ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

214 / 309
昨夜のSUGOIDEKAI子はよく揺れてましたw
ラブ達もあんな感じで揺れるんだろうけどサイズはもっとDEKAIというw


第七十八話   Giant killing

 男女の関係なく日本人の平均を軽く上回る高身長に加え、洋の東西を問わず規格外に成長した超弩級な胸のたわわな膨らみは、本人とっては結構なコンプレックスであったようだ。

 

 

 

 

 

「嗚呼、なんという可愛さなの…存在そのものが尊く奇跡だわ……」

 

 

 日本人離れ処か海外でも滅多にお目に掛かる事のない、抜群な破壊力を誇るプロポーション。

 その見る者を確実に暴走させるメリハリの効き過ぎたわがままボディの持ち主であるラブは、そんな彼女とは真逆の存在であるカチューシャの姿に危ない目付きで危ない事を呟いてる。

 自身のコンプレックスへの裏返しかはたまた純然たる嗜好の問題か、何時の頃からか彼女は小さくて可愛いものに対し過剰ともいえる愛情を抱くようになっていた。

 

 

「うふ…うふふ♡待っててねカチューシャ、今そこに行くから……」

 

 

 彼女が小さくて可愛いもの好きを拗らせた挙句、ロリ好きの危ないお姉さん化している事は近しい者達の間では周知の事実であった。

 だが彼女達に今一つ危機感がなかったのは、事この件に関してはラブの関心がカチューシャ一人に集中しているからに他ならなかった。

 しかし当事者であるカチューシャにしてみれば真正の変態はノンナ一人でも持て余し気味なのに、更に筋金入りのラブにまでオモチャにされるなどそれこそ願い下げな事態だった。

 

 

「ピィっ!」

 

 

 硝煙たなびく戦場の只中でその視線に気付いた瞬間、短く意味不明な悲鳴を上げたカチューシャは、不幸にも欲望にギラ付くラブの瞳に射竦められ身動き一つ出来なくなっていた。

 白昼の金縛りに意識が遠のく中ぼんやりとオワタなどと考えるカチューシャは、自分に向かってラブが突撃を開始した事にも気付いた様子がなかった。

 

 

「いけない!Love GunをKV-2に近付けてはなりません!」

 

 

 ヘビ(ラブ)に睨まれたカエル(カチューシャ)が固まって地蔵と化すと、カチューシャ愛の強すぎるノンナは即座に彼女の異変に気付き行動を起こしていた。

 そしてその原因がラブであると即座に見抜いたノンナがIS-2の操縦手に間に割って入るよう指示を出したが、極限までチューンされたマイバッハ製のHL230P30エンジンが叩き出すパワーにモノを言わせ、Love Gunは履帯から火花を散らしながらスネークダッシュでKV-2に突撃して行く。

 

 

「間に合わない……ならば!」

 

 

 Love Gunの高加速を前に今から動いても間に合わないと判断したノンナは素早い身のこなしで砲手席に滑り込むと、カチューシャ目掛けて突進して来るLove Gunをインターセプトすべく険しい目付きで照準を覗き込んだ。

 

 

「速い……」

 

 

 底冷えするような鋭いスナイパーの瞳が、襲い来る女豹を討ち取らんと狙いを定める。

 ラブとて既にノンナが迎撃態勢を取り自分に砲口を指向している事に気付いているはずだが、彼女には躊躇する気配は一切見られない。

 それ処か一層興奮した様子で頬を上気させた彼女が煩悩全開でエンジンに鞭を入れると、天井知らずなエンジンはそれに答えて猛々しい咆哮を上げLove Gunを更に加速させる。

 

 

「させませんよラブ……何!?」

 

 

 懸命に狙いを合わせたノンナが必殺の一撃を放たんとしたその時、それまで危ないお姉さんと化しカチューシャ只一点を目掛けて突進していたラブが不意にノンナに視線を移すと、何かを語り掛けながらハンドサインで上空を指差して見せた。

 

 

「そんな…いけません!…でも……」

 

 

 するとどうだろう、冷徹なスナイパーであるはずのノンナの瞳に逡巡の色が浮かび、主砲の発射体勢を取っていた彼女の肩がビクッと震えたと思うと、彼女は僅かな間とはいえまるで凍り付いたかのように身動き一つ出来なくなっていた。

 

 

「……えぇい!あなたという人は!」

 

 

 一瞬というには少し長い沈黙の後ノンナは漸く援護の為の一撃を放ったが、その狙いはノンナが撃ったとは思えない程に大きく逸れ彼女を良く知る者達を驚かせたのだった。

 

 

「ふふっ♪ノンナも何だかんだで自分に正直ね……でもそれはとても良い事だと思うわ♡」

 

『このおっぱいマジ最低……』

 

 

 高加速でKV-2との距離を詰める間も上機嫌で意味不明な事を嘯くラブであったが、Love Gunのメンバーは漏れなく彼女に軽蔑の視線を突き付けていた。

 しかしそれでも彼女達はラブのやる事に逆らったり手を抜く事は全くなく、Love Gunは他の車両からも浴びせられる砲撃を軽々と見切って躱しながらKV-2目掛けて突進を続けるのだった。

 

 

「気のせいかな……?なんか厳島さんの雰囲気がウチ(大洗)の元会長に迫った時と似てる気がするんだけどな~」

 

「気のせい……じゃねぇ!あの変態カチューシャをおもちゃにする気満々じゃないか!」

 

 

 まほとアンチョビと行動を共にしていたレオポンチームだったが、カチューシャ目掛けて危ない変質者のオーラを撒き散らし突っ走るラブの姿にナカジマはデジャヴを覚えていた。

 相変わらず何事にも動じない飄々とした口調のナカジマであったが、追い詰められつつあるカチューシャの状況は呑気な事を言っていられない程切迫していたのであった。

 アンチョビは思わず頭を抱えたが彼女達も現在風林火山と交戦中であり、カチューシャに救援を割くような余裕はなかったのだ。

 8両のクロムウェルからなる風林火山はその機動力の高さを活かした高速機動戦闘を得意としており、ティーガーを中心に構成された三年生連合の主力部隊には火力面は別にして相性のいい相手とは言い難く、そう易々と退ける事が出来る相手ではなかった。

 

 

「よし今だ!車懸りの陣!」

 

 

 隊長の真奈の下知に従い一列縦隊となった風林火山は、渦を描くような円運動から怒涛の連続攻撃を開始する。

 

 

「ちょっと待てぇ!オマエんトコの旗印は武田菱だろうがぁ!」

 

「ウチは甲斐と越後のハイブリッドだぁ!」

 

 

 甲斐武田氏の家紋である処の武田菱を押し戴く風林火山が、突然ライバルの上杉の十八番である車懸りの陣による攻撃を開始すると、盛大にズッコケたアンチョビが速攻でツッコミを入れていた。

 しかし海なし県である山梨は甲府に拠点を置く武田菱は、アンチョビが所属し栃木を本籍地とするアンツィオと同様に学園艦の母港を他県に間借りせねばならなかった。

 その武田菱が開校前に母港を選定する際の事、これまで地元を母港とする学園艦が皆無であった新潟が名乗りを上げ双方の利害関係が一致した結果、敵に塩を送るという武田と上杉の故事を引き合いに出し甲斐と越後のタッグが実現し、両県が大いに盛り上がるという経緯があったのだ。

 

 

「フム…成程、中々興味深い話だ……」

 

「にしずみぃ!オマエも妙な処で感心するなぁ!」

 

 

 訳の解らん事を言う真奈とそれに感心するまほにアンチョビがキレる間に、Love Gunは一気にKV-2の目と鼻の先まで接近していた。

 

 

「あの目はあかんヤツや……」

 

 

 互いの細かな表情が識別出来る処まで彼我の距離が縮まると、いよいよ欲望に溺れ狂気をはらんでギラ付くラブの瞳まで確認する事が出来た。

 そんな瞳に射竦められてしまったカチューシャは、完全に変態にロックオンされた事を覚り絶望的な表情で天を見上げ諦めモードで力なく呟くのだった。

 

 

「さぁカチューシャ♪私にあなたの可愛いダンスステップを見せて頂戴!」

 

 

 砲口をカチューシャが騎乗するKV-2に定めたラブは歌うような口調で高らかにそう叫ぶと、まるでダンスに誘うかのようにお手をどうぞと大仰にポーズを取って見せた。

 一見すると幼女をたぶらかす大女という倒錯し切った危ない図式は、自然と周囲の視線を集めそれ以外への注意力は疎かになる。

 それこそがラブの狙いであり、その状況を作り出す為に彼女は率先して自ら囮となる。

 ここで三年生連合が気を付けねばならない相手、戦車共々ラブに変装し彼女の企てたニセモノ作戦の片棒を担いだ晶は、目立つラブが派手に動いた結果完全にノーマークになっていた。

 ラブが派手に立ち回る陰で巧みにカチューシャとノンナの死角に回り込んだ晶は、彼女達がラブに踊らされ隙だらけとなった後背を突き強烈な一撃をKV-2の砲塔に叩き込むのだった。

 

 

「あっはっはっは!見事よ晶ちゃん♪」

 

 

 何が起きたか直ぐには理解出来ずカチューシャが呆然としているうちに、ラブと晶は休む間を与えずフォーメーションを組み派手な戦闘機動で再びKV-2に迫りつつあった。

 だがこの完璧な騙し討ちの一撃を喰らった事で漸く覚醒したカチューシャは、小さな暴君らしくラブに指を突き付け癇癪を起して喚き散らしていた。

 

 

「ふ、ふざけんじゃないわよ!こんなセコい手でこのカーベーたんを倒せると本気で思ってんの!?纏めて刻んでボルシチの出汁にしてやるから覚悟しときなさいよね!」

 

 

 怒りに任せ吠えるカチューシャであったが、残念ながらそれこそがラブが待ち望んでいたものであり、彼女はスッと目を細めるとキュっと口角を吊り上げ、見た者がゾクッとするような女狐の微笑を浮かべて見せるのだった。

 

 

「…いいわカチューシャ……今日一番の可愛さよ♡」

 

「ヒッ!?」

 

 

 ブチギレて啖呵を切ったはいいが返って来た反応は彼女の予想と大きくかけ離れ、女狐の妖艶さと迫力に屈したカチューシャはまたしても短く悲鳴を上げてしまうのであった。

 

 

「な、何よ見てらっしゃい!ちょっとノンナ!さっきからナニぼ~っとしてんのよ!?さっさと援護しなさいよね!」

 

「は、はい…カチューシャ様……」

 

 

 最初の一撃を放って以降音なしの構えで沈黙を守っていたノンナであったが、カチューシャの叱責を受けた事で漸く呪縛から解放されたように動き始めた。

 だがその後もノンナの戦いぶりは精彩を欠き、大学選抜戦の時のように献身的な働きは見られず、身を挺してカチューシャの為に盾となり矛となる事はなかった。

 キレるカチューシャと積極性に欠けるノンナ、バランスの取れぬ二人はロクな連携も取れぬまま縦横無尽に駆け回るラブと晶にズルズルと引っ張られ翻弄され続けている。

 カラクリがバレたとはいえラブのコスプレをした晶と、凝った擬装を施されたLove Gunレプリカの組み合わせを瞬間的にオリジナルと見極めるのは実質不可能であった。

 この事をよく理解しているラブは狡猾にその状況を利用し、晶と巧みに入れ替わりながらトリッキーな機動で攻撃を続けていた。

 

 

「恋!」

 

「来たわね!ジャイアントキリング行くわよ!あなた達も手伝って頂戴!」

 

 

ここまで別行動で暴れ回っていたAP-Girlsであったが、本腰を入れてKV-2を倒しにかかったラブに呼び戻されると、副長である愛を先頭に寸部の隙もない一列縦隊で彼女の下へと戻って来た。

 

 

「それでどうするって!?」

 

「私と晶ちゃんでお膳立てするから、あなた達はカーベーたんの後頭部に蹴りを入れる準備をしておいて頂戴!」

 

「了解よ!」

 

 

 KV-2攻略の段取りを問う鈴鹿にラブは何とも大雑把な指示を出したが、彼女達にはそれで話が通じるらしくAP-Girlsは早々に作戦の準備に取り掛かっていた。

 

 

「チョロチョロと鬱陶しいのよ!」

 

 

 キレるカチューシャを更に挑発するように、KV-2の周囲を2両のLove Gunが走り回る。

 しかもラブと晶が頻繁にポジションを入れ替える為に、カチューシャも中々ラブに狙いを定める事が出来ず彼女のイライラは募る一方であった。

 それに加えてノンナの援護もイマイチな上に、展開中の味方も新設校連合の妨害を受け支援は期待出来ず、カチューシャは単騎でラブと晶の相手をせざるを得なかった。

 だがどんくさいKV-2ではLove Gunだけでも手一杯なのに、相当にレベルの高いチューンを施された晶のパンターまで相手にするとなると反撃処ではなく一方的に振り回されるだけだった。

 

 

「次弾装填急いで!」

 

 

 かなり先を見越した進路予測の下にカチューシャは砲撃を行ったが、撃ち出された大口径の榴弾はLove Gunの残像をすり抜け遥か後方の燃料備蓄タンクの風通しを良くしただけであった。

 古参の手練れ二人であっても超ヘビー級の分離装薬式の砲弾の装填には時間が掛かり、カチューシャはギリギリと歯軋りしながら駆け回るラブと晶を睨み付ける事しか出来ない。

 そして先程からラブと晶がKV-2の左側面に攻撃を集中させ始めた事も彼女を一層苛立たせ、カチューシャの視野は自分でも気付かぬうちにどんどん狭められていた。

 

 

「履帯か転輪でも潰すつもり!?させないわよ!」

 

 

 砲塔を左に旋回させた状態でカチューシャは反撃を続けるが、ラブはそれさえ嘲笑うかのように晶と入れ替わりながらKV-2の左側面を執拗に付け狙う。

 

 

「うん、あそこがいいわ…カチューシャもすっかり頭に血が上ってるし……」

 

 

 じっくりと手間暇かけてカチューシャの注意力を削いだラブは、頃合いやよしと見るや口元だけでニンマリとほくそ笑み、晶とAP-Girlsに向け軽い目配せでトラップ発動の指示を出した。

 敢えて狙い易いようにラブはLove GunをKV-2と並走させるが、実際には徐々に進路を変えカチューシャをトラップを仕掛けるポイントに向け誘導していた。

 

 

「ヨシかかった!」

 

 

 やがてLove Gunと並走するKV-2が瓦礫で出来た小山に到達すると、ラブは操縦手の香子に指示を出し、Love Gunは鮮やかな90度の直角ターンを決めると、KV-2に背を向けそのまま一直線に走り去ろうと加速を開始していた。

 

 

「な!?待ちなさいよ!」

 

 

 慌てて発砲したカチューシャであったがその狙いは正確さに欠き、20口径152mmの榴弾はLove Gunに届く事なくラブの背中を覆い隠すように爆炎を上げるのみだった。

 

 

「チッ!次弾装填……えっ!?」

 

 

 追い打ちをかけようと次弾の装填を急がせるカチューシャだったが、爆炎が晴れた先にいつの間にか180度ターンを決めたLove Gunがこちらに砲口を突き付けているのを見て愕然としていた。

 

 

「い、いつの間に……きゃっ!」

 

 

 しかしその隙を逃さずLove GunがKV-2目掛けて砲撃を開始すると、高い射速で撃ち出された徹甲弾がKV-2の砲塔を正面から叩き強烈な衝撃にカチューシャは短く悲鳴を上げたのであった。

 だがLove Gunからの砲撃はそれだけで終わる事なく、二発三発と立て続けに撃ち込まれる徹甲弾にカチューシャは翻弄され反撃する暇を与えられなかった。

 

 

「ちょ…いい加減に……!」

 

 

 怒涛の連続攻撃を前に歯を食いしばる事しか出来ないカチューシャは、何とか反撃に転じる隙を窺うが腕を組み不敵にこちらを見据えるラブにそんなものはありはしなかった。

 そして目の前のラブに全ての意識を集中させるカチューシャは、背後への警戒が疎かになり今の彼女の背中は全くの無防備と言っていい状態にあった。

 

 

「撃て!」

 

「え…?ナニ……きゃあ!」

 

 

 連続攻撃の合間に少しでも反撃すべく装填を急がせたカチューシャであったが、突如意識の外にあった背後からの攻撃命令に驚いて振り向くと、そこにはいつの間にか4両のⅢ号J型の姿があった。

 彼女が驚愕の表情を浮かべると同時に、瓦礫の小山に上りかけた所で停車していたKV-2の砲塔に四発の徹甲弾が同時弾着で襲い掛かった。

 グラリ、そんな表現がぴったりな速度で不安定な傾斜地で砲塔を横に振ったKV-2は、ゆっくりと傾きそのまま砲身を地面に突き立て横転した。

 そして横転した事で丸見えになったKV-2の機関部に向け、今まで徹甲弾を連射していたLove Gunの背後に現れたもう1両のLove Gunが主砲の砲口を突き付けていた。

 

 

「そ、そんな……」

 

 

 必死で身体を支えるカチューシャは、その時になって漸く連射を加えて来ていたのが晶であった事に気付いたが、時既に遅く彼女の試合はここで終わりを迎えるのだった。

 

 

Спокойной ночи(スパコィナイノーチェ)……カチューシャ♪」

 

 

 見る者をドキリとさせる絶頂を迎えたように陶然とした表情のラブは、カチューシャに向けてロシア語でおやすみを告げると、次いで砲手の瑠伽に主砲の発射命令を下していた。

 目も眩むような火球を突き抜け飛び出した徹甲弾は、刹那の飛翔を終えると狙い違わずKV-2の心臓を貫き、さしもの街道上の怪物も遂に息絶え力なく白旗を風に靡かせるのだった。

 

 

 

 

 

『三年生連合、KV-2走行不能!』

 

 

 審判長である亜美によるKV-2の撃破判定コールに続き、観戦エリアには全方位から撮影された撃破の瞬間の映像がいくつもの分割画面で繰り返し流されている。

 

 

「何コレ…普通ここまで画面分割する……?」

 

「いや…何と言うか無駄に空撮ドローンの数が多いような……」

 

「う~ん…確かに凄い場面だとは思いますけど……」

 

「カチューシャさん泣いてるんじゃ……」

 

 

 観戦エリアでは後輩達もKV-2が倒された瞬間には騒然となったが、その後のリプレイの異常さに今度は別の意味でざわついていた。

 確かに通常でも複数のドローンが投入され大将同士の一騎打ちともなればその台数も増えるが、たった今ラブが街道上の怪物を討ち取った瞬間に投じられたドローンの数は尋常ではなく、この試合の為に用意された物が全て集められたのではと疑う程の数であった。

 

 

「多分だけど──」

 

「待てエリカ、皆まで言わなくていい…恐らくみんな解ってるはずだから……」

 

 

 言いたくなさそうな顔でエリカが自分の予想を口にしかけると、似たような渋い顔のルクリリがそれを制し、周りにいる者達も無言で頷き彼女の言う事を肯定して見せた。

 

 

『大体あのおっぱい(ラブ)の差し金……』

 

 

 小さくて可愛いものが好きというラブの変態属性をよく知る後輩達は、大量投入したドローンが涙目のカチューシャを集中的に撮影する事で朧気ながらも何が起こっているかを見抜いていた。

 

 

『カチューシャ様……』

 

 

 黒煙を上げ屍を晒すKV-2の中継映像が大量に分割表示される中、分割画面の片隅に映るノンナは顔面蒼白で俯き力なく何やら呟いているように見える。

 ラブのカーベーたん攻略が始まって以降、いっそ怠慢と言える程に彼女のカチューシャの援護は積極性を欠き、結果的にラブのいいようにやられカチューシャは討ち取られたと言ってもいいだろう。

 らしくない行動を重ね挙句大きく肩を落とすノンナの姿は、彼女の人となりをよく知る後輩達の目にも印象的に映るようであった。

 

 

 




副題は本来ならジャイアントバスターとか、
或いはスレイヤーの方が正しい気もしますが雰囲気重視で決めました。

今回作中で風林火山が車懸りの陣をしかける場面がありましたが、
これは読者の方から頂いた感想を拝読した際に思い付いたものであります。
ほぼ瞬間的に使う処まで思い付いていたので、やっと書く事が出来てホッとしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。