ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

212 / 309
エキシビションマッチもいよいよラストスパート、ラブも本領を発揮します。


第七十六話   Surprise attac

「お、おやりになるわね……」

 

 

 どうにか白旗は免れはしたが、高い装甲貫徹力を誇る70口径75mmが放った徹甲弾の直撃を受け、ダージリンが騎乗するブラックプリンスの正面装甲はパッと見でも判る程大きくへこんでいた。

 隊列の左翼側面に奇襲を仕掛けて来たエニグマに対し、ダージリンが応戦に加わりどうにかギリギリの処で戦列が瓦解する事は回避する事が出来た。

 だが奮戦するダージリンの目の前にまほ相手に暴れていたはずのラブが一陣の風のように現れると、まるで彼女を嘲笑うかのように痛烈な一撃を加えそのまま走り去ったのであった。

 屈辱的な一撃を喰らい淑女らしからぬ態度で舌を打ち悪態を吐いたダージリンは、周囲の目が気になるのか急に取り繕うようにいつものセリフを口にしていた。

 但し残念ながらいきなり噛んでいる辺り、あまり上手く誤魔化せているようには見えなかった。

 しかしエニグマの攻撃はまだ続いていたので実際の処誰もダージリンの事など眼中になく、一年生だけとは思えぬ手際の良さに翻弄され防戦で手一杯だったのだ。

 

 

『ちょっとおっぱいが大きいからって調子に乗って!……覚えてらっしゃい!』

 

 

 指揮を執る合間に理不尽極まりない事をダージリンは胸の内で呟くが、付き合いの長いアッサムにはお見通しらしく照準を覗く彼女の瞳には蔑むような色が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

「えぇいAP-Girlsめ!つくづく厄介な連中だ!」

 

 

 リーダーであるラブとLove Gunが忽然と姿を消した後も余裕の大立ち回りで暴れ続け、攻勢に転じる事が出来ぬアンチョビもさすがに相当苛立っていた。

 

 

「それにラブのヤツも一体ドコに行きやが……って、おわ!オマエ今どっから出て来やがった!?」

 

 

 好き放題暴れるAP-Girlsに手を焼いたアンチョビが悪態を吐いた直後、ギョッとする程至近距離の建物の陰から如何にも急いで戻って来たという感じでLove Gunが飛び出して来た。

 全速後退で飛び出したLove Gunがくるりと180度のスピンターンを決めると、ラブは抜け目なくまほのビットマンに一撃かましてしっかり彼女の怒りに油を注ぐ事も忘れていない。

 そしてAP-GirlsはLove Gunと合流すると急速に後退を始め、入れ替わるように今度は風林火山が突出し攻撃の手を休める事がなかった。

 だが怒れるまほが力押しで風林火山を押し返し始めると、パーペチュアルとクワイエットによる火力支援を受けつつ速やかに撤退を始め引き際の良さを見せる。

 しかしここが攻勢に出る転機と見たまほは風林火山がそのまま逃げ切る事を許さず、退路に火力を集中させる事で風林火山の逃げ足を鈍らせ、後方から支援していた二校との分断を図った。

 

 

「これ以上好きにはさせん!風林火山の前後に火力を集中!一気に畳み込め!」

 

 

 いよいよ本領発揮とばかりにティーガーを前面に押し立てまほが攻勢に出た事で、漸く息を吹き返した三年生連合全体がこの日初めて主導権を握ったように見えた。

 左翼側面を突いたエニグマも三年生連合がまだ隊列を解いていなかった事もあり、絶対数で大きく劣る為に徐々に押し返されジリジリと後退を始めていた。

 

 

「よし!このまま燃料タンクの区画迄追い落とせ!」

 

 

 発電関連施設のある区画よりその先の燃料タンクが立ち並ぶ区画の方が空間が広く、重戦車で立ち回るにはその方が断然優位に立てると考えたまほはここで一気に勝負に出るのだった。

 

 

「AP-Girlsに風林火山の援護をさせるな!カウンターに気を付けろ!」

 

 

 アンチョビもまたまほのサポートを務めながらも前進を開始、AP-Girlsが風林火山と連携を取れぬよう徹底したシフトを敷きラブを封じ込めに掛かっていた。

 

 

「広い空間を確保出来れば連中も暴れられるがこっちだって自由度も上がる、そうすれば…うわ!?な、なんだ何事だ……!?」

 

 

 風林火山を後方の部隊と分断する為の砲撃指示を出す合間に、アンチョビはチラリと発電所内の見取り図を確認しする。

 だがその僅かな隙を突いたかのように激しい衝撃が左側面から襲い掛かり、大きく揺さぶられたアンチョビは驚いて手にしたクリップボードを取り落としかけていた。

 

 

「い、一体何が…な、ら……Love Gunだとぉ!?」

 

 

 突然予想外な方向から砲撃を受けたアンチョビが驚いてそちらに目を向けると、発電施設の配管の僅かな隙間の向こうにAP-Girlsと共に撤退したはずのLove Gunの姿があった。

 信じられぬ事態にアンチョビが愕然とするうちに得意の投げキスを決めたラブは、自慢の深紅のロングヘアを揺らしそのまま走り去っていた。

 

 

「え…どういう事だ……おかしいだろ……」

 

「安斎どうした!?大丈夫か!?」

 

 

 目の前の風林火山に集中していたまほであったが、さすがに今の側面からの攻撃に気付かないはずはなく、血相変えた様子で狙い撃ちされたアンチョビを気遣っている。

 

 

「あ…あぁ、大丈夫だ……だが側面からLove Gunに狙撃された……」

 

「なにぃ!?そんな馬鹿な……ラブのヤツならたった今AP-Girlsと一緒に後退しただろう!?」

 

「けど本当なんだ、そこの配管の隙間の向こうにラブがいやがったんだ…一撃かましてあの目立つ髪を揺らして逃げるのを私は見たんだよ!」

 

「ウソだろ…何がどうなっているんだ……?」

 

 

 アンチョビが嘘を言うはずがないのは解っているが、それでも俄かには信じ難い話にさすがのまほも困惑の表情を浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

「あの状況じゃ気付けって方が無理ね……」

 

「さすがラブ先輩、質が悪いなぁ……」

 

「それ本人に直接言いなさいよ」

 

「エリカは言えるのか……?」

 

「それは……」

 

「二人共……」

 

 

 観戦エリアではラブの作戦が予想以上に効果がある事に、エリカとルクリリが二人揃ってこれ以上はない苦虫顔で死球のぶつけ合いをしている。

 そんな二人に対しカルパッチョは困った顔で諫めるような言葉を口にしかけたが、そのカルパッチョも含め三人はこの時既に気付いていたのだ。

 試合中の先輩達に限らず、自分達もラブが本当に実行した作戦に引っ掛かってしまう事に。

 

 

「試合中の咄嗟の場面でアレに気付くのは無理ね……」

 

「確かになぁ……けど西住隊長辺りなら見抜くんじゃないか……?」

 

「ふぇ!?わ、私……?む、無理だよぅ!」

 

 

 エリカと平べったい顔のまま意見を交わしていたルクリリが何を思ったのか突然みほに牽制球を投げ、完全に油断していたみほはいつも通りあわあわした反応しか出来ずにいた。

 

 

「冗談に決まってるでしょ?アンタにアレがどうこう出来るなんて誰も思っちゃいないわよ……それにアンタだけじゃない、ここにいる全員が騙されるに決まってるわ」

 

「エリカさん……」

 

 

 最初はみほを小馬鹿にするような態度のエリカであったが、途中からは口調も変わりふざけた様子は見られなくなっていた。

 

 

「しっかしなぁ…この先私達相手にもあんな手使って来るかと思うと頭が痛くなって来るな……」

 

「あら、多分それはないとおもうわよ?」

 

「ん?それは何故?根拠は……?」

 

 

 自分がラブの奇策に翻弄される姿が容易に想像出来てしまうルクリリがゲンナリした顔で髪をワシャワシャとしていると、エリカが即座にそれを否定しルクリリは意外そうな顔をしていた。

 

 

「解らない?今やってるアレはあの子がいなきゃ成立しないもの…学校が違うんだからいつも一緒に戦う訳じゃないし……でしょ?」

 

「あ…そうか……」

 

 

 エリカの指摘にルクリリも盲点を突かれたように目を丸くして驚いている。

 

 

「…でもあの人の事だから、きっとまた何かロクでもない手を思い付くんじゃないか……?」

 

「ルクリリ…あなた言霊って知ってる……?」

 

「言霊て……」

 

 

 ルクリリの指摘を否定出来ないエリカは鼻の頭に皺を寄せると、彼女らしからぬワードを溜息交じりに洩らしルクリリを絶句させたのであった。

 

 

 

 

 

「ナニぃ!?ラブの奇襲を喰らっただとぉ!?」

 

 

 風林火山相手に反転攻勢に出た直後ラブに不意打ちを喰らっていたアンチョビは、漸く頭が冷え思い出したように無線でラブの奇襲を報告して来たダージリンに、『コイツ何言ってんだ?』とあからさまに疑いの色の混じった口調で問い返していた。

 

 

『ねぇちょっと…アナタ何が言いたいんですの?私があの邪悪なおっぱいを見間違ったとでも仰りたいのかしら……?』

 

 

 アンチョビの言葉に込められたマイナス方向の感情を、敏感に感じ取ったダージリンの声も俄かに険しいものに変わる。

 戦況的に押し返しているにも拘わらず無線から聴こえるダージリンの声に、チーム全体に何やら不穏な空気が漂い始めていた。

 

 

「コッチは西住と私が立て続けにやられているんだぞ!いくらラブのヤツがゴ●ブリ並みに素早いといってもさすがにちょっとおかしいだろう!?」

 

 

 本人が聞いたら確実にむくれそうな事を無線に向かって叫ぶアンチョビだが、ここまでの一連の流れには何か言いようのない違和感を覚え、それはダージリンも感じ取っていた。

 

 

『何かがおかしい……』

 

 

 二人共そうは思いながらも噴出した不満は中々収まらず、ダージリンの皮肉交じりの嫌味口撃も直ぐには止まないのであった。

 

 

 

 

 

「よしよし、相当混乱してるみたいね~♪」

 

『このおっぱい戦車乗ってる時はとことん性格悪いよな……』

 

 

 次の奇襲に備えるべく再びLove Gunを大蛇のようにのたくる配管の陰に隠したラブは、物陰から愛用の単眼スコープで無線に向かって喚くダージリンの姿に満足げに頷いていた。

 なお、Love Gunの車内にいる者達は遠慮なく白い目をラブに突き付けていたが、コマンダーキューポラに戻った彼女がそれに気付く気配はなかった。

 

 

「う~ん、しかしコレは実際やるとなると結構大忙しよねぇ…けどその分引っ掻き回す効果は抜群だからもう暫くは続けさせて貰いましょう……でもその前にボチボチ風林火山の退路を確保してあげないとね」

 

 ラブはコマンダーキューポラのハッチに掛けてあった咽頭マイクを花楓の手を借り装備し直すと、AP-Girlsに風林火山の支援に回るよう指示を出した。

 

 

「さて、コッチはこれでよし…ダージリン達の相手してるエニグマの援護にはメイプルが入ったしカレンも風林火山の援護を継続中……アーニャも監視役に徹してるし、みんな自分から積極的に動いて私が何か言う必要ないわね~♪」

 

 

 こりゃ楽でいいわとお気楽に笑っているが、新設校故のハングリーさに加えて短期間とはいえ彼女と交流を持った事で、思考が相当感化されている事にラブも気付いてはいなかった。

 

 

『こちらアーニャ、ラブ姉聴こえる?エニグマとクワイエットの後退に合わせてKV-2が突出、隊列を崩して単騎駆けに出る車両も出て来たわ』

 

「了解よアーニャ、今から私もそっちのサポートに回るから引き続き監視をお願いね……晶ちゃんも聴こえた?今度はカチューシャのカーベーたんに時間差で仕掛けるから宜しくね~♪」

 

『…了解……』

 

 

 自分の予想した以上の働きを見せる新設校連合にラブがすっかり気を良くしていた処に、ラブの目としての役割に徹したアーニャから早速報告が入ると、途端に彼女の目は悪戯をする時の猫のような目になり嬉々として晶に次の指示を出していた。

 そしてこれを機に試合は大規模な組織戦から、何でもありの乱闘へと移行して行くのだった。

 

 

「その程度の事でこのカーベーたんを本気で止められると思ってるなら片腹痛いわ!」

 

 

 例え進む速度がカメの歩みであったとしても、極端な設計思想の下に生み出された怪物の進行を止める事は容易な事ではなかった。

 その馬鹿げた厚さを誇る装甲は生半可な砲では撃ち抜けず、榴弾しか撃てぬとも152㎜の絶大な破壊力を軽視する事は出来ない。

 撃てども止まらぬ街道上の怪物を相手に、クワイエットの支援を受けて尚エニグマはディフェンスラインを下げざるを得なかった。

 しかしそれでも部隊を指揮する副隊長の紗江子は冷静さを欠く事はなく、辛抱強く怪物相手に戦列を維持して戦い続けていた。

 

 

「ヤークトパンターはKV-2に狙いを集中、パンターはその後ろに隠れてる()()()を黙らせろ!Ⅳ号はクワイエットと連携して間接攻撃を継続せよ!」

 

 

 日頃は晶の影であまり目立つ事のない紗江子だが、その指揮ぶりは堂に入ったもので、晶不在のエニグマに戦闘力の低下は一切感じられなかった。

 

 

『紗江子お待たせ~♪今から援護に入るからそのままゆっくり下がり続けてね~』

 

 

 ヘッドホン越しのラブの指示は戦闘中とは思えぬ呑気さだが、紗江子は眉一つ動かす事なく戦闘指揮を執り続け、かなりの役者ぶりを見せている。

 おかげでKV-2の砲塔上で吠えるカチューシャが奇襲の気配を察する事はなく、ほぼ無警戒でエニグマを追い詰めようと進軍を続けていた。

 

 

「このまま前進!あの生意気なヤークトパンター共を踏み潰して──」

 

「隙あり────っ!」

 

「なっ!ラブ!?」

 

 

 向かう処敵なしとばかりに突き進むカチューシャであったが、突然ふざけた叫びと共に目の前を突風のように深紅のハートが駆け抜け、置き土産に放たれた徹甲弾が砲塔に突き刺さり驚いたカチューシャは何も反応する事が出来なかった。

 だがこれはまだ序の口に過ぎず、彼女はこの直後更に驚かされる事になるのだ。

 

 

「ちょっ!待ちなさいよ!これはどういう事!?」

 

 

 駆け抜けたLove Gunに撃ち込まれた徹甲弾による衝撃が収まらぬうちに、再び全速力で戻って来たLove Gunにおかわりの徹甲弾を撃ち込まれたカチューシャはパニックを起こしていた。

 超高速のスピンターンで戻ったにしても早過ぎる再度の襲撃は、完全にカチューシャの理解の範疇を超えるもので日頃強気な彼女もさすがに顔色が青ざめている。

 何しろ一回目の襲撃から二回目の襲撃までのタイムラグを考えると、Love Gunの装填手である美衣子はスピンターンの最中に装填を済ませているはずであり、いくらAP-Girlsの実力が飛び抜けているとはいってもこれは驚異的過ぎるものであった。

 だが駆け抜けるLove Gunの砲塔上で金魚の尾びれのように優雅に風に靡くラブの長い髪が、これが夢ではなく現実であるという事をカチューシャに突き付けていたのだった。

 

 

「──シャ、カチューシャ!ぼ~っとしてどうしたのです!?」

 

「…ノンナ……?」

 

「しっかりして下さい!まだ戦闘中ですよ!?」

 

 

 ポジション的にラブの奇襲を直接視認する事が出来なかったノンナだが、高校戦車道屈指のシューターである彼女はカチューシャが喰らった徹甲弾にそれまでとは違う何かを感じ取っていたようだ。

 彼女に指摘されて尚状況が飲み込めずぼんやりした様子のカチューシャは、キツネにでもつままれたような顔でラブが走り去った黒煙の向こうに視線を彷徨わせていた。

 

 

 

 

 

「一体何がどうなっている!?」

 

 

 カチューシャが立て続けに襲撃を受けて以降ラブの神出鬼没ぶりは勢いを増し、徹底した一撃離脱による奇襲を繰り返しそれに対応する三年生連合は混乱の極にあった。

 すでに隊列は崩れて存在せず、部隊は発電所の敷地全体に分散し、方々で遭遇戦を展開するような状況に突入している。

 其処此処で偶発的に発生する戦車戦の結果流れ弾などで多数の火災も発生し、立ち昇る黒煙と破壊の激しさに発電所の敷地内はまるで陥落寸前のベルリンもかくやという様相を呈していた。

 その状況下、どうにかアンチョビのベルターとレオポンチームの3両による共同戦線を維持していたまほであったが、カチューシャが喰らったのと同様の連続攻撃を前に混乱を隠せなかった。

 

 

「いやぁ、疾風のように現れて、疾風のように去って行くとはあの事だねぇ」

 

「ナントカ仮面じゃあるまいし止めてくれ……」

 

 

 かなりの修羅場になりつつあるにも拘わらず相も変わらず呑気な事を言うナカジマに、周囲に警戒の目を走らせていたアンチョビが苦虫顔になる。

 だがそうしている間にも今度はケイがラブの奇襲を受け、無線からはブチキレたケイの声でFワードが垂れ流しになりアンチョビは一層顔をしかめるのだった。

 

 

「あのヤロウ好き放題やりやがって…けどちょっとおかしいと思わないか……?」

 

「どういう事だ……?」

 

「西住…お前だって違和感は感じているんじゃないのか……?」

 

「それは……」

 

 

 相変わらずケイはキレると下品だなと思いながらも、異常なハイペースと間隔で襲撃を繰り返すラブに対しアンチョビは不振を抱く。

 まほは一応問うような事を口にしたが、アンチョビは何言ってやがるとばかりに鋭く切り返した。

 

 

「カラクリは解らん…だがアイツが何か策を弄してるのは間違いない……」

 

「…そうだな……だがアレはまだ本気でやってないだろう……ヤツが本気ならぶつけて来る殺気があんなものじゃないはずだからな」

 

 

 まほから納得のいくアンサーが返って来た事で漸くアンチョビも頷いたが、それで事態が解決する訳もなく彼女の表情はまた渋いものへと戻っていた。

 そしてそうしている間にもラブの奇襲は留まる事なく繰り返され、ノンナやナオミに加えオマケのように杏のヘッツァーまで一撃喰らい死ぬ程ビビらされたのだった。

 

 

「また来やがったぁ!マジで何がどうなってやがる!?」

 

 

 飛び交うラブ襲来の無線交信に混乱は拍車が掛かり、ラブ一人に振り回され右往左往する三年生連合は組織としての機能を失いつつあった。

 策士のアンチョビですら度重なる奇襲に冷静さを保つ事が出来ず、相当にイライラした様子で悪態を吐く事しか出来ずにいた。

 

 

「あれ……?」

 

「どうした西住!?」

 

「いや、何か今ラブのおっぱいが小さく見えたような……」

 

「オマイ一体何訳の解らん事を言っとるんだ……?」

 

 

 クルクルと独楽のように回りながらアンチョビに一撃加えそのままLove Gunが走り去った後、それまで怒りに任せてラブを討ち取ろうと躍起になっていたまほが突然妙な事を口走った。

 いきなりポンコツ極まりない事をまほが言い出すと、緊張感を削がれ脱力したアンチョビは眉間に縦皺を入れまほを睨み付けた。

 だがそれでもまほは腑に落ちぬ顔で腕を組み、考え込むように首を捻っている。

 

 

「私は動体視力には自信があるんだが気のせいかなぁ……?」

 

「あのな……」

 

 

 尚もポンコツな事をまほはのたまい、アンチョビはこの日一番の疲労感を感じ天を仰いでいた。

 

 

 




試合中なのにまほは一体何処を見ているのかw
でも事の真相はソコにあるww
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。