流星のファイナライズ   作:ブラック

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自分の力で

『次のニュースです。ヤシブタウンにおいて、再びブラザー同士が争いを起こす事件が発生しています。すでにサテラポリスが派遣されているものの、事態は…』

 

そんなニュースを見たのは時計の針が12時を回ろうかという頃だった。

 

病院から退院し、家でニュースをつけてみればこれだ。

 

どうやら事件はすでに起こったらしいが、なぜかスバルからの連絡が来ない。スバルに電話をかけてみるものの、あの野郎電話に出ない。すぐに電波変換してヤシブタウンに向かいたいのはやまやまなのだが、俺の腕を楽器少女(ミソラちゃん)が掴んで離さない。

 

「さすがに放っておくわけにはいかない。離してよ」

 

「スバルくんから黒夜くんに一人で行かせないようにって言われたんだもん」

 

あのお人好しが…!!

 

なるほど、理解したぞ。これ以上俺に無理させないようにだとかどうしようもないお人好しを発揮したんだな。

 

1人でなんとかできる問題じゃないだろうに。

 

ジェミニの力は強大だ。FM王ケフェウスの右腕と呼ばれているのは伊達ではない。

 

「だから私は黒夜くんを行かせません」

 

全くもって、梃子でも動かないとはこのことか。なんとか腕を引き剥がそうとするが、顔を真っ赤にして離さない。

 

「それでもこの惨状を放っては置けないでしょうって…」

 

さすがに口を荒げようとしたその時、言わせないとばかりに俺の口元に人差し指を立てて止める。

 

「スバルくんは一人で(・・・)行かせちゃダメって言ってたんだよね〜」

 

「……」

 

ようやくミソラちゃんの言いたいことが理解できた俺はジト目で彼女を睨みながら溜め息を吐く。

 

言いたいことはわかるが、なんとも強かというか…。

 

「それで〜? 何か言いたいことはないかね、黒夜くん」

 

わざとらしくウィンクする様子にもう一度溜め息を吐く。

しかし、こうもスバルとミソラちゃんの思い通りに扱われるのもシャクな気がしてきたので、どこか遠くを見つめながら棒読みで呟く。

 

「…あ〜、この騒ぎを止めたいんだけど一人じゃ無理だな〜。どこかに手伝ってくれるハープ・ノートはいないかな〜」

 

「もーー! 素直じゃないんだからーー!!」

 

その後、美夜が買い物から帰って帰ってきた頃には2人の姿はなかった。

 

▼ ▼ ▼

 

ミソラちゃんに黒夜くんのことをお願いし、ドリームアイランドに向かって全速力で移動する。黒夜くんは確かに無謀無茶をしでかすけれど、ミソラちゃんという抑止力(ストッパー)がいるなら少しは安心できる。

 

ウェーブロードを伝っていけば、ドリームアイランドまでそう時間はかからない。

 

すぐに電波変換を解除して廃棄物置き場の奥に向かう。公園側には多くの人が集まっているようだけれど、ゴミ集積所や廃棄物置き場の方向に向かっていく人はいない。

 

ジェミニの件抜きにしても、こっち側はそうなのだろう。

 

奥へ奥へと進んでいくと道がなくなっていた。あるにはあるのだろう。だけど僕の体では動かすことなどできそうにもないショベルカーが道をすっぽりと塞いでいるようだ。

 

このショベルカーをどうにかしない限り、先には進めない。

 

黒夜くんならこのショベルカーごと壊してしまいそうだけど、さすがにそれはやってはいけないと心のどこかが警鐘を鳴らす。

 

「確かこの辺だと思うんだけど…」

 

昨日ツカサくんと話した場所まで移動してみると、作業服を着た男性がルーペを駆使して何かを探しているのが目にとまる。

 

「あの…ショベルカーが邪魔で通れないんですけど」

 

「え? あ、ああ、ショベルカーね。僕も今そのショベルカーを動かすカードキーを探しているんだ。見つからないとあれは動かせないようになっててね」

 

なんとも面倒な仕組みだ。

 

一緒になって探すこと10分程度か。他のショベルカーのショベルの下に落ちているカードのようなものを見つけると男性は『ちょっと忙しくてね。君が動かしといてくれるかい』と押し付けて去っていった。

 

職務放棄とはまさにこのことだな…などと思いつつ、カードキーと呼ばれたものをトランサーにスキャンする。

 

「ショベルカード…カードイン!」

 

拾ったショベルカードをトランサーで使用すると、道を塞いでいたショベルカーの上に黄色い電波体が姿を現わす。

 

『ドガガガガカッ!! 邪魔なものは俺のショベルがどかしてみせるぜ!! さぁ、レバーを動かすといい! ドガガガ!』

 

なんとも特徴的な喋り方をする電波体の言うとおりトランサーでレバーを操作してみると、レバーの動きに合わせてショベルカーが移動していく。

 

無事にショベルカーを移動させると役割を終えた電波体は消えていった。

 

『ズズズ…』という重い何かが引きずられてくるような音を聞いたのは、廃棄物置き場に足を踏み込んだ時だった。

 

『スバル、止まれ!!』

 

ウォーロックの声に走っていた足を急停止させる。僕の行くはずだった道には大きな音ともに、トラックに使われている大きなタイヤが崩れ落ちてきた。どのタイヤもボロボロだが、切っ先に巻き込まれれば流血沙汰になっていたに違いない。

 

またしても障害物ができてしまったが、今回ばかりはどうしようもない。

 

『スバル、ウェーブロードだ。微弱ではあるが、確かに電波が奥に綱がってやがる。電波世界から乗り込むぞ』

 

ウォーロックの言うとおり、ビジライザーをかけてみると途切れ途切れではあるもののウェーブロードが奥まで続いている。後ろを振り返ってみればウェーブホールも確かに見える。

 

しかもカードトレーダーSPがあるのも見える。最近溜まりに溜まっていたバトルカードを新しいものと交換するのも1つの手だ。

 

黒夜くんに嫌というほど渡されたスプレッドガン1もここで新しいバトルカードに生まれ変わるのならば文句はないはず…!

 

『あいつ、本当にそのバトルカード好きだよな…』

 

「精密射撃が嫌いだから、弾が別れてくれるのが嬉しいんじゃないかな」

 

随分と都合がいいとは思うけれど、あるものは使わなければ…。

 

その後カードトレーダーSPに取り憑いたトレードマンSPと名乗るデンパにカードを40枚ほど渡し、4枚のカードを手に入れた。

 

見送ってくれるトレードマンSPに手を振り返し、ウェーブホールから電波変換。

 

道が途切れている部分はアイスペガサスでも空を通り抜けることができないらしく、直しながら進んでいくしかなさそうだ。早速廃棄物の電脳へと入っていくと、なにやら怪しげに機械をいじくっているジャミンガーの姿。

 

どうやら廃棄物にジャミンガーが細工をしているせいでウェーブロードが不安定になっているらしい。

 

しかし、ここでも巨大なセキュリティウォールが邪魔をしてジャミンガーまでは辿り着けそうにない。

 

『タ、タイヘンデス〜!? ブルドーザープログラム ガ アバレダシマシター。ナカマ ノ チカラ サエ アレバ…』

 

「わかった、君の仲間を見つけてくればいいんだね?」

 

『オネガイシマス。コレヲ ドウゾ』

 

渡されたプログラムをインストールしてみると、トランサーの画面に《レスキューソナー》という名前と三角形の上に丸がついたアンテナが表示される。

デンパくんによれば、このアンテナが青く光るところにはなにもなし。黄色く光った場合には何かが埋まっているかもしれない。赤く光った場合は確実に何かが近くに埋まっているとのこと。

 

やることは簡単だ。

 

掘って掘って掘りまくる…!!

 

時折暴走したブルドーザーがこちらめがけてくるものの、ただ猪突猛進してくるだけ。スターフォースを使い、空を飛んで難なく回避する。ブルドーザーが通り過ぎたのを見計らってレスキューソナーを起動させデンパくんの居場所を探す。

 

どうやらミステリーウェーブにも反応するようなので、反応があった場所から手当たり次第にウインドウダンスでゴミを巻き上げ、掘り出していく。

 

1人はボロボロの車の近く、もう1人は画面が砕けたテレビの側からデンパくんを救出する。

 

3人が揃ったことによってブルドーザーの制御も元に戻った。あとはジャミンガーをどうにかすればこの不安定なウェーブロードもどうにかできるだろう。

 

言葉など不要。

 

サーチアンドデストロイの心情に基づいて空から一方的にジャミンガーを殲滅する。使用するバトルカードはレーダーミサイルとモアイファール。

 

未だに気づいていないジャミンガーに高い電子音と共にロックオンした巨大なミサイルがジャミンガーに向かって射出される。

 

『な、ロ、ロックマン!?』

 

こちらに迫り来る轟音にようやく気づいたジャミンガーだが、もう遅い。避ける暇もなくミサイルが直撃したのを確認して更に腕を振るう。

 

頭の上空から流星の如く落ちてくるのは丸いモアイの石像。重量は相当なものでウィルスだろうと電波体だろうと容赦なく押しつぶす。

 

「どうしてだろう…身体が軽い」

 

いつもより明らかに身体の調子が良い。いつもが悪いというわけではない。だが、いつもより間違いなく全ての威力が高い。

それに加えて、時折現れるウィルスやジャミンガーの攻撃がいつもよりはるかに弱く感じる。

 

潰されたジャミンガーに急降下して近づき至近距離からチャージショットを命中させ氷の氷像へと変える。

 

 

 

だが僕は知っている。

これは慢心だと。

 

『やるなら徹底的に』…黒夜くんの言葉忘れるわけにはいかない。

 

 

 

「前の僕とはもう違うんだ! ロック!」

 

『おうよッ!!』

 

空高く飛翔し、手の部分についているウォーロックを前に突き出し、猛スピードで氷の氷像(ジャミンガー)にむかって突進していく。

 

バトルカード…ジェットアタック2。

 

氷漬けにされて動けるはずもないジャミンガーをウォーロックの顔面(正義の拳)がいとも容易く貫く。バラバラに砕け散ったジャミンガーの破片が小さなプログラムの破片となって消えていく。

 

「ふぅ…」

 

息を吐いて腕で汗を拭う。

 

もうこの電脳に脅威はないだろう。

 

流れるような動きでジャミンガーを完全に消滅させた後はジャミンガーが弄っていた機械を元に戻してウェーブアウト。思った通り、バラバラになっていたはずのウェーブロードは完全に綱がり通ることができそうだ。

 

念のため空を飛んで移動してしまうのは黒夜くんの空飛ぶ姿をずっと見てきたからだろうか。

 

「先は随分長そうだね」

 

先へと進んでいくとまたしても道が途切れたウェーブロード。視界が明瞭なので先を見てみれば、どうやらまだ道が途切れたウェーブロードは控えているみたいだ。

 

待っててツカサくん。

全速力で突破してみせる!

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