。

 

スバルが放ったバトルカードは、アイスメテオ。

 

今のオヒュカス・クイーンのように直撃をするとたちまち凍結状態に陥り、身動きが取れなくなる。当たらなくとも、地面に氷が広がっていきまともな移動はままならない。

 

オヒュカス・クイーンの移動方法は這うことだけだ。故に、氷のフィールドになれば滑って目標に向かって突進することは難しいだろう。

 

正直言って、オヒュカス・クイーンに勝ち目はない。蓄積されたダメージも少なくない。

 

初めての電波変換。初めての戦闘、それに伴う初めての痛み。立っていられることに賞賛さえされよう。

 

それでもオヒュカス・クイーンの中のオヒュカスは諦めていない。

 

「これ以上はキミの身体が…!オヒュカス!!」

 

『誰が…出ていくか!!』

 

『チッ、往生際の悪いッ!!』

 

執念とも言える力を振り絞って、再び鋭い眼から光線を放とうとしたときだった。

 

『その通り、往生際が悪いのは美しくないね』

 

男の声が響いた。

随分と薄れた記憶だが、この流れを俺は覚えていた。

 

「スバル退がれッ!!」

 

急降下しスバルの首根っこを掴んで退避した直後、極大の雷が落ちる。

 

寸分違わず、オヒュカス・クイーンに直撃した。

 

『バカな…ジェ、ミ、ニ…ギャァァァァッ!?』

 

一際大きな断末魔を挙げながら小さな爆発を起こし、ルナの身体からオヒュカスが離れ、消滅した。

 

「委員長!!」

 

電波変換が解け、素体であったルナが崩れるように倒れる。

 

若干離れた場所だったのが、幸いのようで、ルナの両親は無事だ。感電している可能性は否めないが命に別状はなさそうだ。

 

直撃した本人も外傷は見当たらない。スバルを押しのけて心拍を確認する。心拍は安定しているあたり、気絶しているのは電波変換が強制解除されたことと雷によるショック。

 

時期に目を覚ますだろう。

 

それでも3人とも病院直行なのは確定だ。

 

『ウォーロック…いや、ロックマン。いずれキミとは直接戦うことになるだろう』

 

辺りを見回してみるが、ジェミニの姿は見当たらない。射程範囲にいることは確かだが、姿はどこにも見当たらない。

 

『ケッ、今すぐ叩きのめしてやってもいいんだぜ?』

 

『…アンドロメダの鍵、そのときまで大切に持っておくんだな』

 

ウォーロックの安い挑発に乗るジェミニではない。流石に3人の相手をするのは分が悪いと判断したようだ。

 

ジェミニが去って行ったことを認識した俺は辺りのノイズを吸収をし、スバルをチラリと見る。

 

すでに意識を取り戻しかけているルナ。小さく声を漏らしたのを聞いてミソラちゃんとともにルナの両親を抱え、電脳からウェーブアウトした。

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