ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

213 / 309
やっぱり最初はこの人しかいませんw


第七十七話   Love Gun's

「あ…そんな……ちょっとお待ちになって……ね?」

 

「うふ♡」

 

 

 散々ラブの掌で踊らされた挙句、ぐうの音も出ない状況に追い込まれたダージリンは、将棋で待ったでもするかのような媚びた態度で拝むように手を合わせ()()()をする。

 だがラブは場違いな程可愛らしい笑みを浮かべて笑うのみで、ダージリンの命乞いを軽くスルーしてあっさりと止めを刺しに行った。

 

 

「あぁぁぁ!そんなぁ──っ!」

 

 

 高い射速で撃ち出された徹甲弾がダージリン(ブラックプリンス)のお尻を貫き、砲塔からは彼女の悲鳴と共に白旗が射出される。

 そしてそれに合わせて審判長である亜美の声で、ブラックプリンスの走行不能を告げるコールがなされ、この瞬間ダージリンのエキシビションマッチは幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

「ああもう!ちっとも当たんないじゃない!」

 

『そりゃLove Gun相手にカーベーたんじゃなぁ……』

 

 

 発電所に突入して以降、好き放題暴れ回るラブを討ち取らんと躍起になる三年生連合を向こうに回し、ラブは余裕綽々で逃げ回りながら奇襲を繰り返していた。

 易々と懐に飛び込まれ一撃喰らったカチューシャは、嘲笑うかのように逃走するLove Gunに反撃を試みるもいともあっさり躱され無駄弾に終わっていた。

 面の皮の厚さと火力は桁違いだが逆にそれが災いし、凡そ『動く』という事に関してKV-2は全てに於いてダメダメであった。

 カメ以下の機動力に加えノロノロとしか回らぬ旋回砲塔、装填手を二人必要とする分離装薬式の152mm榴弾砲は装填に時間が掛かる上に射速も遅い。

 かたやラブが騎乗するLove Gunはといえば、凡そ考え得る限りこれ以上はないレベルのチューンが施され、一部では高機動格闘戦仕様と囁かれる程の機動力を獲得していた。

 いくら街道上の怪物と称えられようとも本気で駆ける史上最速の女豹が相手とあっては、カチューシャがどれだけ頑張っても当てるのは至難の業と言っていいだろう。

 現に今も大外れとなった一撃はLove Gunの代わりに発電所の配管の一部を吹き飛ばし、転がったドラム缶のようなパイプがガランガランと耳障りな騒音を奏でることしかできなかった。

 そしていつものお約束でカチューシャがキレるが、仲間達にとってそれは当然の結果だった。

 

 

『ちょっとカチューシャ!むやみやたらとぶっ放すのはお止めなさい!こっちにまでパイプの残骸が飛んで来たじゃない!』

 

「なんですってぇ!ダージリンもラブの足止めぐらいしたらどうなのよ!?今日の失態を考えたらそれでも足りないわよ!それともナニ?その程度の事も出来ないって言うの!?」

 

「なっ!?カチューシャあなた!」

 

 

 今日はここまでまるっきり良い処のないダージリンは転がって来たパイプをブラックプリンスの履帯が踏み潰すと、腹の中に溜め込んだヘイトを八つ当たり気味にカチューシャにぶつけていた。

 だがそんな事をされれば小さな暴君と仇名されるカチューシャが黙っているはずもなく、売り言葉に買い言葉でカッとなった二人は無線を介して口喧嘩を始める始末だった。

 

 

「オマエらいい加減にせんか!見ろ!下らんケンカしとる間にまたラブを見失っただろうが!」

 

 

 フラッグ戦である以上はどちらかのフラッグ車が討ち取られぬ限り試合は終わらず、神出鬼没でやりたい放題なラブに手を焼いていたアンチョビは、アンツィオでペパロニ達がやらかした時のようにブチキレて無線電波の無駄遣いを始めた二人を怒鳴り付けていた。

 既に両軍共に小規模編成か或いは単騎で行動する車両も多く、戦局は全く油断のならない状況だけにこんな事で足元をすくわれるのはアンチョビも願い下げだった。

 

 

「それなんだが安斎、今チラッと見えたラブはまたおっぱいが大きかったんだ……」

 

「ハアっ!?オマエこんな時にっていうかさっきからナニ言ってんだ!?」

 

 

 カチューシャを襲撃後再びたなびく黒煙の向こうに姿を消したLove Gunであったが、その姿を目視で確認していたまほは試合中の彼女とは思えぬ発言の後に腕を組んで首を捻っていた。

 

 

「いやだってな安斎、さっき見たラブは間違いなくおっぱいが小さかったんだよ…なのに今見たラブのおっぱいは元のサイズに戻ってたし……ウ~ムこれは一体どうした事だろう……?」

 

「あのな……」

 

 

 真剣に悩むまほの姿に毒気を抜かれたアンチョビは脱力しガックリと肩を落とすが、試合は継続中でありいつまでもそうしている訳には行かなかった。

 何しろラブだけではなく新設校の一年生達が入れ代わり立ち代わり次々と喰らい付いて来るので、アンチョビにも深く考える余裕がなかったのだ。

 

 

「もう次が来やがったか……西住!」

 

「あぁ解ってるさ…ファイアフライか、パーペチュアルの水瀬(みなせ)君だったな……」

 

 

 ボケた発言をかましていてもそこはさすが西住流、接近中の3両のシャーマンの中にファイアフライの姿を認めたまほは即座に顔を引き締めていた。

 だがそれも束の間、カレンの騎乗するファイアフライが通常のシャーマンに見せかける為に砲身を短く見せる擬装を施している事に気付き、クスリと笑い声を洩らしたのだった。

 

 

『あの迷彩塗装をするか…パーペチュアルの隊長も色々と苦労が多いようだな……』

 

 

 火力はあれども装甲はシャーマンそのまま、目立つ長砲身を目印にドイツ軍に徹底的に付け狙われたファイアフライの苦労は相当なものだったという。

 正面切って戦いを挑んで来るカレンとどちらかと言えば消極的な擬装のギャップが可笑しいのか、まほは口元に微かな笑みを貼り付けたままファイアフライを迎え撃つべく転進を開始していた。

 

 

 

 

 

「う~ん…あれだけやられてまだ気付かないか……」

 

「結構無理のあるタイミングですけどね……」

 

「いや、あれは絶対にわざとでしょ?」

 

 

 嬉々として走り回っては奇襲を繰り返すラブの姿に、観戦中の後輩達の表情は冴えない。

 その中でも最もラブに可愛がられ付き合いが深いエリカは、ラブが完全に悪ノリして調子こいている事を見抜いていた。

 

 

「いつバレるかじゃなくて、バレるのを狙ってギリギリのタイミングでやってるのよ…あの顔見なさいよ、あれは完全に面白がってる顔よ……」

 

 

 カチューシャにちょっかいを出したラブが姿を消したと思うと、今度はノンナのIS-2に襲い掛かり鮮やかな一撃離脱を決めていた。

 

 

「ダージリン様もすっかり頭に血が上ってるしなぁ…カチューシャ先輩は……いつも通りか……」

 

「そうでしょうか?いつもより大人しい気がしますよ?」

 

「クラーラさん……」

 

 

 面倒そうな顔のルクリリに比べ平然とした顔のクラーラは身も蓋もない事を言い、二人の先輩に対するあんまりな評価にみほはアワアワするのみだった。

 

 

「ま~なんにしても相手があの調子じゃまだ当分バレそうにないわね~」

 

 

 芝居っけたっぷりに大仰な仕草で肩を竦めるエリカだったが、それとは真逆に彼女の口調は棒読みのそれであった。

 しかし彼女の予想はこの後直ぐに、実に意外な形で外れる事になるのだった。

 

 

 

 

 

「いいねいいね、中々楽しい状況じゃない♪」

 

 

 飛び交う砲弾と爆発音、吹き出す炎と立ち昇る黒煙。

 

 

「あの煙突もぶっ倒してみたいけど、さすがに全弾撃ち尽くしても足りないわよね~」

 

 

 其処此処で繰り返される乱闘に喧嘩上等な厳島流の家元であるラブは、テンション爆上げで浮かれて襲撃を繰り返していた。

 

 

「あんなシロモノ倒してなんのメリットがあるのよ?」

 

「メリットて……あの煙突が倒れたら絵的に凄くない?瑠伽は夢がないなぁ~」

 

「子供か……」

 

 

 ラブの見た目からは想像も付かぬ子供っぽさを嫌という程知っている瑠伽は、隠す事なくはっきりと皮肉を口にするが、調子に乗っているラブの耳にそれは届いていなかった。

 

 

「お?千代美はっけ~ん♪まほも金魚のナントカ宜しくくっ付いてるわね~」

 

 

 次なる獲物を物色していたラブは、クワイエットのメイプル相手に交戦中のアンチョビとまほを見付けると、無線で晶を呼び出し指示を出し始めた。

 

 

「晶ちゃん聴こえる?次の獲物見付けたよ~♪」

 

『ええ、見えてます……ティーガー2両ですね?』

 

 

 ラブから晶の姿を視認する事は出来ないが、彼女もアンチョビとまほが交戦中である事を確認出来るポジションにいるらしく、ラブからの無線連絡に打てば響くで応えていた。

 

 

「さすがよく解ってるわね~♪それじゃお尻からいってビビらせてやろっか?まず私が千代美に仕掛けるからまほの方を宜しくね?」

 

『それじゃあ私はお二人が背にしている崩れかけた壁の裏で待機します』

 

「了解よ♪」

 

 

 晶からの応答内容にラブが満足気に頷けば、香子はそれに合わせたようにLove Gunを発進させ一気にトップスピードに乗せて行く。

 そしてメイプルに気を取られる二人の死角を突いて強襲を成功させたラブは、ドリフト状態からアンチョビのベルターの砲塔側面に強烈な一撃を見舞うと、そのままスピンするように背後の壁の影へと逃げ込んで行った。

 またしてもおちょくるような一撃をアンチョビが喰らった事で、いきり立ったまほが反撃を試みようとするが既にラブの姿は見えず、彼女はギリギリと歯軋りをしながら拳を砲塔に叩き付けた。

 その時まほが拳を砲塔に叩き付けた衝撃が伝わったかのように、まるで計ったかのようなタイミングでラブが飛び込み晶が隠れ蓑に使っていた壁がコントの一場面のように倒れてしまった。

 元々が流れ弾で吹き飛んだ建物の一部であり、なけなしの根性で建っていた壁だけにちょっとした衝撃で倒れる状態にあったのだろう。

 おそらくはLove Gunが駆け込み急停車した際の振動が止めとなり、力尽きてしまった壁はパタリとまほ達の方に向かって倒れ、逃げ込んだLove Gunと今まさに発進しようとしていた晶のパンターの姿を白日の下へと晒してしまったのだった。

 

 

『あ……』

 

 

 すれ違うような形で停車した2両のパンターG型、1両はラブの愛機Love Gunでありもう1両は晶が騎乗するエニグマの隊長車のはずであった。

 だが停車する2両の砲塔には笠女の校章である風に靡くZ旗と、Love Gunの象徴である深紅のハートを貫く徹甲弾のパーソナルマークが描かれていた。

 ご丁寧な事に晶のパンターには、Love Gunに搭載されている赤外線暗視装置のダミーが装着され、交戦中にパッと見では区別が付かない程Love Gunそっくりに仕立て上げられていた。

 そしてダメを押すようにコマンダーキューポラに収まる晶は、隊長仕様のAP-Girlsのパンツァージャケットに身を包み、ラブそっくりな深紅の髪色のウィッグまで付けていたのだ。

 普通なら考えはしてもまず実行しないであろうコスプレ作戦であったが、晶が身に着けるパンツァージャケットはホンモノな上にウィッグも高価そうな物に見え、パンターの擬装も相当に手の込んだ極めて高い完成度を誇っていた。

 完成度の高い擬装と完成度の高いコスプレ、そこに晶のラブをフルコピーした戦闘機動が加われば瞬間的に見破るのはまず不可能だろう。

 しかしだからといってあんぐり口を開けたまほとアンチョビに、上から下までマジマジと見られればさすがに気恥ずかしいらしく、晶は耳まで赤くして恥じらう素振りを見せた。

 

 

「えっと…その……」

 

『あ…に……に、ニセモノだぁ────っ!』

 

 

 モジモジする晶の可愛らしさに我に返ったまほとアンチョビであったが、やっとカラクリに気付いた二人は同時に晶を指差し声を限りに絶叫していた。

 

 

「バレたぁ──────っ!行くよ晶ちゃん!」

 

「あ……ハイっ!」

 

 

 まほとアンチョビの絶叫でラブも我に返ると晶を促し、いつものピンクスモークを焚いて二人を煙に巻き速攻でケツを捲っていた。

 

 

「バレたぁ──────っ!じゃねぇ!しょーもない手使いやがって!」

 

 

 あまりにも下らないながらも手間暇掛けた作戦にまんまと騙されたアンチョビは、その恥ずかしさと悔しさを誤魔化すように怒鳴ってはみたが、とっくにラブの姿はなく彼女の叫びは単なる負け犬の遠吠えにしか聞こえなかった。

 

 

「ウ~ム…やっぱりおっぱいが小さく見えたのは私の気のせいではなかったんだな……しかし古庄君も実によく化けたものだ、完全に騙されたよ……」

 

「あのな…今大事なのはソコじゃないから……」

 

 

 妙な処に感心するまほに脱力したアンチョビは、何とも言えぬ疲労感に見舞われ一瞬このまま帰ってしまおうかなどと考えてしまうのであった。

 

 

 

 

 

「そっち行ったぞ!」

 

「ちょいま…f●ckin'……ぎゃあ!」

 

 

 必死にLove Gunを追尾しながら狙いを定めようとするナオミを嘲笑うかのようにファイアフライに一撃お見舞いしたラブは、そのまま返す刀でケイの無印M4にも容赦ない一撃ぶち込み盛大に悲鳴を上げさせていた。

 そして入れ替わるように現れた晶のパンターが追い撃ちをかければ、サンダースの二人はヤンキー丸出しでFワードを喚き散らし醜態を晒すのだった。

 ラブのコスプレをした晶とLove Gunの擬装を施したパンターのカラクリはバレたものの、それで彼女達のコンビネーションプレイまで止められる訳ではなかった。

 実際戦闘中に不意を突かれれば瞬間的にラブか晶かを見抜くのは困難な上、中学時代までとはいえラブの戦闘機動をフルコピーしている晶の高い戦闘力は依然脅威である事に変わりはないのだ。

 とはいえ試合も佳境に入り乱戦模様となれば両軍共に脱落する車両も多数出始め、双方フラッグ車に対する攻勢は強まる一方であった。

 

 

「あっま~い♪とりゃっ!晶ちゃんお代わり宜しく~!」

 

「了解!」

 

 

 しかしそれでも余裕ぶちかましで暴れるラブと晶は留まる事を知らず、後手後手で対応する三年生連合に遂にその時がやって来た。

 ケイとナオミを手玉に取ったラブを追い込もうと画策したダージリンであったが、動きの遅いブラックプリンスでは素早い2両相手に全く歯が立たなかった。

 何しろ鈍重なブラックプリンス相手でも一切手を抜かないラブが高機動戦を仕掛けたのに加え、ダージリンの死角で素早く入れ替わった晶に釣られた結果、彼女は必殺の間合いに飛び込んだLove Gunに無防備なお尻を晒してしまったのだ。

 

 

「ちょ、ちょちょちょちょちょっとぉ!」

 

 

 砲塔の旋回が間に合うはずもなく既に勝敗は決したも同然だが、振り向いてワタワタと両手を振るダージリンは命根性汚くも未練がましい命乞いをするのだった。

 だがその程度の事でラブがダージリンに甘い顔をするはずもなく、情け容赦なく悪魔の笑みで彼女のお尻を力任せに蹴り上げていた。

 ドイツ戦車最強といっても過言ではない高い装甲貫徹力を誇る70口径75㎜砲が撃ち出した徹甲弾は、狙い違わずブラックプリンスの機関部を撃ち抜き一撃でその息の根を止め、命乞いも空しく討ち取られたダージリンは涙目でラブを睨み付けた。

 しかしそれこそがラブにとって一番のご褒美であり、してやったりと口角を吊り上げニンマリと微笑んだ彼女は得意の投げキスを残しダージリンの下から立ち去って行った。

 

 

「ったく使えないんだから!」

 

 

 無線がもたらしたブラックプリンスの撃破判定コールを耳にしたカチューシャは、つい先ほどまで口喧嘩をしていた事もあり怒りを隠そうともせずダージリンを罵っていた。

 

 

「ですがカチューシャ様、これでラブがいよいよ本気になった事ははっきりしました…正真正銘本物のLove Gunに乗っている以上今の彼女に隙はありません……くれぐれも油断しないで下さい」

 

「う…そ……それぐらい解ってるわよ!」

 

 

 ダージリンの敗退を知らせるコールを受けノンナはカチューシャに気を引き締めるよう注意喚起を行ったが、その間も彼女はキョロキョロと落ち着きなく周囲を見回しらしくない程に警戒していた。

 これはひとえに過去の経験あっての事であったが、今のラブに対してはそれでも足りないという事実にはさすがのノンナもまだ気付いてはいなかった。

 

 

『如何にLove Gunといえどもそう易々とKV-2の装甲は抜けないでしょう…ですが相手はあのラブ……彼女なら私達には想像も付かない手で仕掛けて来る可能性は高い……』

 

 

 悪い予感程よく当たる、ラブの襲撃の手口をアレコレ予想し始めたノンナはこの後直ぐに身を以ってそれを体験する事になるのだった。

 

 

 

 

 

「ふふふ~ん♪やっぱ悔しそうにしてる時がダージリンは一番可愛いわねぇ♡」

 

『この筋金入りのド変態が……』

 

 

 6連戦では僅かに及ばず倒す事が出来なかったブラックプリンスだが、今回こうして討ち取った事でLove Gunのメンバー達もそれなりの満足感は得ていた。

 しかしラブの些かというか相当に歪んだダージリンに対する愛情は受け入れ難いらしく、ハァハァする彼女に全員が蔑みの目を向けていた。

 

 

「さ~て♪次は誰と踊ろうかな~?」

 

 

 だが当のラブはそんな視線に気付く事なく、次なる獲物を求めて索敵を再開していた。

 

 

「…いた♪ん~やっぱあの可愛さは尊いわねぇ……♡」

 

 

 索敵を開始したラブの瞳にいい感じに危ない色の光が宿る。

 彼女の視線の先、異形の重戦車KV-2の砲塔上には、入れ代わり立ち代わり喰らい付いて来る新設校の一年生相手にキレるカチューシャの姿があった。

 その姿に欲情したラブは恍惚とした表情を浮かべると、遠慮なく熱い視線をカチューシャに注ぐ。

 そして絡み付くネットリとした視線に人生で嘗て経験した事のない寒気を感じたカチューシャは、ハッとして辺りを見回しラブが自分をロックオンしているのに気が付いた。

 だがこの時不幸にもラブと視線を合わせてしまったカチューシャは、蛇に睨まれたカエルかガチでロリな変質者に目を付けられた幼子のように凍り付く恐怖を味わう破目になったのであった。

 

 

『…これがオワタってヤツなの……?』

 

 

 恐怖のあまり遠のきそうになる意識の中、カチューシャはぼんやりとそんな事を考えていた。

 尚、この時のカチューシャの様子を直ぐ傍でつぶさに見ていたノンナは、ウソかホントか定かではないが『あれは間違いなくチビったはず』と近しい者達に後述したという事だった。

 

 

 




高速機動する相手のおっぱいのサイズ変化に気付くまほ。
野生恐るべしとはこの事かw

晶は一見恥ずかしそうにしているように見えて、
内心では憧れのラブのコスプレに絶対興奮してると思いますww

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。