流星のファイナライズ 作:ブラック
お待たせしました!
亀更新ですが、ゆっくり完結させていきますよ。
ノイズド・ウェーブデバウアラで戦いで発生したノイズを粗方吸収して先へと進む。
ノイズを放置しておいて電脳を荒らすわけにもいかないしね。
不調でも起こされたら堪らん。
ウォーロックが吐きそうな顔をしてきたが、無視した。
すまねぇ…。
さて、サービスモジュールの次に待っていたのは空調モジュールだった。
またしても正面には大きな機械。
しかし、先ほどのサービスモジュールとは違ってコンソールではなく柵に囲まれた巨大な空調機のようだ。
右の通路から先に進めるはずだが、案の定電子ドアにはロックがかかっていた。上を見てみればウェーブホールが点滅しながら『ぐるんぐるん』と回っている。
空調モジュールの役割と言えば、空調機を用いて酸素の生成と二酸化炭素の除去、そして循環。
このモジュールから他のモジュールへと酸素を供給している。
宇宙空間で生活するに当たっては、これまた超重要な設備が揃っているわけなのだが…。
「黒夜くん、なんだか少し息苦しくない?」
「正面の空調機だ。よろしくスバルくん!」
早速命の危険が迫っていた。
空調機なんて、俺が触ったらまずい機械TOP1に違いない。
少しおかしいだけならまだしも、ちょっと触ったせいで一生動かなくなってしまうようなことは勘弁願いたい。
そんな訳で、機械操作はスバルにぶん投げる。
後ろを歩いていたスバルの足が止まる。
振り返ればスバルの真剣な眼差しがこちらを見つめていた。
「黒夜くんの身体のノイズが原因なんだね」
聞いてはいけないことを口にするかのように、聞くことを躊躇っていふかのように、ゆっくりと口を開いた。
だが逆に俺はなんでもないように肩を竦めた。
「おう。触ったら壊れそう。これ以上、空気が生成されないのであれば、俺たちはここで死あるのみだ」
ウォーロックから聞いたのか、ハープから聞いたのか、それともミソラちゃんか。
どちらにしても別に隠しているわけではないので、すんなり答える。
そもそも、学校で言うと先生たちも皆知っていることだし。
育田先生とか校長先生とか…あぁ、辞めた校長も含めてみんな知っていたことだ。
多分、プライバシー云々で児童には説明していないだけだろう。
なんなら偶にドキュメンタリーとかでやってたりするぞ。
ワールドワイドの方だけど。
「これが終わったら、聞きたいことがいっぱいある」
「…まぁ、答えられることならな」
話は終わりだとばかりに俺は左側の廃棄物が溜まっていて通行止めになっている方へと足を向ける。
俺が進む方向とは反対方向…明らかに廃棄物が溜まっている方向を指さす。
俺も目視で物色をするが、特に何も見当たらない。何故なら廃棄物がある一角以外は先へ進む扉か、元来たサービスモジュールへの扉しかないからだ。
それからというもの、特に何もできないので地面に座り込んで時間を潰す。
俺は別方向に向かったので見えてはいないが、遠くから『ヒュルルーー!!』とか『エアコーーーン!!』とか聞こえてちょっと吹き出しそうになった。
『エアコーーーン!!』が聞こえたと言うことは、スバルの持っていたナビカードのエアコンマンが現れたということだ。
多分無事に空調機を起動できたのだろう。
空調機の問題はなんとかなった。
それにしてもナビカードって皆癖強過ぎじゃない?
「そんじゃ、いっちょドアをこじ開けるか」
「さっきはキグナスがいたってことは…」
『少なからず、誰か待ち伏せているとみていいだろうな』
一度ボコボコにした相手だ。何も問題はない。
スバルの表情も確認してみるが、不安そうな気配はない。むしろ、自信に満ち溢れているようにも思えた。
ウォーロックは確認するまでもない。
やる気満々だ。
まぁ、ウォーロックがナイーブになってるところとか見たことないけど。
「電波変換! 星川スバル、オン・エア!」
光に包まれると、一瞬のうちにスバルの姿がロックマンへと変わる。俺もスバル同様、電波変換をしてブラックエースへと変身する。
先ほどあった廃棄物のおかげで5%ほどノイズ率が上がっている。
5%じゃほとんど何も変わらないが、気持ちの持ちようだ。
ウェーブロードへと上がると先ほどのロックがかかっていた扉を目指す。
途中拾ったガトリング3はスバルのフォルダーにぶち込み、扉の前で立ち止まる。
チカチカと点滅しながら回るウェーブホールを一瞥すると隣にいるスバルとウォーロックを見る。
「飛び込むぞ、スバル」
「うん! ウェーブ・イン!」
勢いよく電脳空間に飛び込んだ。
◆ ◆ ◆
電脳へと飛び込んで見れば、見覚えのある空間だった。
大きな四角い足場に降り立つ。
。四角形のそれぞれの頂点に大きな足場がついており、そこから細い道と移動パネルがついている。
四角形の中心部には大きな電脳パネル。額縁に飾られた絵が横に倒れたようにも見えるパネルには大きな星と小さな星が描かれている。
移動パネルを満遍なく回れば、どの星座かわかるように設定されている。
「またFM星人の誰かがこの奥にいるんだね」
『誰がいようが、関係ねぇ。ぶっとばすだけだぜ』
「うん!」
その意気や良し。
俺の入る隙もなく、スバルとウォーロックの心が一つになっている。
流石は原作主人公。
さて、俺もできることをやろう。
「黒夜くん?」
『よっ』と軽く息を吐くようにしてノイズドウィングバーニアを翻して空へと上がる。
先程の電脳で気づいたのだが、四角形の頂点にある四角い足場では上へと飛ぶことができる。
細い道ではファイアーウォールが敷かれているように、見えない壁で挟まれていてショートカットができなくなっている。
FM星人の奴らが今までの攻略傾向から急造ではあるが、対策したらしい。
「えーっと、三叉状の星が2つ。それが上下反対で置かれていて…あぁ、なるど」
しかし、この電脳のギミックは星座さえ解答できればいいだけだ。
こうして飛んで上から俯瞰して見てしまえば、何も問題ない。
ノイズドウィングバーニアの角度を変えて落下するように急降下。
スバルの横へと戻る。
首を傾げるスバルにニヤリと笑みを浮かべると、ゆっくりと右腕を掲げる。
右腕に設置されている小さな装置。
普段は
名前はクリムゾンレギュレーターという。
文字通り、超高密度のノイズの塊ことクリムゾンを生成する装置である。
ノイズが集まっていく。
初めは密度の低い黒い霧。次いで、黒い霧が密度を増して小さな形を創る。
本当はここから更にノイズ密度を上げてクリムゾン結晶を生成するのだが、今回はそこまではしない。
小さな黒い形をいくつか生成して宙に浮かせる。
そうして、先程見た星座をそのまま投影するように配置する。
ご丁寧にノイズで細い線を繋げて牡牛座を完璧に再現する。
「次の相手は〜これっ!!」
「何というか…」
『
二人の言葉にドヤ顔をしていれば、『んな物騒なモン、とっとと消しやがれッ!!』と頭だけのウォーロックにどつかれそうになったのでノイズウェーブ・デバウアラで綺麗さっぱり消してやった。
それからは移動パネルに乗るだけの単純で簡単なお仕事。
時折、ウィルスは出てくるけど瞬殺して先へ進む。
『セキュリティコード入力画面を起動します。セキュリティコードを入力してください』
「さっき黒夜くんが教えてくれた牡牛座を作ればいいんだね」
最後の通路に差し掛かったあたりで設置されていたモニター。
前回の電脳同様、モニターには大小の星々が映し出されている。
ロックマンに変身しているスバルの指が星と星を繋いでいく。
牡牛座を形づくるとモニターの画面は役目は終わったとばかりに黒く塗りつぶされた。
先へ進む。
分かれ道はない。
真っ直ぐな一本道。
周りは暗く、無機質な白いパネルが続いている。
軽い音を立てて進んでいくと大きなコンソール。
コンソールのモニターは真っ暗で電源が入っていない。
コンソールを背にし、腕を組んでこちらを睨みつける一人のFM星人。
牡牛座のFM星人、オックス。
「なぁオックス、お前こっち側につかないか?」
『…ブルルル。何を言うかと思えば、貴様ふざけているのか?』
驚いたようにオックスの片目が細める。
しかしそれは一瞬のことで、すぐに瞳は鋭さを増した。
どうやら覚悟はガン決まりのようだ。
「ふざけてるわけじゃないんだけど…とにかく、俺はお前とゴン太が仲良くなるのを楽しみにしてるぜ」
『ゴン太…あのガキとこのオレ様が? 有り得ん。そして、貴様たちがFM王ケフェウス様の場所まで辿り着くことも絶対に有り得ん』
車を暴走させたのは許さんが、こいつ本当は憎むに憎めない奴なんだよな。
3ではちゃんと謝ってゴン太と和解してるし。
再構築されたオックスが流ロク1と『同一個体かどうか』という問題はおいといて…。
もちろん、本気で今のオックスを手懐けることができるとは思ってない。
ただのバトルの前の軽口。
後に味方になるとしても、今はただの敵。
突破しなければならない障害。
「流星サーバー、アクセス」
『Ryusei Server Access』
「僕たちは先へ進まなきゃいけない。立ち塞がるなら…打ち倒すまでだ!」
俺が流星サーバに接続し、スバルがウォーロックをバスター形態に変形させてオックスへ向ける。
同時にオックスも体内に残っている周波数の残滓から電波変換。
オックス・ファイアへ変身を遂げる。
『言葉はいらん。行くぞ!』
オックス・ファイアの姿勢が低く下がる。
両腕を腰の辺りに構えて、頭の角を前面に押し出す。
オックスタックルの構え。
勢いをつけるべく後ろ脚を何度も擦り、力を溜めているのが見える。
即座にスバルにアイコンタクト。
スバルが頷いたのを確認する。
『ブルルルォォォォォッ!!』
オックス・ファイアのタックルが高速で放たれる。
強力なゴムが反動で放たれるように、溜められた力が一瞬のうちに推進力へと変換される。
だが、オックスタックルは空を切った。
当たり前だ。
こちとら機動力抜群のブラックエース。
スバルも既にスターフォースを使いアイスペガサスに変身している。
そう…。
「撃て!! 撃ちまくるんだスバル!!」
「いまだ、コガラシ!!」
『ブ、ブモオォォォォォッ!?』
オックス・ファイア戦において、空中はほぼアンチゾーンなのだ。
通常ならば空中のウェーブロードに追ってくるところだが、この特殊な大きな四角いパネルには空中のウェーブロードはない。
オックスタックルは、もはや誰もいない空を切るだけ。
腕を組んで待ち構えてたのに…悲しいかな。
さらばオックス。
次は残留思念として、また会おう。
オックスが味方再度で活躍するのが楽しみな作者。
原作よりも出番は少し早くなったりするかもね。