流星のファイナライズ   作:ブラック

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おはようございます。

一応原作スタートです。
これはアニメで起こった話ですね。ゲームではないのでご了承を。


モノレール事件

夜になって、僕はお気に入りの展望台へと足を運んだ。この展望台からは多くの星がよく見える。光源が少ないため、夜空の星をよりたくさん見ることができるのだ。

僕の父さんは宇宙ステーションの事故にあって亡くなった。いや、父さんが死んだと決まったわけじゃない。行方不明なのだ。

 

星河ダイゴ…それが僕の父さんの名前だ。

 

あれからもう3年だ。

 

しかもその場所は宇宙。

僕の手では決して届かない、無限に広がる酸素のない世界だ。警察でさえ手が出せない場所をどうやって、誰が探すのか。

 

誰もが口を揃えて絶望的だと言っていた。

 

この展望台に来て星を眺めれば宇宙のどこかにいる父さんと繋がることができるかもしれない。そんな感情が僕をこの場所へと突き動かしていた。

 

今日は母さんの友達が家に来ていたみたいだけど、今朝あった彼までいるとは思わなかった。

僕を学校に連れ出そうとして来たわけではないんだろう。あの女の人は度々家へ来ていることを知っている。多分、彼は母さんの友達の息子さん。

 

そして、旦那さんを亡くしていることも聞いてしまった。つまり、あの子にとってはお父さん。

 

あの男の子も僕と同じなんだ…。

 

同族意識とでも呼べばいいのか、なんともいえない感情が僕の内の中で湧き上がる。

 

だけど、僕とあの子では決定的に違うことがある。

彼は元気に学校へ行っている。

 

それに対して僕は…。

 

ビジライザーをかける。

 

見えてくるのは電波の流れ。曖昧な形ではあるものの、電波が空を飛び交っているのが見える。

このビジライザーは父さんの形見。父さんがNAXAをやめるときに置いていったものだと、父さんの後輩である天地さんが言っていた。

 

何も考えずにただ空を見上げる。瞬く星と曖昧な形の電波が飛び交う中、高速で動く光を見つけた。2つの光だ。

 

あれは電波?

 

妙な電波だ。他の電波よりもはるかに高速で動き、互いにぶつかりあっている。

 

まるで…戦っているような…。

 

不意に一瞬だけ、白鳥のような姿が視界に入る。

2つの電波は何度もぶつかりながらこちらへと近づいてくる。それもすごい速さだ。

 

「どうして…」

 

ビジライザーをかけているからか電波の波に流されていくような感覚。

 

「どうして父さんからのアクセスシグナルがあの電波からするんだ!」

 

近づいてくる電波の流れに僕は思わず瞳を閉じた。

 

▼ ▼ ▼

 

あれから数日が経った。

 

未だにスバルは登校拒否をしているようで、学校には姿を見せていない。母さんとスバルの家を訪ねて行った日の夜にあまりに強大な電波を感じ取ったので恐らくウォーロックが地球へやってきたのだろう。

 

間違いなくFM星人という追手つきなんだけどね。

 

とうとうやってきました原作スタートです。

これによって、封印していたブラックエースを解禁しようと思います。

 

異議は認めん。

 

私は5年も、待ったのだ。

 

5年前に変身して五陽田刑事に追われたのは今はもう昔だ。ロックマンやFM星人が現れた今、どこでZ波が出ようと関係ない。

 

五陽田刑事さん、仕事増やしてごめんなさい。

 

赤黒いノイズが球体状に俺を包んで行く。

ノイズが消えたそこには全身が黒色の姿の自分がいた。

背中には大きく紅い翼。口元から上は赤色のバイザーで覆われており、頭から角のようなものがついている。

肩や脚にはノイズウェーブ・デバウアラと呼ばれる機能が搭載されており、周りに発生したノイズを吸収して自分の力にすることができる。

 

要は電波ウィルスが現れて破壊すればするほど、強くなることができるのだ。

 

厳密には紅くはないのだが、翼から放出されたノイズが視覚化して紅くみえている。

 

ブラックエース。

 

ノイズの力を自分の力へと変換するエースプログラムを持った電波災害に対して最強のナビだ。

この『電波』が世界各地に普及した時代において無類の力を発揮する形態だ。

本来ならば、ノイズ率が200%を変えなければ変身(ファイナライズ)できないはずなのだが、関係ないようだ。

 

まあ、200%を超えるということは相当電波世界が破壊されなければないことだ。

 

逆にデメリットといえば、ブラックエースから放たれるノイズが強烈すぎて周りにいるウィルスが暴走して強化されることがある。

 

ごめんよ、ロックマン。

もしかしたら君の行く手はハードモードになるかもしれない。

 

それにしても電波変換というよりはノイズ変換って言った方がいいよねこれ。

だがしかし俺は電波変換で貫き通す。

 

ウェーブロードに飛び立って高速で移動し、サーチアンドデストロイ。

ロックマンはウォーロックにバトルカードを食わせることで使用するが、ブラックエースはメテオGに封印されていた流星サーバーにアクセスすることでバトルカードをインストールする。

 

つまり手持ちのバトルカードを投げたりすることはないのである。

 

バトルカードにもクラスがあるのは知っているかな。スタンダードからメガクラス、ギガクラスとある。さらに細かく分けるとスタンダードやメガクラスにもクラス分けが存在するのだ。

 

例えば、グランドウェーブ1、2、3だ。

 

1はゆっくりで威力が低い。だが、数字が増えるにつれて速度と威力が強化されていく。

メガクラスについてもクラス分けがあるっちゃあるんだけど、この世界でどうやってメガクラスを再現するのかあまりに謎すぎて言及するのはやめておこう。

 

ちなみに、バトルカードショップには売っていなかった。

流星サーバーにアクセスするからあるんだろうけど、まだ使ったことはない。

 

因みに、ノイズ率200%のフォルダーのバトルカードはほとんどが3クラスだ。それ以上になればXになる。

 

チートだよ、完全にチートだよ…。

 

コダマタウンの電波にいるウィルスを片っ端からデリートしていく。あるときはバスター、あるときはバトルカードでデリートする。

肩慣らしを終えて大きく伸びをするとウェーブアウトする。時刻は午前の11時。休日ということもあってこの時間に関わらず人気は多い。みんな仕事が休みだから家族サービスとかしてるんだろうな〜。我が家はどこかへ出かけることはあまりないので勝手に遊びに行っても問題はない。

不意に機械音が俺の耳に届く。同時に腕に若干の振動が走った。

 

俺のトランサーからだ。

 

トランサーから通知が入るということはさては母さんだろう。今日のお昼ご飯のメニューかな?

今日のお昼はモッテリアかもしれないとウキウキしながらメールを見てみると見当違いすぎる内容に顔をしかめる。

 

『モノレール線路崩壊、電波ウィルスか』

 

差出人はニュース速報会社。恐らく全てのトランサーにこのメールを送りつけたのだろう。

ブラザーがいない俺なんかに届くのは母さん以外にそういったものしかない。

 

車の次はモノレールか〜。

 

1年前に亡くなった父さんを思い出す。

あのときは俺と父さんしかいなかった。今度はモノレールだ。その被害は尋常ではない。中に乗っている人も当然いるはず。

 

あのとき、何もできなかった俺。今度は何かを守れるだろうか。力があっても所詮それは力。決して何かを癒すことはできない。

 

どうやら、モッテリアを食べるのは一仕事してからになりそうだ。

 

▼ ▼ ▼

 

電波変換して向かった先はバスに乗って数駅ほどした場所に位置する栄えた街だ。本来ならばバスに揺られて15分ほどの場所だが、身体そのものが電波となった状態では移動する時間などあっという間だ。

 

まさに光の速さってやつさ。

 

到着した場所は悲惨だった。

モノレールのレールが崩壊し、一部が地上へと落ちている。さらに運が悪いことに、崩壊したレールに車体も巻き込まれたようで5列編成のモノレールの2両目までが宙吊りの状態。

それでも全ての車両が地上に落下していないのは奇跡と言える。さらに言えば怪我人が出ていないのも奇跡だ。

 

救急車が来ているのが見えるが誰かに応急処置をしている救急隊員の姿は見当たらない。

 

だが、よく見れば女の子がモノレールから落下しそうになっているのが見える。

金髪が特徴的で…ってあれはルナ?

 

え、ルナさんですか?

 

それによく見れば、落下しそうなルナに手を差し伸べるゴン太とキザマロの姿。

 

上から見下ろすと状況がよくわかる。

 

まずは身体を電波体から半分を実体へと変えよう。

ウェーブロードからモノレールの上へと飛び移ると半分を実体へと変化させる。

そんなとき、俺の目の前から前世で何度も見た青いヘルメットを被った細身の少年が現れた。

 

「スバル、新手だ!」

 

「ゲ…」

 

ご存知、ロックマンことスバルくんである。

ウォーロック、個人情報は慎重にね。君も電波だろうに…。

その前に君は宇宙人か。

 

「こいつ、周波数が乱れやがる…気持ち悪りぃ。やべえ、やべえぞスバル。FM星にこんな奴はいなかった」

 

「そりゃ、FM星から来たわけじゃないからね」

 

ウォーロックが俺を一目見て、その異常さに気づく。これだけ高密度なノイズが背部のウィングから放出されていれば嫌でも影響を与えるだろうね。

 

「そう構えないでよ。君と俺の目的は一致してるはずだよ」

 

「なに?」

 

「それにさ。言い合ってる時間もないよ」

 

ほら見てよ、目の前にいるウィルスの様子が…。

 

『ガァァァァッ!』

 

完全にノイズに当てられて凶暴化しちゃってるよ。ごめんね、スバル。やっぱ、君の物語はハードモード待った無しだ。

見た感じ、スバルは戦闘経験がロクになさそうだ。ウォーロックと出会ったときに暴走機関車イベントはあったと思うけど、あれもウォーロックのやらせみたいなもんだし。

 

それに慣れてないスバルに凶暴化したウィルスをぶつけたらデリート待った無し。今回は俺に譲ってもらおう。

 

「流星サーバー、アクセス」

 

『Ryusei Server Access』

 

特徴的な機械音声が聞こえると自分の右下あたりにバトルカードがインストールされる。ゲームの通り、フォルダーのうちの6枚がランダムで選出されているみたいだ。

頭の中で念じ、バトルカードを選択すると凶暴化したウィルスに向かって接近する。なにもなかったはずの左腕がシルバーが特徴的な砲身へと変わる。

トリガーを弾くのと同時に傘のようになっていた部分が開き、高出力の雷撃が稲妻のごとく飛び出した。

 

プラズマガン3だ。

 

命中したのはメットリオ。

流星シリーズのみならず、エグゼはロックマンから登場している愛らしいウィルスだ。見た目は愛らしいがやっぱりウィルス。いつもどこかに現れては電波世界を破壊している。

 

可愛いんだけどね!!

 

凶暴化しているとはいえメットリオはメットリオ。HPが目立って増えているわけではないので痺れたところをマシンガンのごとく乱射したロックバスターで確実にデリートする。

 

ロックバスターだと紛らわしいからエースバスターと命名しよう。目の前にロックマンもいるからね!

 

「というわけで君たち(・・・)はあそこで落ちそうになっている要救助者の救出を頼むよ」

 

右端に表示されていたカスタムゲージが溜まり切り、音がなったところで新しくバトルカードが補充される。全てが一新されるわけではなく、使った枚数だけ新しいバトルカードが補充されるのだ。

 

視界の端でスバルがモノレールの車両へと移動したのが見えた。ウォーロックに諭されてこの場を俺にあずけたとみていいだろう。

 

えーっと、エレキソードにコガラシにエリアイーター…ん?ダブルイーター?

 

エリアイーターは目の前の3×1マスを失くしてしまう効果がある。ロックマンエグゼ時代のエリアスチールの逆バージョン。ただ違うのはエリアスチールでは自分のマスを増やす。要はそのマスに移動できるようになる。対してエリアイーターはマスそのものを失くし、距離を縮める。

 

ダブルイーターはエリアイーターよりも範囲が広い3×2マス。

 

試しに大きく距離をあけ、目の前の地面に向けて左腕を薙ぎ払う。

 

距離的には40mほどか。

 

「ダブルイーター!」

 

ウェーブロードの一部25mほどが崩壊し、ほんの一瞬で断線した部分と結合する。

結果的にウィルスとの距離が縮んだ。

 

突然俺との距離が縮まったことに狼狽えるメットリオたちをあらかじめセットしていたエレキソードですれ違いざまに斬りつける。

プラズマガンよりも威力が高かったこともあってメットリオたちは見事にデリートされた。

 

え?

麻痺系がやけに多いって?

そんなことは流星サーバーさんにどうぞ。

 

ウィルスをあらかたデリートし終えたところでスバルを探す。どうやら無事にゴン太やキザマロ、そして落下しかけていたルナを救助できたらしい。

それにしてもあの状況で捕まってられるとかルナの握力は相当なものだね。

 

りんごは潰せないとは思うけど。

 

念のためトランサーを確認してみるとヘルプ信号が未だに発信されている。破損している車両にはすでに人はいない。他の車両に取り残されているか、はたまた運転している人のどちらか。

身体を電波化してモノレールの天井を通り抜けて実体へと変えるとまずは運転室へ移動する。

だがそこはもぬけの空でとくに誰もいない様子だった。場合によるが、無人による運転だったのかもしれない。

 

よくレールが崩壊して止まったな…。

 

他の車両へ1つずつ移動していく。まずはまだレールとつながっている5、4、3両目。続いてすでに地上へと落下しかけている2両目。

 

そこに、女の子が蹲っていた。

またしても…またしても見覚えのある髪の毛。顔立ち、身長。サングラスをかけて目を隠しているようだが、顔立ちで誰なのか判別がつく。

 

相変わらずおざなりの変装のミソラちゃんだった。

 

手すりに掴まって宙づりになっていたようだが、幸いにも落ちても座席がクッションとなったようだ。

その横にはスーツを着た男の姿。この人は見たことがある。前にミソラちゃんを探していたストー…マネージャーだ。

マネージャーは打ち所が悪かったようで完全に伸びてしまっている。

 

マネージャーはともかく、ミソラちゃんは目立った怪我もなく大丈夫そうだ。

 

「えっと、とりあえず大丈夫?」

 

「あなたは…?」

 

ボイスチェンジャーはもっていないので声はごまかせませんでした。どこか引っかかったような表情のミソラちゃんの問いには答えない。畳み掛けるようにミソラちゃんを持ち上げると開いている扉から外へ飛び出し、人気の少ない場所へと移動する。

ミソラちゃんを抱えた状態では電波化できないので身体能力のみだ。もちろん、尋常ではない身体能力のおかげで壁キックなんてお手の物。

 

辿り着いた先はビルとビルの隙間。もちろん道は大通りとつながっている。

 

「あ、ありがとう」

 

「だからその変装ばればれだって…」

 

ミソラちゃんの変装に毒づくと身体を電波化してその場を去る。ミソラちゃんは何か言いたげだったけどここにいると五陽田刑事がやってきそうなので無視してウェーブロードへ戻る。

 

え、マネージャーはどうしたって?

あの後ちゃんと助けました。

 

そのとき現れた五陽田刑事に『5年前の異常電波!?』と完全に犯人扱いされたので逃走してやった。

 

まったくもって遺憾である。

 

 




ということで初めての戦闘シーンでした。
戦闘シーンといいバトルカードといい難しい…。

ミソラちゃんが出てくるのはオリジナルです。

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