ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

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初めまして、肉球小隊と申します。
小説の投稿はこれが初めて。
文章力も無い癖にやらかした気もしますが、お付き合い頂ければ幸いです。
ストーリー的には本編と劇場版を挟んだその前後といった感じです。
前提として本作オリジナル主人公 厳島恋(いつくしまれん)と主要登場人物達は昔からの付き合い。
その交流をオリジナルストーリーで展開して行きます。


プロローグ  欠陥砲弾

「ん~?やっぱり微妙にずれるなぁ……」

 

 

 形の良い唇から甘く色気のあるハスキーボイスで零れる呟き。

 

 雑木林に囲まれた荒れ地で、一両のパンターG型戦車が散発的に砲撃を繰り返している。

 ここは横須賀市立臨海中学校戦車道の地上射撃演習場。

 先程から砲撃を行なっているパンターの車内に居るのはたった一人の少女。

 ポニーテールにして尚腰に届く緩くウェーブした長い髪は燃える様に赤い。

 切れ長の美しい目には勝気な光が宿っている。

 そしてそのプロポーションはと見れば、大凡中学生とは思えないスタイルだ。

 

 

 彼女の名前は 厳島恋(いつくしまれん)

 

 

 横須賀市立臨海中学校の三年生であり戦車道チームの隊長の職にある。

 今日は日曜日で本来なら何も活動予定は無い筈だが、独り砲撃を繰り返すには訳がある。

 前日の土曜に行った練習試合に於いて、彼女たちのチームは恐ろしく命中率が悪く、本来な

らその射撃技術の高さに定評のあった恋に対し、対戦相手チームの隊長はじめ他の選手達も首を捻る程の命中率の悪さであった。

 勿論突然恋の腕が落ちた訳など無く理由がある。

 それは先程から撃っている砲弾に起因する。

 実はこの砲弾それまで使っていた砲弾とはメーカーが違う。

 

 少々時間を遡る事数年前、ある新興メーカーが戦車道連盟に対し戦車道専用の新砲弾の売り

込みを掛け、連盟並びに陸上自衛隊による約一年の評価試験の結果採用が決定された。

 通常より早い決定とも思われたが理由は単純、このメーカーの砲弾は安かったのだ。

 既存メーカーに比べ徹甲弾、榴弾共に一発辺りおよそ二万円少々安い。

 文字通り金を大砲でぶっ放す様な戦車道に措いてこれ程魅力的な話は無い。

 ただし既存メーカーとの関係もあり、まずは予算的制約の厳しい小中学校戦車道、それも公

立学校から中心に試験的な販売が開始され、中学戦車道履修校の中でもそれなりの強豪で公式

戦、練習試合等試合数も多く、偶々残弾が心許なかった恋の居る臨海中が納入第一号となって

いたのであった。

 

 

「う~ん、また外れたぁ……」

 

 

 前日の練習試合、どうにか勝てはしたものの、その結果はおよそ納得出来るものではなく、

今日はこうして一人で恋は黙々と独自に新砲弾のテストをしているのであった。

 

 

「ヨイショっと!」

 

 

 次弾を撃つべく徹甲弾を装填し照準を微調整していたその時、携帯の着信音に設定していた

パンツァー・リートが戦車内に鳴り響く。

 

 

「ん?誰だろ?」

 

 

 恋は手探りでイヤホンマイクを耳に入れつつ通話ボタンを押す。

 

 

「ハ~イ、どちら様~?」

 

『よお!ラブ、私だ』

 

 

 恋をニックネームで呼ぶ相手の声が聴こえた瞬間恋は発射ペダルを踏み込んだ。

 辺りの空気震わせる鋭い発射音。

 

 

『わぁっ!ってラブ!お前今撃ってるのか!?』

 

「なんだ~、千代美かぁ、久しぶり~、元気そうだねぇ♪」

 

 

 電話を掛けて来た相手は安斎千代美、大きな丸眼鏡にお下げの緑髪の少女の姿を頭に浮かべつつ、恋は微かに微笑みながらマイクに語り掛ける。

 

 

「先々月の練習試合以来かな?どうしたのよ突然、またやりたいの~?」

 

『いや、お前のトコに新しい弾導入されたんだろ?どんな感じかと思ってなぁ』

 

 

 苦笑しつつも恋は応える。

 

 

「相変わらず千代美は耳が早いねぇ、金曜に納入されて元の弾も残りが僅かだったから、昨日

の練習試合で早速使ったんだけどさぁ……」

 

 

 どこか歯切れの悪い恋の受け答えに千代美も何か感じる処があったのか更に問う。

 

 

『何か問題があったのか?連盟のHPでは感触が良い様だったけど』

 

「あ~、どうもその命中率がねぇ……何と言うかその今一つなのよ」

 

 

 答えつつも手は次弾を装填し照準を再度微調整、そして再び発射ペダルを踏む。

 

 

『だから電話しながら戦車砲を撃つな~!』

 

 

 千代美の抗議をヘラヘラ笑いながら受け流し結果を確認する恋。

 

 

「ありゃ~、とうとう的を飛び越えちゃったよ~」

 

『一体どれだけの距離で撃ってるんだ?照準狂ってないか?砲身が曲がってるとか』

 

「照準も狂ってないし砲身も曲がってなんかないわよ~」

 

『じゃあお前の腕が落ちたかwww』

 

「私がたった1,000mで外すと思ってるワケ~?」

 

 

 口を尖らせつつ恋が文句を言う。

 

 

『冗談だよ~、でもそんな酷いのか?』

 

「そうねぇ、ここまで行くとさすがにちょっと誤差の範囲とは言えないなぁ」

 

『それで日曜なのにわざわざ試し撃ちしてるって訳か』

 

 

 千代美のそんな問い掛けに恋も答える。

 

 

「いやね、ホントは今日は朝からファッション誌の撮影の仕事があったんだけどさぁ、スタジ

オの方でトラブルがあったらしくてキャンセルになっちゃったのよね~」

 

 

 恋はその中学生離れした容姿を活かし中一の頃からモデルの仕事も熟している。

 

 

「でまぁやる事無くなっちゃったし、昨日こっちで試合してそのまま停泊中だから一人でじっ

くりデータ取りしようと思ったのよ」

 

『なんだ、それじゃあ暇潰しでやってたのかぁw』

 

「あ!千代美それはちょっと酷くない~?」

 

『いやあスマンスマン』

 

 

 千代美は笑いつつも更に問う。

 

 

『それで徹甲弾も榴弾も同じ様な感じなのか?』

 

「取り敢えず今までの所は徹甲弾撃ってたけどね~、榴弾も撃ってみるか~」 

 

 

 そう言いつつ持ち上げた榴弾をグローブをした手を握り締め押し込む恋。

そして閉鎖機が閉まり掛けたその瞬間。

 

 

「!?」

 

 

 その一瞬に感じた違和感、その直後に生じた激しい閃光と爆発音。

 そしてそれに被さる恋の悲鳴……。

 

 

「きゃああああああぁっ!!!」 

 

 

 スピーカー越しにその爆発音を聞いた千代美は一瞬携帯を取り落とし掛けた。

 

 

『おいっ!ラブ!今の音は何だ!?』

 

 

 電話の向こうに居るはずの恋の返事は無い、聞こえるのはガリガリというノイズのみ。

 

 

『どうした!?ラブ!何が起きた!?応えろラブ!恋!』

 

 

 千代美が大声で問い掛けるが恋からの応答は無い。

 更に呼び掛けようとしたその時。

 

 

「ち…よみ……こ…この…弾……つ…使っちゃ……だ…めだ……」

 

『まさか!?まさか暴発したのかっ!?しっかりしろ!おいっ!恋!』

 

 

 

 

 

 しかしそれきりいくら千代美が声を掛けても恋は一切反応しなかった。

 

 

 

 




多少書き溜めてますが初めて故この先どの位のペースで投稿出来るやら…。
う~ん、それにしても我ながら文章硬いなぁ…。
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